ネイティブな英語を操るバイリンガルのYosh(Vo)や香港出身のIvan(Gu)などインターナショナルなメンバーを擁し、スキルフルなプレイとショーマンシップで、ロック、ポップ、ヒップホップやR&Bなどを独自に昇華した、柔軟で変化に富んだサウンドとボルテージの高いライブで、ファンベースを拡大しているバンドSurvive Said The Prophet(通称、サバプロ)。
昨年結成10周年を迎えたサバプロが、リテイク・ベストアルバム『To Redefine / To Be Defined』以来1年ぶりとなる作品、両A面シングル「Papersky | Win / Lose」をリリースする。
「Papersky」はTVアニメ「東京24区」オープニングテーマ、「Win / Lose」は男子プロ・バスケットボールリーグ『B.LEAGUE 2021-2022 SEASON公式テーマソング』でもあるが、バンドの新たな決意やそこに吹く爽快でパワフルな風が織り込まれたシングルになっている。コロナ禍でライブ活動ができないなど変化もあったなか、バンドはどのような時間を過ごしたのか、4人に話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 吉羽さおり
PHOTO BY 関 信行
■生の音ってすごく特別なんだなということ
──2021年はライブも再開されて、6都市6公演のライブツアー『something BOLD tour』も完走しました。新体制で回る最初のツアーでもありましたが、バンドとしてはコロナ禍の活動となったこの2020年、2021年という時間をどう捉えていますか。
Yosh:スタート地点からの話をすると、2020年1月にアルバム『Inside Your Head』をリリースしてみんなに聴いてもらって、このままいけばSurvive Said The Prophetは武道館にいくんじゃないかっていうのを周囲から言われはじめたんです。いろんなライブを重ねてきて、アルバムとしても5枚目で。僕らのようなバンドでもちゃんとやっていたら武道館にいけるんだっていう機運が、事務所やレーベル、我々のオーディエンスの間でも高まってきたタイミングで、新型コロナウイルスの感染拡大でライブ、ツアーが切られてしまったというのがはじまりで。
──ライブの延期や中止が相次いで、サバプロも準備していたアルバムツアーが中止になってしまいましたね。
Yosh:ただそのときは、ツアーができなくなったことがどんなダメージをもたらすかに気づいていなかったんです。いま振り返ると、まだ大丈夫だろうって感覚があったんですよね。
Tatsuya:ライブも再開できると思っていたしね。
Yosh:当初は、世の中もそういう雰囲気でしたし。それが、長くライブができなくなって、じゃあ何をしようか、何かしないと本当にやばいぞってなって。現状をリセットするという意味でも、リテイク・ベストアルバム『To Redefine / To Be Defined』(2021年1月リリース)を作って。徐々に、制限はありつつもライブ活動をスタートしていったなかで気づくのが、生の音ってすごく特別なんだなということだったんです。サブストーリーはたくさんありますけど、でも我々は何をしたかったのかっていったら、男の子が集まってどんちゃん騒ぎをしたかったんだというロマンスを、また信じられるなと思ったきっかけが2021年だったと思いますね。
──先ほど話に出た武道館という会場については、バンドとしても立ちたい場所だったんですか。
Yosh:いけるっていうのは10年前から言っていたんです。そのときは、武道館というよりも“スタジアム”という意味合いでしたけど。
Show:現実的に日程も組んでいたんですけど、コロナ禍でリセットせざるを得ない状況になったんです。ただ、このコロナ禍はマイナスばかりじゃないと僕は思っていて。今考えると、きっとあのまま走り続けてたら、空中分解してた可能性もあったなと思うんですね。ライブができないことや、家にいる時間も長くなって、考える時間が増えたじゃないですか。フラストレーションも溜まっていくし、それで衝突することもあって。そういったひとつひとつをそれぞれが整理してやったのが、昨年11月の『something BOLD tour』だったので。観に来るお客さんは、以前のツアー以上のものが観れるのか不安もあったと思うんです。僕らも、やる前はそうした不安がどうしても拭えなかったのが正直な気持ちでしたけど。やってみると、月並みですけど、僕らはやっぱりライブをしないと壊れちゃうなっていうことに改めて気付いたし、みんな生き生きとライブをしていて。そういう意味では、過去いちばんリアルでいいライブになったかなと思います。
