TEXT BY フジジュン
Tシャツと短パンに着替えて、ランニングシューズを履けば、あとは走るだけ…という手軽にできるランニング。季節を感じながら街や公園を走る気持ち良さもあって、ハマる人が増えている。
ただ、「運動はしたいけど…しんどい」「1~2日は楽しめてたけど、続けるとなると…面倒くさい」というのも正直な気持ち。そんなとき、きっと背中を押してくれるのが音楽だ。スマホから流れる音楽で気持ちを上げれば、きっと楽しく走り切れるはず!
これからランニングを始めたい・続けたいと思っている初心者も、そろそろプレイリストを変えたいと考えているランニング上級者も、まずはこの15曲を聴いてほしい。
■今すぐ走りたくなる!ランニングのおすすめ曲15選
01.「ライラック」Mrs. GREEN APPLE
02.「きらり」藤井 風
03.「できっこないを やらなくちゃ」サンボマスター
04.「第ゼロ感」10-FEET
05.「ワタリドリ」[Alexandros]
06.「NIGHT DANCER」imase
07.「負けないで」ZARD
08.「はいよろこんで」こっちのけんと
09.「Runner」爆風スランプ
10.「全力少年」スキマスイッチ
11.「舞台に立って」YOASOBI
12.「KICK BACK」米津玄師
13.「前前前世」RADWIMPS
14.「Mela!」緑黄色社会
15.「唱(Jax Jones Remix)」Ado
「ライラック」Mrs. GREEN APPLE
2024年4月、テレビ東京系アニメ『忘却バッテリー』オープニングテーマとして発表されると、自身最速でストリーミング累計再生数1億回突破を突破。同年、『第66回輝く!日本レコード大賞』で大賞も受賞し、Mrs. GREEN APPLEの新たな代表曲となった「ライラック」。
“あの頃の青”を思い出す甘酸っぱい青春ソングは、イントロのテクニカルなギターリフに身体が軽くなり、痛快なギターロックが前へ前へと足を運んでくれる、ランニングにぴったりの楽曲。
よく晴れた休日の昼ランなど、青空の下で「ライラック」を聴きながら走れば効果倍増、間違いナシ!
「きらり」藤井 風
Honda『VEZEL』のCMソングとして描き下ろされた「きらり」は、2021年末の『第72回NHK紅白歌合戦』で披露されると、楽曲への注目度がさらに高まり、2022年6月にはストリーミング累計再生回数3億回突破。
車のCMソングということもあって、街中を軽やかに駆け抜ける爽やかな印象がランニングにもマッチする。“荒れ狂う季節の中をさらりと走り抜ける俺”と歌詞に自分を重ねて、キャッチーなサビメロを口ずさみながら歌えばテンション上がって、どこまでもどこまでも走れちゃう!
「できっこないを やらなくちゃ」サンボマスター
2010年に日産自動車『セレナ』CMソングとして書き下ろされたこの曲。
すべての頑張る人に向けた応援ソングは時代を超えて聴き継がれ、デビュー20周年となる2023年には、YouTube初披露となるMVや『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンスをキッカケにバイラルヒット。
「もう走れないかも」と弱音を吐きたくなったとき、力強いロックサウンドに乗せて、“あきらめないで どんな時も”と歌う熱い歌声を聴けば、きっと気持ちを奮い立たされて、最後まで走り抜くことができるはず。
ゴール直前、プレイリストの終盤に入れることをオススメしたい。
「第ゼロ感」10-FEET
2022年公開、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌の「第ゼロ感」。
翌23年には同曲にて、『第74回NHK紅白歌合戦』に初出場。ストリーミング累計総数は3億回を超え、現在もなお再生回数を伸ばし続けているロングヒット作。
映画に向けての描き下ろしのため、バスケットボールのヒリつく空気感やそのシーンにハマる音楽を作っていったというこの曲。
獣のように闘志を燃やし、瞬時に思いつく第一感より速く、あの場所に向けて加速する。チームにスピードと感性をもたらした宮城リョータのように、より速く、より感覚を研ぎ澄ました走りを目指す人に最適。
「ワタリドリ」[Alexandros]
2015年3月の発売以降、最近では運動会や体育祭の定番曲としても多く使用されている「ワタリドリ」。[Alexandros]のカッコ良さを、幅広い層に知らしめた一曲でもある。
抑えぎみのAメロ、Bメロで十分に助走を付けた後、サビに入った時の開放感から生まれる跳躍力はハンパなく、ワッと力が湧き、追い風に運ばれるように、気持ちよく加速できること間違いなし!
