パフォーマンス力の高さ、唯一無二のコンセプトが世界的に支持されている7人組HIPHOP/R&Bガールズグループ・XG。大型フェスへの出演や海外チャートへのランクインなど、彼女たちがなぜワールドワイドな広がりを見せているのか、その魅力に迫っていく。
■XGの名前の由来は?常識にとらわれない規格外な7人組
XG(読み:エックスジー)
・デビュー:2022年3月18日
・デビュー作品:1st Single『Tippy Toes』
・メンバー:JURIN / CHISA / HINATA / HARVEY / JURIA / MAYA / COCONA
・ファン呼称:ALPHAZ(アルファズ)
・OFFICIAL SITE http://xgalx.com/xg/
・X(Twitter)https://twitter.com/XGOfficial_
・Instagram https://instagram.com/xgofficial
・TikTok https://www.tiktok.com/@xg.official
・YouTube https://www.youtube.com/@xg_official
・Facebook https://www.facebook.com/XGOfficial
グローバルエンタテインメントプロダクション『XGALX』からデビューした初のアーティスト・XG。このプロジェクトの始まりは2017年。K-POPアーティストとしての活動経験があるJAKOPSがエグゼクティブプロデューサーとなり、独特な世界観や強いマインドを全世界に発信するアーティストを排出しようとスタートし、1万3000人の応募者から15名が第1期練習生に。彼女たちは共同生活をしながらダンスと歌のスキルを磨き、約5年をかけて現在の7名がデビューメンバーとして選ばれた。
XGは“Xtraordinary Girls”の略で、“常識にとらわれない規格外なスタイルの音楽やパフォーマンスを通じて、世界中のさまざまな境遇の人たちをエンパワーしていく”という意味が込められている。またファンダム名の“ALPHAZ”は、XGを象徴する動物・オオカミの群れのリーダーが“ALPHA”と呼ばれることから、“ファンのひとりひとりがリーダーとなり、世界中に新たなムーブメントを巻き起こしていく”という思いで名付けられた。
デビューに先立ち2022年1月25日にSNSを開設しパフォーマンス映像をアップされると、そのレベルの高さが日本のみならず世界中から注目を集める。
▼XGALX – The Beginning
1st Single「Tippy Toes」でデビュー後、2nd Single「MASCARA」では初めて韓国の音楽番組に出演。3rd Single『SHOOTING STAR』収録の「LEFT RIGHT」は日本人グループとして初めてアメリカのラジオチャート“US TOP40”にランクインし、ニューヨークで開催された音楽フェス『Head In The Clouds New York Music & Arts Festival』に出演した際には会場中から大合唱が巻き起こった。
▼XG – Tippy Toes (Official Music Video)
▼XG – MASCARA (Official Music Video)
▼XG – LEFT RIGHT (Official Music Video)
2023年6月には1st Mini Album『NEW DNA』をリリースし、「GRL GVNG」は日本人アーティストで初めて全米ビルボードチャート『Hot Trending Songs Powered by Twitter』1位を獲得。ロサンゼルスやシンガポールやオーストラリア、アブダビなどの海外イベントに出演し、11月26日に開催された初の有観客単独ライブ『XG ‘NEW DNA’ SHOWCASE in JAPAN』は応募総数20万件越え。その勢いのまま、来年には初のワールドツアーを開催することが発表されている。
▼XG – GRL GVNG (Official Music Video)
■全員が主役級!メンバー解説
JURIN(ジュリン)
・生年月日:2002年6月19日
