■「肌を真っ黒に焼いて髪もバッサリ切って、10代最後の夏、宝物のような時間を過ごさせてもらいました」(上白石萌歌)
全人類待望の夏休みが帰ってくる!?
数々の漫画賞で話題を呼んだ田島列島の大傑作コミック『子供はわかってあげない』が、待望の映画化。沖田修一監督(『横道世之介』他)最新作は、水泳×書道×ガールミーツボーイ×アニヲタ×家族×迷!?探偵×本当の父探し×元教祖=まさかの超青春映画(ハート)!
主人公・美波を演じるのは、上白石萌歌。相手役のもじくんこと門司役には、今大注目の若手俳優、細田佳央太。美波が幼いときに離婚し、行方がわからなくなってしまった実父の友充役に豊川悦司。もじくんの兄であり、ストーリーの鍵を握る探偵役に千葉雄大。美波の母親である由起役に斉藤由貴。美波の育ての父には古舘寛治。実力派の名優陣が演じる大人たちが物語をカラフルに広げる。
原作は、『第24回手塚治虫文化賞』新生賞を受賞、また『マンガ大賞2015』2位や数々の漫画賞を受賞した田島列島の『子供はわかってあげない』。軽やかで味わい深く、おとなの気づきが多いと幅広い層に熱く支持されている。監督は『南極料理人』『横道世之介』など、手がけた作品たちが愛され続け、新作が待ち望まれる沖田修一。ユーモア溢れる、あたたかい人間ドラマを描いてきた沖田監督が、初めての漫画原作の映画化で、10代の不器用に揺れる心を、まっすぐ描き出す。美波の感情が高まるクライマックスは沖田監督の新境地となる。夏を失ってしまった2020年。今だからこそ届けたい、ニッポンの夏休み!
そして、このたび、映画の完成を記念して完成披露上映会が開催された。
一般の観客に向けて特別に先行上映が行われ、上映前には主演の上白石萌歌をはじめ、豪華キャスト陣が登壇。映画の見どころや撮影時を振り返るエピソードが盛りだくさんの舞台挨拶が行われた。
【イベントレポート】
拍手喝采の中、会場に登壇したキャスト・監督一同。主演を務めた上白石萌歌は「本来、昨年公開予定だったこの作品が、無事にやっと皆さんに観てもらえるということでとてもうれしいです」、細田は「この作品を皆さんにやっと届けられるんだという喜びでいっぱいです。本当に楽しんでいってもらいたいです」、豊川は「僕も本当に公開を待ちわびていた作品なのでとてもうれしいです」、千葉は「お客様がいる中こうして舞台挨拶させてもらえるのが久しぶりだし、この作品はとても大好きな作品なのでとてもうれしいです」、沖田は「やっと今日皆さんの前で映画を上映できることがとてもうれしいです」とそれぞれ挨拶した。
この作品で10代最後の夏を過ごした上白石は「私は元から沖田監督の大ファンで、まさか自分が沖田監督の世界で生きられるとはという想いだったので、そのうれしさを噛み締めつつ、今作で水泳選手の役が三作品目でそれぞれ泳法も違くて、自分の女優人生は個人メドレーのようだなと勝手に思っていました。肌を真っ黒に焼いて髪もバッサリ切って、10代最後の夏、宝物のような時間を過ごさせてもらいました」と述懐。細田は上白石との共演について「実は撮影中あまり真面目な話はしていなくて(笑)、ほとんど雑談みたいな感じでした。“長回しのシーン緊張するね”とかそんな感じです(笑)」と語る。
これに対し上白石は「クランクインの日に4分くらいの長回しのシーンから始まったので、そこでキャスト・スタッフの皆さんと一体感が生まれましたし、このシーンを撮り終えたらこの作品は大丈夫だ、と思えるような感じでした」と語った。豊川は「最初に原作のコミックを呼んだときに本当に面白い作品だなと思っていて、そのあと脚本を呼んだときに、瑞々しくって切なくって、こんなおじさんでも青春を感じてしまうくらい(笑)、特に最後のシーンなんかは思わずジーンとしてしまうような、そんな素晴らしい作品だと思ったので、喜んで参加させてもらいました」と、脚本段階から作品に惚れ込んでいたことを明かした。娘役の上白石との共演については「僕も萌歌ちゃんくらいの娘がいるので“これ父親にとっては理想だよね”とか思いながら撮っていて、まるで夢のような時間でした(笑)」と話した。
