清水翔太が審査員長を務めたオーディション“ONE in a Billion”発、平均年齢19歳のZ世代の8人組ダンスボーカルグループ・ZILLION。そのプレデビュー第3弾シングル「STEP/冗談じゃないわ」が11月30日に配信リリースされた。「STEP」はモータウンサウンドをフィーチャーした、聴いた人に元気を与える、そして自分たちを奮い立たせるポジティブソングだ。このシングルについて、そしてひたすらレッスンと経験を重ね、全速力で走り続けてきた2022年の、特に印象に残っている活動についてルナ、タイラ、ケイジ、リオン、カシン、カオラ、ワタル、モカの8人にインタビューした。
■来年2月に控えている、KT Zepp Yokohamaでのライブへの出発点、原点になっている
──プレデビューシングルを2作、EPを1作リリースし、いろいろなイベントやライブにも出演。2022年はとにかく“突っ走ってきた”と思いますが、中でも特に印象に残っている活動をひとりずつ聞かせて下さい。
リオン:私は「123she」のMV撮影です。グループとして初めてのユニット(モカ、ルナ、リオン、カシン、ケイジ)曲で、全員がいない不安もありつつ、新しい環境にワクワクできて楽しかったです。ダンスがないMVも初めてだったので、それも新鮮で、すごく印象に残っています。
──コラボは、全員が主役のZILLIONというグループならではの武器になると思うし、ライブでも見せ場になりそうですね。
リオン:メンバー同士の声の相性とか、今まで見えていなかった新しい発見があると思うので、これからもユニット曲はチャレンジしていきたいなって思いました。
ルナ:私は清水翔太さんのツアーのオープニングアクトとして、Zeppのステージに出させてもらったことです。あの日は私が歌い出しで、緊張でぶるぶる震えていましたが、幕が上がってお客さんの温かい視線を感じたので、頑張ろうって思えました。あの瞬間は、今でも忘れられないし、あれがあったからこそ、私たちのビジョンが見えてきたと思います。あの日が私たちが来年2月に控えている、KT Zepp Yokohamaでのライブへの出発点、原点になっている気がしています。
タイラ:私は新しいアーティスト写真の撮影です。メンバー一人ひとりが、憧れられる存在になるという、ZILLIONの目標に向けて衣装も、メイクも含めてビジュアルをみんなで研究してきました。今回のアーティスト写真は緑という統一感もあるけど、それぞれのオリジナルの空気感が出ていると思うので、本当に楽しい撮影で、すごく思い出に残っています。
──ビジュアルについては一人ひとりすごくこだわりがあると思うので、ひとつに意見をまとめるのは難しそう。
タイラ:そうなんです(笑)。それぞれのこだわり、意見をまとめてくれたのがカシンで、 カシンが私たちとスタッフさんとの間で頑張ってくれて、最高に納得のいくものが出来上がりました。
カシン:めちゃくちゃ頑張りました(笑)。
■グループ全体でもユニットでもいろいろな世界観を見せられるという新しい発見があった
──8人8色、それも強くて発色のいい8色だと思うので、リーダーのリオンさんは意見をまとめるのが大変そうです。
リオン:みんなの意見を聞くことを大切にしていて、でもそれでも決まらないときは最終的には私とかワタルが中心になって話し合って、それを最後にまたみんなに確認して、決めています。時間がかかるときもありますが、いい作品を作るためには必要な時間だと思います。
モカ:私はユニット楽曲の「123she」と「NO 盛れNO LIFE」でユニットがふたつできてその両方に参加させていただいて、それが印象的でした。それぞれで全然世界観が違って、ひとつのグループでもこんなに違った世界観を表現できるんだという気付きがあって。さっきリオンも言っていましたが、グループ全体でもユニットでもいろいろな世界観を見せられるという新しい発見があったので貴重な経験になりました。
カオラ:私は8月『TOKYO TRAX』というイベントで、ライブハウスShibuya eggmanのステージに立ったことです。ステージの大きさに合わせて振付の構成や見せ方、セトリをみんなで考えることができたのがうれしくて。それこそ8通りの意見がありましたが、初めてのライブハウスのステージに向けて、みんなでひとつになっていくのが伝わってきて、すごく印象に残っています。
ワタル:「やめとこっか」という曲で、全員で派手に踊るダンスシーンがあるんですけど、ステージの大きさを考えると、どうしても全員がステージ上に乗り切れない、でも迫力をお客さんに伝えたいという気持ちが強くて、みんなで試行錯誤して本番に臨んだことを覚えています。
ケイジ:僕は出演させていただいたライブ、すべてが印象に残っています。小3からヒューマンビートボックスを始めて、自信を持ってやっていたのですが、それが初めて“確信”に変わったのがライブです。ライブでは「やめとこっか」で僕がビートボックスをするパートがあるんですけど、自信を持って、納得のいくものが出せているので印象に残っています。オーディション時は未経験だったダンスも、まわりのメンバーのサポートもあって引き出しが増えてきたと思うし、もっともっと鍛えます!
