=LOVE(イコールラブ/通称イコラブ)は、今もっとも勢いのあるアイドルグループと言って間違いない。メンバー11人がそれぞれ得意ジャンルで力を発揮し、かわいいを更新し続ける新しい時代の王道アイドル、=LOVEの魅力を探っていこう。
■=LOVEとは?
=LOVEは、2017年に指原莉乃が、新たなアイドルグループの結成を目指したオーディションを開催したのが最初のスタート地点。同年4月29日に最終審査が行われ、その合格者によって結成された。同年8月の『TOKYO IDOL FESTIVAL2017』で初ライブを行い、9月6日にはソニー・ミュージックレーベルズからシングル「=LOVE」でデビューを果たした。グループ名の=LOVEには、“アイドルはファンに愛されなければならない”“アイドルという仕事を愛さなければならない”という想いが込められている。
指原莉乃は、現役時代からHKT48でメンバーと劇場支配人兼任するなど、プレーイングマネジャー的な動きをしていた。そして、自身もアイドルファンだけにアイドルプロデュースには適任。理想とするアイドルグループをゼロから作り上げようとしたのが=LOVEなのである。
=LOVEは、デビュー当初から、派手な仕掛けのブレイクポイントがあったというわけではなく、地道に着実に成長してきたグループという印象が強い。様々なスタイルのあるアイドルシーンの中であえて普通のアイドルというのが、逆に新鮮であり誠実さを感じさせるものがあった。
=LOVEがスペシャルな存在となっていったのは、楽曲やMVなどクリエイティヴがひとつひとつしっかりと丁寧に練られている点だ。トレンドを取り入れつつ、ファンの思いも絶対忘れていない。その積み重ねで、現在はファンと送り手側に確実な信頼感がしっかりできあがっている状態だ。今の=LOVEの強さは、こうしたことで確立していったように思える。
◎指原莉乃がプロデューサーで歌詞が女子に刺さる
=LOVEの歌詞は、全てプロデューサーの指原莉乃が手がけている。グループ名に“LOVE”が掲げられているだけに、恋愛モチーフの楽曲が中心にある。その恋愛観も、10代の女子の恋のときめきが詰まったものばかり。恋愛をきっかけに派生する感情が、様々な楽曲として広がっているようなイメージだ。具体的な状況描写も多く、聴いてパッと絵が浮かびやすいのも特徴的。
さらに指原莉乃は女子の視点で物語を描いている。そうしたことも、女性ファンの共感を多く得られていることにつながっている。
◎かわいいだけでなく歌唱力も評価されている
彼女たちのライブは生歌でしっかりと披露され、メンバーの歌唱力が高く評価されている。高い可愛らしい声から低いかっこいい声まで、いろいろな声色を持った11人が揃っているので、多彩な楽曲の感情表現を自在にできるのが =LOVEの強みだ。
=LOVEの歌の実力が明確に発揮されたのは、やはり『THE FIRST TAKE』である。収録には佐々木舞香、野口衣織、諸橋沙夏という=LOVEの歌の実力者3人が出演。本番直前まで入念なチェックを行い、切ない思いの詰まった「あの子コンプレックス」を歌唱。楽曲の世界に入り込んだ3人が聴かせる見事なハーモニーは、視聴者をグッと惹きつけるパワーにあふれているので必見だ。
◎12枚連続オリコン週間シングルランキングTOP10入り
2017年9月にリリースされたデビューシングル「=LOVE」から今年9月にリリースされた最新シングル「Be Selfish」まで、12枚全てオリコン週間シングルランキングTOP10入りしている。2枚目の「僕らの制服クリスマス」からはトップ3にランクイン。6枚目の「ズルいよ ズルいね」で初の1位を獲得してからは、8枚目の「青春”サブリミナル”」、12枚目の「Be Selfish」でも1位を獲得している。