──それぞれが考える時間が増えると同時に、メンバー同士で話し合う機会というのも増えたんですか。
Tatsuya:だいぶ増えましたね。
Show:2021年の頭頃はほぼなかったんです、お互いに牽制し合っちゃってたから。会う機会が極端に減っていたので、“こいつ、この会ってない間に何を考えていたんだろう”とか考えちゃって──。
Tatsuya:探り合いからはじまっちゃう感じでね。
Show:別にいがみ合ってもいないのに、いろいろ想像しちゃうんですよね。時間があると。
──まったく遠慮などしなくてもいい関係性なのに、ですね。
Tatsuya:もともと濃すぎるくらい一緒に過ごしていた時間が弾けて、会わなくなった瞬間に、当たり前だったものがなくなるっていうのが、怖かったんでしょうね。そこでみんな内に内に入ってしまう感じが強かったのかな。
Show:それを経て、本当の意味で足並みが揃えられた感じがしています。
■時間はかかったけど、僕らも何か答えは提示はできた
──そこで何か、今に繋がるようなではないですが、突破口を開いたメンバーなどいるんですか。
Yosh:まあ、誰が最初に怒るかって話ですよね。
Show:うん、そうね。
Yosh:ただ人間一人ひとりの個性があって、何をやりたいのかをもとにみんなで会話ができれば、そもそも喧嘩じゃなかったということに話が戻ってくるんですよね。
Ivan:Showが言ってたように、コロナ禍になってミュージシャン、バンドマンとして自分たちが社会に対して、何をするべきなのか、今まで何をやってきたのかを改めて考える時間があったし。メンバーが各々、自分に対してバンドに対しての思いが整理ができたうえで、一緒に音を出すことで、言葉はいらず、音で会話できた気はしたんですよね。
Tatsuya:そうだね。
Ivan:それは、ライブに来てくれたお客さんももしかしたら感じた人もいるんじゃないかなと思ったりもしていますね。
Tatsuya:めちゃめちゃ緊張してライブをしたけど。終わった後にみんな心の底から、めちゃくちゃ良かったよねっていう言葉が出たというかね。
Ivan:コロナ禍で、世の中のルールやスタンダードが変わっていったわけじゃないですか。ライブにしても声を出せないとか制限があるなかで、昨年の『something BOLD tour』だったら、ビジュアル面でシアトリカルな要素を入れたりもしたんです。時間はかかったけど、僕らも何か答えは提示はできたんじゃないかなと思います。
──私は『something BOLD tour』の最終日KT Zepp Yokohamaに伺っているんですが、すごくいいツアーだったなというのは見ていて思いました。多くの観客と同じように久々のツアーで、どうなるんだろうという思いも、新体制での最初のツアーといことでどう見せていくのかと思っていましたが、余計な思いを払拭するように、サバプロはこれですっていうのを説得力のあるサウンドやステージングで提示したツアーだったと感じていて。このツアーから、Showさんがスクリームを担当していたことも大きな変化でしたが、それは自分からやろうとなったんですか。
Show:だったよね?
Yosh:実を言うと、前の体制からシャウトはしていたんです。僕らって、“俺がやってます”、“俺がこうしてます”って口にするキャラクターじゃないんですよね。わりと一人ひとりの特技が、見ている人たちにピックアップされていくという感じで。以前はボーカルふたりがいて、さらにハーモニーやコーラスがあって。それがどうしても、楽器が5個あった分隠れてしまうものもあるわけじゃないですか。でも、ずっといたんだよねって僕は思っていて。
──ああ、なるほど。
Show:結構、オフマイクではやっていたというか。叫んでいたものが段々とシャウト的な発声になってたみたいで。現実的にドラムをやりながらシャウトをするのは無理だなって思っていたし、可能であればギターのふたりはどうかって思ったんですけど。でも僕はもともと声出す、歌うこと自体がわりと好きだったので──。
Yosh:わりとじゃない、スーパー好きですね(笑)。
Show:やるだけやってみようと(笑)。そしたら意外と声が出たし、ここをもう少しこうすればしっかりできるのかなとかやっていって。頭の中で切り替えてからは、わりと早かったかもしれないですね。
Yosh:あとは、さすがにドラムを叩きながらシャウトをしているので。難しいというところで僕がバトンタッチするというのが、明確になってきていますね。
──こうした変化がまた新しいエンジンになっている感じがありました。そしてここからは、2月2日にリリースとなる両A面シングル「Papersky | Win / Lose」についてお聞きしたいのですが、昨年10月に配信リリースされている「Win / Lose」はライブでキラーチューンとなっていますが、「Papersky」はTVアニメ『東京24区』のオープニングテーマとして書き下ろされた曲です。コロナ禍という普段とちがった状況で、曲作りなどに影響することはありましたか。
