現在公開中の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(以下『SEED FREEDOM』)がひたすらに熱い。TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』(以下『SEED』)、その続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(以下『SEED DESTINY』)の放送から約20年の時を経て、満を持して降り立った『SEED FREEDOM』は、公開からわずか10日間(1/26~2/4)で、観客動員121万人、興行収入19億6500万を記録。今なお衰えない『SEED』人気を証明した。
そんな『SEED FREEDOM』は楽曲も、かつてのファンと作品への愛に満ちあふれている。主題歌「FREEDOM」を歌うのは、T.M.Revolution名義で「INVOKE -インヴォーク-」をはじめ『SEED』『SEED DESTINY』のオープニングテーマ・挿入歌を数多く務めた西川貴教。同じく『SEED』第3クールのオープニングテーマ「Believe」で鮮烈なデビューを飾り、同作品で4曲のOP・ED主題歌を担当した玉置成実が、『SEED FREEDOM』ではオフィシャルサポーターソング「Reborn」を歌っている。『SEED』ファンにとっては、この人たちしかいない!というふたりが、それぞれの担当楽曲に込めた想いと、今こそ話したい『SEED』愛を、たっぷり語ってくれた。「THE FIRST TIMES」独占の貴重な対談をお届け!
■『機動戦士ガンダムSEED』がなければ、自分たちはここにいなかった
──こうして対談という形でおふたりが揃われるのもレアかと思いますが、西川さんと玉置さんが最初に出会われたキッカケも「SEED」シリーズ」ですね。
玉置成実(以下、玉置):はい、そうですね。イベントで。
西川貴教(以下、西川):いつだったっけ?
玉置:2003年の12月27日ですね。代々木第一体育館で「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL」というイベントがあって。
西川:そうそう、『SEED』が終わって、キャストの皆さんとオープニング、エンディングを担当したアーティストとして、僕や成実ちゃんたちが集まってね。今でこそ、アニメ作品の大規模イベントはたくさん開かれるようになりましたけど、20年前の『SEED』はその走り。ああいうイベントのフォーマットを作ったのが、まさに『SEED』ですよね。
──お互いの第一印象は覚えていらっしゃいますか?
玉置:私はもう「本物の西川さんだ!! すごい!!」しかなかったですね。私はその年に「Believe」、中学3年生でデビューしたんですけど、ほんとに西川さんをずっと聴いて育ってきましたし、大ファンだったから、もう緊張しまくりだったんです。私は『SEED』に携わらせていただいたのも、第3クールからと途中参加だったので、同じステージで歌わせてもらうだけで、緊張しっぱなしでしたね。
西川:たしかに、まだ中学生だったもんなぁ。僕は最初のオープニングを任せていただきましたけど、1クールごとに主題歌アーティストが変わる作品だったから、次は誰が来るかな?と思ってたんですね。そんな中、次は新人でアクターズスクールの特待生だった子なんだよ!という噂を聞いて。
玉置:そんなに細かい情報が?(笑)
西川:事情通だからね(笑)。だから、成実ちゃんのデビューがすごい楽しみでしたよね。それからも僕らふたりとも『SEED』との関わりもずっとあってね。
玉置:ほんとにそうですね。「『SEED』がなかったら、私たちここにいませんよね」というお話は、イベントで西川さんとお会いするたびに、してますよね。
西川:そうそう。成実ちゃんとは、『SEED』にまつわるイベントだけじゃなくて、アニメが世界と日本を橋渡しするようなイベントでご一緒することも多かったよね。
玉置:はい! 私の初めての海外イベントも、西川さんとご一緒させていただきました。アメリカの『Anime Expo』で。あれで私、すごく人生観が変わったんです。
西川:僕も初めて北米のアニメファンの前で歌ったのが、ちょうど『SEED』の頃(2003年の「OTAKON」)で。アジアに行くことはちょっとあっても、まさか北米で!という驚きはありましたね。成実ちゃんと行った『Anime Expo』もそうなんだけど、ああいう会場ってコンベンションセンターだったりするから、ライブもだだっ広い空間で。リハーサルでも“いやいや、こんなに広いとこに誰が来んの? アメリカまで来たのに、パラパラのお客様の前でやんなきゃいけないのか…いや、でも頑張るぞ!”なんて腹をくくっていたら…開演したらすごかった!