シングルがこれだけ強いのは、表題曲はもちろんのこと、カップリングにも人気曲が多いことが影響しているように思える。そして、2021年5月に発売された初のフルアルバム『全部、内緒。』も堂々1位を獲得。約5年間に渡ってこれだけの好成績を上げ続けているのは、移り変わりの激しいアイドルシーンでとても稀だ。
時代性を取り入れながら常にフレッシュな姿を見せ続けている=LOVEだけに、その結果が成績として表れているのだろう。
◎女性ファンが7割!ファッションやメイクのアイコンにもなっている
女性アイドルグループとなると、男性ファンが多くを占めるのが通例だが、=LOVEでは逆転現象が起きている。女子感全開の楽曲はもちろんだが、かわいい、きれい、かっこいいが揃ったメンバーのヴィジュアルが女性ウケする要因につながっているのは間違いない。
=LOVEがおしゃれアイコンになっているのは、大谷映美里の存在も大きい。もともとファッションやメイクが好きなおしゃれ番長だった彼女だが、Instagramでの発信から同世代の女性ファンが急増。モデルやファッションブランドをプロデュースするなど、多岐に渡り活躍している。
=LOVEの女性人気で付け加えると、同業者である女性アイドルからの人気がものすごく高い。実際に筆者は、=LOVEファンを公言するアイドルメンバーに話を聞いたことがあるのだが、「かわいいアイドルの理想系の世界」「メンバーみんながファン思い」「とにかくかわいい!」と言葉が止まらない。女性からの=LOVE支持は、これからもますます上昇することだろう。
◎武道館、横浜アリーナ、幕張メッセを経て5年で代々木競技場 第一体育館でライブを開催
ライブでもかわいい世界全開でファンを楽しませる=LOVEの、ライブの主な足跡を振り返ろう。デビュー1周年記念イベントを2018年9月6日にZepp DiverCityで行った彼女たちは、2019年2月16日に昭和女子大学人見記念講堂で1stコンサートを開催。同年4月に東名阪ツアーを行い、4月19日にZepp Tokyoでツアーファイナルを開催し、9月12日のデビュー2周年記念ライブは中野サンプラザで行った。
着実に集客をアップしていた=LOVEだが、2020年になるとコロナ禍により春ツアーが中止になるなどライブ活動を制限。彼女たちの久々の有観客ライブは、9月6日にパシフィコ横浜で行った3周年記念ライブだ。同年11月27日からの冬ツアーでは、年を跨いで2021年1月16・17日に初の日本武道館公演を開催。=LOVEは、コロナ禍でも人気を伸ばしてきたことを証明したのだ。
同年5月の全国ツアーで7月7日に横浜アリーナでツアーファイナルを実施。同年9月20日の4周年ライブは幕張メッセ・イベントホールで開催するという躍進ぶり。
=LOVE人気は全国に広まり、今年2022年4月からの全国ツアーでは、初の北海道公演、沖縄公演を開催した。そして、今年9月25日の5周年ライブはグループ最大規の代々木競技場 第一体育館で行った。
■メンバー11名の推しポイントとプロフィール
大谷映美里(おおたに えみり)
生年月日:1998年3月15日
身長:155cm
出身地:東京都
血液型:O型
みりにゃの愛称で親しまれる、おっとりした雰囲気のお姉さんタイプの大谷映美里。とにかくおしゃれな彼女は、もはやアイドルの枠を超えたファッションリーダーとしてあらゆる女子から絶大な支持を集めている。
2017年のデビュー年からメンバーの中で最初にInstagramを開設し、現在フォロワーは約26万人。2018年にファッションブランド『Honey Cinnamon』のモデルに起用されたことをきっかけに、その後は、『titty&Co. 』、『MIIA』、『Maison de FLEUR』、『dazzlin』と錚々たるブランドでモデルやコラボ商品を発売。
2019年からはファッション誌『bis』のレギュラーモデルとして活躍中。そして今年10月28日には、彼女がプロデュースするアパレルブランド『Rosé Muse(ロゼミューズ)』をローンチ。まさに、問答無用のファッションアイコンである。
