2022年に石山咲良・遠藤彩加里の新メンバーふたりが加入して10人体制で2023年に結成10周年を迎える、Juice=Juice(ジュースジュース)。瑞々しさはそのままに、進化を繰り返す彼女たちの魅力を深掘りしながら、おすすめの人気楽曲を紹介していく。
■ハロプロ発の実力派グループ
Juice=Juice(ジュースジュース)
・メンバー:植村あかり、段原瑠々、井上玲音、工藤由愛、松永里愛、有澤一華、入江里咲、江端妃咲、石山咲良、遠藤彩加里
・結成日:2013年2月3日
・メジャーデビュー日:2013年9月11日
・ファン呼称:Juice=Juiceファミリー
・OFFICIAL SITE http://www.helloproject.com/juicejuice/
・BLOG https://ameblo.jp/juicejuice-official/
・Twitter https://twitter.com/JuiceJuice_uf
・Instagram https://www.instagram.com/juice_juice_official/
・TikTok https://www.tiktok.com/@juicejuice_uf
・YouTube https://www.youtube.com/@juicejuice
Juice=Juiceは、モーニング娘。’23やアンジュルムらと同じハロー!プロジェクト(ハロプロ)に所属するアイドルグループだ。2013年に結成され、今年2023年は結成10周年を迎えたアニバーサリーイヤー。
メンバーの卒業と加入を繰り返し、現在はメンバー10名の大所帯に。そんなグループをオリジナルメンバーのひとりである植村あかりが3代目リーダーとしてまとめている。
グループ名の“Juice=Juice”は、当時のプロデューサーであるつんく♂が、「“採れたて”“もぎたて”“新鮮”“天然”“100%”で“しぼりたて”というようにいつまでもフレッシュで個性の詰まったユニットになってほしい」という願いを込めて命名したものだ。
2013年4月3日、シングル「私が言う前に抱きしめなきゃね」でインディーズデビュー。同年9月11日にトリプルA面シングル「ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」をもってメジャーへ進出。
Juice=Juiceの名前が大きく知られるきっかけのひとつとして挙げられるのが、2019年6月5日に発売された12枚目のシングル曲『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』がバズったこと。
▼『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』
宮崎由加の卒業シングルであるこの曲は、ひとりでも強く生きていけそうなタイプに見える女性の“本当は弱くて心細い心の内”を歌い上げている。
シンガーソングライターの山崎あおいが作詞した歌詞に共感した人たちや、この曲を歌うJuice=Juiceの歌唱力に惹かれた人などから多くの支持を得ることに。YouTubeにアップされたミュージックビデオの再生回数は756万回を超えている(※2023年2月6日現在)。Juice=Juice屈指の人気曲である。
歌やダンスのスキルが高いことでも知られるハロプロにおいて、Juice=Juiceは特に歌唱力に定評があるグループである。
アイドル好きを公言するテレビ朝日アナウンサー・弘中綾香は、コラム『弘中綾香の「純度100%」』(Hanako)にて、「かわいいの向こう側”を見せていただきました。」と、Juice=Juiceのコンサートの完成度に圧倒されたことを綴っている。
また、OKAMOTO’Sのベーシストであるハマ・オカモトは、2016年開催のライブイベント『スカパー! Presents「FULL CHORUS ~音楽は、フルコーラス~」 in 日本武道館』でJuice=Juiceと共演。サポートバンドの一員として、メジャーデビュー曲「ロマンスの途中」を披露した。
目の肥えたアイドルファンやアーティストからも熱い視線を集めているJuice=Juiceを、今チェックしない手はない。
