DISH//の勢いが止まらない。彼らの代表曲となった「猫」はストリーミング総再生回数10億回を突破。
さらにバンド活動のみならず、メンバーそれぞれが映画やドラマ、舞台などでも活躍。本記事では個性と才能に溢れるDISH//のプロフィールや代表曲について、改めて紹介したい。
■4人組バンド・DISH//とは?
DISH//(ディッシュ)
・結成日:2011年12月25日
・メジャーデビュー:2013年6月19日(1stシングル「I Can Hear」)
・メンバー:北村匠海(Vo、Gu)/ 矢部昌暉(Cho、Gu)/ 橘 柊生(DJ、Key)/ 泉 大智(Dr)
・ファン呼称:スラッシャー
・OFFICIAL SITE https://dish-web.com/
・Twitter @dish_info
・Instagram dish__official
・TikTok dish_official
・YouTube https://www.youtube.com/user/dishSMEJ
2011年12月25日結成。当初は、楽器を持って歌って踊る“ダンスロックバンド”というコンセプトのもと、エネルギッシュなパフォーマンスを披露していた。
2013年6月、アニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』エンディングテーマに起用された1stシングル「I Can Hear」でメジャーデビュー。
▼DISH// – I Can Hear [Official Live Video]
2017年1月1日、自身4度目となる日本武道館公演で泉 大智が加入。この頃からバンドとしてのスタイルを固め、2019年に開催した全国ライブハウスツアー『LIVE TOUR -DISH//- 2019』を機に“ダンスロックバンド”から“ロックバンド”へ。
そして、転機となったYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』への出演。
ボーカル&ギターの北村匠海が歌唱した「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」が話題を集め、DISH//の評価と注目が高まるなか、2021年にはっとり(マカロニえんぴつ)との共作曲「沈丁花」をリリース。身近な人への感謝を伝える曲としてロングヒットすると、その年の『第72回紅白歌合戦』で紅白初出場を果たした。
▼DISH// (北村匠海) – 猫 / THE FIRST TAKE
そして、結成10周年イヤーを迎えた2022年は、今までリリースしてきた楽曲をリテイクするプロジェクト「再青」(さいせい)を始動。
10月には第89回「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部 課題曲の「Replay」をリリース。また、日本サッカー協会(JFA)による、SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)応援プロジェクト『新しい景色を2022』公式テーマソングに「DAWN ((in 2022))」が決定するなど、着実に経験値を積み上げている。
■メンバー4人は映画やドラマ、舞台などの活動も
北村匠海(きたむらたくみ)
・担当:ボーカル、ギター
・生年月日:1997年11月3日
・出身地:東京都
・血液型:B型
・Instagram take_me_1103
DISH//では、メインボーカルとギター、リーダーを担当。
映画『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』など、俳優として映画やドラマ、CMで活躍する北村。どんな役柄も豊かな表現力で魅せる彼の演技への評価は高く、幅広い音楽性を持つDISH// 楽曲でもその表現力を存分に発揮している。
近年はDISH// 楽曲の作詞や作曲もつとめ、ドラマ『猫』劇中歌となった「あたりまえ」は北村自身が作詞作曲を担当。「Replay」の作詞も担当しており、人間味溢れる歌詞や独創的な言葉選びにも注目が集まっている。また、普段は物静かで極度な人見知りであることを公言している。
▼DISH// – あたりまえ [Official Video]
矢部昌暉(やべまさき)
・担当:コーラス、ギター
・生年月日:1998年1月9日
・出身地:東京都
・血液型:B型
・Instagram pantystar_masaki
DISH//ではコーラスとギターを担当。力強さと優しさを兼ね備えた技巧的なギタープレイと、北村との相性も抜群の美しいハーモニーに定評がある。
小さい頃から歌は好きだったという矢部は、NHK教育『天才てれびくん』シリーズにも出演。DISH//でコーラスやハモリの楽しさにも目覚め、歌をさらに極めていったいう。
