■「『とんび』の現場は心の底からじんわり温まるような夕陽の色です」(大島優子)
幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く不朽の名作、重松 清著『とんび』が、初の映画化。
監督は多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた『64 -ロクヨン-』『糸』などを手掛ける、瀬々敬久。主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』『下町ロケット』などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感を放つ阿部 寛。ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海。あらたな“とんびと鷹”で贈る、いつの世も変わることのない親子の不滅の絆を描く“家族の物語”。
そんなふたりの親子を家族同然に支え、共に『とんび』の世界を創り上げる、多彩な追加キャストが一挙発表された。
ヤスの姉貴分で、アキラを我が子のようにかわいがる、小料理屋「夕なぎ」の女将・たえ子役に薬師丸ひろ子、出版社に勤める編集者でアキラの婚約者・由美役に杏、ヤスの幼なじみで薬師院の跡取り息子・照雲役に安田 顕、照雲の妻・幸恵役に大島優子、ヤスの妻でアキラの母・美佐子役に麻生久美子、薬師院住職で照雲の父・海雲役に麿 赤兒、そして濱田 岳、宇梶剛士、田中哲司、豊原功補、嶋田久作、村上 淳、尾美としのり、吉岡睦雄、宇野祥平、木竜麻生と、日本映画界屈指の豪華俳優陣が集結! オールスターキャストで紡ぐ、笑いあり涙ありの心震える感動ドラマが誕生した。
これは、古き良き時代の物語にとどまらない——今この時代にこそ届けたい、未来へ繋がる家族の絆の物語だ。
■薬師丸ひろ子 コメント
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の瀬々監督と再びご一緒させていただけることに心踊りました。
そして偶然にも”8年越し”と同じく岡山でのロケ!
街の皆様、フィルムコミッションの皆様の多大なご協力のもと、暖かく優しい気持ちに包まれながらロケに参加しました。
ヤスさん、アキラ親子を見つめるたえ子の佇まいは、街の雰囲気が自然に作り上げてくれました。
阿部さんとの共演も久しぶり、多彩な表情を見せるヤスさんを魅力的に作り上げていらっしゃいましたが、そんな中でも阿部さんが考案するコメディ部分が大好きです。
ぜひ、ご覧ください。■杏 コメント
大好きな重松さんの原作で瀬々監督と伺って、ぜひ出演させていただきたいと思いました。
私が演じたのは、自分が幼児だった頃の時代、勢いがある色濃い時代の都会の女性。懐かしい衣装やメイクがとても新鮮でした。
東京で生まれ育ち、備後のあらあらしい海に良く似た豪気な方々の勢いに気圧されながらも、どこか憧れと郷愁を感じ、惹かれていく気持ちは、実際の場所に行けたことでより身近に感じられました。
阿部さんとは以前共演させていただいたこともあり、とても気さくに話しかけてくださってうれしかったです。北村さんとは割と年齢が離れているので、最初夫婦と聞いて驚きましたが、とても落ち着かれていて安心感がありました。
完成した作品を見て、時代を超えて何度もぶつかり合い、支え合い、交差しあう人間の愛のドラマに、何度も涙が流れました。
昭和というパワフルで彩り豊かな時代、今は少なくなってしまった人の距離感があります。人はひとりではない、多角的に関わり合って人生があるのだと思わされる作品です。■安田 顕 コメント
憧れの瀬々組、敬愛する阿部 寛さんとご一緒できる喜びで小躍りしました。そして、重松 清さんの描かれる様々な家族のカタチの一部として現場に参加できたことに、心より感謝申し上げます。
阿部 寛さんはじめ、諸先輩のキャスト皆様、同世代の方々、北村匠海さんはじめ、若いキャストの力、諸々入り混じる毎日が刺激的でうれしい撮影の日々でした。
『とんび』という作品に流れる時代を超えた普遍的な人間讃歌、父と息子の絆、家族愛。人と人との触れ合いが持つエネルギーが映画全編に溢れています。老若男女、すべての人に捧げる作品だと思います。ぜひ、ご覧ください。■大島優子 コメント
まず、瀬々さんの作品にまたお声をかけていただいたこと、一度よりも二度の喜びは倍となり押し寄せました。ヤスさんとアキラを支える家族の一員、幸恵おばちゃんとしてアキラが成長していく姿に一喜一憂し、我が子のように見守らせていただく日々を過ごさせていただきました。そしてヤスさんの人情味には信じられるものが映っていて、阿部 寛さんにはどこまでもついて行きたくなります。いつもこうして撮影を振り返るときに、現場ごとに色が見えながら言葉を選ぶのですが、『とんび』の現場は心の底からじんわり温まるような夕陽の色です。観てくださった皆さんが温かくなる作品になることだと思います。■瀬々敬久監督 コメント
重松 清さんの原作『とんび』には強い物語があると思います。主人公、ヤスを中心にしながらも脇役たちの抱えている物語がどれも濃厚で、人の心を惹きつけます。誰を主人公にしても一編の映画が出来るのではないかと思えます。そうした人々を魅力的な方たちが集まって演じてくれました。
薬師丸ひろ子さんは人生の苛烈さを颯爽と背負い投げするような見事な一本の存在感です。杏さんは働く女性のバイタリティを優しさに包んでプレゼントしてくれました。安田 顕さんは独自のペーソスの中に男の侘び寂びが滲み出ています。大島優子さんはつねに明るく可憐に映画の屋台骨を支えてくれました。そして、麻生久美子さんの透明感が映画の時間を永遠にしてくれます。麿 赤兒さんのセリフ「ヤス、海になれ」はまさに父と子の映画のテーマであり、必見の見どころです。他にも、一瞬の出番と思われる場面に素晴らしい方たちが出てきます。
自分で言うのもなんですが、今回の『とんび』間違いなしに面白いです。
映画情報
『とんび』
2022年 全国劇場公開
出演:阿部 寛
北村匠海 杏 安田 顕 大島優子
濱田 岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生
田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上 淳
麿 赤兒 麻生久美子 / 薬師丸ひろ子
原作:重松 清『とんび』(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:港 岳彦
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
(C)2022『とんび』 製作委員会
■あらすじ
昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤス(阿部 寛)は、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠にうれしさを隠せず、姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼馴染の照雲(安田 顕)に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。ついに息子・アキラ(北村匠海)が誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子ふたりきりの生活が始まる。母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲(麿 赤兒)は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、雪が降っても黙って呑み込む広い海のように、アキラに悲しみを降り積もらすな――「お前は海になれ」と、ヤスに叱咤激励するのであった。親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間たちに助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた――。
映画『とんび』作品サイト
https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/