■結成から10年。長く愛される理由
◎“歌唱力といえばJuice=Juice”と言われる実力
Juice=Juiceは歌唱力を高く評価されているグループだ。
メジャーデビューを果たした2013年には『第55回日本レコード大賞』で新人賞を受賞。その翌年には、初主演ミュージカル『演劇女子部「ミュージカル 恋するハローキティ」』』を行っている。
2015年からは、日本武道館で単独公演開催を目標に、“日本全国で単独ライブを220公演行う”という、チャレンジをスタート。このライブツアー『Juice=Juice LIVE MISSION 220』は1年半にわたって敢行され、メンバーは最終的に225公演を完遂。この挑戦を乗り越えたことで、Juice=Juiceのパフォーマンス力が向上したことはもちろんのこと、ライブに取り込む姿勢やチームとしての結束が強まり、Juice=Juiceの“ライブ力”を大きく底上げしたように思う。
ポテンシャルの高さに甘んじることなく、日々努力を怠らないのもJuice=Juiceの持ち味のひとつ。有名なエピソードとして語られるのが、オリジナルメンバーの宮本佳林(2020年卒業)が、声楽家・菅井秀憲へボーカルレッスンを自ら直訴したこと。元々、歌唱力の高い宮本の行動力とグループにかける並々ならぬ熱さが伝わる話だが、宮本だけではなく。Juice=Juiceのパフォーマンスをもっと高みに引き上げようという、メンバー一人ひとりの強い意思があってこその結成10周年。
メンバーに変動があっても歌唱力、向上心は受け継がれ、ますますパワーアップしていく。最初にそう実感できたのは、2017年に配信限定で発表された楽曲「Fiesta! Fiesta!」。梁川奈々美、段原瑠々の初参加曲だ。新体制一発目ながら、段原による歌い出しの力強さに圧倒された。
▼「Fiesta! Fiesta!」
2022年に加入した石山咲良・遠藤彩加里歌唱力の高い新メンバーが加入するたびに、その瞬間、そのメンバーでしか表現できない最高のパフォーマンスを見せるべく、Juice=Juiceは切磋琢磨しながら、その実力を揺るぎないものにしてきたのだ。
◎毎日更新!ブログと最長レギュラーラジオ『We are Juice=Juice』
Juice=Juiceファミリー(ファンの総称)が心待ちにしているものが、メンバーのブログ更新とレギュラーラジオ『We are Juice=Juice』(bayfm)だ。
まずは、ブログについて。一貫して、ひとつのブログをメンバー全員で続けているため、彼女たちの初々しさの残る結成&加入当初から、アーティストとして逞しく成長する最新状況まで、その軌跡をたどることができる。また、卒業したメンバーの過去のブログ記事も、最新のメンバーの記事もギュッと詰まっているので、バトンがしっかり地続きで繋がっているように思えるのもうれしい。
Juice=Juiceブログは、メンバー全員がほぼ毎日更新している。毎晩、彼女たちのブログを一気に読むのが楽しみだという人も多いはずだ。
また、Juice=Juiceのレギュラーラジオ『We are Juice=Juice』は、彼女たちのメジャーデビュー直後の2013年10月3日からスタートした、初レギュラーにして最長レギュラー番組だ。毎週水曜(火曜深夜)2時から、Juice=Juiceのメンバーが基本的には2人~3人出演してトークを繰り広げる。
“メッセージ紹介”“We are Juice=Juiceカフェ”と、リスナーからの質問やトークテーマに応えるコーナーが充実している。また、メンバーの声で近況や最近の様子が聞けるのも嬉しい。2022年2月には番組ハッシュタグが“#WAJJ”に決まった。“#WAJJ”で検索してみると、メッセージを読まれたファンの喜びの声や、メンバーの話に相槌を打つようにラジオを聞いているファンたちのコメントなど、優しく温かい空気が感じられる。
Juice=Juiceのブログやラジオは、メンバーとJuice=Juiceファミリーを繋ぐ大切な場所なのだ。
◎新規メンバーの加入がもたらすグループの進化
2022年、新メンバーとして石山咲良とグループ最年少・遠藤彩加里が加入。石山はハロプロ研修生から昇格。遠藤は、2022年におこなわれた『ハロー!プロジェクト「モーニング娘。’22」「Juice=Juice」合同新メンバーオーディション』の合格者だ。