2021年にミュージカル『ジェイミー』と朗読劇『私立探偵 濱マイク -我が人生最悪の時-』、2022年は舞台『NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-』『不安の倒し方について』と多岐にわたる作品に出演。舞台俳優としての活躍も目覚ましい。
橘 柊生(たちばなとうい)
・担当:DJ、キーボード
・生年月日:1995年10月15日
・血液型:A型
・出身地:北海道
・Instagram to_i1015
・YouTube https://www.youtube.com/channel/UCbM3wkSkguj017L4khI0jrQ
DISH//ではDJとキーボードに加え、ラップも担う。ライブや音源において、その器用さや多彩さ、キャラの面白さで強い存在感を放つのが橘 柊生である。
DJやシンセサウンドで楽曲を彩り、年長者としてバンドを牽引し、ムードメーカーとして場を盛り上げてと、縁の下の力持ち的な役割も。
個人としては“DJ To-i”として、ソロ作品『TOY BOX -To-i’s MIX TAPE-』『TOY BOX II-All Night Mix-』をリリースし、DJイベントも多数出演。ゲーム実況チャンネル『柊生ch』を開設している。
泉 大智(いずみだいち)
・担当:ドラム
・生年月日:1996年6月1日
・出身地:東京都
・血液型:AB型
DISH//ではドラムを担当。2017年元旦に開催された日本武道館公演にて新メンバーとして加入。本格的にドラムが叩ける泉の加入によって、DISH//がロックバンドへと移行するきっかけを作った。
普段は笑顔と天然ぶりがかわいい愛されキャラだが、ステージに立つと雰囲気が一変。男らしい表情で叩くパワフルかつテクニカルなドラムは、DISH//のサウンドに欠かすことができない。
■キャリアを重ね、培われた魅力
◎歌声
DISH//の存在を大きく広め、北村匠海のボーカリストとしての実力の高さを世に知らしめたのが、2020年3月公開の『THE FIRST TAKE』で披露した「猫」だった。
▼DISH// (北村匠海) – 猫 / THE FIRST TAKE
メンバーが事前レコーディングした、温かく優しいアコースティックアレンジに乗せて、ささやくような歌声で歌い始める北村。その歌声は少年のように純粋で透明感があって、優しく心地よくリスナーの耳へ飛び込んでくる。
大切な人と別れたことによっての後悔や不安、諦めといった複雑な心境を綴った歌詞をたっぷり気持ちを込めて歌い進め、サビの力強くエモーショナルな高音域で聴く者の心をギュッと締めつける。
『THE FIRST TAKE』で公開されている「猫」は、同チャンネル内での現在も再生回数1位を記録中。「猫」の全ver.合算のSNS・ストリーミングの総再生回数が、10億回を突破したことも発表されたが、その耳心地の良さに癒やし効果や中毒性もある、北村の歌声をリスナーが繰り返し聴いた結果だろう。
◎魅せるライブ
2021年12月、パシフィコ横浜・国立大ホールにて開催された『DISH// 10th Anniversary Live』にて、新旧の楽曲たちを自身の演奏で力強く披露し、北村が「バンドに憧れた少年たちは、今胸を張って、バンドとして生きています!」と力強く告げたように、現在はロックバンドとして自信が持てる演奏力を身につけたDISH//。
ダンスロックバンド時代に培った、ライブの魅せ方や楽しませ方も踏襲しながら、ロックバンドとしての逞しさが加わったDISH//のステージ。演奏が始まると、顔つきを変え、ぐっと楽曲の世界へと引き込む、華のある4人。演奏する姿のカッコ良さも、DISH//のライブの魅力のひとつだと言える。
今夏は『JAPAN JAM 2022』や『イナズマロックフェス2022』など、多くの音楽フェスに出演し、8月には富士急ハイランド・コニファーフォレストにて自身最大規模となる『DISH// SUMMER AMUSEMENT ’22 -PLANET-』を成功させた。
12月には単独では初となるアリーナ公演『DISH// ARENA LIVE 2022 “オトハラク”』の開催を予定。このことからも、キャリアとスキルを重ねたDISH//は大会場でのライブが似合うバンドになったことがよくわかる。
◎楽曲の良さ
「猫」でDISH//の存在を大きく広め、「沈丁花」でDISH//の存在を定着させた、バンドの魅力に加えて、楽曲の良さについても触れておきたい。
「猫」は言わずと知れた、シンガーソングライター・あいみょん提供による楽曲だ。
2017年にリリースされた、同名のドラマ主題歌としてOKAMOTO’Sが楽曲提供した、シングル「僕たちがやりました」収録曲で、『THE FIRST TAKE』で世に気づかれるまで3年の月日がかかったが、良い曲は必ず評価されることを証明した。
さらに、日本テレビ系土曜ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』 の主題歌として北村匠海とはっとり(マカロニえんぴつ)の共作によって書き下ろされた「沈丁花」。