“羽が生えたように体が軽くなる”という例えがあるが、まさにワタリドリのように、軽快に羽ばたいて走っていけるのでは?
「NIGHT DANCER」imase
名だたる韓国アーティストたちがダンス動画をアップしたことをキッカケに、韓国を始めとする世界各国に広がりを見せた「NIGHT DANCER」。TikTokで全世界再生回数が80億回を突破するなど、世界が注目する楽曲となった。
この曲が似合うのは、もちろん夜。それもできれば、夜になってひと気のないオフィス街などでの夜ランがベスト。
シティ・ポップ調のクールでダンサブルなトラックに浸りながらダンスするように走れば、君も「NIGHT DANCER」。どうでもいいような夜が、きっとオシャレに煌めくはず。
「負けないで」ZARD
夏の風物詩である『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』でもおなじみの応援ソング。炎天下、24時間かけて疾走するチャリティーランナーを鼓舞する「負けないで」は、発売時から10週連続でオリコン週間チャートでトップ10入りし、自身初のミリオンセールスを記録したシングルであり、ZARDを代表する一曲だ。
「負けないで」の歌詞は、恋より夢を追う相手へのエールとも、人生讃歌的なエールとも、(シングルが発売された時期的に)受験生への応援歌ともとれ、リスナーそれぞれの“もうひと踏ん張りしたい気持ち”にフィットする。
もちろん、ランニング時の苦しさに“負けないで!”の声を聴けば、気分はさながらチャリティーランナー! 近づくゴールに向けて、もうひと踏ん張りできるはず。
「はいよろこんで」こっちのけんと
2024年5月にYouTubeでMVが公開されるや、“ギリギリダンス”の踊ってみた動画がSNSで拡散。9月には動画視聴回数が1億回を突破し、『第75回NHK紅白歌合戦』にも出演。24年を象徴する曲となった「はいよろこんで」。
日々の学校や社会で生きづらさを感じていて。ランニングで頭を空っぽにしてるときだけは、嫌なことを忘れられるという人も多いはず。
心に刺さる歌詞もこの曲の魅力だが、ランニング中は一歩踏み出しても嫌なことを思い出したりしないで。“ギリギリダンス”小さく手振りを合わせたり、“トントントンツーツーツートントントン”と口ずさみながら歩幅を合わせるくらい気楽な気持ちで楽しむのがベスト。
「Runner」爆風スランプ
1988年10月リリースの「Runner」は、時代を越え、応援歌の定番として聴き継がれている一曲で、同曲のヒットをきっかけに爆風スランプの名前が世に知られるようにもなった、彼らの代表曲だ。
「Runner」というタイトルや、歌詞に散りばめられた“ロッカールーム”“グラウンド”という言葉から青春ど真ん中な内容に感じるが、「この曲をきっかけにブレイクしたい」というバンドの方針についていけず、脱退したメンバーへのはなむけに書いた曲だったそう。
力強いボーカルに後押しされ、流れる汗もそのままに走り続ける力をくれる、キャッチーでエネルギッシュなフレーズはランニングにもぴったり。
「全力少年」スキマスイッチ
2004年のリリース以降、多くのCMソングにも起用されてきた「全力少年」。2020年にはディズニー映画『2分の1の魔法』の日本版エンドソングに抜擢され、再注目を集めたこの曲。
全力で少年だったあの頃のように、“止め処ない血と汗で渇いた脳を潤せ”と自身を奮起する熱い歌詞は、汗をかくほどに視界が澄み切っていくような感覚が味わえ、ランニング中の気持ちを歌っているようにも聴こえる。
この曲を聴きながら全力で走りきったあとは、見慣れた景色がきっと違って見えるはず。セカイを開くのは君だ。
「舞台に立って」YOASOBI