玉置:ほんとにすごかったですね。海外でも、こんなに『SEED』をたくさんの方が観ていらっしゃって、しかも私たちの曲を、日本語で一緒に歌ってくださるじゃないですか。アニメだけでなく、歌までたくさん聴いてもらえて、言語を超えて一緒に歌ってくださってる!というのに、本当に感動したんです。
西川:そうそう。日本語を喋れるわけじゃないんだけど、曲は歌えるんだよね(笑)。たしかに、これまでもいろいろなところでお話させてもらってますけど、やっぱり『SEED』というのは、僕にとっても成実ちゃんにとっても大切な作品だと思うんですよ。今の僕らまで押し上げてくれたキッカケをくれた作品だし…いろいろな過渡期だったと思うんですよ。
■アニメに楽曲を提供するアーティストとしての意識も変えた『SEED』
──アニソンというカテゴリーにとっても『SEED』は過渡期としての大きな役割を果たしたと思います。
西川:そうですね。その前までも、ポピュラーミュージックのシーンから、アーティストがアニメに曲を提供することはあったんですけど、こう…それぞれのアーティストのカラーが前面に出ていく形が多かった。それに対して、例えばJAM Projectさんのように歌の中で必殺技を叫んだり、“アニメーションの主題歌である”ことを大事にする方々もいらっしゃって。僕はその両方が好きだったし、どちらも良いことだと感じていましたけど、自分がアーティストとしてアニメ主題歌に関わるなら、作品の世界観をきちんと踏襲しつつ、その後も歌い続けることができる楽曲を作れないかな?とトライさせてもらえたのが『SEED』の「INVOKE -インヴォーク-」だったんです。そこから「うちでもやってもらえませんか?」と、どんどん広がっていったんです。『SEED』ファンだったクリエイターの方から、『戦国BASARA』の主題歌のお話をいただいたりね。
玉置:私もそうです。舞台『戦国BASARA』で役をいただいて、西川さんの歌声を背負って、演じさせてもらってました。
西川:そうそう、舞台を観にいったら、成実ちゃん出てたもんなぁ!(笑) それくらい『SEED』との出会いから、いろんなチャンスをいただいたんです。成実ちゃんもそうでしょ?
玉置:本当にそうですね。『SEED』の主題歌でデビューできると聞いたときは、驚きました。当時はまだ和歌山にいたんですけど、2002年のクリスマスに東京に呼ばれて「来年4月の新クールから歌ってもらうことが決まったから、上京できますか?」って言われて、「え? え?」って(笑)。
西川:(笑)。
玉置:「男の子も女の子も、同世代がみんな観ている人気アニメで私が?」とビックリしながら、親にも相談せず「はい!」って返事してました(笑)。まさに玉置成実の原点ですし、人生を変えたすべての始まりの作品なので、もう切っても切れない…ずっと感謝し続けている作品です、『SEED』シリーズは。
西川:僕もそうですよ。『SEED』と出会ったのは30代前半でしたけど、レーベルの移籍だったり、自分で会社を興してマネジメントの環境が変わったりと、悩むことも多かった時期だったんです。そんな時期の『SEED』でしたから、作品を応援してくれた皆さんがいてくださったおかげで、今があると言っても過言じゃないなと、すごく思ってますね。
──『SEED』を音楽人生の新たな出発点として歩んできたおふたりが、約20年の時を経て今回、再び『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を通じて再会できたのも、うれしいことですね。
玉置:本当にそうなんです。私は今回、オフィシャルサポーターソングという形で「Reborn」をSACRA MUSICからリリースさせていただいたんですけど。
西川:そう、それもビックリしたんですよ。成実ちゃんは最近レーベルを離れていたんで。
玉置:ほんとにご縁なんですよね、SACRA MUSICでお声がけくださったスタッフさんが、私のデビュー時の担当さんだったので。
西川:へぇー、そうなんだ。それはうれしいね。
玉置:はい。なので今回、『SEED FREEDOM』をキッカケに、久しぶりに玉置成実を聴いてくださる方もたくさんいらっしゃって。20年間、歌を続けてきて良かったなと、心から思いました。
■西川貴教×「FREEDOM」~世代をまたいだ想いを形にするため、小室さんに曲をお願いしたかった
──ここからは楽曲のお話を伺います。『SEED FREEDOM』の主題歌「FREEDOM」(西川貴教 with t.komuro)は、小室哲哉さんとの初タッグも話題ですが、この曲にはどういう想いを込められましたか?