大場花菜(おおば はな)
生年月日:2000年2月4日
身長:160cm
出身地:埼玉県
血液型:A型
愛称が“はなちゃん”の大場花菜。明るい性格で、グループを楽しい雰囲気にしてくれる彼女。小さい頃から絵を描くことが好きだった彼女は、=LOVEに入ってイラストを特技とし、自身の画力をいかんなく発揮していった。
イラストをSNSに投稿し評価は高まり、=LOVEのグッズのイラストを担当したりと実力は上昇。今年9月からウォーカープラスで4コママンガ『#はなコミ! ~となりにアイドル~』の連載が始まり、遂に漫画家デビューを果たした。
そんな彼女は大の宝塚好きという側面も持っている。忙しい合間をぬって舞台を観覧しに行くなど、彼女の宝塚チェックは現在進行形だ。
またファッションにも気を使い、以前から髪色をハイトーンにしたりと目を引くことが多かった。最近金髪にしたことをきっかけにテレビ露出時、Twitter上で「=LOVEの金髪の子」としてトレンド入りするなど注目を集め、はなちゃん人気はアップ中だ。
音嶋莉沙(おとしま りさ)
生年月日:1998年8月11日
身長:159cm
出身地:福岡県
血液型:B型
=LOVEのプリンセスポジション、福岡出身の音嶋莉沙。お姫様になりたいという女の子の願望を持ち続ける、キュートさたっぷりの彼女。あざとい雰囲気でストレートに思いをぶつける彼女だけに、釣られるファンも大勢いるという。
そうした彼女のパワーは、SHOWROOMも存分に力を発揮中。距離感の近さを感じさせる愛くるしさは、応援したい!と思わせてくれる天才だ。
それと同時に、彼女は地道な努力家でもある。オーディション時はもとよりアイドルになってからも、パフォーマンスの向上に熱心に挑み続けてきた。
その努力が実り、1stアルバム『全部、内緒。』に収録の「cinema」で初センターをゲット。シングル「The 5th」のカップリング「お姫様にしてよ!」でもセンターを務めている。彼女のお姫様願望ロードはまだまだ続く。
齋藤樹愛羅(さいとう きあら)
生年月日:2004年11月26日
身長:153cm
出身地:栃木県
血液型:B型
=LOVEの末っ子、齋藤樹愛羅。グループ結成当初は幼さが残っていた彼女だが、現在はきれいさとかっこよさすら出てきた。グループ最年少だが元気に騒ぐタイプではなく、どちらかというと性格は大人しめ。周りのメンバーに見守られつつしっかり成長してきた感がある。
ステージで見せるしなやかなダンスは、目を見張るものがある。そうしたギャップが、たまらなくファンを惹きつける。この夏に髪色ピンクのツインテール姿を披露し、かわいさを大爆発させた。
アニメやゲームが大好きな彼女は、歌声もキラキラのアニメ声。そんなアニメ愛が高じて、今年は野口衣織とともに、アニメ『シャインポスト』に広瀬実唯菜役で声優として出演を果たした。
齊藤なぎさ(さいとう なぎさ)
生年月日:2003年7月6日
身長:151cm
出身地:神奈川県
血液型:AB型
ツインテールに大きな黒目が印象的な、“なーたん”こと齊藤なぎさ。あらゆるかわいさが凝縮されたTHE王道アイドルの集合体のような彼女は、甘え感と愛らしさが溢れ出る性格の持ち主。大勢のファンが陥落するのもやむを得ない、パーフェクトな釣り師である。
SHOWROOMでは「大好き」を連発し、特典会で凄まじい記憶力を発揮するなど、重たいまでのファンへの愛情の深さも含めて、まさに天性のアイドルだ。それでいて、ストイックな努力を続け、ステージ上でキラキラのアイドル感を爆発させている。
彼女の魅せる才能は、演技の世界でも実力を発揮。2019年に映画『夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風』の『ナツヨゾラ』で映画初主演を果たし、『明日、私は誰かのカノジョ』などテレビドラマにも多数出演するなど高い評価を得ている。