『NHKスポーツテーマ2024』として書き下ろし、パリ五輪やパラリンピックの放送で使用。大会を大いに盛り上げた「舞台に立って」。
乾いたギターサウンドから、“ここが私の未来だ”とアスリートが大舞台に立つ覚悟を歌うこの曲。
大舞台に立つことが目標じゃなくても、日々のランニングを頑張ってる人は、“もっと体力をつけたい”、“3kg痩せたい”とか、“昨日より長く走りたい”とか。それぞれの目標を持って走っている人がほとんどなはず。
“目標=私の未来”に向かって、しんどくてもひたすら走り続ける人への応援歌を聴きながら、“目標達成=待ちに待った舞台”を思い描いて。未来への一歩を力強く踏み出そう。
「KICK BACK」米津玄師
アニメ「チェンソーマン」主題歌として制作され、常田大希(King Gnu)が共同編曲として参加。
リリース直後から大きな話題と人気を集め、各チャートを総なめ。日本の楽曲では初となる、アメリカレコード協会(RIAA)によるゴールド認定も受賞した「KICK BACK」。
イントロのベースサウンドが鳴った瞬間、カチッとスイッチが入り、血湧き肉踊るような感覚に陥るこの曲。
“努力 未来 a beautiful star”と繰り返し歌い走れば、MVのように人間離れした超人的な筋力で、走り続けられるような無敵感が得られる、かも。
「前前前世」RADWIMPS
自身が劇伴を務めた、アニメ映画『君の名は。』の挿入曲として制作され、2016年7月に配信リリース。
同年11月、この曲も収録されたアルバム『人間開花』をリリースし、同年末の『第67回NHK紅白歌合戦』にも出演。リリースなどアクションがあるたびにチャート上位に食い込み、記録的なロングヒットに。
キラキラしたイントロ、心地よいテンポ感、「前前前世」のリズミカルなメロディは軽快にランニングするのに最適で、朝の光を浴びながらランニングしたら、その日一日、爽快に過ごせそうだ。ランニング中にばったりと“前前前世”から探していた“君”にも出会えるかも…。
「Mela!」緑黄色社会
アルバム『SINGALONG』の先行配信曲としてリリースした「Mela!」。
日テレ系『スッキリ』の『ひとつになろう! ダンスONEプロジェクト』課題曲として起用され、ダンス動画が広まったことをキッカケにストリーミング再生数を大きく伸ばし、累計再生数は3億回を突破。
グルーヴィーな曲調に自然と身体が動き出すダンサブルな曲調に、足取りも軽く感じるこの曲。
“今なんじゃない?”の問いかけに闘志がメラメラとたぎり、“La la la,la la la”の掛け声をエールにいつも以上のポテンシャルを発揮できるに違いない。
「唱(Jax Jones Remix)」Ado
USJのハロウィンイベント『ハロウィーン・ホラー・ナイト』とのコラボ曲で、“ゾンビ・デ・ダンス”動画がSNSに多数投稿。
TikTokでの総再生回数が30億回を超えるという驚異的な記録を叩き出した「唱」を、世界のダンスミュージックをけん引する音楽プロデューサーである、Jax Jonesがリミックスした豪華曲。
Adoの歌や原曲の良さは残しながら、中毒性あるダンスビートと重低音で完全フロア仕様に仕上がったダンスミックス。
夜ランでミラーボールみたいな月の光に照らされて、ゾンビ・デ・ダンスを踊りながら走るのはちょっと難しいけれど。ステップを踏むように軽やかに走れば、シンドいランニングも楽しいショータイムに早変わり!
■お気に入りの曲と一緒に今すぐ走りにいこう!
走る理由は人それぞれ。“こうしなきゃいけない!”なんてルールがないからこそ、自分がいちばん楽しめる方法で、少しずつ続けてみてはどうだろうか。
まずは、今回紹介した15曲を聴きながら第一歩を駆け出そう。