TEXT BY 菜本かな
あなたには、耳に残っているCMソングはあるだろうか。
キャッチーで、頭からずっと離れないインパクトのあるものや、テレビやSNS、街角などで流れていたのをきっかけに“この曲良いな”と最新曲を知る人もいるだろう。
そこで、今回は2021年以降に放送されたCMから“耳に残るCMソング”として20曲をピックアップ。ぜひ、“推し曲”を見つけてみてほしい。
■耳に残るCMソング20選
01.「明日晴れるかな」桑田佳祐
02.「Bye-Good-Bye」BE:FIRST
03.「大人になって」アイナ・ジ・エンド
04.「Wonder」ONE OK ROCK
05.「POP SONG」米津玄師
06.「キャラクター」緑黄色社会
07.「きらり」藤井 風
08.「おもかげ(produced by Vaundy)」milet×Aimer×幾田りら
09.「のびしろ」Creepy Nuts
10.「又三郎」ヨルシカ
11.「老人と海」ヨルシカ
12.「ハルジオン」YOASOBI
13.「ピーターパン」優里
14.「BLUE SOULS」A_o
15.「創造」星野 源
16.「RAIN」SEKAI NO OWARI
17.「Poppin’ Shakin’」NiziU
18.「世界の秘密」Vaundy
19.「プラトー」サカナクション
20.「め組のひと」倖田來未
「明日晴れるかな」桑田佳祐(クワタ ケイスケ)
ユニクロ 22FW LifeとWear『みんなのワイドパンツ篇』
2007年放送のドラマ『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)の主題歌としても知られる同曲は、平成世代にとって馴染み深い一曲だろう。
「明日晴れるかな」の他にも、「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」「明日へのマーチ」「誰かの風の跡」「白い恋人達」などが本シリーズを彩っており、何年経っても色褪せない桑田佳祐の力強くも優しい歌声が、CMの温かい世界観にマッチしている。
「Bye-Good-Bye」BE:FIRST(ビーファースト)
UHA味覚糖『カヌレット』カヌレとカヌレット篇 / ついてたよ篇 / バースデー篇(2022年4月11日~)
日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』内の朝ドラマ『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』主題歌でもある同曲。心地良く響くサビが頭の中をリフレインする、中毒性を持っている。
CMにはBE:FIRSTのメンバーも出演。外食時、出会い頭、誕生日のお祝いに登場する『カヌレット』を前に、様々な表情を見せる彼ら。デビューまでに絆を深めた7人だからこその距離感や仲睦まじさが垣間見れ、実に愛らしい。
「大人になって」アイナ・ジ・エンド
Galaxy 新生活キャンペーンCM「ずっと一緒さ。新生活」篇
YUKIの「大人になって」(2012年発売のアルバム『POWERS OF TEN』収録曲)を、アイナ・ジ・エンドがカバー。
新生活は期待や希望に溢れるいっぽうで、不安や焦りとも隣合わせ。そんななかでも揺るがない、家族の絆を描くCMとリンクするのがアイナの歌声だ。葛藤と“でも君なら大丈夫だよ”と言わんばかりの包容力を見事に表現。新しい道を進む人々の背中を押す一曲だ。
「Wonder」ONE OK ROCK(ワンオクロック)
アサヒビール『アサヒ新スーパードライ』CMシリーズ
1987年の発売以来初の『アサヒスーパードライ』フルリニューアルを支える「Wonder」。
フルリニューアル=現状に甘んじることなく、さらなる高みを目指すというこの姿勢はONE OK ROCKの音楽性とも親和性が高く、バンドサウンドの力強さや拳を突き上げ、共に大声で歌いたくなる高揚感がたまらない。同曲を聴くと、ビールをぐいっと飲み干したくなるのでは?
