THE RAMPAGE(ザ ランペイジ)5枚目のアルバム『ROUND & ROUND』が2月22日に発売されたことを受け、メンバー全員インタビューを実施。
昨年全国を巡ったツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』の勢いそのままにライブ直結型の充実度を誇る今作。“アルバム” “成長” “ツアー” “パフォーマンス”という4つのキーワードをもとに語っていく。
■ライブに直結した最新作『ROUND & ROUND』
──今回のインタビューは4名1チームに分かれて、順にお話をうかがっていきます。まずは最新アルバム『ROUND & ROUND』について、RIKUさん、岩谷翔吾さん、武知海青さん、後藤拓磨さんにお願いしようかと。
RIKU:今年の僕たちTHE RAMPAGEの活動テーマとして“原点回帰”があるのですが、それは改めてパフォーマンスに注力し、さらに研磨して極めていこうという思いから掲げました。そうした目標に沿って5thアルバム『ROUND & ROUND』の制作を進め、全12曲のうち新曲として4曲を追加しました。今の僕らの全力を凝縮した作品ですね。CDの形態もかなり豊富で、昔から応援してくださっている方はもちろん、最近THE RAMPAGEを知ってくださった方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています。
──せっかくなので、皆さんそれぞれの推し曲をうかがいたいです。
RIKU:僕は新曲のひとつ「ハジマリノウタ」です。歌詞がバンドミュージック的な言葉の使い方で、かなりのポップスで、シンプルな優しい楽曲です。THE RAMPAGEとしてこういったテイストの楽曲を歌うのは新鮮でしたし、年齢性別問わず、幅広い層の方たちに聴いていただける楽曲だなと思うので、そういった意味でも僕の推し曲ですね。
▼THE RAMPAGE / ハジマリノウタ (Vocal Recording Ver.)
武知海青:「僕たちはこういう者です!」と、今のTHE RAMPAGEの名刺として表現できると感じた「STRAIGHT UP」が僕の推し曲です。ライブの時は、楽曲それぞれでお客さんの反応に違いはありますが、「STRAIGHT UP」をパフォーマンスした際は、曲が終わってもお客さんがすぐに反応できないくらいの圧倒的な…鋭い切れ味があるなっていうのをステージ上から感じるんですよ。『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』のツアーファイナルでもセットリストに加えたりして、僕らとしても前に押していきたい楽曲のひとつです。歌詞は、生き方とライブに向かう姿勢が重なる表現になっていて、とにかく自分としてもすごくお気に入りです。聴いてもカッコ良いし、ライブで観てもカッコ良いし、すべて良し! な楽曲ですね。
▼「STRAIGHT UP」
後藤拓磨:僕は今作の表題曲「NO GRAVITY」です。今までの僕ららしい鋭さはありつつ、どこか爽やかさもあって、そのバランスが絶妙なんです。曲がすごく開けていく感じもあり、踊っていてもすごく気持ちいいですし、歌詞に“ブラックホール”と宇宙っぽい言葉が出てくるんですよ。個人的に宇宙っぽい世界観も好きなので(笑)、推し曲として挙げたいなと。あと、『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』のツアーファイナル公演で、アンコールのいちばん最後にやった時の会場の反応が忘れられないんですよね。前情報がないなかでいきなり初披露したんですけど、お客さんが高ぶっていく感じがステージにも伝わってきたんです。実際に披露するまではどんな反応が返ってくるのか不安もありましたが、あの光景を目の当たりにしたことで一気に自信へと繋がりました。これからどんどんライブでやっていきたいですし、これから僕らと一緒に成長していく頼もしい一曲だと思っています。
▼「NO GRAVITY」
岩谷翔吾:僕は新曲の「ROLL UP」が推し曲です。この曲は、UHA味覚糖「コロロ」のタイアップソングとして作った楽曲なんですけど、トラックが爆発的にキャッチーで。元々は、お菓子のタイアップということもあり、自分たちのカラー含めてどんなテイストが良いのか、探り探りではあったのですが、いざ蓋を開けてみると、最高のパーティーチューンが出来上がりました! 今までのTHE RAMPAGEとはまた違ったタイプのブチ上がれる曲が出来たので、早くライブでやりたいですね。レーザーなどを使ったクラブのような演出をしたくて今からライブで披露するのが楽しみですね。