パフォーマンス、表情、声色の使い方、すべてにおいて圧倒的なカリスマ性で視線を奪うJURIN。Rina SawayamaやBIBIらが参加したLE SSERAFIMの「Eve, Psyche & the Bluebeard’s wife」のコラボレーションで鋭いラップを披露したことも話題になった。パフォーマンスから孤高の存在という印象があるかもしれないが、普段は朗らかにみんなを率いるXGのリーダー。ビハインド映像ではメンバーに甘えてスキンシップを取ったり、『JURIKO no HEYA』でシュールな面白さを発揮したりと、ステージからは想像のつかないギャップを見せてくれる。
▼Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife – LE SSERAFIM [Music Bank] | KBS WORLD TV 230526
▼XG DAYS #06 (JURIKO no HEYA)
CHISA(チサ)
・生年月日:2002年1月17日
洗練されたグルーヴを持つXGのディーヴァ・CHISA。どんなジャンルの曲も自分をその型に嵌めようとするのではなく、音楽を自分の中に取り込むように表現するからこそ、彼女の声があればXGの音楽は気高さを持つのだ。最年長の彼女の周りにはメンバーたちが集まり、笑顔の花が咲くときにはいつも中心にいる。無茶振りされたモノマネにも即座に対応し、宿舎に置かれたカメラの前でふざければ盛大に転び、最年少のCOCONAからは表情まで全力でラップを学んだりと、一挙手一投足がメンバーやファンを楽しませるムードメーカーだ。
HINATA(ヒナタ)
・生年月日:2002年6月11日
ハイトーンヘアがトレードマークのHINATAは、軽やかなボーカルとしなやかなパフォーマンスが魅力だ。『XG VOX #4』での伸びやかな歌声から「MASCARA」の“Don’t mess with my mascara”のようなクセのある歌い方まで、声だけで幅広くカラフルな表現を見せてくれる。ステージだけでなくアート方面でも高い表現力を発揮しており、プロデューサーJAKOPSの誕生日に書かれたオオカミの絵はビハインド映像で見ることができる。そしていつも一歩引いてメンバーを見守る姿は、 “XGのお父さん”と呼ばれるほど頼れる存在だ。
▼[XG VOX #4] RIDE (HINATA)
▼XG – MASCARA (Official Music Video)
HARVEY(ハービー)
・生年月日:2002年12月18日
XGの楽曲がこんなにもクセになるのはHARVEYの声があるからだろう。どれだけ短いパートでも彼女の声はいつだって強烈で、鮮やかな彩りを持つ。そして彼女のダンスはパワフルさだけでなく、「SHOOTING STAR」で見せるような細かな首の動きやウェーブなどのディテールも丁寧で美しい。何よりも目を引くのは、“HAPPY VIRUS”と言われるほど輝く笑顔。ただいるだけでその場を明るくしてくれるが、ポジティブな言葉や素直な感情表現、ひと目で彼女だと分かるユニークな文章のすべてが、世界中にハッピーを伝播させていく。
▼XG – SHOOTING STAR (Official Music Video)
JURIA(ジュリア)
・生年月日:2004年11月28日
美しい高音ボーカルでときに等身大なチャーミングさを、ときに憂いを生み出すJURIA。「LEFT RIGHT」では彼女のフェイクを聞くことができるが、声を張り上げるのではなく、楽曲のムードに合わせた繊細な表現がこの曲の聞き心地のよさを作っている。普段はほんわかとした柔らかさでメンバーたちを包み込み、グループを和やかにする癒やしの存在。ファンからの手紙やメンバーからの感謝の言葉に感激して思わず涙したり、おいしいものを食べたときやリスに遭遇したときのキュートな笑顔と、豊かで自然体な表情も愛されている。
▼XG – LEFT RIGHT (Official Music Video)
MAYA(マヤ)
・生年月日:2005年8月10日
XGの曲にリスナーの背中を押す力強さがあるのは、グループを明るく照らすMAYAの存在が大きいだろう。ラップもボーカルも安定感があり、歌い出しを任されることの多い彼女だが、「WINTER WITHOUT YOU」では繊細な歌声で新しい一面を見せてくれた。インターナショナルスクールに通っていたことから英語が堪能で、メンバーに発音やアクセントを教える姿もよく見られる。いつだってエネルギーに満ち溢れたまさに太陽のような存在で、その輝きや思いを飾らずに伝える言葉が自然と周りを鼓舞しているのだ。