「POP SONG」米津玄師(ヨネヅケンシ)
PlayStation®『遊びのない世界なんて|Play Has No Limits』
2022年2月7日に各音楽配信サービスでリリースされた「POP SONG」。幼い頃から親しんできたゲーム機であったことから同CMのために書き下ろし、プレステの合言葉“1・2・3”を歌詞に取り入れる遊び心のある一曲に仕上がっている。
なお、CMは2022年1月23日からPS4・PS5起動時に招待通知が届いたユーザーへ先行公開されたのだが、PlayStation®内で新曲が解禁されるのは、国内初の試みでもあった。
「キャラクター」緑黄色社会(リョクオウショクシャカイ)
森永製菓『~大丈夫。その緊張は、本気の証だ。~「受験にinゼリー2022」』
“リョクシャカ”の愛称で親しまれている、愛知県出身の4人組バンド・緑黄色社会による、軽快なサウンドに熱い想いが込められた「キャラクター」。
どんな自分も愛してあげよう。みんな、自分にしかない“キャラクター”があって、そのすべてが輝いているのだ、という緑黄色社会が放つ最上級のエールは、受験生だけでなく、今を精一杯生きる人々の背中も押してくれる。
「きらり」藤井 風(フジイ カゼ)
Honda『All-New VEZEL e:HEV』
CMのために書き下ろされただけあり、どこまでも広がる絶景の中を車で風を切って走っているような爽快感が伝わってくる「きらり」。どこまでも走っていける開放感も相まってか、「きらり」を聴くと新しい“何か”を探しに出かけたくもなる。そういう意味では一歩踏み出すかどうか迷っている人にもおすすめしたい曲だ。
この曲を通して、改めて藤井 風のすごさを感じた人も多いのではないだろうか。
「おもかげ(produced by Vaundy)」milet×Aimer×幾田りら(ミレイ×エメ×イクタリラ)
ソニー 完全ワイヤレスイヤホン『WF-1000XM4』
アーティストの一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で実現した、今をときめく3人の女性シンガーによるコラボレーション曲。楽曲のプロデュースはVaundyが担当。
milet、Aimer、幾田りらの三者三様の歌声で紡ぐ、ハートフルなハーモニーに笑みが溢れるほど満たされた気持ちになる。
「のびしろ」Creepy Nuts(クリーピーナッツ)
auオンライン専用ブランド『povo2.0』
Creepy Nutsが2021年9月1日に発売したアルバム『Case』収録曲。R-指定とDJ 松永曰く「30代を迎える節目の心境を綴った楽曲」とのこと。
夢に全力疾走できるわけでも、物事を達観できるほどの落ち着きがあるわけでもない、酸いも甘いも“ほどほどに”経験した者の境地を自虐的もありつつ、ポジティブにもっていく“のびしろ”と表現するのはさすがだ。
「又三郎」ヨルシカ
dアニメストアCMソング
宮沢賢治の『風の又三郎』をモチーフにした「又三郎」には、“現代社会の閉塞感を風の子に打ち壊しててほしい”という願いが込められている。
疾走感溢れる同曲をテレビCMで聴き、耳に残っている人も多いのではないだろうか。
「老人と海」ヨルシカ
STAFF START CMソング
「老人と海」は、心のなかに“光”を灯してくれる一曲だ。オンラインで世界中の人々と繋がることのできるSTAFF STARTが伝えたい想いと、うまくマッチしているように感じる。
先程紹介した「又三郎」もそうだが、ヨルシカの楽曲は一度聴くと耳に残るキャッチーなものが多い。数秒の間に印象を残すことが求められるCM界で、さらに求められる存在になっていくことだろう。
「ハルジオン」YOASOBI(ヨアソビ)
任天堂『Nintendo Switch TVCM 自分時間篇1』
小説を音楽にするユニット・YOASOBIの「ハルジオン」。原作小説は著:橋爪駿輝『それでも、ハッピーエンド』。Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”にて累計再生回数3億回を突破(2022年3月9日付)。
聴いているだけでハッピーになる明るい曲調が、コロナ禍で鬱屈としがちな世の中を光の道に誘ってくれる。劇団ノーミーツによる長編公演『むこうのくに』の主題歌にも起用。
「ピーターパン」優里(ユウリ)
ディップ株式会社『夢の途中』編 / 『ライバルは自分』編