▼「ROLL UP」
──皆さんのお話を聞いていると、本アルバム『ROUND & ROUND』はよりライブに直結した作品なのかなと感じました。
RIKU:それはすごくあると思います。これまで培ったライブ経験もそうですし、観客の皆さんに自分たちの思いをダイレクトに届けられるライブという場所を大切にしたいので、そういった気持ちから本当に様々なジャンルの音楽がギュギュッと詰まっています。THE RAMPAGEらしい“暴れ回る”激しい曲もあれば、3ボーカルを生かした歌を聴かせる曲もあり、自分たちの振り幅の広さを今作でいっそう見せられると思うので、これからTHE RAMPAGEを知る人にとってはすごく優しい入口だと思います。それに、THE RAMPAGEをもうちょっと深掘りしてみようかなって人が聴いても、いろんなテイストの楽曲があるのでかなり楽しめる作品じゃないかなと。あと、僕の個人的な考えではありますが、アルバムの醍醐味に曲順もあるなって思うんですよ。ライブと似たような“流れ”を音源で体感できるのがアルバムだなと思うので、まずは曲順通りに1曲目から最後まで聴いてもらえたらうれしいですね。ただ、聴き方にルールはないので、好きな曲だけ何度も繰り返し聴くのも良いですし、シャッフルして聴いてもらっても、それぞれの楽しみ方で、あまり壁を作らずに聴いていただけたらと思います。
■16人が一体となる、パフォーマンス
──LIKIYAさん、藤原樹さん、山本彰吾さん、与那嶺瑠唯さんには、パフォーマンス面についてうかがいたいのですが、本作『ROUND & ROUND』のリリースに向けて、より研ぎ澄ませたパフォーマンスを見せたいという考えはありましたか?
山本彰吾:そうですね。まず、2022年のTHE RAMPAGEの活動そのものが、改めて自分たちのパフォーマンスを見返す、良いきっかけになったと感じています。特にツアー後半は、どんどん良いクオリティでライブができていったなって実感があります。ツアーファイナルでは「NO GRAVITY」で今までとは雰囲気の違うパフォーマンスをお見せして、2023年に向けて自分たちの引き出しを広げることができました。なので、アルバム『ROUND & ROUND』でのパフォーマンスをさらに固めていけるなとも思いました。
▼「NO GRAVITY」(『LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』より)
LIKIYA:日本のダンス&ボーカルグループがたくさんいる中、いちばん輝いていたいですし、ダンスシーンを率先して盛り上げる存在じゃなきゃいけない。僕らはいろんなジャンルのダンスをやってきましたが、そこに甘んじることなく、新しいチャレンジや世界で戦っていくことにおいても、改めて今の勢いをもっともっと研ぎ澄ませなきゃいけないと思っています。僕らの原点にある、勢いのあるパフォーマンスでも絶対負けない存在になっていきたいですね。
藤原樹:僕らはグループ名にもあるように、激しい圧のあるパフォーマンスでやってきましたが、世の中のダンスもどんどん変化してきているんです。これからは、暴れまわる激しいダンスにプラスして、時代に対応したパフォーマンスをしていきたいと考えています。そのためにも僕らはつねにアンテナを張ってなきゃいけないし、LDHだけではなく、ダンス&ボーカルグループシーン全体を盛り上げていきたいんです。パフォーマーとしてその気持ちを忘れず、もっともっとダンスを磨いていきたいですね。
与那嶺瑠唯:オリジナル楽曲が増えたぶんだけ、振り付けのジャンルも増えていったんです。自分も振り付けを担当させてもらったことがあるのでわかるのですが、どんなタイプの振りが来ても絶対にTHE RAMPAGEらしいパフォーマンスになるんです。なので、これからもどんどん新しいTHE RAMPAGEらしいパフォーマンスを作っていきたいと思っています。そのためには、個々のダンススキルをアップさせることはもちろんだし、改めて全員で揃えることを徹底したり、メリハリをつけたパフォーマンスに注力していきたいなと思っています。
──THE RAMPAGEのパフォーマンスは、迫力だけでなく年月を重ねるごとに艶っぽさも増しているように思いますが、表現の豊かさについて話し合うことはありますか?
