■日本のクリエイティブシーンを牽引し続ける奥山由之、デビューから12年間に渡る初のクライアントワーク集『BEST BEFORE』
写真家・映像監督の奥山由之がデビューから12年間に渡り手掛けてきた数々のクライアントワークを1冊にまとめた写真集『BEST BEFORE』が刊行される。
刊行は2022年2月上旬。その一般発売に先駆けて2022年1月23日から代官山蔦屋書店店頭にて先行発売される。
2010年のデビュー以来、数々の写真集や展覧会で精力的に作品を発表し続け、写真新世紀優秀賞や講談社出版文化賞を受賞。近年では、話題のMVやTVCMを数多く監督し、まさに現在のクリエイティブシーンを牽引している奥山由之。
本書は、奥山が作品制作と並行してこれまでに撮影してきた“クライアントワーク”に焦点を絞り、デビューから現在に至るまでの12年分の仕事を1冊にまとめた、自身初のクライアントワーク集で、奥山自らが収録作品をセレクト、作品総数400点以上、500ページを超える大作となっている。
『BEST BEFORE』は“賞味期限”を意味し、本書に収録された作品の輝きが永遠に色褪せないことを証明するため、逆説的に名付けられた。
米津玄師、星野源、Mr.Children、RADWIMPS、あいみょん、福山雅治、サカナクションといったアーティストとのコラボレーション、ポカリスエット、JRSKISKI、NTTドコモなどの広告写真、大河ドラマ『麒麟がくる』のメインビジュアル、『VOGUE US』など世界的な雑誌をはじめ『GINZA』『SWITCH』『花椿』といったエディトリアルワークに加え、広瀬すず、菅田将暉、平手友梨奈、小松菜奈、本田 翼といった時代を象徴するアイコンたちのポートレートなど、その仕事の質と量に圧倒される。
クライアントや被写体と真摯に向き合い、じっくりと丁寧に関係性を築き上げ、極限までアイデアを考え抜き、試行錯誤の検証を繰り返した先に辿り着いた、まさに結晶のような写真群は、クライアントワークではありながら「広告的なもの」「商業的なもの」とは明らかに一線を画し、“写真表現”として語りかけてくる強さや個性がある。また奥山の表現は、色味や質感といった表面的な統一感がなく、まるで子どもが遊び散らかした部屋さながらの混沌、パワフルさ、無邪気な情熱に満ち溢れている。
多重露光、エマルジョン・リフト、スローシンクロ、コラージュ、複写、感光……などといった緻密に計算された実験的な手法によって生み出された作品から、瞬発力を活かして決定的瞬間を切り取ったドキュメント写真まで、ジャンルを超えて作品ごとに更新されるそのスタイルは、一回一回の撮影を徹底的に突き詰める奥山だからこそ成せる業といえる。
多岐に渡りインパクトを残し続ける奥山の仕事。そこに太く貫かれた「奥山らしさ」とは一体なんなのか。読者は、ページを捲るごとに、個性的でユーモア溢れる奥山の世界観に惹き込まれ、圧倒的な視覚体験をすることになるだろう。
書籍情報
『BEST BEFORE』
一般発売:2022年2月上旬
代官山 蔦屋書店店頭にて先行発売:2022年1月23日
※各オンラインストアで著者サイン本の予約受付中(~2022年1月31日(月)24時まで)
(代官山 蔦屋書店オンライン、紀伊國屋書店ウェブストア、honto、青幻舎ECサイト)
著者:奥山由之
アートディレクション:平林奈緒美
寄稿:伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)/河尻亨一(編集者)
定価:本体8,000円+税
出版社:青幻舎