■映画『ひらいて』首藤凜監督、作間龍斗に人見知りを発動!「現場では(役柄の)たとえ君だったので親密に話せたんですけど、もう今はジャニーズのカッコいい人の立ち姿で…」
山田杏奈&作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)&芋生悠出演、綿矢りさ原作の映画『ひらいて』(10月22日全国ロードショー)の完成披露舞台挨拶が、10月4日に行われた。
本イベントには、主演の山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生 悠、首藤 凜監督、原作者の綿矢りさが登壇し、貴重なトークを繰り広げた。
記念すべき本作初のイベントとなったこの日。主演の山田は、「すごくたくさん女性の方たちが観に来てくださっていて。皆さん楽しんでいってください!」と冒頭で挨拶。作間は「舞台挨拶は初めてなので、めちゃくちゃ緊張しています」と照れ笑いを見せ、芋生は「こうしてお客さんが入った中で上映するのが久々なので、感慨深いです。この映画がようやく届くんだなとうれしい」と笑顔。原作者の綿矢は「青春の切なさが同居した、すごく素晴らしい作品になっていると思います」と語り、首藤監督も「満杯の映画館を見られてうれしいです」と感無量の表情を見せていた。
10代のときにこの原作と出会い、映画化したいという想いでここまできた首藤監督。ようやくお客さんを前にすることができたこの日の気持ちを聞かれ、「出会ったのが17歳の冬で10年位前。幾度も救われてきた原作をこうして映画化することができて、キャストスタッフと皆さんのおかげで出会い直せたなと。今日皆さんも出会っていただけたらうれしいです」と想いを語り、これを聞いた綿矢も「こんな想いで映画にしてくださる読者がいたなんて本当に幸福だなと思うし、本当にその熱い想いが完全に100%実現するような形で映画になっている、傑作ができたんじゃないかなと観てて思いました」と本作を絶賛。
また、映画化でのあらたな発見について綿矢は「私が書いたときは、大人っぽい主人公とか友達、高校生にしては大人っぽい恋愛関係で書いたんですけど、映画はキャストの皆さんの神がかった演技もあったせいか、本当に高校生の瑞々しい感性が出ていてそれは驚いたし、原作にはない素晴らしさだと思いました」と語った。
続いて主人公の愛について、難しかった部分などを聞かれた山田は「これから観ていただいたらわかると思うんですけど、かなり突拍子もない行動をとる子だったので、最初に読んだとき『どうしよう、愛、わからないかもしれない』と思って、監督にもずっと『わからないです』と素直に言いながら。でも根本にある高校生の暴力的な感情とか、そういうのは誰しも共通するものだと思うので、そういうところは大事にしながら精いっぱいやらせていただきました」と回顧。
そして愛と美雪に愛される、たとえ役を演じた作間は「見るからに周りに女性が多いっていう撮影で(笑)。映画出演が今回初めてだったので、そこが僕の中では大きく、どうやっていこうかなというところから、撮影入ってからも周りの方々にたくさん教えや刺激をいただいて今日まで辿り着きました。女の子が中心の映画ではあるんですけど、男である僕でも共感できる所があったりして、男性の方でも楽しめる内容になっているなとすごく思ったので、皆さん何かしら感じ取ってモヤモヤしながら帰ると思うんですけど、それを楽しんで帰っていただければ」と語り、映画初出演ということで会場からは大きな拍手が沸き起こった。
続いて美雪役を演じた芋生は、役柄について「自分で自分を満たすことができる人、自分を愛することができて、愛を与える側にもなれる人だなと思って。愛ちゃんが路頭に迷って傷ついている姿をいちばん目の当たりにしていて、自分が愛を与える側になって抱擁するというか包み込むような優しさがある子だなと。作品を通して美雪から、自分を愛することで人にも優しくなれるということが感じられるなと思いました」と明かした。
今回、山田・芋生と共演すると聞いて作間はまずWEBで検索したといい、「おふたりとも活躍されている方々なので、撮影のときは“うわっやべっ”という感じで圧倒されていましたね」と当時を振り返るが、それに対して山田と芋生は「そんなことなく、堂々としていましたよ! 撮影がないときも現場を見ていましたよね。撮影はいつも和やかで楽しかったです」と撮影現場を回顧した。
撮影当時と今では作間の印象が全然違うことも指摘され、作間も「監督にも人見知り発動されちゃって(笑)」と明かし、首藤監督もそのあまりの変わりように「撮影終わってから全然うまく話せなくて」と吐露。「『知らない人来ちゃった』って言われるんですよ、毎回」と作間もこぼしていた。さらに監督から見て「愛ちゃん役の杏奈ちゃんとはずっと静かな戦いをしていたような感じで、愛がわからないっていうところと、でもわかりながら演じたいという葛藤をすごくしてくださったと思っていて、どんどん表情が画面の中で変わっていくので、それを体験していただけたら。作間君は現場中はずっとたとえ君だったので親密に話せたんですけど、もう今はジャニーズのカッコいい人の立ち姿で……。とってもでも内面の美しい部分が映っているので、心洗われるるような気持ちです」と語った。
そんなキャストの演技について綿矢は「特に愛は、自分が想い入れを持って書いた登場人物で、先に考えるより行動するっていうのがすごく強い目力で演じられていて、心奪われる場面が多いなと感じました」と感想を告白。