Yosh:曲作り自体は苦ではなかったんです。ただやっぱり、アニメのオープニング曲ということで、曲の向こうにサバプロ以外のオーディエンスがいるのが、怖いかなっていうのはちょっとありますよね。できた後も、不安になるというか。でも今回に関しては、すんなりいったのかなって思ってます。
──書き下ろし曲ということで、アニメ制作側からのテーマやオーダーなどもあったんですか。
Yosh:今回のアニメ『東京24区』は原作がないオリジナルストーリーなので、制作側とサバプロの過去の作品を聴きながら、“こういう世界観をキープしたまま、あとは自由にどうぞ”というのを、我々のキャリアのなかで初めて言われたんです。なのでわりとサクッといった感じはありましたね。あとは短い時間のなかで、曲を体に入れながら自分たちが納得するテイクを録るということでは、レベルが上がったなというのは見ていて思いました。
──それぞれいろんな時間を過ごしてきたゆえでしょうね。
Tatsuya:自分に向き合う時間は長かったですからね(笑)。修行のような時間もだいぶありましたし。
──「Papersky」はアニメにも即した内容で、また葛藤しながらも前に進んでいく普遍的な歌詞になっていますが、この約2年間のコロナ禍で多くの人が感じてきただろうもどかしい思いや、心情にもとても響く歌になっていて。聴くひとの背中をポジティヴに押せるような曲です。
Yosh:そうですね。歌詞でいうと、人間って生まれたときに約束されたものって『死』しかなくて。それをポジティブに見るかネガティブに見るかは、己の歩み方次第じゃないですか。よく人間って希望を見るときに、下を見ずに上を見ろっていうじゃないですか。これって日本人が持っている感覚じゃないかなって思うんです。日本から世界に出たいちばん有名な曲は、坂本九さんの「上を向いて歩こう」ですよね。僕らも、「Follow」という曲で「上を向いて歩こう」の一節をアレンジで取り入れましたけど。エモとかロックとかパンクスとかって、デスのネガティブ要素を話しているイメージがあるけど、僕としてはこういう感じなんだよねっていう、大人になったエモの感覚はありましたね。あとは、僕らは通常英語で歌詞を書いているから、日本語で歌詞を書くときは結構ビビりながらやっていることも多いんですけど。グローバルなものと考えたとき、じつは日本語を俺らよりも大切にしているのが海外の人たちなんじゃないかっていうのを、海外ツアーをしながら体感して。それが、このサビに出ていると思うんです。
■いろんな角度で修行させてもらったからこそ書けた曲
──キャッチーなメロディで、“We can learn to fly 翼がなくても僕らは 空を見上げいつかそこへと願っていく”と歌われるサビが、シンプルに力強く響きます。サバプロらしいアンサンブルの妙味がありつつ、爽快な仕上がりですね。
Yosh:今はアニメーションという文化がよりグローバルなものになってきましたけど、我々はその少し前からいくつかアニメの曲をやらせてもらっていて。ただ、我々キャラが濃いしひねくれてるから、こうしてほしいということに対してイヤだとか言っちゃいそうなバンドなので(笑)。そういう20代の頃からいろんな角度で修行させてもらったからこそ書けた曲かなって。
──修行だったんですね(笑)。
Yosh:修行ですよ(笑)。だってシンプルに言えば、自分たちの音楽を作るためにこの男たちは集まっているわけで。誰かの要望で音楽を作るというのは、不思議なことだったんですよね。
Show:そうだね。
Yosh:若いときは、そのありがたみをあまり感じられずにいたけど、この数年でそれがありがたみと感謝に変わるっていう。それくらい大事なものになっていますね。俺らだけじゃなくて、日本のカルチャーとして発信していくべきなんだなって今は感じますね。
──変に気負うことなく、いい感じで肩の力が抜けているという感じですかね。
Ivan:タイアップはある種、制限がある中の曲作り、普段の曲作りとはちがう形でのクリエイティブができるんですよね。こういう企画も自分たちにとってのひとつのチャレンジでもあるし、勉強でもあるっていうことを改めて感じました。
■一緒にバッキングやリードも考えてという時間が濃密に
──ちなみにギターのおふたり、IvanさんとTatsuyaさんは新体制になって曲の構成の仕方や音の構築の仕方で新たな視点などは生まれているんですか。
Ivan:基本的にはYoshが作ってきたデモに対して、Showがドラムを打ち込んで、それを聴きながらギターはふたりで一緒に考えることは多くなりましたね。
