■“衣・食・住+ 遊(アートや音楽)”をテーマにした入場無料のイベント! 2日目には大きな虹も!
マーケット&ミュージックイベント『PARK LIFE 2021』が、10月16日・17日に福島県福島市のあづま総合運動公園で初開催された。
このイベントは、“衣・食・住+遊(アートや音楽)”をテーマにした入場無料のイベント。吾妻小富士を望む自然豊かなロケーションで、福島の食、多彩な音楽を楽しむことができる。会場は、木材を利用した店舗装飾と、秋色に色づきかけた自然と、夕方以降はそれらを優しく照らすライトアップの装飾が溶け込み、美しい空間演出を施していた。
※今年は感染症対策を徹底しながら福島県民向けのイベントとして開催。
※メイン写真はCHAI
■10月16日
記念すべき最初のアーティストは、メンバー全員が19歳の4人組バンド、chilldspot。Spotifyによる『RADAR:Early Noise 2021』、YouTube Musicの『Foundry』と様々なプログラムに選出された注目のアーティストだ。代表曲「Groovynight」をはじめとした、ジャジーな楽曲で心地よいグルーブを生んだ。
続いて、片平里菜+ASA-CHANGが登場。片平は福島市、ASA-CHANGはいわき市とともに福島県出身のユニットだ。郷土愛溢れる片平の「Come Back Home」、ASA-CHANGが東京スカパラダイスオーケストラ時代に制作に携わった小泉今日子のカバー「丘を越えて」、大切な人たちへの感謝の気持ちを歌った片平の「オレンジ」の3曲を歌唱。ライブの途中には、フェスの理念に賛同し、運営サポートをしているみんな電力の平井有太とのトークセッションも行われ、好きな電力を選ぶ社会についてが語られた。
DATSは昨年リリースのアルバム『School』を中心としたセットリストを展開。爽やかなダンスミュージックで初めての福島の会場を横ノリで揺らしていく。また、MONJOE(Vo、Syn)が「面白いことをやっていく」と宣言し、ループステーションに4人が思い思いにサウンドを重ねていったり、ドラムを全員で叩くパーカッションセッションをしたりと、ユニークな試みを実施。この日が初披露の新曲「Into」もいち早くパフォーマンスされた。
ピアノトリオバンドのOmoinotakeは、藤井怜央(Vo、Key)の伸びやかなボーカルと流麗なバンドサウンドが印象的な「彼方」で会場の心をガッチリと掴む。80’sテイストの「プリクエル」からは、ところどころでサポートメンバーの柳橋玲奈(Sax)が参加した。「大自然に響かせる選りすぐりの楽曲」と紹介し、ムーディな「欠伸」、降りしきる雨が楽曲の世界観とマッチした「モラトリアム」をパフォーマンス。藤井が「地域を愛する方が開催するフェスの姿勢に感化されます」と思いを語り、ラストはメジャーデビュー曲「EVERBLUE」を高らかに歌い上げた。
ミツメは「disco」でライブを開始すると、「なめらかな日々」「天気予報」といった楽曲をコンスタントに披露。川辺素(Vo、Gu)の浮遊感のあるボーカルとミニマルミュージックが会場に響きわたる。中盤では、今年リリースのアルバム『VI』から「リピート」「変身」「フィクション」を演奏。ラストは代表曲「煙突」で、ドリーミーなバンドサウンドを届けた。
初日のトリを務めたのは、くるり。1曲目から「コンチネンタル」で強靭なバンドアンサンブルを叩きつける。「花の水鉄砲」「琥珀色の街 上海蟹の朝」でゆったりかつソリッドな演奏を見せたあとは、最新アルバム『天才の愛』から「watituti」「益荒男さん」、ドラマチックな展開の「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」をプレイした。優しく穏やかな「ハイウェイ」、さらに「潮風のアリア」を悠然と歌い上げた岸田繁(Vo、Gu)は、くるりが福島市でライブをするのは20年ぶりだと明かす。「福島市の歌はないんですけど、浜通りの歌がありますんで」とラストに披露したのは「soma」。相馬市の青い海、青い空を思い奏でるくるりのサウンドが、雨上がりの夜空に響きわたった。そして、温かなアンコールに迎え入れられ、岸田は再び福島市を訪れることを約束すると、「いわき市でビデオを撮影した思い出の曲」と紹介し、「ばらの花」でライブを締め括った。
■10月17日
『PARK LIFE 2021』2日目の幕開けを担当したのは、naomi paris tokyo。寒空の下、アンビエント/ノイズといったジャンルのアプローチで、風に吹かれざわめく木々さえも世界観の一部にしていた。
続けて登場したのは、3ピースガールズバンドのthe peggies。「グライダー」で勢いよく口火を切ると、会場にはいくつもの拳が掲げられる。コール&レスポンスが恒例だった「そうだ、僕らは」では、手拍子で一体感を生み出していく。さらに、新曲のダンスナンバー「ドラマチック」もプレイ。ライブチューン「君のせい」で、盟友・TENDOUJIにバトンを渡した。
福島初のライブとなるTENDOUJIは、「Killing Heads」「Feelin’」「FIREBALL」といった新旧のナンバーを畳みかけ、自分たちだけのジャンル“EASY PUNK”を提示する。続けて、アサノケンジ(Vo、Gu)が身近な幸せについて歌う、しっとりとした新曲「I don’t need another life」を演奏。モリタナオヒコ(Vo、Gu)が「こういうフェスがずっと続いていけばいい。こういうカルチャーを好きな人が音楽を支えていると思っています」と溢れる思いを伝え、キラーチューン「GROUPEEEEE」でアクトを閉じた。
中納良恵(EGO-WRAPPIN’)は、神田智子とAchicoからなるコーラス隊、あまいシスターズを引き連れて登場。3人のアカペラのハーモニーが際立つ「オムライス」「あくび」でライブがスタートした。ソロ楽曲が中心のなか、中盤にはEGO-WRAPPIN’の「サニーサイドメロディー」を歌唱するひと幕も。「大きな木の下」からは神田、Achicoのふたりもタンバリンやシェイカーで演奏に加わり、ラストナンバー「ケムニマイテ」の前には中納が「またEGO-WRAPPIN’でも」と再訪を誓った。
フェスの大トリを務めるのは、中納から「BARIカワイイ」と紹介されたCHAI。「カーリー・アドベンチャー」でショータイムを始めると、今年5月リリースの『WINK』から「IN PINK」「チョコチップかもね」を披露。恒例の自己紹介コーナーを経て、そのまま代表曲のアッパーチューン「N.E.O.」で会場の熱を上げていく。「PING PONG!」ではマナ(Vo、Key)、カナ(Vo、Gu)のふたり、その後ろのDJブースでユウキ(Ba、Cho)がキュートなダンスを、「UNITED GIRLS ROCK’N’ROLL CLUB」ではユウキとユナ(Dr、Cho)がステージ前方でパフォーマンスをすることで、多彩なバンドの形を体現してみせた。ラストは壮大なスケールの「フューチャー」。マナが「また会う日まで! 健康で!」と呼びかけ、最後にサプライズとなる花火が打ち上がり、『PARK LIFE 2021』は幕を閉じた。
イベント情報
『PARK LIFE 2021』
10/16(土)福島・福島市あづま総合運動公園
10/17(日)福島・福島市あづま総合運動公園
『PARK LIFE 2021』公式サイト
https://parklifefes.jp/