ワタル:僕が今までの活動でいちばん印象に残っているのは「Timeless」のMV撮影のときです。本当についこの間まで学生として普通に生きてきた一般男子が、カメラを向けられて歌って踊って、カットがかかったらスタッフさんが水を持ってきてくれて、うちわであおいでもらい、3人がかりで汗を拭いてもらって、という環境が本当に現実のものとは思えなくて…。今まで外から見ていたものを、自分が今やっていると思うと、これは本当なのかって思うくらいの経験でした。
ケイジ:汗拭くのに3人がかりだったのは、ワタルだけだったけどね(笑)。
ワタル:水まで持ってきてくださって、今でも慣れないというか、スタッフさんはみんな立ってるのに、僕たちは座ってていいのかなって思っちゃいます。
■一致団結して想いを伝えて、いいMVを残すという同じ意識になれた瞬間
カシン:僕は「One Day」のMVの撮影で、雨に濡れながらダンスするシーンを撮影したときです。もともとは雨には濡れない予定だったのが、絵的に濡れたほうがいいということになって、滝行じゃないかと思うくらい雨に打たれてびしょびしょになって(笑)。そのとき、いつものダンスシーンとは違うひとつになった感があって。その日の撮影はハードで、みんな疲れているはずなのに、しかも水に濡れて寒いのに、みんなで円陣を組んで「さあ行くぞ!」って気合を入れたりして。雨に打たれてダンスを踊るシーンを撮っていただけなのに、いつも以上にZILLIONらしさを感じたというか。僕もすごく心が動いたというか、次の日からZILLIONの活気もさらについて、あのときを思い出すだけでもちょっと感動してしまいます。お客さんもいなかったんですけど、一致団結して想いを伝えて、いいMVを残すという同じ意識になれた瞬間だったとい思います。
ワタル:一致団結できて一気にそれぞれの感覚が変わるのって、もしかしたら刹那的といえるかもしれないけど、でもこのグループはガッとまとまる瞬間の団結力がすごいと思います。
リオン:女子チームも、あのMV撮影が終わったあと、大変だったけどいい撮影だったよねって度々話に出るくらいな、ひとつ同じ目標に向かって走ることの大切さを全員が改めて感じたと思います。
■普段は周りにメンバーがいてくれるのに、制作期間はひとりで
──8月には初めてのフィーチャリングシングル「“すき”の気持ち feat. ルナ」が配信されました。
ルナ:すごくうれしかったのですが、どこか不安な自分もいて。それは普段は周りにメンバーがいてくれるのに、制作期間はひとりで、恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。セブ島編』への参加もひとりだったので、不安なことが多かったです。でも出来上がったものをいち早くメンバーが聴いて、観てくれて「良かったよ」って言ってくれるだけですごくうれしかったです。それをライブで披露させてもらったときがあって、すごく緊張しましたが、こうやっていろいろな形のZILLIONのそのひとつにもなれたと思います。
──「STEP」と「冗談じゃないわ」は、先日『TGC teen』のステージで披露したんですよね?
ケイジ:あんなに大きなステージに立つのが初めてで、今までのライブとはお客さんの数も全然違って想像以上の人数だったのでビックリしました。カメラを構えてくれる人やペンライト振ってくださる人もいて、めっちゃ緊張しましたけど、すごくいい経験になりました。
■TikTokとかでみんなでやってもらいたない
──「STEP」は自分たちに向けて歌っている感じもするし、聴いた人は気持ちが上がって、希望を感じてもらえると思います。ここまでいろんな音楽性の楽曲を歌ってきて、今回モータウンっぽい感じの楽曲を聴いたとき、どう感じました?
