心が傷ついた時、気持ちを静めたい時、感傷に浸りたい時。心が揺らぐ様々な場面に寄り添う音楽。
ここでは、そんな心の奥深くに響く「泣ける歌」を厳選。心揺さぶるようなメロディに包まれたり、歌詞に共感したりしながら、あなただけの「泣ける歌」を見つけて。
■自然と涙が溢れる!泣ける歌20曲
1.「ねっこ」King Gnu
2.「満ちてゆく」藤井風
3.「シンデレラボーイ」Saucy Dog
4.「点描の唄(feat.井上苑子)」Mrs. GREEN APPLE
5.「ただ声一つ」ロクデナシ
6.「Lemon」米津玄師
7.「晩餐歌」tuki.
8.「ドライフラワー」優里
9.「猫」DISH//
10.「糸」中島みゆき
11.「会いに行くのに」あいみょん
12.「忘れてください」ヨルシカ
13.「虹」菅田将暉
14.「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」MISIA
15.「水平線」back number
16.「雪の華」中島美嘉
17.「魔法の絨毯」川崎鷹也
18.「Soranji」Mrs. GREEN APPLE
19.「ひまわりの約束」秦基博
20.「栄光の架橋」ゆず
「ねっこ」King Gnu(キングヌー)
ドラマ『海に眠るダイヤモンド』の主題歌となったミドルテンポのバラード。
秒針の音がビートと重なり、時の流れを描く。愛する人が痛みや悲しみに耐えるときにこそ、共にいたいと願う“僕”の実直な思いが胸を打ち泣ける。
季節が巡ればまた花が咲くと誰より信じているのは、目に見えないところで花の命を支える“ねっこ”なのだろう。
「満ちてゆく」 藤井風(フジイカゼ)
映画『四月になれば彼女は』の主題歌として書き下ろされた楽曲。ものや情報が飽和した世の中で、真に“満ちる”ことの意味を問いかける。
美しいピアノの演奏にあわせて祈るように歌い出すパートは、讃美歌のような厳かな雰囲気が漂い自然と涙が溢れそうになる。静かに自問を続ける歌声は、音数が増すにつれ、次第に伸びやかになっていく。ひとつの境地に達するラストパートの開放感は圧倒的だ。
「シンデレラボーイ」Saucy Dog(サウシードッグ)
恋人のような関係になっておきながら、ちゃんと好きになってくれない男性へのいらだちを歌う複雑な恋の歌。ボーカル&ギターの石原慎也が初めて女性目線で書いた曲で、執着と見限りの間で揺れ動く女心を生々しい筆致で描く。
“シンデレラボーイ”というロマンチックな言葉の中に隠された毒に気づいた時、どうにもやるせない気分になる。
「点描の唄(feat.井上苑子)」Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)
ひと夏だけの恋を描いた映画『青夏 きみに恋した30日』(2018年)の挿入歌。
この曲が泣けるのは、恋するふたりが、このまま時が止まればいいのにと強く願いながら、終わりの時を見据えているから。形あるものはいつか壊れるということを10代の頃から歌ってきた大森元貴(Vo、Gu)が、自身の人生観と映画のストーリーをリンクさせて書いた鮮烈な青春ソング。
「ただ声一つ」ロクデナシ
にんじん(Vo)を中心に、ボカロPやイラストレーターが集う音楽プロジェクト、ロクデナシが2021年に発表した楽曲。作詞作曲はMIMIが手掛け、日本のみならずアジア各国でバイラルヒットした。
ピアノの転がるような音色にあわせ、まとまらない思考をリズミカルに歌う。確かな答えを示すのではなく、ささくれだった心に寄り添いながら並走し、答えのないまま「またね」とそっと締めくくる。この絶妙な距離感がなんとも心地いい。
「Lemon」米津玄師(ヨネヅケンシ)
2018年放送のTBS系 金曜ドラマ『アンナチュラル』主題歌として描き下ろされた楽曲。
米津玄師はこの曲の制作中に祖父を亡くしたことを明かしており、生きている限り忘れられない“恋しい人”を思う気持ちに深く寄り添った言葉が並ぶ。
2018年を代表するヒット曲で、MVが7億再生を突破するなど数々の記録を打ち立てた。
「晩餐歌」tuki.(ツキ)
当時中学3年生だったtuki.が、父親から聞いた「人生は3万日ぐらいしかない」という言葉に着想を得て書いたデビューシングル。
人生は一度きりだとわかっていても、毎日ベストを尽くすのは難しい。だから、“人間だからね たまには違うものも食べたいね”という率直なフレーズが心にするっと入ってくる。不完全なままの心を歌う「晩餐歌」はSNSを通じて広くシェアされ、2024年を代表するヒットとなった。
「ドライフラワー」優里(ユウリ)
SNSで“かくれんぼ現象”と言われるブームを巻き起こしたデビュー曲「かくれんぼ」のアフターストーリーを女性目線で描いた歌。別れた恋人への心残りを、枯れてもなお美しさを失わない花に重ねてエモーショナルに歌っており、失恋後に聴くと歌詞に共感し涙が止まらなくなるだろう。
『THE FIRST TAKE』でこの曲を披露したことから一気に火がつき、その再生回数は1億回を突破している。
「猫」DISH//(ディッシュ)
自分のもとを去った恋人に対して、気まぐれな猫のようにまたふらっと帰ってきてほしいと願う、切なくもいじらしい失恋ソング。
あいみょんが作詞作曲を手がけ、リリースから3年経った2020年に『THE FIRST TAKE』でアコースティックバージョンを披露したことで大きな注目を集めた。少年と大人の狭間にいる北村匠海(Vo)の魅力が最大限に発揮された一曲。
「糸」中島みゆき(ナカジマ ミユキ)
中島みゆきが1998年に発表し、bank bandや菅田将暉×石崎ひゅーいほか多くのアーティストが歌い継いでいる名曲であり、ウエディングソングとしても定着。恋愛や家族、友情など、人と人の関係を織物の糸に見立てた表現が、時代を超えて人々の心をとらえ涙を誘う。
