■映画『ひらいて』の公開記念舞台挨拶にメインキャストの山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、首藤凜監督が登壇!
芥川賞作家・綿矢りさの原作を実写映画化した『ひらいて』の公開記念舞台挨拶が、本日10月23日に東京・新宿ピカデリーにて開催され、主演の山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 、芋生悠、首藤凜監督が登壇した。
全国62劇場の映画館で生中継された本日の舞台挨拶。主人公の愛を演じた山田が「本日はお越しいただきありがとうございます。映画はいかがだったでしょうか?」と満席の会場のお客さんへ呼びかけると、大きな拍手が贈られた。
続いて、愛に激しく恋焦がれられるたとえ役を演じた作間は「映画をご覧になって、おそらく中身にいたたとえ君と全然違う自分だと思うんですが、ここに立っているのはジャニーズ事務所からきました作間龍斗です(笑)。今日はよろしくお願いします!」と笑顔で挨拶。
たとえの秘密の恋人・美雪役を演じた芋生は「昨日初日を迎えて、今日もこんなにたくさんのお客さんが入ってくださってうれしく思います」と語り、首藤監督は「観ていただく前だと気負わずに話せるのですが、観ていただいたあとだと全部さらしてしまったというか、劇中の愛じゃないですけど全部服を脱いでからまた着て出てきたような不思議な気持ちで立たせていただいています(笑)」と笑顔で挨拶した。
「この作品を撮るために映画監督になった」と公言している首藤監督だが、ついに公開を迎え、「原作を読んだのが17歳の時で今は26歳になっていて、当時恋愛というのは好きな人に好かれることという価値観のなかで生きてきたんですけど、3人のとてもいびつな三角関係に出会って感銘を受けた作品を、こうして観ていただけてとてもうれしいです」と明かした。首藤監督は「自分にとっては救われた作品」とも以前語っていたが、「それぞれの不思議な関係というのが人生でいろんなことが起きる前だったので、いつか自分にもこういうことが起こるかもしれないという予感のような感覚を受けて…本当に今日まで生きてこられた理由のひとつだと思っています」と感慨深げ。
非常に難しい役となった主人公の愛だが、演じた山田は「私自身、愛というキャラクターをなかなか理解できない部分もあったんですけど、ただ愛のパワーの強さみたいなのはすごい面白いなとお芝居していました」と撮影を回顧。さらに愛に対しては「羨ましい部分はあります。あそこまで思いきって行動できたらなとか、ごみ箱を投げるシーンとかすごい楽しくて(笑)。私は絶対投げられないから、ごみ箱をあのように投げる人とか面白いなって思ったり、羨ましくもありつつつ、でも近くにいてほしくないなとも思いつつ、映画のなかで愛は人間臭くて、素敵なキャラクターだなと思いました」と心境を語った。
そして、寡黙なたとえ役を演じた作間は「僕自身、第一印象はたとえ君みたいなクールな寡黙な感じだと思ったんだけど、しゃべってみるとぶっ飛んでるねと言っていただくことが多かったので、中身の作間を封印して、佇まいだけの作間で挑んでいました」と役作りについて語った。
また、オーディションで決まった美雪役の芋生は「美雪という役を私ができるかという不安があったのですが、監督が選んでくださって、それに応えられたらいいなというのがまずあって、うれしさと同時に不安もありつつ。美雪はミステリアスで透明感があってという印象だったんですけど、やっていくなかで美雪の人間味が増していってどんどん好きになりました」と述懐した。
まさに正反対のふたりに愛されるたとえだが、作間自身、「すごいところにたとえ君は立っていますよね。僕自身たとえ君がそんな状況にいるのも羨ましいですけど、まぁちょっと大変そうですが…ふたりと接するときは全然違う人になっているんだろうなと感じながらやりました」と語り、愛に対してかなりきつい言葉を言い放つたとえについては「なかなか苦しかったですね。普段はあんまりしゃべらないが、本当に伝えなきゃだめだなっていうときに結構エグい『貧しい笑顔だね』に始まり…あそこは作間自身も結構苦しみながらやっていました」と告白。その部分だけは作間から監督にセリフの変更の提案があったといい、「あの言葉が結構苦しくて…言っている僕自身泣きそうになってきたので『さすがにちょっとだけ変えてみてもいいですか?』と提案させていただきました」と当時を振り返った。