シンガーソングライター・優里の記念すべきメジャーデビュー曲でもある「ピーターパン」。彼自身が音楽という夢を追いかける当事者であることから、目標に向かって突き進もうとする人への熱い想いに溢れた一曲。夢を追いかけるだけではなく、己の力で掴み取ることが大事であると言い切るところが清々しい。
CMには、陸上長距離の大迫傑選手が出演。優里の歌声が風となり、大迫選手の背中を押しているように感じられた。
「BLUE SOULS」A_o(エーオー)
ポカリスエットCM『でも心が揺れた』篇
Mr.Children、ポルノグラフィティなど、“CMソングといえば!”で思い出す名曲がずらりと並ぶ、ポカリスエット。2021年は、CMをきっかけに誕生したアイナ・ジ・エンドとROTH BART BARONによるユニット・A_oが担当。当初は正体不明のアーティストとして登場し、後の生配信で正体が明かされた。
二度と戻ることができない“あの頃”を彷彿とさせるノスタルジー溢れるサウンドが、聴いた者の心を癒していく。
「創造」星野 源(ホシノ ゲン)
任天堂『スーパーマリオブラザーズ35周年』テーマソング
「創造」は、“ものづくりへのこだわり”という点で星野自身と共通する『スーパーマリオブラザーズ』への愛情とリスペクトを込めて制作した楽曲。「歌詞に音に、星野源の〈ものづくり〉への想いと、マリオシリーズや任天堂へのリスペクトが詰まった楽曲です」とTwitterでコメントしたとおり、曲中にはマリオがファイアボールを撃つ音など様々なオマージュが込められている。
「RAIN」SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)
サントリーコーヒー『BOSS』「宇宙人ジョーンズ・夢の国」篇
「RAIN」は2016年にリリースされた楽曲だが、時が経っても多くの人から愛される楽曲として起用。CMのストーリーは、閉園する遊園地で、勤続50年のスタッフの最後をねぎらうように園内が勝手にライトアップ…と、少々ファンタジーではあるものの、温かく優しいFukaseの歌声と美しい旋律にぐっとくる。
同曲は、アニメ映画『メアリと魔女の花』(2017年)の主題歌にも起用された。
「Poppin’ Shakin’」NiziU(ニジュー)
ソフトバンク「NiziU LAB」CMソング
大きな話題を集めたオーディション番組『Nizi Project』から生まれた9人組グローバルガールズユニット・NiziU。「Poppin’ Shakin’」は、2021年に「Take a picture」との初両A面シングルとしてリリースされた。
彼女たちの明るく楽しい世界観が反映された、ハッピーチューンに仕上がっており、メンバーもCM撮影時にノリノリで過ごしていたそうだ。
「世界の秘密」Vaundy(バウンディ)
マルハニチロ冷凍食品「新中華街®」シリーズ『横浜あんかけラーメン』TV-CM“こだわりが、見えてきた”篇
日本武道館での2デイズ公演を行ったことでも記憶に新しい、現役大学生マルチアーティスト・Vaundyが歌う「世界の秘密」は、心地良いリズムとメッセージ性のある歌詞に引き込まれる。何気ない時にふと鼻歌でうたってしまうほど、馴染みが良いのも特筆すべき点だろう。
CMでは、凛とした佇まいで横浜あんかけラーメンをすする横浜流星を、Vaundyの歌声がスタイリッシュに彩っている。
「プラトー」サカナクション
参天製薬 サンテFX「そうだ、その目だ」篇TVCMソング
同CMのために書き下ろした「プラトー」は、希望を見つけられる一曲だと思う。うまくいかない時でも、手を伸ばしてみたら、何かが見えてくるかもしれない…チャレンジすることの大切さを教えてくれる、そんな楽曲だ。
CMには、ブランドアーティストに起用されたメンバーの山口一郎(Vo、Gu)が出演。雲の中のシーンではワイヤーアクションに挑戦したとのこと。
「め組のひと」倖田來未(コウダ クミ)
湘南美容クリニックCMソング
1983年にリリースされたラッツ&スターが歌う「め組のひと」を、2010年に倖田來未がカバー(カバーアルバム『ETERNITY~Love & Songs~』収録曲)。
さらに2018年にはTikTokをきっかけに若者へも浸透した同曲。ノリノリな曲調と、“めっ!”というフレーズと目元で横ピースサインを作る決めポーズのかわいさの相乗効果で女子高生たちの心を捉えたようだ。CMでも出演者が“めっ!”に合わせて決めポーズを取っている。
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