■TikTokでの楽曲再生回数は現時点で1,000万回再生超え
2021年にYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』のオーディションプログラム『THE FIRST TAKE STAGE』でグランプリを受賞した、麗奈。グランプリ受賞後は“僕三部作”と称し、「僕だけを」「僕らの明日」「ぼく」をリリース。さらに今年7月には待望のメジャーデビューを果たした。ここ数年コロナ禍で思うようにできなかったライブ活動も、今年はライブイベントへの出演や九州と沖縄の道の駅(全20ヵ所)を回る弾き語りフリーライブツアーを行うなど、初めての場所にも足を運んで歌を届ける機会を作り、新しい人たちとの出会いを増やしている。そんな麗奈を取り巻く状況に変化が起きている。彼女のSNSにおけるストリーミング再生が毎週伸び続けているというのだ。TikTokでの楽曲再生回数は現時点で1,000万回再生を超え、さらにTikTokやInstagramのUGCが1,300本以上も上がってきているなど、麗奈への注目度が若者を中心に大きな広がりを見せている。
■物語との“コラボ”は、麗奈の楽曲作りにおける新たな挑戦
今年7月、麗奈は「キミをアイス」でメジャーデビューを果たした。この楽曲は小説やイラストを中心にした投稿サイト・monogatary.comの企画「麗奈コラボコンテスト」から生まれた。「好き。でも言わない。言えない。」というお題をもとに“恋愛の後悔”を綴った物語を募集した“モノコン”で大賞を受賞した「彼女のアイス、勝手に食べた」(椎名みそ)という物語が、「キミをアイス」という楽曲作りの始まりになっている。この物語の中に生きている登場人物たちに感情移入し、彼や彼女が見ている風景を自分の中に思い浮かべ、それらを音楽にして届ける。つまり“僕三部作”「僕だけを」「僕らの明日」「ぼく」は麗奈自身が過ごした日々から生まれた思い、揺れ動く感情の変化が歌へと繋がっていたが、「キミをアイス」は両想いかもしれないけれど、告白したらこれまでとは違う関係になってしまうのではないかという不安。今までの距離感でいいの?という戸惑いやもどかしさ。登場人物たちがかかえた揺れ動く思いを、夏の空や匂いをまとった爽快で清涼感のある夏らしいサウンドに乗せて届けた。「キミをアイス」は「彼女のアイス、勝手に食べた」という物語がなければ誕生しなかったし、物語との“コラボ”という経験は、シンガーソングライター・麗奈の楽曲作りにおける新たな挑戦になった。
さらに今年の夏には麗奈の歌をより多くの人たちに届けた“場所”があった。それは累計視聴者数3億回を超えるABEMAオリジナル恋愛番組「オオカミ」シリーズ『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』。この番組のBGMに「好いひと」が起用されたのだ。『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』は、男女10人が共同作業を通して“最高の恋”を叶えようと奮闘するのだが、この新シリーズには、その10人の中に“恋をしない”嘘つきオオカミが男女1名以上潜んでいるという驚きの新ルールが導入されたことで、好きでもないのに好きなフリをしているのはいったい誰なんだ!?という視聴者予想も大きな広がりを見せている。叶わぬ恋や秘められた恋心に共感する視聴者たちのハラハラドキドキが回を増すごとに倍増するなかで、BGMとして流れる「好いひと」の歌詞にある“君のこと本当に信じていいの?”というフレーズを、麗奈は「あなたにとって“好いひと”は誰ですか?伝えたいことをちゃんと伝えることができていますか?」という思いを重ねて、のびやかな歌声で優しく問いかけてくれた。
TikTokを中心に活躍する新進気鋭のクリエイター・ねる屋が、前作「キミをアイス」に引き続き監督をつとめた「好いひと」のMVも注目を集めている。このMVには『恋とオカミには騙されない』に出演した川口葵と、同じくABAMAで放送された『今日、好きになりました』に出演した熊谷仁志が出演している。川口は、彼(熊谷)とは両想いのはずなのに、デートだって何回もしていて楽しい時間を一緒に過ごしているはずなのに、彼と距離が縮まるたびに不安になってしまう女の子を演じている。言葉や態度で示してくれなきやわかんないよ。そんな“恋愛中女子あるある”を映し出したシーンに、女子たちは大いに共感しているはずだ。(なんたって男子は照れもあるんだろうけど“好きって言わなくてもわかってるよね?”ですから!!)。
さらに、このMVには『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』とリンクするシーンも散りばめられている。麗奈が弾き語りしているあるシーンに映っているのは、オオカミメンバーたちが作業をしていたアトリエで、その屋上でふたりが傘にイルミネーションの飾りつけをしていたり。ふたりが出かける神社は、今シリーズの“イルミネーション発表”の場で、メンバー全員でおみくじをひいた神田明神だ。『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』と「好いひと」のMVの世界観がさりげなくリンクし合いながらも、番組ファンのみならず観る者の中に柔らかな印象とじんわりと心に染みていく余韻を残す映像だ。
■“ワカレミ”は、別れ道、別れ味、別れるときの感情からきている
麗奈の最新曲は10月23日にリリースした「ワカレミ」だ。この楽曲は『オオカミ』シリーズにインスパイアを受けて作った“失恋ソング”だ。“ワカレミ”は、別れ道、別れ味、別れるときの感情というようなイメージからきているのだそうだ。
『オオカミ』シリーズは、先ほども述べたように、男女10人の中に、実は“恋をしない”嘘つきオオカミが存在する。恋をしないのに好きになってしまった、好きになってしまったけど恋ができない。恋愛には、好きなのに別れを選んでしまうこともあれば、別れたあとも“好いひと”のことを思い続けることもあるだろう。「ワカレミ」は、登場人物たちや視聴者一人ひとりの胸の奥底に秘めた思い、揺れる感情にそっと寄り添うような歌にもなってくれるはずだ。
“僕三部作”の「僕だけを」「僕らの明日」「ぼく」と“恋三部作”の「キミをアイス」「好いひと」「ワカレミ」は、楽曲が生まれる最初のきっかけはそれぞれ異なる。けれど、彼女は自分の思いをなかなかうまく言葉で伝えることが苦手でも、音楽・歌なら自分の思いを素直に、まっすぐに届けることができる。新しい場所、新しい出会いによって麗奈自身の制作に広がりを作った“恋三部作”のように、これからも麗奈はシンガーソングライターとして、ひとりの人間として挑戦をしながら音楽の道を自分の歩幅で歩いていくのだろう。「自分の歌を聴いてくれる人が少しでも前を向いてもらえるきっかけになってほしい」という願いを持っている、麗奈。多くの人たちの心にずっと残る歌を、彼女にしか歌えない歌を歌う麗奈の姿を見続けてほしい。
TEXT BY 松浦靖恵
楽曲リンク
リリース情報
2022.10.23 ON SALE
DIGITAL SINGLE「ワカレミ」
麗奈 OFFICIAL SITE
https://www.reina-web.com