また、ファッション誌『LARME』のレギュラーモデルを務めるなど、そのポテンシャルは計り知れない。残念ながら、2023年1月13日の公演をもって=LOVE卒業が決定。残りわずかな時間だが、アイドル・齊藤なぎさの姿をぜひ目に焼き付けて欲しい。
佐々木舞香(ささき まいか)
生年月日:2000年1月21日
身長:157cm
出身地:愛知県
血液型:A型
きれいさとかわいさと品のよさを合わせ持つ佐々木舞香。清らかで伸びのある通る歌声は、まさしく=LOVEの武器。明るさもありながらサバサバした雰囲気もあり、さらに儚さもあるというパーソナリティーは、どこかアーティストのような印象すら受ける。
そんな彼女の中身は、アニメ好き。アニメ『イナズマイレブン』がきっかけで声優に憧れを持ち、そこからアニメの世界に魅了される。リスペクトするのは声優アーティストの水瀬いのりと完全にアニメ界隈なタイプだ。
これまではグループの先頭に立って引っ張るタイプではなかったが、今年5月のシングル「あの子コンプレックス」で初の表題曲のセンターに抜擢されるなど、彼女の輝き度はさらにアップ中。これからの=LOVEを牽引する存在として注目を浴びている。
髙松瞳(たかまつ ひとみ)
生年月日:2001年1月19日
身長:160.5cm
出身地:東京都
血液型:AB型
“=LOVEの太陽”と呼ばれる髙松瞳。素敵な笑顔と明るく元気な性格で、メンバーもファンもにこやかにさせてくれる存在だ。1stシングル「=LOVE」から多くの楽曲でセンターを務めてきた、まさに=LOVEの顔と言っていい。=LOVEの明るくハッピーなイメージは、彼女の存在が大きく影響しているように思う。
飾らない人柄で誰とでも馴染めるタイプだけにアイドル適性は高く、またチームプレイを円滑にするグループに欠かせない存在だ。=LOVEを愛し、ファンを大切にする“=LOVEの太陽”はこれからもキラキラに輝き続ける。
瀧脇笙古(たきわき しょうこ)
生年月日:2001年7月9日
身長:157cm
出身地:神奈川県
血液型:O型
優しく思いやりがあり、親しみやすい人柄の瀧脇笙古。ヴィジュアルもますます成長中の彼女は、どんなことにも全力で挑む努力家というイメージがある。 =LOVEに加入した段階ではダンス未経験。周りの足を引っ張らないように懸命に練習を続けるなど、自分の現状を認識しつつ持ち前の負けん気パワーで乗り越えていくタイプだ。
そんな彼女の最大の武器は体力。中学時代にテニス部で鍛えたガッツと筋肉は、 =LOVEになってからさらにパワーアップ。2019年の東京マラソン10キロの部で20位に入賞したかと思えば、今年3月の東京マラソンでは4時間19分26秒でフルマラソンを完走を果たした。また、TBSのスポーツバラエティ『SASUKE』に2年連続出場するなど、彼女の超人度はまだまだ限界を知らない。
そして、彼女もまたファン思いのメンバーである。SHOWROOMでは毛筆の“感謝”の文字を飾り配信するなど、応援したくなるアイドルとしてファンの支持は熱い。
野口衣織(のぐち いおり)
生年月日:2000年4月26日
身長:160cm
出身地:茨城県
血液型:O型
ショートカットのクールなかっこよさで、=LOVEのボーイッシュキャラとして君臨する野口衣織。だがイメージとは裏腹に、性格は明るくテンションの高い彼女。ラーメンが大好きだったりと意外なエピソードが続出する、まさにギャップ王と言っていいだろう。
そして、佐々木舞香とともに彼女もアニメ大好きポジション。小学生のときに『うたの☆プリンスさまっ♪』にハマり、そこから2次元どっぷり系になっていったという。
彼女がステージで放つオーラはハンパなし。パワフルなボーカルにキレキレのダンスは、見るものを圧倒するすごさがある。最新シングル「Be Selfish」では初の表題曲のセンターを務めるなど、彼女の魅力は今後さらに磨きがかかっていくことだろう。