西川:ガンダムファンの方はご存じかと思いますが、『SEED』はそれこそ20年ほど前に映画化の話があったんですけど、今回『SEED FREEDOM』が完成するまで相当時間がかかったんですね。数年前の『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の頃にも、『SEED』の映画化は動いていますとおっしゃっていましたから、僕もそれを信じて頑張ろうという感じだったんです。
玉置:そうだったんですね。
西川:それがいざ実現して、いろんなことを考えました。TVシリーズを当時観ていた小学生、中学生だった皆さんも社会人になり、なんなら小さなお子さんをお持ちだったり、僕らだけじゃなく『SEED』を応援してくださった皆さんの環境も変化している。近年は、世の中の情勢も垣根のない、差別のない社会にしようという気運があると同時に、世界では大きな紛争も起きていて…と、僕らが暮らす世界自体も変わってしまったわけです。そういう背景がある時代に、単純に「『SEED』の新作に、新曲をどうぞ」というだけじゃ、僕自身も収まりが悪い。さっき成実ちゃんも言ってましたけど、僕にとってもガンダムも『SEED』も特別ですから、昭和~平成~令和と3つの世代をまたいで、いろんな想いをギュッと集めて、力に変えられないかな?って思ったんですよね。
──アーティストとして長年、ガンダムと歩んでこられた西川さんだからこその想いですね。
西川:そして、それこそガンダムの40周年記念イベントで、10代から同期でやってたLUNA SEAが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌だったTM NETWORKさんの「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」をカバーしていたんです。そのリスペクトを込めたプレイが印象的で、いよいよ『SEED FREEDOM』の新曲を作るとなったとき、いろんな世代をまたいだいろんな想いを形にするなら、ガンダムとも縁の深い小室さんにお願いしたかったです。
玉置:素敵なお話ですね。
西川:もともとTM NETWORKと関わりのあった方が、僕のレーベルのレーベルヘッドになられて、T.M.Revolutionのデビューも形になっていったという裏のドラマもあるんですよ。それもあって、小室さんとはいつかご一緒できたらいいなと。それがこのタイミングで実現して、皆さんの想いも僕自身の想いも乗せられる曲になりましたね。
玉置:私も「FREEDOM」を聴かせていただきましたが…もう出だしの“I don’t want to lose desire”の“I”の“あ”から、なんて言うんだろう…もう胸に刺さって刺さって!
西川:そこから?(笑)
玉置:そこからです(笑)。楽曲自体、ものすごく素敵なんですけど、西川さんの歌声がまた。どうやったらこんなに深くできるんだろうと。言葉一つひとつがものすごく重いというか。歌詞も先ほど西川さんがおっしゃったように、作品で描かれていることだけでなく、世界で今起こっていることともすごく繋がりがありますし、今回の『SEED FREEDOM』でも“平和”という単語がキーワードになっていますけど。
西川:そうだね。
玉置:改めて「FREEDOM」の歌詞と照らし合わせながら聴くと、映画を観る前と観た後で、聴く方の感じ方も変わるだろうなって、すごく思いました。
西川:やっぱり『SEED FREEDOM』自体が、時代を超えて公開された作品なので、時代の背景も含めて、皆さんの心にちょっとでも残るものにできたらいいなと思いながら、歌わせてもらってますね。
玉置:『SEED』は、本当に今に繋がるテーマをずっと訴えてきたアニメなので、しっかり西川さんの歌によっても受け継がれているんですよね。
西川:最近のポピュラーミュージックの潮流みたいなものとは、逆行してますけどね。曲も長いし、音も結構しっかりしてて重くて(苦笑)。でも、そういうものをここでちゃんと届けることが、大事かなとも思いましたね。
玉置:歌詞の大事な言葉が、タイトルになっているのもいいですよね。「FREEDOM」は『SEED』ファンにとっても特別な言葉ですもんね。
西川:そうだね。
■玉置成実×「Reborn」~私に求められているのは、こういう曲だったんだと再確認した
──では玉置さんは「Reborn」に、どんな想いを込められましたか?