カシン:僕はもともと70年代~80年代の頃発祥のロックダンスっていうジャンルのダンスをやっていて。小さい頃からジェームズ・ブラウンみたいなブラックミュージックには触れていたので、この曲を聴いたとき、当時のことを思い出しました。このリズムが好きだなと思って、いつも以上にデモを聴いていました。
カオラ:私とモカちゃんの歌い出しから始まるんですけど、歌詞が来たときにめちゃくちゃ共感できて。私もずっとダンスをやっていたので、ブラックミュージックを聴くことが多くて、そういう音楽を自分たちのグループでも歌えるようになったことがすごくうれしくて。個人的にも踊っていても楽しいし、歌っても共感できて楽しいし、すごいうれしい曲です。ZILLIONはこういうアップテンポで、なんとかなるよ的なポジティブな歌詞の曲をあまりやってこなかったので、挑戦だと思うし、それも含めてすごく楽しい曲です。
カシン:カオラが言ったように、ZILLIONでこういう曲調は初めてで、ダンスが今まではどの曲も難易度が高いダンスでしたが、今回はサビの振り付けはみんなに真似してもらえるようなダンスになっていてTikTokとかでみんなでやってもらいたいなって思っています。
──来年の2月のライブでは、声出しがOKになっているかどうかは今の時点ではわからないけど、そうなると簡単な振り付けだとみんなで楽しめますよね。
カシン:手だけでできるフリだと、お客さんも一緒に参加できるので、よりライブを楽しめるかなって。
タイラ:フリの意味は、一つひとつ写真を撮られるようなポーズになっていて、数字を使ったポーズになってるので面白いと思います。
──「冗談じゃないわ」はすごく面白い曲ですよね。「STEP」とはまったく違って、どこかミステリアスな空気が流れてきたり、でも最後まで聴くとZILLIONらしさを感じることができる楽曲だと思います。
ルナ:このダンスのほうはキャッチーというか、“なんだこのフリは?”って思わずマネしたくなると思います。今までの「Timeless」とか「One Day」って、歌詞に合ったフリとか、歌詞の意味を丁寧にダンスに落とし込むことが多かったんですけど、今回はよりキャッチーというか、こんな動きがあるのか、みたいな、一度見ると絶対マネしたくなると思います。
モカ:「STEP」と聴き比べてみても、どちらも人間らしい感情が入っているので。今までの曲は誰かに向けてとか、儚さとか、愛とか、何か見えないものに対して歌っていたのが、今回はどちらも自分たちの中にあるリアルな環境を歌ってるいのでわかりやすいと思います。チャレンジだし、頑張らなきゃっていう気持ちにもなります。
──歌詞もすごく面白いですよね。
リオン:最初歌詞を見たときにポジティブ曲なのかなって思って、でも最後まで聴いたときに結局自分に対するファイトソングになりそうな曲だなって思って。最終的には、絶対に叶えてみせるから、というところに行き着くので、結果的に今回はどっちもポジティブな曲になっていると思いました。
■ZILLIONのライブに行きたいなって思ってもらえるようなライブに
──まだ先、と思っていた2月のライブも、どんどん近づいてきましたが、どんなライブにしましょうか?
リオン:いろいろなライブを経験してきて、そこで得たものや経験したことをKT Zepp Yokohamaのライブでは100%出したい。ZILLIONだけではなく観に来てくださるファンの皆さんと一緒に作る楽しいライブにしたいです。今ライブハウスでやっているライブもみんなで一緒に楽しむというのをテーマにしているので、2月のZeppもみんなで一緒に作りたいです。
ワタル:いろいろ経験してきて、メンバーそれぞれがここに向けていろいろな思いを抱えていると思うので、それこそまとまらない状況になりそうですよね(笑)。現場に行って何をすべきなのかを一人ひとりたくさん考えて、それをひとつにして爆発したいです。
タイラ:今までイベントやライブでいろいろなことにチャレンジして、それを改善して、更新させてZeppで披露したいです。ファンの方と一緒に楽しんで、Zeppが終わったあとに、またZILLIONのライブに行きたいなって思ってもらえるようなライブにしたいです。
INTERVIEW & TEXT BY 田中久勝
PHOTO BY 大橋祐希
楽曲リンク
リリース情報
2022.11.30 ON SALE
SINGLE「STEP / 冗談じゃないわ」
ライブ情報
ZILLION SHOWCASE LIVE「BILLION」
[2023年]
2/10(金) KT Zepp Yokohama
プロフィール
ZILLION
ジリオン/ソニーミュージック主催オーディション”ONE in a Billion”発、応募総数5,000人以上の中から、約1年にわたる審査・トレーニングを経て勝ち抜いて結成された、男女混合の次世代ダンスボーカルグループ。2021年12月22日、Digital Single「Timeless」でプレデビュー。「多様性」をキーワードに、性別/キャラ/バックグラウンドも全く異なる、キャラ立ち抜群“全員主役”の新しいダンスボーカルグループの在り方を体現。グループ名は、10億分の1の才能(ONE in a Billion)として選ばれたメンバー達が、Z世代を牽引するグループとして、果てのない(ZILLION)可能性とスケールを持って羽ばたいて欲しい、という願いを込めている。
ZILLION OFFICIAL SITE
https://www.zillion-official.com