▼XG – WINTER WITHOUT YOU (Official Music Video)
COCONA(ココナ)
・生年月日:2005年12月6日
HIP HOPマインドを静かに燃え上がらせるCOCONA。タイトなラップを得意とし、その真骨頂といえるのが「GALZ XYPHER」だ。また「PUPPET SHOW」などで聞くことができる涼やかな歌声の心地よさも魅力のひとつ。落ち着いて黙々と努力し続けるXGの末っ子で、年上メンバーたちがラップを歌いながら全力で彼女の誕生日を祝ったときも、驚きながらもどこかクールな対応。LAでユニバーサルスタジオに行った際にはクッパの甲羅型リュックを購入し、それを背負う姿が音楽番組への出勤で目撃されるというかわいらしい一面も。
▼[XG TAPE #2] GALZ XYPHER (COCONA, MAYA, HARVEY, JURIN)
▼XG – PUPPET SHOW (Official Music Video)
▼XG DAYS #02 (COCONA’s Birthday)
■何故世界から注目されているのか?XGの魅力
◎グローバルレベルの歌唱力とダンス
彼女たちが目指す音楽はオリジナルで国境のない“X-POP”。そんな斬新で未知なコンセプトを楽しみながら表現できるのは、彼女たちが圧倒的な実力を持っているからこそ。デビュー前に公開されたシンプルな黒衣装にマスク姿での「XG MOVE #1」や、「SHOOTING STAR」で見せたお揃いの衣装でのパフォーマンスも、積み重ねてきたスキルに自信がないとなかなかできることではない。そしてもちろん、その裏には想像を絶する練習量と努力がある。
またこれまで彼女たちがリリースしてきた楽曲はすべて英語詞で、「GRL GVNG」の振り付けには英語手話が取り入れられている。そういったところもXGの楽曲がワールドワイドに受け入れられている理由だろう。
▼XG MOVE #1
▼XG – SHOOTING STAR (Official Music Video)
▼XG – GRL GVNG (Official Music Video)
◎規格外のファッション
音楽の新しさだけでなく、ビジュアルの作り方も規格外だ。SF映画のようなエッセンスを落とし込んだ「GRL GVNG」、たまごっちをファッションアイテムとして取り入れた『NEW DNA』のティザーフォトなど、進化していくファッションやヘアメイクに魅了されるファンも増えている。
▼XG – GRL GVNG (Official Music Video)
▼XG – NEW DNA (Visualizer)
どんなコンセプトもキャッチーに、ヘルシーに消化する彼女たちにはファッション業界からも注目が集まり、『VOGUE JAPAN 2024年1月号』では表紙に登場。11月に行われた単独ライブのグッズではグラフィックデザイナーのGUCCIMAZEとのコラボレーションアイテムを発表するなど、今後のファッション、アートワークの広がりにも注目したい。
◎多くの謎と等身大のギャップ
壮大なコンセプト、高いパフォーマンス力と、ステージの上のXGはあまりにも隙がなく、彼女たちは宇宙から来たのではないかと思わされるほど。しかし活動のビハインドやプライベートを捉えたコンテンツでは、テーマパークではしゃぎながらお土産を買ったり、CDショップに自分たちのパネルが飾られ喜ぶ姿など等身大の7人を見ることができる。
▼XG DAYS #18 (Disney California Adventure Park)
▼XG DAYS #20 (CD Shop Visit in Japan & Mini Album Unboxing)
そして同時に見えてくるのは、“へその緒で繋がっている”と例えるほどの絆の強さだ。ステージに上がる前に緊張した彼女たちが言うのは、「私はXGだから」という言葉。そうやって自分を元気づける姿には愛するグループの一員であること、そして家族以上にともに時間を過ごしてきた仲間がいることが自信になっていることが分かる。
■『THE FIRST TAKE』での「SHOOTING STAR」
▼XG – SHOOTING STAR (Official Music Video)