▼DISH// – 沈丁花 [Official Video]
軽快な曲調に乗せ、頑張る人へのエールと身近な人への感謝、前向きな気持ちを綴った歌詞に、受験生だけでなくすべての頑張る人たちの心に刺さり“泣ける”と話題に。今後も長く愛されるであろう、DISH//の代表曲のひとつである。
近年は、メンバーによる作詞作曲楽曲も増えており、4人の熱量がよりダイレクトに伝わってくる。北村匠海が作詞をつとめ、西尾芳彦とDISH//の共作で作曲をつとめた「Replay」は、第89回 (2022年度)「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部 課題曲として書き下ろしたロックバラード。
▼DISH// – Replay [Official Video]
「現役中学生に伝えたい思いを込めた」と語り、“今、この瞬間を大事に”というメッセージを綴ったこの曲は、10年前、まだDISH//を結成したばかりだった、あの頃の自分に向けて歌っているのかも知れない。
バンドの演奏スキルの向上はもちろんのことながら、バンドとして、いち表現者として、積み重ねてきた一つひとつの事柄が彼らの血肉となり、今のDISH//がある。
リスナーの心に寄り添う優しい音と言葉が出せるのも、発破をかける力強いメッセージを発信できるのも、成長過程で感じた己の未熟さ・不甲斐なさ、悔しい思いを経験したからであり、そういった意味で彼らはつねにまっすぐ音楽と向き合い、等身大の自分たちをDISH//で表現しているのかもしれない。
■バンドの真価がわかる人気曲5選
「猫」
『THE FIRST TAKE』では、シンプルがゆえに真価が問われるアコースティック編成の演奏に挑戦し、歌唱力と演奏力の高さや楽曲の良さを知らしめたが、バンドサウンドで聴かせるライブバージョンでは、歌詞に描かれた気持ちをなぞるようなバンド演奏が感情の抑揚をより増長させ、ライブならではの生々しくスケール感ある歌とサウンドで、より強く胸に迫ってくる。言葉に出来ない感情を表現するような、間奏の北村のフェイクや気持ちのこもったバンド演奏も聴きどころ・見どころである。
「沈丁花」
頑張る受験生の背中を優しく押してあげる応援ソング。行進曲のような軽快なビートに乗せた、温かみある歌声で歌うのは、一丁前の花になるための旅を続ける前向きな気持ちと、“いつもいつも ありがとうね”の言葉で始まる家族への感謝の気持ち。
4人が楽しく演奏するパートに、日々を頑張る人たちとそれを支える家族や友達を描いたドラマが挟まれたMVも楽曲のイメージに合う。「ありがとうね」と伝えたい、自分の大切な人を思いながら観ていると、自然と笑顔に優しい気持ちになってくる。メンバー自身が微笑みを携えて演奏するライブ映像も良い。
「No.1」
2021年リリース、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第5期OPテーマ曲としても知られる、情熱的で疾走感ある男気溢れたロックナンバー。
“他の誰も歩めないこの日々に胸よ騒げ”と始まる歌詞はアニメに沿った世界観ながら、熱く前向きな言葉たちが気持ちを高ぶらせ、“突き上げたNo.1が指差す空の彼方”と力強く歌うサビが痛快に心に響く。4人の強い絆を感じさせる熱い演奏もあって、ライブの鉄板曲としても人気の一曲だ。
「しわくちゃな雲を抱いて」
北村匠海が作詞、泉 大智が作曲をつとめ、TBS系ドラマ『ユニコーンに乗って』主題歌として書き下ろした同曲。“大人の青春”をテーマにしたポップなロックナンバーだ。
“しわくちゃな雲を抱いて”や“恋より愛とか 友より情とか分からないよ”といった表現や言葉選びに、北村の作詞センスが光る。歌詞全体から感じるのは、辛い時や苦しい時に“泣かないよ 大丈夫。ほら、”と隣から語りかけてくれるような、優しさと心強さ。聴き終えた時、いつか幸せと笑えるようにと、少し前向きな気持ちになれるはず。
「勝手にMY SOUL」
2018年リリース、アニメ『銀魂 銀ノ魂篇』OPテーマ。独特なメロディ感に和テイストの歌詞がマッチした、痛快なロックナンバー。
“さらば穏やかな日”と戦闘前夜を想像させる歌詞で沸々と湧き立つ感情を表現し、“自分だけの魂 燃やしていこう”と魂に火をつける。拳握って一緒に歌いたくなるフレーズも満載。こういった多展開で起伏の激しいタイプの楽曲もカッコ良く乗りこなし、自分たちのものにしてしまうオールラウンダーぶりもDISH//の強みだ。
■音楽と真っ向から向き合う、DISH//の今後
結成10周年イヤーを迎えて、ロックバンドへと進化し、さらなる高みを目指そうとしているDISH//。
ここからも彼らの成長物語を見守るとともに、「猫」や「沈丁花」に続く、あらたな名曲や代表曲の登場にも期待したい。
TEXT BY フジジュン
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