玉置:今回はオフィシャルサポーターソングということで、皆さんが映画を観に行くまで、作品公開までに、今までの『SEED』から『SEED DESTINY』と『SEED FREEDOM』を繋ぐのが、私の曲の役割でした。
西川:3つのシリーズは地続きやからね。
玉置:そうなんですよ。なので、TVシリーズを観ていた当時を思い出してもらえるような楽曲にしたかったんです。なので曲調も、私の曲でいうと『SEED』の「Believe」や「Realize」、『SEED DESTINY』のときの「Reason」や「Result」の“久しぶりのこの感じ!”みたいな。ファンの皆さんが、『SEED』を観ていた10代、20代のあの頃を思い出して、懐かしさを感じてもらえるようにと。なかなか令和では聴けないサウンドで、皆さんに青春を思い出していただけたらいいなと思いました。
西川:曲は、当時の方にお願いしたの?
玉置:作詞のshungo.さんは、「Reason」をはじめ以前からお世話になっていたんです。だから、歌詞の内容も『SEED DESTINY』から繋がっている感じで、『SEED FREEDOM』の映画の内容というよりは、TVシリーズの総集編のような感覚で書いていただきました。
西川:それはうれしいね。
玉置:作曲・編曲をしてくださった渡辺徹(Blue Bird’s Nest)さんは、今までもアレンジは何曲もやっていただいていたんですが、楽曲提供していただくのはこれが初めてで。ただ、渡辺さんもそれこそ『SEED』が大好きな方で! 作品自体をとても愛してくださっているので、私の想いもすごく汲み取っていただけましたね。
西川:ほんと、トラックも90年代~2000年代はじめの感じだもんね。
玉置:そうなんですよ。玉置成実っぽいですよね(笑)。
西川:YouTubeのMVにも、皆さんからのコメントがたくさんあったよね。
玉置:そうですね。私もデビューから20年が経ちますけど、活動の中でいろんな楽曲にチャレンジさせていただいてきたので、「玉置成実、ちょっと変わっちゃったな」と言われることも多々あったんです。でも、今回「Reborn」を歌わせていただいて、玉置成実に求められていることは、こういうことだったんだな!というのを、再確認させていただきました。
西川:去年、「SEEDシリーズ」のメモリアルイベント(「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~CONNECT あの時代を超えて~」)に一緒に出させてもらったときも、成実ちゃんの歌やパフォーマンスを観ていて、お客さんが待っててくれてる感じを、すごく実感しているんだろうなと思いましたよね。
玉置:だから私も、西川さんが生で歌われる「FREEDOM」も、音源でもあんなに感動するんだから、ライブだったらどこまで胸を打たれるのかと思いますね。
西川:それでいうと、ついこの間、「FREEDOM」を歌わせてもらったんですけど、ライブでやると主人公たちではなく第3の目というか…名前は表に出なくても、あの物語の世界を生きている他の人たちの願いや想いみたいなものを、声で届ける視点に自然となっていったんですよ。だから、成実ちゃんの「Reborn」も生で歌ったり聴いてもらったら、リスナーさんにもまた新しい世界が開けるかもね。
玉置:そうなるとうれしいです。去年の末に西川さんとご一緒したイベントで、私も「Reborn」を新曲として歌わせていただきましたけど、そこには『SEED』を知らない方もいらっしゃったと思うんです。でも全力でこの曲の想いを届けたいという気持ちで歌いました。
西川:なるほど、そうだったんだね。最近の成実ちゃんは、アーティストの活動はもちろんだけど、舞台とかミュージカルで観る機会がすごく多いし、今後はそういう方向で行くのかなと思ってたけど、やっぱりステージで歌ったり踊ったりする姿を観ると、みんなはこれを見たかったんじゃないの?と。そういう玉置成実の原点を、この曲で教えてあげられるっていうのも、すごくいいことだと思いましたよね。この「Reborn」も、MVではバリバリに踊ってるしね。
玉置:あ、まだダンスのほうはライブ披露してないんですけど、そう言っていただけたら励みになります。
──これから、玉置さんのライブでたっぷり拝見できそうですよね。3月には、デビュー20周年記念ライブ(Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-)も予定されていますし。
西川:20周年! そうか~、もうそんなになるんだ。
玉置:『SEED』のTVシリーズの楽曲を歌っていた頃は、キラたちとほぼ同い年だったんですけど、今はもう彼らのお母さんくらいの年齢になっちゃってますから(笑)。
西川:それがもう信じられないね。ほんと当時は、女の子!って感じだったし。僕の中での成実ちゃんは、中学生、高校生くらいの感覚。親戚の子が、いつの間にかこんなに大人になって!という(笑)。
玉置:いちばん最初から見てくださってますからね、西川さんは。逆に14歳の頃から実際に会って、知ってくださっている方のほうが少ないんですよ。
──玉置さんにとって西川さんは、どんな存在ですか?
