■彼らの音楽に賭けた思いがひしひしと伝わってくる
9月6日、韓国の8人組ボーイズグループStray Kidsの JAPAN 1st EP 『Social Path (feat. LiSA ) / Super Bowl -Japanese ver.-』が発売となった。日本ではJAPAN 1st ALBUM 『THE SOUND』以来、約半年ぶりのリリースだ。3作連続で米ビルボード1位獲得、7月には音楽フェス『ロラパルーザ・パリ』でヘッドライナーを務め、世界中が注目している彼らの新曲というだけでも注目度は高いが、今回のリリースにさらに熱い期待が集まっているのは、大人気アーティストLiSAとのコラボレーション曲が収録されていることも理由の一つだ。
2組のコラボ曲「Social Path (feat. LiSA)」は疾走感のあるロックナンバーで、一度聴けば耳から離れないキャッチーさがある。一方で、この曲を聴いてふとこみ上げるのは、胸をグッと掴まれるような切なさだ。今回の歌詞はStray Kidsのリーダー・バンチャンが自身の経験をもとに書いており、第三者からの決して温かくはない目線を感じながら、周りが青春を楽しんでいた時間も夢を叶えるために戦ってきたその心情が表現されている。そのとき感じた思いをそこに置いていくのではなく、抱えながらこれから先も新たな道を切り拓いていく、彼らの決意や覚悟、何より彼らの音楽に賭けた思いがひしひしと伝わってくるのだ。
■どこかエールを贈るような温かさも込められているLiSAの歌声
そんな8人の背中を押すかのように力強く響くのがLiSAの歌声だ。アーティストとして自らの音楽を貫き続けてきたから彼女だからこそ、この曲に共感し、どこかエールを贈るような温かさも込められているように感じる。バンチャンがLiSAのファンだと公言しているからこそ実現したコラボレーションではあるかもしれないが、ともに自分らしく、かつ新しい表現を追求し続けている孤高のアーティストたちだからこそ、このタイミングで、この曲でそれぞれの道が混じり合ったのはきっと必然だ。そしてこの「Social Path」を通して表現されたStray Kids、そしてLiSAの確固たる強さは、同じように夢や未来に向かって走り続ける人々の心へと響き、支えになるのではないだろうか。
MVが公開されると、SNSでは「神コラボすぎる!」、「Stray KidsとLiSAの声の化学反応がすごい!」など話題を席巻。日本ではYouTube急上昇ランク1位を記録、さらに世界ではYouTubeトレンドワールドワイドで1位を獲得した。さらに、先行配信された楽曲は、iTunesワールドワイドソングチャート1位を記録、日本を含む世界26の国と地域のiTunesソングチャート1位を獲得し(9/7基準)、発売前にも関わらず日本のみならず世界中から支持を集めていた。
さらにLINE MUSICデイリー6日連続1位、ウィークリー1位を獲得する快挙を得たことはもちろん、アルバムリリース後、日本を含む世界21の国と地域のiTunesアルバムチャート1位を獲得(9/7基準)、収録曲「Butterflies」まで5の国と地域のiTunesソングチャート1位を獲得した。
いよいよ、CDがリリースされると、Billboard JAPANでは、“Hot Albums”、“Top Albums Sales”、“Artist 100”で3冠を獲得し、2週連続1位を記録。オリコンでは、「週間アルバムランキング」および「オリコン週間合算アルバムランキング」で2冠を獲得、首位を2週連続記録している。
さらに、9月29日(金)時点でCD出荷数100万枚を突破し、ついにミリオンを記録した(※ソニー・ミュージックレーベルズ調べ)。Stray Kidsの日本でのリリース作品としては自身初のミリオンとなった。
もうひとつのタイトル曲「Super Bowl -Japanese ver.-」は、今年6月にリリースされた3rd Album 『★★★★★ (5-STAR)』収録曲の日本語バージョンだ。Stray Kidsの色を世界に知らしめた「God’s Menu」のプロトタイプだったというこの曲は、“一口試せば中毒”の歌詞の通り、どこか病みつきになってしまう魅力がある。特にサビ前やサビでのユニゾンはこの曲の緩急を作り、その声の重なりがリスナーの高揚感を煽っていく。そして囁くような歌声から徐々に盛り上がっていくサビでは、タイトな動きから次第に大胆でエネルギッシュなパフォーマンスに変化していき、クセになるユニークな魅力を音だけでなく視覚からも感じられる1曲だ。
■ナイーブで等身大な彼らが垣間見える「Butterflies」
3曲目に収録される日本オリジナル曲「Butterflies」は、相手を見つめるだけで胸が高鳴ってしまう、ピュアな恋心を歌うラブソング。ボサノバとヒップホップを掛け合わせた軽やかなサウンドにのせるのは、恋模様を自由に舞う蝶と花に例えたフレーズや、伝えたい言葉が出ない様を「マスク50枚してるみたい」と表現する、瑞々しくチャーミングにチョイスされた言葉たち。表題の2曲で見せているのがStray Kidsと聴いてすぐに思い出されるような強烈な個性や他を圧倒するパワフルさだとすれば、この曲ではナイーブで等身大な彼らが垣間見えるのではないだろうか。
日本でも着実にファンを増やし、JO1やTHE RAMPAGE、INIといった同世代の実力派アーティストたちや、板垣李光人や高橋文哉など若手俳優からも支持されるStray Kids。彼らだけが持つ彩り豊かな音楽は、LiSAとのコラボレーション曲をはじめ、今回のリリースでさらに多くの人へと広がっていくことは間違いない。そして10月まで続く日本での4大ドームツアーやアメリカ最大級の授賞式「MTV VMA」への出演およびBEST K-POP受賞などを経て、名実ともに世界的アーティストへと駆け上がっていく姿は今しか見られない瞬間だからこそ、確実に目に焼き付けておきたい。
TEXT BY 東海林その子
楽曲リンク
リリース情報
2023.9.6 ON SALE
EP『Social Path(feat. LiSA)/ Super Bowl -Japanese ver.- 』
Stray Kids OFFICIAL SITE
https://www.straykidsjapan.com/