山本:もちろん全体の方向性は話しますが、艶っぽく踊ろうとかを話したりはないです(笑)。
LIKIYA:やっぱり結成当初は、最年少が16歳で上の僕も23歳でみんな若かったんです。歳を重ねるごとに経験も増えていきますし、みんなの感覚が変わって表現も自然と変化していったのかもしれないです。あとは…みんなのモテ心が強いのかもです(笑)。
全員:アハハハ(笑)。
──なるほど(笑)。あと、先ほどお話に出たTHE RAMPAGEらしさを大事にしたいという部分についてはいかがですか?
山本:ちょうど年末から年始にかけて、何度かメンバーとスタッフさんと会議をしたんです。そういう場でグループの目標などを話し合うのですが、HIROさんがプロデューサー目線で「THE RAMPAGEはもっとこうしたほうがいいんじゃない?」って大きなテーマを投げてくださるので、それに対して自分たちがどうやっていくのが正解なのかを話し合ったりしますね。
──大きなお題があるのは、方向性が掴みやすそうですね。
山本:そうですね。個々での活動もあるので、メンバー全員が同じ目標を持つことが大事ですね。そうすることで、それぞれが個々の仕事をしながらも、ジムに行ったり、ダンスレッスンしたり、表現を磨くためのインプットを同時にできるので、THE RAMPAGEとしての活動がつねに自分の中にある状態でいられるんです。
──16人それぞれが経験したものをグループに持ち帰って瞬時に爆発できる。それがTHE RAMPAGEのパフォーマンスの秘訣かもしれないですね。せっかくなので、今作収録曲でパフォーマーとして “細かい部分だけど個人的にここが良い!”と思うところを教えてください。
山本:僕が振り付けした「STRAIGHT UP」は、かなり凝った忙しい構成のダンスで、曲調もすごくパワフルで。THE RAMPAGEっぽさもあるけど新しさもある楽曲になっています。若い子たちが超好きそうなヒップホップっぽい曲なので、結構刺さりやすい曲なのかなって思っています。
LIKIYA:「NO GRAVITY」は、パフォーマンスしてるとすごく一体感を感じますね。特にメロディを踊ってる時に「16人だ!」ってことを強く感じるんですよ。例えると、海で大量の小魚が束になって巨大な渦みたいに泳いでる映像とかあるじゃないですか。あの感覚がすごくあるんです。自分たちも、そういう見せ方をしたいと思ってやっているので、みんなで動き回って、今までにない不思議な一体感が生まれました。
藤原:「ハジマリノウタ」は、THE RAMPAGE初の卒業ソングで、EXILEさんでいう「道」みたいな存在にこれから育ってくれたらうれしいなって思っています。卒業シーズンを迎える時に聴いていただきたいですし、大人の方もふと学生時代を思い出してもらえるような、そういう感覚になれる楽曲なのですごく注目してほしいです。
与那嶺:僕は「Fallen Butterfly」が好きなんですよ。超いかつい感じで、みんなで踊りたいって思える曲なんです。サビ前のポストフックの一体感がヤバいですね。(川村)壱馬の力強い声も含めて、這い上がって行くぞ! って感じがして、そこがめちゃくちゃ好きです。
▼「Fallen Butterfly」
■振り返ることでわかる、THE RAMPAGEの成長
──川村壱馬さん、陣さん、浦川翔平さん、龍さんには、THE RAMPAGEの成長をテーマにうかがっていきます。最新ビジュアルは、デビュー前に撮影されたアーティスト写真をオマージュすることで“原点回帰”を表現したそうで。
浦川翔平:当時10代のメンバーもいましたし、若さもあって今じゃ絶対しないようなポーズをしていますね。今回「再現してください」って言われた時に、ポーズの角度やニュアンスがすごく難しかったです。当時は未熟だったのもあり、「こんなポーズしてたんだ…恥ずかしいな」っていうのもあります(笑)。
──2014年に初めてアーティスト写真を撮影した時はどんな気持ちでしたか?