それに対して山田も「安心しました(笑)。やっぱり原作者の方からの感想というのは緊張しますけど、最初の試写のあとに綿矢さんとご挨拶させていただいて、そのときにも『愛、面白かったです』とおっしゃってくださったのですごくうれしかったです」と笑顔で語った。
キラキラした映画と思いきや実はそうではない本作。「好きな人の好きな人を奪う」愛の行動が描かれるが、女性陣がどう思ったのかという質問に、芋生は「でも好きな人の好きな人だから、きっと魅力的な人。わからないでもない」と話すと、山田も「奪うまではいかなくとも、興味が湧くみたいな…」と明かし芋生も同意。
綿矢は「完全に片想いだったら、好きな人のその好きな人の髪型を真似たり、少し怖いほうに走る可能性もあるかなって思いました」と明かすと、監督は「自分が選ばれなくて、好きな人が好きな人だと、自分に持ってないものを持ってると思っちゃうので、すごい好きになってネットで調べちゃったりします(笑)。Facebookで調べちゃったり……」と告白。そんな女性陣の意見を聞いて、作間は「でも、もし僕が誰か好きになって、その人が好きな人がいるとしたら、僕は面倒くさがりなんで「やめまーす!」とやめちゃうと思います(笑)」と明かし共演者を笑わせた。
さらに映画のタイトルにちなみ、キャスト3人が最近の“ひらいた”出来事をフリップで発表。「サウナーへの道」と答えた山田は、芋生がサウナ大好きと聞くと、さっそく「えっ、一緒にいこう!」と誘い、サウナは「整うっていうのを感じられている感じがする」と明かす。
続いて「20歳への扉」と答えた作間は「先日19歳を迎えまして、4年前くらいから楽しみにしているんですけど、本格的に20歳が近づいてきたなと。で、いろいろなところでコーヒーメーカーがほしいと言っていたら、親が頼んでくれて、さらに当日になったらメンバーの4人からコーヒーメーカーをもらいまして(笑)」と家に今本格的なコーヒーメイカーが2台あると誕生日エピソードを明かし、会場を笑わせた。
また「料理への道」と答えた芋生は「最近パエリカを作って、結構楽ちんでした」と話すと、ご時世的に今作の打ち上げも一回もできなかったため、監督もキャストも「打ち上げしたいですね」としみじみと話していた。
最後には山田が「初めて皆さんに届くということで、すごくソワソワしています。綿矢さんが生みだされた作品が首藤さんに届いて、首藤さんが映画化を念願かなってされて、それをご縁があって愛という役をやらせていただくことになって、そこまでいろんな人の想いが詰まっているんですけど、私自身も今までにないくらい追い詰められたし、自分自身をすり減らしながら向き合った役だったので、それが出ているといいなと。作間君、芋生さんとも一緒にやらせていただいて、あのときでしか生みだせなかったものがたくさん詰まっていると思うので、それが皆さん一人ひとりに届いて、それぞれの新しい感情を生みだすといいなと思っています。ありがとうございました」と熱く語った。
首藤監督も「10年前に原作を読ませていただいて、とっても愛という人に感情移入をして生きてきたんですが、作っていく過程でどうやら愛に感情移入する人というのは、そんなに多くはないらしいということを知って。でも、とってもいろんな感情になれる映画なのではないかと思っているので、いろんな気持ちを持って帰っていただけたらうれしいです」と呼びかけた。
映画情報
『ひらいて』
10月22日(金)全国ロードショー
出演:山田杏奈
作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 芋生悠
山本浩司 河井青葉 木下あかり
板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本・編集:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎
主題歌:大森靖子「ひらいて」
配給:ショウゲート
(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
【あらすじ】
高校3年生の愛(山田杏奈)は、成績優秀、明るくて校内では人気者。
そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”にずっと片思いをしている。
彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。
自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。
しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまったことで事態は一変する。
「たとえに、恋人がいるのではないか――」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。
手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに付き合っていることを知るのだった。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかったとき、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かした――。「もう、爆発しそう――」
愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで……。
映画『ひらいて』作品サイト
http://hiraite-movie.com/