諸橋沙夏(もろはし さな)
生年月日:1996年8月3日
身長:158cm
出身地:福島県
血液型:B型
大きな瞳が印象的な、=LOVE最年長の諸橋沙夏。和やかで明るくガーリーな雰囲気の、実に女の子感あふれる彼女。しっかりしたところもありつつ、どこか抜けたところもあるというのも彼女の魅力だ。年下組の面倒を見るお姉さん的な姿を見せるなど、グループ全体をきちんと見ているタイプでもある。
そんな彼女の最大の武器は歌。あらゆる楽曲で、艶やかで伸びのある素晴らしいボーカルを響かせている。小さい頃から歌が大好きだった彼女は、=LOVEに入り指原莉乃に褒められたことでさらに歌に磨きをかけていったという。
彼女の初ソロ曲は、7枚目シングル「CAMEO」のカップリングの「My Voice Is For You」。タイトル通り、彼女の歌に込める思いを歌ったアップチューンだ。ハモリもコーラスも全てひとりで行った、まさに入魂の作品。ぜひ、彼女の歌の素晴らしさを堪能して欲しい。
山本杏奈(やまもと あんな)
生年月日:1997年11月30日
身長:148.6cm
出身地:広島県
血液型:A型
=LOVEのリーダーを務める山本杏奈。人柄は、とにかく優しく真面目。 =LOVEから感じる温かい雰囲気、いいチーム感は、彼女がリーダーであることが大きく影響しているように思える。彼女の真面目さは、ライブでの反省点を=LOVEノートに書き改善させているというエピソードからも伝わってくる。
また、グループで一番小さな身長ながらダンスはバキバキ。小学校の頃から始めたダンスは、=LOVEになってさらに磨きがかかっている。切れ味の鋭さはもちろん、強弱をつけたりと彼女のダンスの表現力は必見だ。
さらに彼女は、2017年8月19日からSHOWROOMの毎日配信を行っている。2023年2月9日の2000日達成を機に一旦区切りをつけるものの、ハードなスケージュールの中、5年間毎日継続してきたのは率直にすごい。それも、ファンとのコミュニケーションを大事にしたいという彼女の気持ちの表れだ。ファン思いのメンバーばかりの=LOVEだが、彼女の熱量は一番高い。
彼女の初単独センター曲である、「あの子コンプレックス」のカップリング曲「笑顔のレシピ」は、メンバーやファンの方に向けた楽曲である。優しい笑顔でグループを支える、=LOVEメンバーと全てのファンに愛される存在だ。
■聞いておきたい=LOVE注目曲
「あの子コンプレックス」
2022年5月25日に発売された11枚目シングルで、佐々木舞香が初のセンターを務めたナンバー。=LOVE史上もっとも儚い失恋ソングと謳われる、大人っぽい雰囲気の切ないアップチューンだ。
835万回再生(22年12月15日現在)のMVは、雨にうたれる佐々木が水溜りに落ち、深い海に沈むソロカットから始まる。失恋の辛い気持ちを訴えるメンバーの描写は、痛々しいまでにリアル。ダークファンタジーのような暗い壊れた世界で踊るメンバーというのも、これまでの=LOVEには無かったものだ。
メンバーが、時計や指輪、花などを投げるシーンは、苦しみから解放されたい表現。窓ガラスの向こう側にある幸せな世界で微笑む佐々木と、こちら側の暗い表情の佐々木が実に対照的である。涙で悲しみにくれたまま終わる、報われない恋心が心に刺さる作品だ。
「祝祭」
2021年8月25日に発売の9枚目シングル「ウィークエンドシトロン」のカップリングで、大場花菜が野口衣織とともに初センターを務めた楽曲。
88万再生(22年12月15日現在)のMVは、中世の城を舞台に繰り広げられるホラーテイストのミュージカルといった雰囲気。大場と野口が男役の執事となり、大谷と佐々木がメイド、瀧脇と山本が料理人、お客さんの貴婦人が音嶋、齋藤樹愛羅、齊藤なぎさ、髙松、諸橋が城の女主人という配役だ。