川村壱馬:たしか、最初のアーティスト写真を撮影するために事務所でメイクしたことは覚えてるんですけど…撮影自体の記憶があまりなくて。
浦川:初めての撮影だから、どうすればいいか何もわからなくて頭真っ白でした。
川村:内心不安だったんですけど…カッコつけるためにガンつけとけ! って感じで臨んでいたと思います。
全員:(笑)。
陣:あの頃は、まだグループ名しか決まってなくて、これから武者修行を回るタイミングだったんです。
浦川:まだメンバーも確定じゃない…というレベルでしたよね?
陣:そうそう。まだ候補生って形で。
龍:僕も(最初のアーティスト写真)撮影の時のことは覚えてないですね。当時16歳で、そもそも人間として“なってない”感じだったので…いきなり最年長のLIKIYAさんにタメ口で話かけにいったので、ちょっと喝入れられたのを覚えています。
全員:アハハハ(笑)。
龍:しかも、LIKIYAさんの口ぶりが丁寧だったので、それが重めな注意だってことに気づかず…何も知らないクソガキでした(汗)。
──当時、自分たちのグループができることへの期待やワクワク感みたいなものはありましたか?
浦川:いや、この時期は誰が生き残るか、サバイバルな感じだったので必死でした。「誰が16人の中で生き残るか」ってポスターにも書かれているなかでの全国を回る武者修行だったので。
──2014年4月に候補メンバーとして16名が選ばれ、同年7月に最初の武者修行へ。約1カ月間、正式メンバーの座をかけて全国17都市34公演をバスでまわり、さらに寮で一緒に生活するという日々でした。
浦川:生き残ることに必死で“オレがオレが”と前に出ていたので…今振り返ってみると、あまりにまわりが見えていなかった当時の自分は好きではないですね。
川村:当時のLDHで考えると、EXILEさん、EXILE THE SECONDさん、三代目 J SOUL BROTHERSさん、GENERATIONSさんと2ボーカル体制が続いていたので…どう考えてもひとり削られるんだろうな、とボーカル3人は特にあの状況をシビアに捉え、ピリピリしていました。
龍:武者修行では、公演後に16人内のワーストは誰かを選ぶ企画がありましたが、僕は何も印象に残るものが出せなくて、ワーストになることが多く…現実の厳しさ、自分の不甲斐なさに悔しい気持ちにもなりましたが、多くのことを学ぶ良い機会になりましたし、すごく濃い経験をさせていただいたなって思います。
陣:どうしてもバチバチしますよね。誰かを蹴落とそうとまでは考えないものの、とにかく自分が生き残ることに必死でした。自分も余裕がなかったので、強めに注意してしまうこともあって…。それだけ参加者全員が夢を掴むためにまっすぐで、かける思いが強かったのだと思います。でも、一緒に寮で生活していたことも含めて、経験できて良かったです。性格、考え方、メンバー全員がお互いを深く知る機会でもあり、現在のように何でも言い合える人間関係ができたのも武者修行と寮生活をともに乗り越えたからだと思うので。
──では、当時と比べてTHE RAMPAGEとしていちばん成長したことを挙げるなら?