これに対し上白石は「予告映像でもちらっと見られるんですけど、豊川さんがブリーフパンツ?(笑)ブーメラン水着か(笑)を履いているシーンがあって、そんな豊川さんの貴重な姿も見てほしいですね」と本作で豊川が見せる意外な姿をアピールした。
細田と兄弟役を演じた千葉は「佳央太君とはこの作品が初共演で、そのあとすぐにまたドラマで兄弟役として共演していたので、2019年は佳央太君と共にあったと言っても過言ではないくらい(笑)」と話し、細田は「僕にとっても本当のお兄ちゃんのような存在なのでうれしいです」とお互い目を合わせながら会話し、まるで本当の兄弟かのような仲の良さを披露した。
作品にちなんで“忘れられない夏の思い出・夏の冒険”を聞かれたキャスト一同。千葉は「僕は大学生のころに青春18きっぷで東京から広島まで行ったことがあって、途中で漫画喫茶に泊まったりして、それが今思い返すとすごい青春だったなって思いますね」と語る。
豊川は「役者になろうと思って大学辞めて東京に出てきたんですけど、ちょうど夏前くらいに貯金も使い果たしちゃって(笑)、一文無しのまま過ごしたあの夏が忘れられないですね。友達を家の前で日が暮れるまでずっと待っていたり、公園の水道の水を飲んだり(笑)、本当に暑かったですね、あの夏は」と驚きのエピソードを披露。
細田は「小学生の夏休みのとき、いつも学校があるせいで見られない時間帯のテレビを見られるのがすごく好きで。夏休みのテレビの時間だけは少しだけ大人の世界に踏み込んだような気がしていて(笑)それが夏の思い出ですね」とコメント。
上白石は「小学生のときに、それこそ水泳を習っていたんですけど、夏休みに水泳の夏期講習があって、そこに毎日早起きして行って帰って、っていう生活が夏の思い出ですね。水泳教室から帰ったあとにかき氷を食べたりして。そんな経験が今こうやって役に活かされているのがとてもうれしいし、やっていて良かったなと思います」とそれぞれの夏の思い出を披露した。
最後に上白石が「撮影から約2年が経ちまして、作品自体もちょうどおいしく熟した頃にやっと皆さんに届けられることになりました。この作品が皆さんにとっての小さな夏休みのようなものになればいいなと思っております。本当に我ながら素晴らしい作品が出来たなと思っているので、ぜひ楽しんでご覧いただければと思います」と挨拶をし、大盛況のまま舞台挨拶は幕を閉じた。
なにげに「ワケあり」だったりする人々の事情も、ゆるやかに優しく受け止めていく。じんわり味わい深い余韻とともに、明日に向かう勇気がわいてくる珠玉のハートフルムービー『子供はわかってあげない』は8月13日テアトル新宿先行公開、8月20日全国公開! 2020年、失った夏を取り戻そう!
映画情報
『子供はわかってあげない』
8月20日(金)全国公開
8月13日(金)テアトル新宿先行公開
出演:上白石萌歌 細田佳央太 千葉雄大 古舘寛治/斉藤由貴/豊川悦司
監督:沖田修一
脚本:ふじきみつ彦 沖田修一
音楽:牛尾憲輔
原作:田島列島『子供はわかってあげない』(講談社モーニングKC刊)
企画・製作幹事:アミューズ
配給:日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
(C)2020「子供はわかってあげない」製作委員会 (C)田島列島/講談社
映画『子供はわかってあげない』作品サイト
agenai-movie.jp