Tatsuya:一緒にバッキングやリードも考えてという時間が濃密になったというか。ちょっとこういうの作ってみたけどどう?っていうのをお互いにやってみたりして。その現場にShowもいて、ここリズムはどうかな?っていうのをやる時間も増えて。
Ivan:自分で作ったフレーズを自分で弾くんじゃなくて、交換したりすることもあるので。そういうのは言ってみれば一旦自分とは違うインプットをしてからのアウトプットになるから。お互いの間で、アイディアをもっと広げていけるような体制をとっている感じですかね。
Show:結構、ギター陣はむずいと思うんですよね。Yoshがデモを作ってきてそれで僕がリズムを組んで、できましたという状態からギターを入れることになっちゃうから。制限があるなかで、どう個性を出していくかの難しさがギターふたりはあるんじゃないかなって。でもそこを乗り越えられるようになっているのも側から見ていても感じるし。
──「Papersky」はとくに曲として展開が多いわけではないので、シンプルな繰り返しの構成をギターの色味で色付けている感じですね。
Show:めちゃくちゃ重要だよね。
Ivan:以前、マルーン5のギタリストが言っていたのが、グループでやっているなかでは自分の役割がわかっていないと、ただ暴走しているだけになるっていうことで。それこそ最初に言っていたような、社会に対してバンドに対して、自分はなんの役目があるのか、今何をやってるのかというのをはっきりさせたうえでの制作だと思うんですよね。そんな感じになってきた気がしますね。
■英語がネイティヴじゃない人から見ても言いたいことが伝わる歌詞
──もう1曲「Win / Lose」はライブでも披露していますが、冒頭からシンガロングパートがあるので、早くこれが実際のライブでも大合唱できるようになればという曲で。躍動感、高揚感が音になった、サバプロの中でもかなり晴れやかな曲ですね。この曲は男子プロ・バスケットボールリーグ『B.LEAGUE 2021-2022 SEASON公式テーマソング』にもなっています。
Show:個人的には、これまででいちばんわかりやすいリリックだなって思っていて。“Win or lose is not the only answer”、勝ち負けがすべてじゃないって、すげえいい歌詞だなって思うんですよね。
Tatsuya:いつもよりもストレートな表現だよね。
Yosh:ありがとうございます。
Show:シンプルで、単純にすることこそ難しいんだろうなって思うし。英語がネイティヴじゃない人から見ても言いたいことが伝わる歌詞になっているのがいい。
Yosh:ようやく、そういうところにきましたね。普段はメンバーは気を遣ってくれるのか、歌詞──とくに英語詞に関しては任せてくれているし。逆に、もっといけいけっていう感じで応援してくれているから。本当に大丈夫なの?っていうことも実はあって。リリースして聴いてくれた人の反応を見て、落ち着くっていうのがあるので。ここでそう言ってもらえて、よかった(笑)。
──先ほどシンプルだっていう話が出ましたが、結構複雑に書いちゃうところっていうのはあるんですかね。
Yosh:複雑にしたがりですね、僕は。とくに歌詞やメロディラインは、もっと足してとか、もっと言葉を詰めてスピードアップしてっていうのが、気づいたら自分の強みになっていたんですよね。自分の不得手なところを隠すために、スピードをあげて歌ったりとか。それで、“これってYoshっぽいよね”と言われるものが確立しているなかで、そこから外れたものをやるのはボーカルとして恐さもあって。だから、メンバーからいいよって言われるのがすごくうれしいというか。
Show:新たな武器になったよね。全体の歌詞もシンプルだし。
Tatsuya:いつもはちょっとした裏テーマなんかがあったりもするからね、ひっくり返し見てたら別の怖い意味が隠れていたりとか(笑)。
──この曲も完成までスムーズだったんですか。
Yosh:これほどスムーズにいった曲はないですね。一応、しれーっと小さく書いてあるんですけど“ニューオールドソング”なんです。昔、ライブでやっていたのもあって、忘れたくても体に入っているんですよね。
Show:その前身になっている曲自体は、僕が加入する以前だから8年くらい前からあるもので。
Yosh:インディーズの頃にこの曲をやると、知らない人でも、♪ウォー、オ、オ、オっていうあのバンドだよねっていう立ち位置の曲でもあったので。いつかリリースしたいねって、封印していた曲でもあるんです。自分たちもアップデートをしたこのタイミングで、ニューソングとして世の中に出せたのはすごくうれしいですね。
Show:その前身の曲はもともとコンセプトや歌詞の内容もちがうので、そういう意味では新しく生み出したものなんですけどね。
