■コックリさん、わら人形、鬼…。Hey! Say! JUMP・伊野尾慧が、日本に伝わる様々な民間伝承や怪異を鮮やかに解説!
完全記憶力を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧/ Hey! Say! JUMP)と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉(神宮寺勇太/ King & Prince)の凸凹バディによる謎解きミステリー、オトナの土ドラ『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察 Season1』。
いよいよ主人公たちの人間ドラマが動き出そうとしているなか、視聴者の話題をさらっているのが、高槻が専門とする民間伝承や怪異を扱った「民俗学」の面白さ。
高槻は、誰もが一度は聞いたことがある心霊現象などを、学術的な知識をもとに、鮮やかに解説してきた。
◆コックリさん
まずは第1話で登場した「コックリさん」。一枚の紙に「はい」「いいえ」「五十音」などを書き、その上に硬貨を乗せ数人が人差し指を添えて質問をすると、ひとりでに硬貨が動くという占いの一種。日本では狐の霊を呼び出す降霊術の一種という説が一般的で、「狐狗里(こっくり)」という字を充てられることが多い。もともとは西洋の占い「テーブルターニング」が起源とされているが、勝手に動く硬貨が心霊現象だと信じられ、畏怖の対象となっていた。
そんな「コックリさん」、実は明治時代にすでに科学的に現象を解明されているのだ。解明したのは井上円了。明治時代の哲学者で「迷信」を打破する観点から「妖怪」を研究していた高槻顔負けの人物だ。円了によるとコックリさんの原理は「不覚筋動」と「予期意向」で説明がつくという。
元々、西洋のテーブルターニングでは、不安定なテーブルで占いに興じたらしい。たしかにテーブル自体が不安定であればちょっとした筋肉の動きでも硬貨が動いてしまいそうだ。
【高槻の解説】
「硬貨に指を置いて緊張状態に置かれることで、無意識に筋肉が動く『不覚筋動』が起きると言われているんだ。そのせいで、動かしているつもりがなくても硬貨が動く。これに加えて、人間の潜在意識が、コインをある方向に動かすと言われている。(中略)潜在意識の迷いが不覚筋動と一緒になって十円玉を動かしているんだよ。この潜在意識を、予期意向と呼ぶ」
◆わら人形の呪い
わら人形を使った「丑の刻参り」は、行う時間、五寸釘を使用、などかなり厳密なルールが決められた呪詛の行為。そもそも、人形に行った行為は人にも反映するとされて、日本だけでなく世界各地で似たような儀式が伝えられている。そんな呪いの行為だが、日本でいちばん流行したのは、貴族が権力を持っていた平城京や平安京の時代。
この時代、呪詛行為は公的なもので、私的に行うことは法律で禁じられていた。例えば757年の養老律令に蟲毒魘魅(こどくえんみ)を禁ずる法律が記されている(※蟲毒=動物や虫を殺し、その魂を送り付ける呪詛/魘魅=人をまじないによって呪い殺すこと)。禁を犯せば流罪などになったようだ。逆に言えば、それだけ呪詛を信じ、行うものが多かったとも言える。武士が支配する時代と違い、血を流すことを忌避した貴族にとって、「呪詛」は政敵を撃ち滅ぼす唯一の手段だったのかもしれない。
【高槻の解説】
「人を呪う動機は何か? それは古来より恨みと嫉妬です。(中略)平安時代の貴族は役職や住んでいる場所で呼ばれ、本名は隠していました。(中略)名前を知られると、呪いに使われる可能性があるからですよ! それほどに人は呪いを恐れていたんです」
◆鬼
桃太郎や節分の豆まきなどでおなじみの鬼。語源説として最も古いものが、平安時代中期に編纂された辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に書かれたものとされている。「鬼(おに)は物に隠れて姿を現さないので『隠(おぬ)』と呼ばれ、それが『鬼(おに)』に転じた」という説だ。古代、日本では自然界のすべてのもの・現象に霊魂が宿る(アニミズム信仰)と考えられてきた。つまり雷などの人知を超えた現象は、聖なるものが引き起こした、と考え、崇め祀ることで自身に災いが及ばぬよう祈ったのだ。
その流れを汲んだ状態で「出雲国風土記」に登場する“一つ目の鬼”を考察してみる。「出雲国風土記」にはタタラ(製鉄)場で一つ目の鬼が人を食うという記述があるのだが、製鉄には火がつきもの。燃え盛る炎を見ながら作業をしていた人が、その明るさで失明してしまうことがしばしば起きたのではないだろうか?