とにかくゴージャスな作りで、短編映画でも見ているような感覚になる。ダンスショットは、タキシード姿の大場と野口の周りを白いバレエ衣装メンバーが舞い踊るという鮮烈さ。冷静な執事の大場と、流し目が麗しい狂気の執事の野口など、見どころ満載。
「ウィークエンドシトロン」
2021年8月25日に発売の9枚目シングルで、髙松瞳がセンターのキラキラで王道なサマーチューン。ラップのリリックはフワちゃんが手がけている。
これまで=LOVEは学生の恋愛を中心に歌ってきたが、この曲では“定時ダッシュ”と主人公が社会人になっているのが新しいポイント。277万回再生(22年12月15日現在)のMVは、峯岸みなみが監督を務めている。
夏の象徴であるひまわりに囲まれる中に組まれたセットで、週末に会う好きな彼氏のためにケーキ(ウィークエンドシトロン)を作るという内容だ。レモンカラーの衣装でわちゃわちゃするメンバーの表情がとにかくかわいい。
その合間に入るラップパートでは、一転して大谷、齋藤樹愛羅、佐々木、野口、諸橋、山本がガールクラッシュな姿を見せ、MVのいいアクセントとなっている。ひまわりの中でのダンスショットもとにかく爽やか。ラブリーさあふれるMVだ。
「しゅきぴ」
2020年11月25日にリリースの「青春”サブリミナル”」のカップリングで、佐々木舞香が初のセンターを務めたナンバー。指原莉乃がTikTokでバズることを目指したということだけあり、サビの中毒性ハンパなしの弾けるポップチューン。
582万回再生(22年12月15日現在)のMVは、峯岸みなみの初監督作品でもある。映像は、好きな男子の部屋でひとり留守番するときに女の子はどんなことをしたいのかを具現化したような内容。ワンルームで雑魚寝状態だった全メンバーが部屋を散策し、服のままシャワーを浴びたりとやり放題。
ピンク背景のリップシーンでは、メンバー全員がツインテールというとてつもないガーリー度を爆発させる。佐々木のスネ顔を始め、メンバーのかわいい表情がこれでもかと言わんばかりに出てくる。最後は部屋でメンバーが歌い踊り、クッションを投げたりとパーティー状態。そして、佐々木への顔面ケーキでフィニッシュというパーフェクトな作品だ。
「Be Selfish」
2022年9月28日に発売された12枚目の最新シングルで、野口衣織にとって初の表題曲センターのナンバー。自分を大切にしようというメッセージを歌うダンス・ポップチューンとなっている。
660万回再生(22年12月15日現在)のMVは、韓国で撮影を敢行した作品だ。制作チームやメイクヘアも韓国のスタッフということで、明確に今までとはまた違う=LOVEが楽しめる内容となっている。
MVは、コインランドリーにいる野口が、洗濯機の向こう側にある世界に飛び込んで、新しい自分になっていくというストーリー。爽やかなカジュアル衣装のメンバー、ドレスアップしたメンバーと、カラフルな11人の姿がたっぷりと楽しめる。
エレガントでポップで、間奏ではバキバキのダンスショットもある盛りだくさんぶり。リフレッシュして前に進もうとメッセージするメンバーの姿は、頼もしさを感じさせた。=LOVEの成長を痛感できる楽曲でもある。
■勢いの止まらない=LOVEは常に今が推しどき!
そのときどきのモードを瞬時に取り入れ、個々のメンバーのストロングポイントを発揮しながら進化し続ける=LOVE。年が明けた2023年1月13日には、『~齊藤なぎさ卒業コンサート~ 現役アイドルちゅ~ みんなのこと大好きだよ♡』がパシフィコ横浜 国立大ホールで開催される。
齊藤なぎさの卒業はグループにとって大きな出来事だが、 =LOVEはそこで立ち止まることなく前進していく。すでに、2月22日には13thシングルの発売も決定しているのだ。新たなフェーズに入る2023年の=LOVEの活躍に期待しよう。
TEXT BY 土屋 恵介