メンバーの卒業と加入を見続けてきた植村あかりは、新メンバーが加入したことで「グループの士気が高まった」と感じているという。石山と遠藤が加入して、先輩となった有澤一華、入江里咲、江端妃咲の意識が変わったことや、ふたりの声がユニゾンの厚みを深めていることなど、多くの刺激を受けていると語っている。
さらに、新メンバーの加入が続き、Juice=Juiceの平均年齢が下がったことで、歌やパフォーマンスで表現できる世界観も広がっている。グループ名の由来でもあるフレッシュさを保ち続けるJuice=Juiceが、これからどんな果実を実らせていくのか楽しみだ。
■Juice=Juice メンバープロフィール
植村あかり(うえむら あかり)
・担当:リーダー
・メンバーカラー:メロン
・生年月日:1998年12月30日
・出身地:大阪府
・血液型:O型
・趣味:カメラで写真撮ること、動物と遊ぶこと
・好きな音楽ジャンル:洋楽全般
・Instagram https://www.instagram.com/akari_uemura.official/
植村あかりは、Juice=Juiceのオリジナルメンバー。グループ結成当時は、大人っぽい見た目とこどもらしいマイペースさのギャップがかわいらしく印象的だった。つんく♂が「面白い劣等生」「その分、成長の著しさが目立ちます」と評していたが、その言葉のとおり、今ではJuice=Juiceの3代目リーダーを務め、歌唱面、ビジュアル面、そしてグループのまとめ役としても欠かせない存在となっている。
段原瑠々(だんばら るる)
・担当:サブリーダー
・メンバーカラー:オレンジ
・生年月日:2001年5月7日
・出身地:広島県
・血液型:A型
・趣味:DVD・動画観賞
・好きな音楽ジャンル:J-POP
・Instagram https://www.instagram.com/ruru_dambara.official/
2017年にハロプロ研修生から昇格した段原瑠々は、Perfumeや鞘師里保らを輩出したアクターズスクール広島(ASH)出身の実力派。初参加曲である「Fiesta! Fiesta!」では歌い出しを務め上げた。歌唱力はもちろん、高い身長を活かしたパワフルなパフォーマンスと、屈託のない笑顔、そしてあふれるJuice=Juice愛が魅力のメンバーだ。
井上玲音(いのうえ れい)
・メンバーカラー:白
・生年月日:2001年7月17日
・出身地:東京都
・血液型:O型
・趣味:歌うこと、ダンス、絵をかくこと
・好きな音楽ジャンル:落ち着いた曲調で熱唱できるようなジャンル
・Instagram https://www.instagram.com/rei_inoue.official/
井上玲音は、ハロプロ内グループ・こぶしファクトリーとして活動していたが、こぶしファクトリー解散後、グループでも一二を争う歌唱力と特技のボイスパーカッションを引っ提げて、2020年に新メンバーとして加入。最近では、バラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)のあざと連ドラに出演し、あざとかわいいアイドルとして注目を集めている。女性ファッション誌『S Cawaii!』(主婦の友社)のレギュラーモデルに起用されるなど、活躍の幅が広がっている。
工藤由愛(くどう ゆめ)
・メンバーカラー:ピンク
・生年月日:2004年9月28日
・出身地:北海道
・血液型:A型
・趣味:ピアノ、タコグッズ整備
・好きな音楽ジャンル:ハロプロ全部
ハロプロ研修生北海道から昇格した工藤由愛は、2019年にJuice=Juiceに加入。“タコ”“タコちゃん”とニックネームがつくほどのタコ好きで、タコのキャラクターグッズを収集している。そのタコ愛から、観賞魚の情報誌『月刊アクアライフ』(エムピー・ジェー)でタコについて語る連載『Juice=Juice工藤由愛の目指せ、タコンプ!』を担当している。気持ち良く伸びる歌声は、先輩たちに引けを取らない彼女の武器だ。
松永里愛(まつなが りあい)
・メンバーカラー:ロイヤルブルー