タタラの炎が片目を奪う→目を奪う鬼(人智を越えた現象)→そこから“一つ目の鬼が人を食う”。現象を解釈するために鬼は生まれたのかもしれない。
【高槻の解説】
「そもそも『おに』とは『おぬ』が転じたもので、本来は見えないもの、この世ならざるものを指したと言われているんだよ。自然災害や不可思議な現象を当時の人々はこの世ならざる者、鬼の仕業だと解釈した……。現象を解釈するために鬼という存在が生み出された」
民俗学は奥深くそれぞれ諸説あるので、もし興味を持った人は、さらに詳しく調べてみよう!
■撮影現場レポート
高槻役の伊野尾が、長台詞の他、セリフと違う言葉を黒板に書きながら芝居をするという荒業が、ファンの間で話題になっている。
それは第2話で登場した高槻の研究室でのシーン。台本で13行、300字を越える台詞を、まるで講義をするかのようにスラスラと話すだけでも大変なのに、台詞の中にある単語とはいえ、台詞とは違うタイミングで話のポイントとなる単語を書いていく。「現象」や「解釈」といった漢字を正しい書き順で、しかも、チョークの色を最初の白から、途中で赤に持ち変えて書くというのは相当難しい。
リハーサルで「台詞のタイミングで書き出すと、台詞がもったりしちゃうから、少し早めから書き出さないと」と悟った伊野尾。撮影の合い間に練習を重ね、チョークが減り過ぎてしまい、伊野尾の「もっと練習させてください」のひと言にスタッフが慌てて別室へ取りに行くひと幕もあった。
伊野尾は、神宮寺に「これ、想像以上に難しいから。尚哉〜、俺の代わりに書いてくれよ〜」とかわいく懇願。尚哉としては何もできない神宮寺に、伊野尾が「助手が全然喋ってくれないから、せめて板書ぐらいしてほしい(笑)」と発言すると、現場は笑いに包まれた。
自らを追い込みつつも、緊張感を与えないよう周囲に気を配る伊野尾。その初座長の背中を、神宮寺は必死に追いかけている。伊野尾と神宮寺の距離が近づくごとに、高槻と尚哉のバディ感も増していく本作。『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』第4話「白い服の幽霊の怪」は、8月28日23時40分から東海テレビ・フジテレビ系で放送。
【第4話あらすじ】
「私、幽霊を見たことがあるんです」。高槻(伊野尾慧)のもとを訪ねてきたのは女優の藤谷更紗(市川由衣)だった。かつて一世を風靡し、今は幽霊が見える『霊感女優』として再ブレイク中の更紗は、主演映画の撮影現場で起きている怪異現象を調べてほしいという。しかしマネージャーの宮原(馬渕英里何)は、なぜか苦い顔を浮かべる。一方、尚哉(神宮寺勇太)は耳の不調で病院を訪れていた。中耳炎と診断され治療を受ける尚哉。帰宅すると嘘を見抜く能力が消え去っていて…。不安を抱えたまま始まった調査。高槻は瑠衣子(岡田結実)、難波(須賀健太)らと聞きこみを始めるが…。
番組情報
『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』
第4話「白い服の幽霊の怪」
Season 1
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット:8月28日(土)23時40分~放送
Season 2
WOWOWプライム・WOWOWオンデマンド:10/10(日)23:00〜放送・配信
出演:伊野尾慧 神宮寺勇太 岡田結実 須賀健太 吉沢悠 他
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