XGが初めての『THE FIRST TAKE』で披露するのは3rd Single「SHOOTING STAR」。“固定概念を打ち破って新しい時代を築いていく”誰も辿り着いたことのない境地へ”など、まさに彼女たちのことを表したフレーズが印象的な1曲だ。
▼XG – SHOOTING STAR / THE FIRST TAKE
7人がマイクの前に立ちそれぞれに準備を終えると、リーダー・JURINの「お願いします」でスタート。この楽曲のパワフルさを作るHINATAの“XG”や、JURIN、MAYAのラップはよりダイレクトに力強さが伝わり、HARVEYとCOCONAが歌うアンニュイさは歌詞に込められた自信により説得力を持たせる。CHISAからJURIAに繋がるボーカルラインでは息の音やかすかに残る余韻まで細かく聞き取ることができ、曲の立体感が増していく。
そして『THE FIRST TAKE』だからこそ感じられる新鮮さは、ユニゾンの美しさだろう。ソロではそれぞれのスキルの高さを感じられるが、サビで優しく重なる声と時折交わす視線には7人の絆が滲む。そして全員で歌う“Just know that XG’s”のフレーズには、この“ドリームチーム”で進む未来への決意が込められているようだ。
■XGが気になるなら!聴くべき楽曲5選
「Tippy Toes」
2022年3月にリリースされた1st Single。どこか不穏で妖しさを作り上げるベース、フロアを使った大胆さと足の細い動きで見せるタイトさという振り付けのバランスが、1曲を通して張り詰めた空気感を作っている。そして何よりも印象的なのはウィスパーボイスで繰り返される、中毒性のある“ta ta ta ta”というフレーズ。デビューの時点で“静”という難しい表現をブレずに、スタイリッシュに表現できるのは彼女たちの実力があってこそだ。
「MASCARA」
音楽番組での活動をスタートした、2022年6月発売の2nd Single。“MASCARA”というフレーズは“誰かに私のマスカラを汚させない”“自分が泣きたいときに泣くんだ”と誰かに左右されないこと、自分のために生きることを表現。力強いサウンドと振り付けがそのメッセージ性をさらに高め、今を生きるリスナーにエールをくれるのを感じる。キャッチーなダンスは世界中でカバーされ、XGの名前が世界中に広まったきっかけとなった一曲だ。
「LEFT RIGHT」
3rd Single「SHOOTING STAR」に収録された楽曲。宇宙を漂っているかのような心地いいサウンドに込められるのは“体を揺らして楽しもう”、そして“誰にも左右されず前に進むんだ”という思い。歌詞の中には“ALPHA”とファンダム名が入っているが、前に進もうとするパワーだけでなく“一緒に行こう”という温かさが滲むのが彼女たちの音楽だ。米『Rolling Stone』が選ぶ『The 100 Best Songs of 2023』で77位にランクイン、さらにELLEが選ぶ『The Best Songs of 2023』の42曲の中の1曲に選ばれたことも話題に。
「NEW DANCE」
1st Mini Album『NEW DNA』に収録された「NEW DANCE」は、これまでのXGのイメージからは新鮮なサマーソング。軽快なギターサウンドにのせたパフォーマンスは、彼女たちが一番大事にしている音楽を楽しむことを表現。手でXを作ったり、手首を合わせるような真似しやすい振り付けがあったり、“新しいダンスを覚えたんだ”“音に身を任せて”という歌詞は、リスナーの私たちにひとつずつXGらしい楽しみ方を教えてくれているようだ。
「PUPPET SHOW」
1st Mini Album『NEW DNA』のリード曲。ドラムやシンセが生み出す高揚感と、ボーカルとのマッチングが美しいメロウなピアノで構成されたサウンドにのせるのは、誰かに支配され操られるのではなく、むしろこちらがコントロールを握るほど自由に、自分の望むままに生きることができるという確固たる意志。リズムにのせて統率されたような直線的な動きと意志のある柔らかさのコントラストが美しい振り付けもこの曲の勢いを加速させている。
■XGの快進撃をチェック
独自の世界観と高い実力で世界を魅了し続けているXG。今後さらにパワーアップしていく彼女たちから目が離せない。
TEXT BY 東海林その子
▼XG 最新情報はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/2349/