玉置:うーん……やっぱり“大先輩”。たくさん素敵なアーティストさんはいらっしゃいますけど、西川さんは私の中でもすごく特別です。なんだろう…大先輩というだけじゃなくて、いつも進むべき道を示してくれてるような、不思議な感じがありますね、ずっと。
西川:そうなんだ。いやうれしいですね、そう思っていてくれるのは。
■カップリング曲には『SEED FREEDOM』キャラクターへの想いがあふれた
──そういえば、「Reborn」のカップリング曲「Affection」も「Reborn」と同じく、懐かしくダンサブルなサウンドが楽しめる曲になっていますね。
西川:そうそう、カップリングもすごくライブでバリバリ歌うことを想定した曲にしたんだろうなと、僕も思ったんですよ。
玉置:あ、聴いてくださったんですね。うれしい!
──玉置さんが作詞を手がけられましたが、聞くところによると、こちらも『SEED』にまつわる歌詞になったそうですね。
玉置:はい。実は、ラクス・クラインをイメージして書かせていただきました。
西川:そうなんだ!
玉置:といっても、あくまで私の中での勝手なラクスなんです(笑)。「Reborn」を作ることになって、『SEED FREEDOM』の台本を読ませていただいたときに、ラクスの成長をすごく感じたんですね。共感もあり、尊敬もありで。そんなラクスをぜひ歌いたい!と思って、勝手ながら。
西川:なるほどね。ラクスもね、『SEED』の最初の頃は、キラなのか、アスランなのかと…はっきりしないところがあったり。
玉置:お姫様ですしね。
西川:共感できるところとできないところが、はっきり分かれる人という印象でね。
玉置:むしろカガリのほうが一途で…。
西川:そうそう。上手く自分を表現できなくて、そこもかわいいみたいなね(笑)。でも年を重ねてラクスも変わったと。
玉置:はい。今回『SEED FREEDOM』でのラクス像も、私の中では変化があって。キラに対する“恋”というよりも、もっと深い愛情、母性のようなものを曲にしてみたくて、「Affection」ができました。
西川:想いがあふれちゃったんだね。
玉置:それで言うと…西川さんの「FREEDOM」のカップリング曲「Believer」のことで、私、勝手な感想を言わせてもらってもいいですか?
西川:なになに?
玉置:この曲、めっちゃアグネスっぽいと思いました!
西川:あ、なるほど、はいはいはい(笑)。ちょっと跳ねた感じね、ああいう女の子の感じがする曲だと、成実ちゃんは聴いてくれたんだね。
玉置:はい。どうしても作品のファンって、曲を誰かに当てはめがちで。歌詞も、そういう目線で読んでしまうんですよ。私も『SEED』が大好きなので、つい妄想が(笑)。
西川:いや~、それは皆さんが自由な感性で受け取っていただけたら、もうこちらとしてはね(笑)。そういう風に聴いてくださる方がいるということも、僕らの曲がファンの皆さんと一緒に歩んできた証じゃないですか。こういうタイミングで、作品と向き合い直すことも、楽しいことですよね。
──玉置さんが「THE FIRST TAKE」で「Believe」を歌われているのを観て、改めて作品に想いを馳せた方も多かったと思いますし。
西川:僕も「FREEDOM」が公開されていると思いますけど、改めて「THE FIRST TAKE」で歌わせておらうと、また違った感慨がありますよね。どう? 成実ちゃんは緊張した?