・生年月日:2005年7月7日
・出身地:大阪府
・血液型:A型
・趣味:動物と遊ぶこと
・好きな音楽ジャンル:J-POP
工藤由愛とともに加入した松永里愛は、ハロプロ研修生からの昇格メンバー。工藤と名前を合わせて“ゆめりあい”としてファンに愛されている。ニックネームは“やふぞう”で、コンサートのコール&レスポンスでも“やふぞう”と呼ばれている。2019年5月におこなわれた『Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~』では、難曲である太陽とシスコムーンの「ガタメキラ」を披露しベストパフォーマンス賞を受賞。研修生時代から、そのパフォーマンス力と抜群のリズム感を高く評価されている。
有澤一華(ありさわ いちか)
・メンバーカラー:ライトブルー
・生年月日:2003年12月23日
・出身地:大阪府
・血液型:O型
・趣味:食べること、音楽鑑賞(分析)、クラシックバレエ
・好きな音楽ジャンル:ハロー!プロジェクト、クラシック、70・80年代の洋楽、JAZZ
2021年加入の有澤一華は、ハロプロ研修生からの昇格組。デビュー前には、ハロプロのグループであるBEYOOOOONDS(ビヨーンズ)のイベントにファンとして参加していたほどのハロプロ好きだ。研修生時代から、一曲の中で様々な表情とダンスの緩急を見せる表現力の豊かさが魅力的なメンバーである。有澤の透明感ある歌声は、特に失恋や悲恋などを歌う切ない曲でグッと活きてくる。
▼「赤い日記帳」有澤一華(Juice=Juice)歌唱動画
入江里咲(いりえ りさ)
・メンバーカラー:ライトパープル
・生年月日:2005年10月18日
・出身地:千葉県
・血液型 :A型
・趣味:三味線を弾くこと、筋トレをすること、ハロー!プロジェクトの曲を聴くこと
・好きな音楽ジャンル:J-POP(ハロー!プロジェクト)
有澤と同期加入の入江里咲は、『ハロー!プロジェクト「Juice=Juice」「つばきファクトリー」合同新メンバーオーディション』の合格者。幼少期にインターナショナルスクールにかよっていた経験から英語が得意。一般オーディションから勝ち抜いてJuice=Juiceに加入しただけあり、ステージ映えする声質が魅力。先輩メンバーに揉まれ、後輩メンバーの加入による刺激でグングンと成長しており、見逃せないメンバーのひとりである。
▼「恋ならとっくに始まってる」 入江里咲(Juice=Juice)歌唱動画
江端妃咲(えばた きさき)
・メンバーカラー:デイジー
・生年月日:2007年1月30日
・出身地:京都府
・血液型:A型
・趣味:何かをつくること
・好きな音楽ジャンル:J-POP、K-POP、洋楽
有澤、入江と同期加入の江端妃咲は、ハロプロ研修生からの昇格組。“えばちゃん”“えば”と呼ばれている。キラキラの瞳とショートカットがチャームポイントだ。ユニゾンのなかでも“えばが歌っている”とわかる特徴的な歌声が、Juice=Juiceの楽曲の良いアクセントになっている。2021年に行われた『Hello! Project 研修生発表会2021 ~春の公開実力診断テスト~』では宮本佳林賞を受賞している。Juice=Juiceを築き上げたオリジナルメンバーお墨つきのパフォーマンス力を持っている。
▼「My Days for You」 江端妃咲(Juice=Juice)歌唱動画
石山咲良(いしやま さくら)
・メンバーカラー:パープル
・生年月日:2004年2月22日
・出身地:東京都
・血液型:B型
・趣味:おいしいものを食べること、1人ショッピング、シャチのショーを見ること
・好きな音楽ジャンル:J-POP、ハロー!プロジェクト、ジャンル問わず好きになった曲
石山咲良は、2022年にハロプロ研修生から昇格するかたちでJuice=Juiceに加入した。Juice=Juiceでは先輩にあたる有澤とは、ハロプロ研修生時代の同期である。そのため、新メンバーがメンバーにお披露目された時は、有澤が飛び上がって驚き、喜んでいた。歌やダンスはもちろん、華やかな顔立ちとスタイルの良さで、モデル活動など活躍の幅が広がっていくことにも期待できる。
遠藤彩加里(えんどう あかり)
・メンバーカラー:ミントグリーン