2020年にはこの曲をもとにした同名映画が制作され、共演した菅田将暉と小松菜奈がのちに結婚した。
「会いに行くのに」あいみょん
ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の主題歌として、“記憶”をテーマに書き下ろされた楽曲。“食べ損ねたラブレター”というのはバレンタインのチョコレートのことで、それが少しずつ白くなるという描写で時間の経過を表現した。
この曲が泣けるのは、痛いほど気持ちがわかるから。あの日に戻れるなら、“君に会いに行くのに。”何度そう考えても時間は巻き戻らない。おそらく、多くの人がそんな後悔を胸に抱えながら、愛を学んでいるのだろう。
「忘れてください」ヨルシカ
TVドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』の主題歌として書き下ろされた楽曲。“僕”と“君”の小さな幸せに満ちた生活が終わるときに、“僕”が残した手紙のような印象を与える歌詞が泣ける。手拍子がパチンと鳴るたびに、思い出が一つひとつ消えていくようで切ない。
どれほど愛し合っても、どんなに努力しても、別れは必ず訪れる。そのときに自分を“忘れてください”と願うのは、“生きて”と願うことと同義なのかもしれない。
「虹」菅田将暉(スダ マサキ)
石崎ひゅーいが作詞作曲を手がけ、2020年の映画『STAND BY ME ドラえもん 2』主題歌に起用されたプロポーズソング。優しくおだやかな曲調でありながら、サビで“一生”という重めの言葉を重ね、一緒に人生を送る覚悟や責任を伝える。
照れを取り払ってまっすぐに愛を表現した姿勢に、菅田将暉と石崎ひゅーいの“ドラえもん愛”も感じる。
「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」MISIA(ミーシャ)
2018年のTBS系 火曜ドラマ『義母と娘のブルース』の主題歌となったMISIAとGReeeeNの初コラボ楽曲。
壮大なバラードを歌ってきたMISIAが、“あのね 大好きだよ”と小さな子どもが口にするような愛の言葉を歌うのが新鮮だ。
情緒豊かなメロディと歌詞のあたたかさに包まれ、ふと涙がこぼれそうになる。恋人、家族、友人など関係性を問わず大切な人に贈りたい普遍的なラブソング。
「水平線」back number(バックナンバー)
ソングライターの清水依与吏(Vo)が、コロナ禍でインターハイが中止になったという高校生の手紙を受け取ったことから生まれた楽曲。
それまで積み重ねたたくさんの努力と、どうにもならない状況で流した涙。それがいつかきっと人生の糧になると全力で伝えるこの歌は、多くの人の心を支え、時を超えて響く応援歌となった。合唱曲としても親しまれている。
「雪の華」中島美嘉(ナカシマ ミカ)
日が早く落ち、空気が冷たくなり、白い雪が舞い始める…そんな冬の情景をふたりの関係を深めるものとしてロマンチックにとらえた冬の定番バラード。
国内外の多くのアーティストにカバーされ、2019年にはこの曲をモチーフにした同名映画が制作された。Reggae Disco Rockersによるミックスバージョンも絶品。
「魔法の絨毯」川崎鷹也(カワサキ タカヤ)
リリースから2年経った2020年にTikTokで人気に火がつき、川崎鷹也の名を広めたラブソング。
アコースティックギター1本で“君”に対する思いと未来への約束を告げる歌で、単なる告白というよりプロポーズを思わせる。
実際に川崎鷹也が当時の恋人(今は家族)に向けて書いた曲であり、その親密な空気感がSNSで支持された。
「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)
映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌として書き下ろされた楽曲。タイトルは“諳(そら)んじる”という言葉に由来し、厳しい状況のなかで命をつなげるための言葉を紡ぐ。
大森元貴(Vo)の歌声は、後半に向けて生きたいと必死に願うように力強さを増していく。ラストは壮大なオーケストレーションとコーラスが響き合い、“我らは尊い”という重厚なメッセージを力強い説得力で伝えている。
「ひまわりの約束」秦基博(ハタ モトヒロ)
2014年の映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌として書き下ろされ、子どもから大人まで幅広く愛される歌。高校の音楽の教科書にも採用された。
ドラえもんとのび太の友情ソングであり、恋人や家族など互いを思い合うすべての関係性に当てはまる愛情深いメッセージが込められている。その共感できる歌詞と秦基博と透明感ある歌声に涙せずにはいられない。
「栄光の架橋」ゆず
2004年アテネ五輪のNHK公式テーマソングに使用されたエールソング。ピアノ1本で歌い始め、サビでふたりの歌声が重なり、終盤には力強いコーラスと壮大なオーケストラサウンド、エモーショナルなギターが重なり、クライマックスへと向かう。
静から動へと盛り上がる構成で、合唱曲としても広く親しまれている。
■泣ける歌で心のデトックスを
泣くことは感情を解放し、心がスッキリする効果があると言われている。また、たまたま聴いた一曲に涙を流したことで、自分自身の感情や過去の経験に向き合うきっかけになることも。
めまぐるしく過ぎていく日常の中で、そんな時間も時には大切。今の自分が共感できる歌を探してみよう。
TEXT BY THE FIRST TIMES編集部