陣:僕は“アーティストとしての姿勢”だと思います。例えば、「ファンの皆さんのために」という発言ひとつとっても、デビュー当初から思いはあっても具体的にどうすればいいのか、ちゃんと理解できていませんでしたが、経験を重ねていくうちにようやくエンタメの本質…どうやってメッセージを届けるのか、ライブのその瞬間だけ楽しませるだけでなく、それぞれの“日常”に戻ってからも心を満たせるか、そうしたことをメンバーみんなが具体的に考えられるようになったのは大きいことだと感じています。
川村:そうやって姿勢を正せたのも、いろんな経験を仲間とともに重ねていけたからで。僕ら最初の頃は本当にひどかったんですよ。人を楽しませるとはどういうことなのか、音楽を届けるとはどういうことなのか、この真意を理解できていない時はただがむしゃらに突っ走るしかなかったのですが、何をやっても“何かが違う”という違和感ばかりが生まれ…みんな一度は心が壊れるんじゃないか? ぐらいの、えげつない経験をしてきました。(ちゃんと真意を掴んでいない)自分たちがダメだったという話なのですが、僕たちは器用なほうではなかったので、壁にぶつかっては考え、時に痛みや傷を作りながらまた考え…を繰り返し、いろんな経験をするなかで変わっていったんです。これ以上ない厳しさを全員で経験してきたので、団結力は強まったと思います。ちょっとやそっとのことじゃへこたれないですね。メンバーもですが、支えてくれるチームの皆さんとも信頼しあって活動できていますし、そうしたところからもグループとしての成長を感じます。
浦川:パフォーマンス面ではつねに挑戦を続けているので成長していますし、何よりも年齢を重ねて内面的な部分がすごく成長したなって思います。以前は、何かを頑張るにしても“自分のため”という割合が大半でしたが、“人のために頑張る”という思考に変わってきましたね。若い頃はずっとがむしゃらに生きてきたけど、グループは組織でもあるので個々の役割があるじゃないですか。今は自分を抑えて誰かを立てる、このタイミングで自分が攻めるとか。それをちゃんと理解できるようになったのが今かなって思いますね。
龍:そういった内面の成長がメンバー全員共通してあるので、グループから放たれる覇気的な部分も自ずと強まったように感じます。デビュー当初と現在の写真を見比べると、根底にあるTHE RAMPAGEらしさはありつつ、時を経てすべての厚みが違うTHE RAMPAGEになれているなと思います。みんなでいろんなものを経験して、今もこの16人で活動できていることがうれしいですし、誇りですね。
■心身ともにハードだが、手ごたえを感じた全国ツアー
──吉野北人さん、神谷健太さん、長谷川慎さん、鈴木昂秀さんには、昨年4月から12月に行った全国ツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT”』を振り返ってもらいます。
鈴木昂秀:本ツアーのテーマは、16本の光(=THE RAMPAGE)がこの世の中を照らしていく、皆さんに元気を与えていくことでした。歌やパフォーマンスだけでなく、演出や照明にもこだわっています。例えば、16人がマントを被って登場する“つかみ”の部分から、お客さんにドキドキを味わってもらったり、一気に盛り上がってほしいと、テーマに沿った演出をゴリゴリにかましました!
神谷健太:パフォーマンスするうえで、体力面・気持ちの面でも過去いちばんハードなツアーでした(笑)。流れとしては、最初にアゲてバラードで落ち着いて、最後にまた盛り上げるというライブの王道セオリーでしたが…その“てんこ盛り”感がすごくて。今までのスタイルをさらに高い打点ですべて出し切るような内容だったので、非常にハードだったんです。走り終えた今は「すごい経験をしたな」ってまだそのぐらいの感覚なので、次のツアーが始まった時に今回の経験が活きてくると良いなと考えています。
──きっと皆さん自身のライブに求めるクオリティ、観客を楽しませたいという意欲が高まっていった結果、過去いちばんのハードさになったのでしょうね。
長谷川慎:ツアーファイナルの東京・有明アリーナでは、アルバム『ROUND & ROUND』のリード曲「NO GRAVITY」を初披露したのですが、楽曲も発表していなかったし、お客さんは何も知らない状態でやったんです。アンコールの最後に新曲を初披露で、それでツアーを終える斬新さがTHE RAMPAGEっぽいなと印象深く残っています。終演後には「今の曲は何?」とクチコミで広まったようで、インパクトのあるアルバムの最強のプロモーションになったと思います。
吉野北人:ツアー自体は約8カ月と長い期間でしたが、ツアーの前半と後半でセトリを変えたり、自分たちもずっと新鮮な気持ちで楽しんでライブができました。あと、長く応援してくださるファンの皆さんに加え、初めてライブに来てくださる方のことも考えて構成や楽曲選びを行いました。ボーカル3人のコーナーでは、「MY PRAYER」と「Starlight」を『THE FIRST TAKE』バージョンで披露しています。
▼THE RAMPAGE from EXILE TRIBE(RIKU・川村壱馬・吉野北人)– MY PRAYER / THE FIRST TAKE
▼THE RAMPAGE from EXILE TRIBE(RIKU・川村壱馬・吉野北人)– Starlight / THE FIRST TAKE
──ちなみに『THE FIRST TAKE』出演後、どんな反響がありましたか?