・生年月日:2008年4月26日
・出身地:北海道
・血液型:A型
・趣味:スライム作り、ネイルアート、漫画を読む、ダンス
・好きな音楽ジャンル:ハロー!プロジェクト、K-POP
石山と同期加入の遠藤彩加里は『ハロー!プロジェクト「モーニング娘。’22」「Juice=Juice」合同新メンバーオーディション』の合格者だ。新メンバーらしい初々しいパフォーマンスには胸がキュンとするが、一般オーディションからJuice=Juiceに加入しただけあり、すでに歌の表現力には目を見張るものがある。2022年11月発売のシングル「全部賭けてGO!!/イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」のMVでは、先輩メンバーたちに食らいついていっている姿も見どころだ。
■デビュー曲から最新曲も!人気5曲
「イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」
2022年11月23日発売されたシングル「全部賭けてGO!!/イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」は、新メンバーの石山咲良、遠藤彩加里にとってはデビューシングルとなる。「イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」は両A面シングルの一曲だ。YouTubeのMVは、公開から3ヵ月で62万回以上再生されている。
タイトルの「イニミニマニモ」は英語の“Eeny, meeny, miny, moe”のこと。日本の“どちらにしようかな、神様の言うとおり”という言葉遊びと同じような使われ方をする言葉だ。
Juice=Juiceの「イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」は加入2年以内の新人メンバーが多く、新時代のJuice=Juiceを表現したフレッシュな恋心と友情を表現した楽曲になっている。MVでは、冒頭の有澤と入江のやり取りが可愛らしい。先輩メンバーの植村、段原、井上が伸びやかに歌い上げる部分もあり、後輩メンバーたちを支える温かさを感じる。
「好きって言ってよ」
「好きって言ってよ」は、2020年4月1日発売の13thシングル「ポップミュージック/好きって言ってよ」に収録の一曲。宮本佳林と高木紗友希にとってはラストシングルである。MVの再生回数は559万回。
女性の心情を巧みに表現する山崎あおいが作詞を担当しており、“好きって言ったら”からはじまるサビの歌詞に共感する女性が多い。また、宮本、高木以外にも、今は卒業している金澤朋子や稲場愛香らスキルの高いメンバーが参加していることもあり、聴きごたえのある曲になっている。
「ロマンスの途中」
2013年9月11日に発売された、Juice=Juiceのメジャーデビューシングルである「ロマンスの途中 / 私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT) / 五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」。なかでも「ロマンスの途中」は、現在もコンサートなどで盛り上がる鉄板のダンスナンバーだ。発売当時はオリコン週間2位を記録。MVは522万回以上再生されている。
ハロプロでは、Berryz工房の「あなたなしでは生きてゆけない」のように、デビュー曲にメンバーの年齢に対して大人っぽい曲が選ばれることがある。「ロマンスの途中」も、当時のJuice=Juiceの平均年齢が15.8歳であることを考えるとずいぶん大人な楽曲だった。それにも関わらず、MVではイントロがはじまってすぐにセンターに躍り出る宮本の堂々とした振る舞いや、落ちサビの迷いのない歌声など、新人とは思えない貫録を見せつけている。
宮本らのパワフルなパフォーマンスだけでなく、宮崎由加や植村あかりのここからの成長を見るうえでも、Juice=Juiceを語るにおいて外せない一曲だ。
「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」
