INTERVIEW & TEXT BY 筧 真帆(日韓音楽コミュニケーター)
■稀有なラジオ番組『NCT 127 ユウタのYUTA at Home』
「たこ焼きプリンスのユウタとしては…」「韓国は今ロゼ(味)が流行っていて…」「これなんやねん(笑)。めっちゃサブイボ(鳥肌)!」
今やワールドワイドに活躍し、初の日本ドームツアーを控えるNCT 127の日本人メンバー、ユウタ。
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昨年はInstagramのフォロワー数が日本人男性で1位となり、今年は9月9日公開の映画『HiGH&LOW THE WORST X』に出演と勢いの止まらない彼だが、クールなルックスとはひと味違った、冒頭のようなくだけたトークを展開するのが、彼が1年半担当している日本のラジオ番組『NCT 127 ユウタのYUTA at Home』だ。
『NCT 127 ユウタのYUTA at Home』は、2020年12月にinterfmで始まり、2021年の春からはJFN系列での全国放送へと拡大。コロナ禍での番組スタート、韓国と日本でリモート収録を続けている珍しい存在で、K-POPアーティストのレギュラーラジオ番組としては現在唯一となる。
この番組の成り立ちやエピソードについて、interfmのコンテンツビジネスユニット コンテンツプロデュースチームマネージャーの西井 愛プロデューサーに話を訊いた。
「当初は、来日する時に東京で(番組を)収録する予定でした。2020年が明けた冬頃に番組立ち上げの話があり、春頃から始めようとしていた矢先でコロナ禍になってしまい、一旦番組スタートの話は止まりました。しかし、コロナ禍でいっこうに先は読めず、今後が見えなかったので、ユウタさんのスタッフの方々とご相談して、リモート収録で進めようとなり、12月からスタートしたんです」(西井)
放送までの流れとしては、ソウルのスタジオに居るユウタに、東京からパソコン越しにディレクションし、クリアな収録音声が東京へ届けられ、楽曲とミックスされ、放送に至る。今でこそ、ラジオでのリモート収録は当たり前となりつつあるが、リモートならではの苦労もあるようだ。
「初回は結構音が悪かったんです(笑)。それは収録場所・環境の問題で、外の騒音を拾ってしまうことが原因でしたが、今はレコーディングスタジオで録っているので解決されました。リモートでの苦労といえば、我々よりユウタさんが大変だと思います。ラジオってDJさんが喋っている間も、ガラス越しにいるスタッフがうなずいたり、手を叩いたり、生のリアクションを届けるのですが、ユウタさんはそれがまったくないまま、ひとりマイクに向かって喋っているので、大変だろうなと思います」(西井)
■旬のネタからアーティスト活動の裏話まで。ユウタならではの着眼点
大阪・門真市出身のユウタは、番組内でも随所に大阪弁を出し、リスナーからの“たこ焼きイジリ”も頻繁。“たこ焼きプリンス”も、リスナーに呼ばれるうちに自ら名乗るようになった。
彼は2012年に16歳で渡韓してから10年になるが、筆者が特に面白さを感じているのは、日韓の話題を絶妙なバランスで話していることだ。韓国のリアルタイムの話題を日本人目線で伝え、かつ日本で人気のカルチャーやお笑いネタなども時差なく盛り込んでいる。
音楽に関しても、L’Arc~en~Cielの大ファンを公言し、手島 葵の歌声を絶賛。当然NCT 127の曲や洋楽も流れるが、旬のJ-POPも選曲され、まさに垣根がない。
「すごいなと思うことが、私も知らないことがある、邦楽アーティストの新譜情報をユウタさんがいち早く聴いていて。あんなに忙しいのにいろんなところにアンテナを張っているんですよね。もちろん洋楽のアーティストも詳しい。なので、番組での選曲は全部ユウタさんが行っています」(西井)
NCT 127の話題はもちろん、K-POPアーティストの仕事や日常の様子、メンバーの話など、K-POPファンにとって貴重な内容も興味深い。また様々な世代のファンからのメールに、1対1でじっくり向き合っているのもラジオならではだ。
「リスナーのメッセージに本当に親身に答えていることに感銘を受けます。私はユウタさんより年上ですが、リスナーさんへのアドバイスの答えに私も響く、みたいな」(西井)
■ユウタのコミュニケーション能力とあらたな一面が見える、ゲスト登場回
番組のゲストには、同じSMエンターテインメントの先輩であるBoAや東方神起のチャンミン、ユウタに続いて2人目の日本人メンバーとしてNCTに合流したショウタロウが登場(BoAとチャンミンの日本語の上手さには改めて恐れ入った)。
こうしたK-POPメンバー同士のトークを韓国語で聞くことはあっても、日本語で、しかも日本のラジオで聞けるというのはかなり貴重である。今後、他事務所のK-POPアーティストが登場する機会があるのか? その可能性を尋ねてみると、以下のような楽しみな答えをもらった。
「まだ今後のことはわからないですが、(ユウタが)日本に来た時は、日本のアーティストをゲストに迎えたりできると良いですね。ユウタさんはコミュニケーション力が高いので、ぜひいろんな方とお喋りしてほしいです」(西井)
ここ最近デビューするK-POPチームは、日本人メンバーが含まれている割合が高いが、ユウタは老舗のSMエンタ―テインメント初の日本人練習生で、K-POP全体に於いても日本人メンバーとしてパイオニアのひとりだ。そんな彼だからこそ、ラジオという距離の近いメディアで、日韓の旬な出来事を発信し続けてくれることだろう。
「コロナ禍をプラスに捉えて、海外が近くなったと感じます。リモートで始められてむしろ良かった。何より、ユウタさんが日本人であったからこそ、この難しいことをレギュラーでやれていることが大きいです。NCTファンの皆さんも、そうでない方も、楽しく聴いてもらえる番組であれば良いなと思っています!」(西井)
番組情報
interfm
RADIO『NCT 127 ユウタのYUTA at Home』
木曜 21:00~21:30
https://www.interfm.co.jp/yutaathome
【JFN系列全国17局ネットにて放送中】
FM岩手 火曜21:00~
FM山形 木曜20:30~
ふくしまFM 金曜20:00~
FM GUNMA 木曜21:00~
FM栃木 木曜20:30~20:55
FM新潟 木曜20:00~
FM福井 土曜11:30~11:55
FM GIFU 金曜21:30~21:55
FM滋賀 月曜20:00~
FM山陰 水曜20:30~
FM岡山 土曜18:00~
FM高知 土曜19:30~
FM佐賀 土曜24:30~24:55
FM長崎 木曜21:00~
FM大分 土曜8:30~8:55
FM宮崎 土曜19:30~19:55
※過去放送のトーク部分のみAuDee内で聴取可能。
https://audee.jp/program/show/54595