玉置:はい。めちゃめちゃ緊張しました…!今までの20年間で、それこそ舞台などで培ったものをぶつけたので、歌詞の表現の仕方とかも、当時とはやっぱり変わってくるんですよね。
西川:うん、そうだと思う。歌詞の意味なんかも、当時よりしっかりと解釈できるようになっているだろうからね。僕も拝見しましたけど、大人の女性になったなぁと思いましたよ。『SEED FREEDOM』も『SEED DESTINY』の世界観そのままで、その後の話なので、あっという間に20年を巻き戻された気がしましたけど、進化もしている。我々の曲も、時代を超えて聴いてもらえたらいいですよね。
──これからも、『SEED』をキッカケに出会ったお二人のアーティストとしてのお付き合いも続いていきますしね。
西川:そうそう。特に『SEED』に関しては、僕や成実ちゃんが揃って音楽を生で聴いてもらうイベントが、東京か大阪でしかやれていないんですよ。でもこうして『SEED FREEDOM』が公開されたこともあるから、今度は全国を回るイベントができたら、皆さん喜んでくださるんじゃないかと思うんですよね。
玉置:素敵です!
西川:『SEED』に限らず、成実ちゃんともアーティストとして、これからも高め合っていきたいですしね。
玉置:私も一生、尊敬する西川さんの背中を追いかけて頑張っていきたいです。これからもよろしくお願いします!
西川:あはは、僕も追い抜かれないように頑張りますよ!
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
楽曲リンク
リリース情報
2024.1.24 ON SALE
SINGLE『FREEDOM』 西川貴教with t.komuro
2024.1.24 ON SALE
SINGLE「Reborn」玉置成実
西川貴教 ライブ情報
機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~FREEDOM 新たな未来(とき)へ~
2月18日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
*昼の部 12:30開場/13:30開演 夜の部 17:30会場/18:30開演
LIVE SDD 2024
3月9日(土) 大阪城ホール
MEGA VEGAS 2024
3月10日(日) 神戸ワールド記念ホール
HYPER PLAMO Fes.2024
3月24日(日) 幕張メッセ 国際展示場 7ホール
Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING
3月20日(土) 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
玉置成実 ライブ情報
機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~FREEDOM 新たな未来(とき)へ~
2月18日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
*昼の部 12:30開場/13:30開演 夜の部 17:30会場/18:30開演
Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-
3月17日(日) 渋谷WWW X
HYPER PLAMO Fes.2024
3月24日(日) 幕張メッセ 国際展示場 7ホール
プロフィール
西川貴教
ニシカワタカノリ/1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。1996年5月、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてシングル「独裁-monopolize-」でデビュー。キャッチーな楽曲、観る者を魅了する完成されたステージ、圧倒的なライブパフォーマンスに定評があり、「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」「INVOKE -インヴォーク-」などヒット曲多数。2018年からは西川貴教名義での音楽活動を本格的に開始。他にも俳優、声優、番組MCなど多岐に渡り新しい挑戦を続けている。2021年5月にT.M.Revolutionデビュー25周年を迎え、「T.M.R. LIVE REVOLUTION ’21 -VOTE-」(滋賀県内25公演・東京・大阪・宮城)を開催。2022年6月からは47都道府県ツアー「T.M.R. LIVE REVOLUTION ’22-‘23 -VOTE JAPAN-」を開催し成功を収めるなどライブも精力的に行っている。故郷である滋賀県から2008年「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、翌2009年より県初の大型野外音楽イベント「イナズマロックフェス」を主催、以降地元自治体の協力のもと毎年滋賀県にて開催している。令和二(2020)年度滋賀県文化功労賞受賞。
玉置成実
タマキナミ/和歌山県出身。2003年 2003年ソニーミュージックよりシングル「Believe」でシンガーデビュー。第18回日本ゴールドディスク大賞「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」受賞。全世界で大人気のアニメ「機動戦士ガンダムシリーズ」、『機動戦士ガンダム SEED』とその続編『機動戦士ガ ンダム SEED DESTINY』のOP&EDを過去最多の計4曲担当。ダンスパフォーマンスにも高い評価があり海外ツアーも展開。近年ではブロードウェイミュージカル『Kinky Boots』など舞台作品に数多く出演。女優としての才能も発揮している。
西川貴教 OFFICIAL SITE
https://www.takanorinishikawa.com/
玉置成実 OFFICIAL SITE
http://www.tamaki-nami.net/
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』公式サイト
https://www.gundam-seed.net/freedom