Tatsuya:前身の曲は、対バンのライブのときによくやっているイメージだったね。
Yosh:勝負にいくときの一発目でやると、“こいつら今日取りにきてるな”みたいなね(笑)。当時大切にしていたジャンルではあったから、あの頃のあの音楽良かったよなっていうのを、提示できている感じはあるかな。
Show:たしかにあの当時はメインストリームでもこういうエモ、ポップパンクが流行っていたしね。そういう意味では「Papersky」も「Win / Lose」もちょっと、ノスタルジックな雰囲気はあるかもしれない。
Tatsuya:たしかに雰囲気は一貫してるもんね。
Ivan:振り返るタイミングでもあったんだよ。
──結成10周年があったり、リテイク・ベストアルバムなども制作したりと。
Ivan:それもそうだし、(コロナ禍での)世界的にもそうだし、あとは30代に突入して、単純に振り返ることも多くなったりとか。人間とはって、考えることもあったと思うんですよね。
Yosh:あったね。
Ivan:なんのために音楽をやっているんだっけっていうのもあるしね。原点に帰るじゃないですけど、そういうのも知らず知らずにあったと思いますね。コロナがなかったらまた別の形になっていたと思うし。シングルも今回の「Papersky」「Win/Lose」の2曲になってないかもしれないですしね。
■グローバルという意識をもっと強く持てたら
──2022年の第1弾として、バンドのこれからも期待させるシングルですね。Survive Said The Prophetとして、この2022年に思い描いていることはありますか。
Yosh:“グローバル”という意識がより強いのかなって思います。「Papersky」のサビもそうですけど、今までなら“日本のリスナーにわかりやすく”といことで日本語で書いていたんです。でも日本語を話したい、知りたい、外国人はいっぱいいて。そのコミュニティはもしかすると、日本人よりも日本のことを愛しているかもしれないし、世界が繋がろうとしているのを感じているんですよね。僕が子どもの頃は、例えば電車に乗って海外の人を見かけたら、こっちが“ハロー”っていうのが普通の時代だったと思うんですけど。今は逆にLAに行って、“おはよう!”って言われる時代にもなっていて。それを身を以て味わっている人間としては、この文化を守らなかったらやべえぞって思っているから。アジア、カルチャーを背負っているバンドとして、グローバルという意識をもっと強く持てたらいいなとも思いますね。最初はアニメがきっかけでいいんですよ。あいつらやべえアニメの曲書くんだよというスタートでいい。そこから、ジャパニーズ・ミュージック、アジアン・ミュージックというくくりのレベルアップをもっともっと世界にぶちまけていけたらなと思いますね。それ以外のことではサバプロは変わらないと思うんです。変えたくても変わらないので。
Ivan:時代のおかげでいろいろ可能性は増えた気がしますね。今回のシングルはバスケやアニメとのタイアップですけど、様々なカルチャーを掛け合わせることは、新しいものが生まれる瞬間でもあると思うんです。だから、アニメもそうだけど、いろんな人と一緒に新しい形のクリエイティヴィティをやれたら、音楽やカルチャーや世界の、もう一個新しいページを開けるんじゃないかなと思ったりもするしね。
Yosh:まあ、開いていかなきゃいけないよね。
Ivan:俺らも期待してるしね。いちミュージシャンとして、カルチャーに関わらせてもらっている人間としても、その責任も感じるし。俺らだけですべて更新できるわけではないかもしれないけれど、その一部の力になったらそれはそれでいいのかなと思いますね。
リリース情報
2022.02.02 ON SALE
SINGLE「Papersky | Win / Lose」
プロフィール
Survive Said The Prophet
サバイブ・セッド・ザ・プロフェット/Yosh(Vo)、Ivan(Gu)、Tatsuya(Gu)、Show(Dr)。通称「サバプロ」は2011年、東京にて結成。ネイティブな英語を操るバイリンガルのボーカリストYoshの圧倒的な歌唱力とカリスマ性を筆頭に、確かなスキル、ミュージシャンシップ、そして個性的なキャラクターを持ったメンバーからなる奇跡のインターナショナル・ロック・バンド。その異彩を放つ音楽性はロックに限らず、ポップ、エレクトロ、ヒップホップ、R&Bまで幅広いバックグラウンドをベースに、既存のシーンの枠に収まらないダイバーシティを武器に様々なフィールドを活動の場とし、日々進化し続けている。
Survive Said The Prophet OFFCIAL SAITE
https://survivesaidtheprophet.com