■中島美嘉、圧巻のステージに観客も感涙!
デビュー20周年を迎えた中島美嘉が、デビュー記念日にあたる11月7日・8日にブルーノート東京で『MIKA NAKASHIMA LIVE at BLUE NOTE TOKYO』を開催した。
昨年10月に9thアルバム『JOKER』を発表。春から夏にかけて全国ツアー『MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2021 JOKER』を行い、10月にはシングル「SYMPHONIA / 知りたいこと、知りたくないこと」をリリース。さらに『THE FIRST TAKE』で披露した名曲「雪の華」が大きな反響を呼ぶなど、精力的な活動を続けている中島美嘉。
キャリア初のブルーノート東京公演でも彼女は、深みを増したボーカルを披露し、会場に足を運んだ観客と配信の視聴者を魅了した。
バンドメンバー(河野伸/Key、馬谷勇/Gu、海老沼崇史/Ba、山本真央樹/Ds)に続いて、鮮やかな赤のドレス姿で登場した中島美嘉は、深々とお辞儀をし、最初の楽曲「Amazing Grace」をゆったりと紡ぎ始めた。
祈りにも似た美しいボーカルが響き渡り、オーディエンスは一瞬で彼女の歌の世界に誘われる。「最後まで、心を込めて歌わせていただきます。楽しんでいただけたらうれしいです」という挨拶を挟み、「WILL」「ORION」と初期のバラード2曲を披露。星空を想起させる映像、壮大にして繊細な歌声が共鳴し、豊かな音楽世界へと結びつけた。
ここからは、彼女の奥深い音楽性を実感できる場面が続いた。アコースティックジャズの質感を注ぎ込んだアレンジで披露されたのは、「aroma」。愛を失った女性の姿を生々しく描き出す歌の表現も絶品だ。さらにクラシカルな雰囲気をたたえた「SYMPHONIA」では、観客に手拍子を要求。ドラマチックに展開するメロディとともに、心地よい一体感を生み出した。一人ひとりと笑顔で目を合わせる姿も印象的だ。
中島自身がリスペクトしてやまない加藤ミリヤの「愛が降る」をカバーしたあとは、20年のキャリアのなかで生み出してきた名曲が続いた。20年ぶりに秋元 康(作詞)とタッグを組んだ「知りたいこと、知りたくないこと」では、“今だけがあればいい/過去も未来もいらない”というフレーズを情熱的に解き放つ。そして、「僕が死のうと思ったのは」では、絶望と葛藤を抱えながら、それでも生きていこうとする“僕”の姿を描いたシリアス歌詞に強いエモーションを与える。観客の一人ひとりに歌を手渡すようなボーカリゼーションも強烈。それはまさに「どんなときも1曲1曲、言葉を大切にしてお届けします」という言葉どおりのパフォーマンスだった。
本編のラストは、「雪の華」。今や日本を代表するウィンターバラードだ。ライブでも何度となく聴いているのだが、この夜も彼女は、奥深い感情表現とともに“この日、この場所”にしかない感動を生み出してみせた。
アンコールの1曲目は、「皆さんが少しでも優しい気持ちになれるように」という言葉とともに届けられた「THE ROSE」。「皆さんと出会えて、この場所で歌えたこと、絶対に忘れません」と涙をにじませながら挨拶した中島が最後に歌ったのは、2001年11月7日にリリースされたデビュー曲「STARS」。20年の時を経ても、まったく色褪せることがない名曲を全身全霊で歌い上げ、観客はスタンティングオベーションで拍手を送った。
12月22日にアコースティックカバーアルバム『MESSAGE ~Piano & Voice~』をリリース。年明け2月11日からは千葉・成田市文化芸術センター スカイタウンホールを皮切りに全5公演の『Mika Nakashima Premium Live Tour 2022』を行う中島美嘉。初のブルーノート東京公演で響かせた慈愛に溢れた歌声は、20周年のアニバーサリーをきっかけにして、さらに幅広い音楽ファンを魅了することになりそうだ。
TEXT BY 森朋之
PHOTO BY 佐藤 拓央
リリース情報
2021.10.27 ON SALE
SINGLE「SYMPHONIA / 知りたいこと、知りたくないこと」
2021.12.22 ON SALE
ALBUM『MESSAGE ~Piano & Voice~ Recording Documentary』
中島美嘉 OFFICIAL Twitter
https://twitter.com/nakashima_mika_?lang=ja
中島美嘉 OFFICIAL SITE
http://www.mikanakashima.com/