吉野:“THE RAMPAGE=暴れまわる”というグループ名や16人で魅せるための激しいダンスパフォーマンスの印象が前提として強くあったようで、良いギャップとして多くの方に受け取っていただけました。たしかに、ボーカル力が試されるしっとりしたバラードを世の中に発信する機会は初めてに近かったので、そう言っていただけたんだと思います。そのため、ツアーでは『THE FIRST TAKE』でTHE RAMPAGEが気になってライブに来てくださった方もいたようで、初めてライブに来てくださる方にもおもてなしできるようなライブになるよう心がけました。
──希望込みでかまいませんので、個人的に考えているライブでの野望はありますか?
吉野:いつかソロのステージをやってみたいですね。自分で楽曲を制作して歌うのもやってみたいです。
鈴木:僕も新しい挑戦として、自分たちで作った曲を発信してみたいですね。自分たちの曲がセットリストに組み込めたら、またライブの流れも自然と変化が出るし、面白いんじゃないかなって思います。
神谷:大きい話をすると…今は世界的に音楽の変換期に入っていると思うんです。楽曲だけじゃなく、ライブやエンターテインメント自体が変わっていくなかで、日本のエンタメも変わっていかなきゃいけないところにきていると思うんです。そのためには、自分たちアーティストが発信して変えていかなきゃいけないんじゃないかなとすごく思います。それがアーティストの本来あるべき姿だと思うんですよ。海外のアーティストのライブを観ると、斬新なものがどんどん出てきているし、日本での当たり前を崩していく時期に来てるな、と。王道の良さ、それを貫く美学も大切ですが、自分たち発信でファンの方に新しい見せ方で楽しさを提供していくのもアーティストの役割なのかなって思うんです。自分たちが発信したい音楽やライブを積極的に自由に発信できるようになっていくっていうのが野望ですね。
長谷川:これまで当たり前だった“ライブの光景”を早く取り戻したいなって思います。やっぱり、コロナ禍で生活様式もそうですが、ライブも変わってしまったじゃないですか。ようやくいろんな制限が緩和に進み、声出しライブもできるような状態が近づいているので、すごくうれしいです。僕らもお客さんもずっと我慢してきましたけど、やっぱり歓声があるのとないのでは、やる側の感覚もまったく違うんです。なので、少しでも早く普通にライブができる環境になってほしいですね。
INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介
PHOTO BY 橋本憲和
■楽曲リンク
2023.02.22 ON SALE
ALBUM『ROUND & ROUND』
プロフィール
ザ ランペイジ/RIKU(Vo)、川村壱馬(Vo)、吉野北人(Vo)、LIKIYA(Performer/リーダー)、陣(Performer/リーダー)、神谷健太(Performer)、与那嶺瑠唯(Performer)、山本彰吾(Performer)、岩谷翔吾(Performer)、浦川翔平(Performer)、藤原樹(Performer)、武知海青(Performer)、長谷川慎(Performer)、龍(Performer)、鈴木昂秀(Performer)、後藤拓磨(Performer)からなる16人組ダンス&ボーカルグループ。武者修行を経て、2017年1月25日、シングル「Lightning」でメジャーデビュー。
THE RAMPAGE OFFICIAL SITE
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