愛と美雪の関係も複雑だが、芋生は美雪について「愛を哀れむことはしたくないというか、哀れみというよりいちばん近くに愛がいたし、いちばん近くで愛と触れ合っていたから私が愛ちゃんのことをいちばんわかっているという愛情だと思う。いちばん深い愛を愛ちゃんに対して持っているなと」感じたと語る。そんな芋生については、作間も「本当に優しい雰囲気を現場中にばらまきまくっていて、美雪がいる現場の日は、こういう感じ(笑)。ふわふわーっとした感じで、本当に助かっていましたね。忙しいスケジュールだったので、芋生さんの存在はすごく助かりましたね!」と現場の癒やしだったと語った。
また、山田について首藤監督は「山田さんは最初から愛のことがわからないというところで苦しんでらっしゃいましたし、直接ぶつかることはなくても、静かに駆け引きみたいな闘っている感じだったんですけど、途中からわからないことを受け入れてくれたような気がして、そこからはわからないままやっているというのがモニターを観ていてもこんな顔なんだとか、新しい表情が見られてうれしかったです」と語った。
いっぽう作間は、本読みのときに首藤監督に、地味な高校生ということで猫背で意識して歩いてみてと言われたといい、「そこから私生活を猫背にして過ごしてみたんですけど、今見事に猫背になったんですよ(笑)。完璧な猫背で、最近もう首とか痛めるくらいの猫背になってたんですけど」と会場を笑わせた。
さらに芋生について首藤監督が「私が原作の美雪がすごく大好きで、自分の憧れの好きな女の子という枠に当てはめてしまうのがすごく恐かったんですけど、芋生さんとお会いしてから具体的に見えてきて。芋生さんは本当に演じることにストイックで素敵な女優さんなので、一つひとつの衣装選びから髪型選びまで、細かくディテールを美雪として膨らませて相談していくという時間があって、とても頼りにしている存在でした」と語ると、芋生も「首藤さんとはすごく姉妹みたいで距離感が近くて。美雪って愛ちゃんのことを考えている時間が長くて、現場に入ると自分のことをあまり考えていなくて、監督も私もずっと愛ちゃんのこと考えていました」と話した。
芋生は山田との共演は、今作が3回目。「信頼関係があって、ふたりで向き合っている時間というのは本当に嘘がなくて。全力でぶつけてくれるから、それがうれしかったし幸せでした」と振り返る芋生。また、「現場自体はずっと愛が大変という感じでしたよね」と首藤監督が語ると、山田も「愛が本当に大変過ぎて…」と吐露し、監督が「よく演じ切っていただいて、うれしいです」と心からの言葉で伝えると、山田も「ありがとうございます」と安堵の笑顔を見せていた。
最後には、芋生が「いろんな人たちが観てくれて、皆さんの感想があると思うんですけど、自分のことが好きになれなくて迷っている人とかに観てもらって、自分のことを肯定してもらいたいし、大丈夫だよって伝えられるような作品になっています。いろんな方に勧めていただきたいなと思います」とメッセージを贈り、作間も「作品としていろんなものをもらえる、人生がまたひとつ豊かになる作品なので、たくさんの方に観ていただけたら」と呼びかけた。
そして山田は「昨日公開になって、すごくエゴサしているんですよ(笑)。すごく思い入れのある作品になっていて、闘った記録みたいなものを一人ひとりが感じていただけたらすごく幸せだと思います」と語り、首藤監督が「映画をご覧になっていろんな気持ちになった方がいらっしゃると思うんですけど、私が原作を読んだときに、愛、たとえ、美雪の3人に出会えてうれしかったんですが、今回3人に出会いなおすことができて、本当によかったなと今思っています。映画を観て、いろんな想いを持っていただけたら幸いです」と笑顔で締めくくった。
映画『ひらいて』は大ヒット上映中。
映画情報
『ひらいて』
10月22日(金)全国ロードショー
出演:山田杏奈 作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 芋生悠 山本浩司 河井青葉 木下あかり 板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本・編集:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎
主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作:「ひらいて」製作委員会 配給:ショウゲート
PG -12
(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
映画『ひらいて』作品サイト
hiraite-movie.com