TEXT BY 森朋之
■4人がバトンを繋ぎながら、「ドレミソラシド」の世界を描き出す
日向坂46が『THE FIRST TAKE』第214回に登場。加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、富田鈴花が出演し、『第61回 輝く!日本レコード大賞』にて優秀作品賞を受賞した「ドレミソラシド」(2019年7月リリースの2ndシングル)を、ストリングスを交えたスペシャルアレンジで披露した。
まずは日向坂46のプロフィールを簡単に紹介しておこう。2015年、“欅坂46”のアンダーグループ“けやき坂46”としてメンバー活動を開始。2017年8月に二期生となる追加メンバーが加入し、2018年6月にけやき坂46名義で1stアルバム『走り出す瞬間』をリリース。三期生加入後の2019年2月にグループ名を“日向坂46”に改名し、1stシングル「キュン」を発表すると、『NHK紅白歌合戦』に初出演を果たす。その後も数々のヒット曲を送り出しているのは、ご存知のとおり。今年3月には初の東京ドーム公演を成功させるなど、今やアイドルグループの中心的存在と言っていいだろう。
『THE FIRST TAKE』には、4月に、加藤史帆、上村ひなの、高橋未来虹(※「高」は、はしごだかが正式表記)の3人が、セサミストリートのキャラクターたちと名曲「上を向いて歩こう」(坂本九)をコラボレーション。ハッピーなパフォーマンスに大きな話題を集めたばかり。
今回「ドレミソラシド」で出演した、加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲は一期生、富田鈴花は二期生。キャプテンの佐々木久美を中心に、日向坂46のボーカルグループとしての魅力を存分に魅せてくれた。
4本のマイクが立てられたスタジオに「よろしくお願いします」と入ってきた4人は、ヘッドフォンを着け、笑顔で軽く発声練習。「リラックスして頑張ろうね」「そうだね、楽しみ」「楽しもう」と声を掛け合い、佐々木久美の「じゃあ行くよ。せーの」のあとに「お願いします」と4人で声を合わせると、気持ちを入れ、パフォーマンスをスタートさせた。
最初に聴こえてきたのは、ドラムのスティックによるカウント。“ドレミ ドレミ ドレミ”というハーモニーと生楽器(ドラム、ベース、ギター、ピアノ、ストリングス)の響きが心地よく混ざり合い、華やかな雰囲気が広がる。「ドレミソラシド」の原曲は4つ打ちのダンスチューンだが、今回は生のバンドサウンドでリアレンジ。体温が感じられる音像によって、彼女たちのボーカルをしっかりと引き立てていた。
言うまでもなく、パフォーマンスの中心にあるのは、4人のボーカルとハーモニーだ。ややハスキーな声でオーディエンスを惹きつける加藤史帆、透明感のあるボーカルを響かせる佐々木久美、まっすぐで力強い意思をたたえた歌声の佐々木美玲、そして、清楚な雰囲気と豊かな声量を併せ持った富田鈴花。4人がバトンを繋ぎながら、「ドレミソラシド」の切なさ、愛らしさを描き出すパフォーマンスは本当に魅力的だ。
特に心に残ったのは、4分20秒過ぎ。“もっと好きになって 何が変わるんだ”から始まるフレーズを、ピアノと歌だけで紡ぎ出す場面だ。歌詞のひとつひとつに想いを込めたボーカリゼーション(4人のアイコンタクトも素敵!)からは、人を好きになったときの感情の揺れがリアルに伝わってきた。
ラストのサビのパートやエンディングではカラフルなポップ感を表現し、アイドルグループらしい華やかさを演出。歌い終わったあと「楽しかったね。終わっちゃった。練習してた日々を一気に思い出した」(加藤)、「込み上げるものがありますね」(富田)とホッとした表情で語り合うシーンも印象に残った。
プレミア配信後、日向坂46のファンを中心に「正直、坂道グループがこんなに歌えると思っていなかったので驚いてます」「みんなの努力の成果が発揮されまくりで、最後まで、めちゃくちゃうまくて感動しました!」「ソロパートもハモリも綺麗で、明るいけれど落ち着いた『ドレミソラシド』最高でした!」という絶賛コメントが数多く寄せられた。
今回の『THE FIRST TAKE』で彼女たちの歌声を初めてじっくりと聴き、魅了された音楽ファンも多いはず。今後もぜひ、“歌”にフォーカスした活動を続けてほしい──そう感じたのは、筆者だけではないだろう。
リリース情報
2022.06.01 ON SALE
SINGLE「僕なんか」
YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q
日向坂46 OFFICIAL SITE
https://www.hinatazaka46.com