2019年6月5日発売のJuice=Juice 12thシングル『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?/ 25歳永遠説』は、デビューからリーダーを務めてきた宮崎由加のラストシングルだ。オリコンデイリー2位、週間3位を記録し、ゴールドディスク(日本レコード協会)にも認定されている。
特に「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」は、MVの再生回数が756万回を超えている。“ひとそれ”という略称で、多くのファンから支持を得た。その好評を受け、2019年10月23日には新メンバーの工藤、松永を加えた“New Vocal Ver.”を収めたシングル通常版Cがリリースされている。
宮本の“「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?”と訴えかけるような切なく力強い歌い出しからはじまるこの曲は、“女性の気持ちがわかりすぎている”とバズった。この曲の作詞もまた、山崎あおいが担当している。Juice=Juiceは女性ファンを獲得するためにイベントや企画などをおこなってきたが、この一曲で一気に女性ファンを増やした。歌の力、アイドルの底力を感じざるを得ない。
「ポップミュージック」
“Juice=Juiceってこんなに楽しいグループでもあったんだ!”と印象づけたのは、2020年4月1日発売の13thシングル「ポップミュージック/好きって言ってよ」に収録の「ポップミュージック」だ。この曲は、作詞作曲を「愛は勝つ」で有名なKANの同名楽曲のカバー曲である。切なく、あるいはカッコ良く歌い上げる系の曲のイメージが強いJuice=Juiceが、コミカルな振り付けで明るく歌う「ポップミュージック」は、音楽の楽しさと、アイドル楽曲の多様さを思い出させてくれる。
439万回再生を超えているMVでは、工藤、松永の“ゆめりあい”と稲場愛香がハトの被り物を身に着けていたり、高木紗友希と植村あかりが“タケノコ族”を思わせる格好をしていたり、宮本佳林が聖子ちゃんカットをしていたりと、レトロでキッチュなファッションや映像が楽しめる。また、“Pop Pop Pop”というサビの振り付けは、かわいらしくて真似しやすい。コンサートでパフォーマンスされた時には、ぜひメンバーと一緒に踊ってみたい。
もちろんコミカルで楽しいだけでなく、楽曲としても面白さが散りばめられている。「ポップミュージック」は、M「Pop Muzik」、ヴィレッジ・ピープル「Y.M.C.A」、ABBA「gimme gimme gimme」、ヴァン・マッコイ「The Hustle」、シック「おしゃれフリーク」と、70年代洋楽のヒット曲をオマージュ。タピオカ、スマホ、メールと現代らしい歌詞を、70年代ヒット曲に乗せることで、ポップミュージックの普遍的な親しみや、めぐる流行のなかにいるわたしたちを表現している。これをJuice=Juiceという日本のアイドルが歌う。何度も聴きたくなる名曲である。
※MVの再生回数はすべて2023年2月6日現在のもの
■10人で迎える記念イヤー。今後の動向は?
Juice=Juiceは、1月2日からスタートしたコンサート『Hello! Project 2023 Winter 〜TWO OF US〜』に出演中だ。コンサートは2月25日まで全国各地で行われる。新メンバーも加入して、進化し続けるJuice=Juiceの姿を観に行きたい。
また、結成10周年のアニバーサリーイヤーである今年は、2月3日のイベント『Juice=Juice FCイベント2023~Miracle×Juice×Box×結成Party!~』を開催したほか、2月28日のコンサート『Juice=Juice CONCERT TOUR ~final: nouvelle vague~』の振り替え公演が予定されている。
ライブでこそ真価を発揮するJuice=Juiceの歌唱を、耳でも心でもしっかりと受け止めていきたい。
TEXT BY むらた えりか
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