TEXT BY 森朋之
■ジャンルを超えたアーティストとコラボレーション
ストリーミング総再生回数2.5億回超え。Z世代のリアルを描いた楽曲、感情の機微を生々しく反映したボーカルによって注目を集めている當山みれいがデジタルシングル「雨の音」をドロップ。20年代を代表するラブソング「魔法の絨毯」がロングヒット中のSSW・川崎鷹也が手がけたこの曲は、元カレに対する思いを綴った失恋ソング。當山の歌声、表現力が際立つ、理想的なコラボレーションが実現した。
中学生のときにニューヨークに留学し、アートスクールに通いながら現地の音楽シーンを体感、アーティストとしての基盤を作り上げた當山みれい。2014年「Fallin’ Out/I Wanna NO feat.SHUN」でメジャーデビューを果たし、ブラックミュージックをルーツに持つ音楽性と等身大の感情を刻んだ楽曲により、大きな注目を集めた。
その後も順調に活動を続けてきた彼女は昨年、ジャンルを超えたアーティストとコラボレーションを重ねながら、多彩な恋愛ソングをリリースし続けてきた。まずは昨年3月に発表したミニアルバム『still』のリード曲「わけあって」(作詞・作曲:石原慎也(Saucy Dog)/編曲:GeG(変態紳士クラブ)、Hiplin)。恋人がいなくなった部屋でひとり、後悔と悲しみに包まれる“僕”の姿を描いた失恋ソングだ。
8月にリリースされた「またねがあれば」は男性シンガーソングライター・澤田空海理が2018年に発表した楽曲のカバー。“思えば後悔は、二つくらいしかないな”からはじまるこの曲は、恋の終わりを女性側の目線で歌ったミディアムバラード。トオミヨウ(aiko、秦基博、あいみょん、石崎ひゅーいなどの楽曲を手がけるクリエイター)の生々しいサウンドメイクによって、彼女のリアルな感情表現をたっぷりと味わえる。
■音楽性や世界観をさらに拡張
そして11月からは、彼女の音楽性や世界観をさらに拡張することを目的にした連続コラボプロジェクト【MIREI TOUYAMA EXTENDED】がスタート。第1弾は、yamaへの楽曲提供(「名前のない日々へ」)や、MAISONdesの「夏風に溶けるfeat.りりあ。,南雲ゆうき」などでも知られる気鋭のボカロP・南雲ゆうき。軽やかな4つ打ちと洗練されたピアノのフレーズとともに“食えない恋だと気付いてる”というフレーズが響く「食えない」は、まさに當山みれいの新境地だ。
プロジェクト第2弾となる「嵐の前の静けさに」は、福岡発のネオソウル系バンド・yonowoの荒谷翔大が作詞・作曲を担当。さらにChara、星野源、iriなどの作品を手がけるトップ・プロデューサー、mabanuaがアレンジャーとして参加し、豪華なトリプル・コラボが実現。ノスタルジックな旋律、心地よくレイドバックしたビートのなかで“恋焦がれてる わたしだけ”という切ないラインがゆったりと広がる、大人の恋愛シーンを描いた楽曲だ。
■當山みれい最新スタイル「雨の音」
R&Bやソウルなどのルーツミュージックにしっかりと根差しつつ、幅広い層のリスナーに訴求できるポップネス、年齢やジェンダーを超えた共感を呼び起こす普遍性を兼ね備えた當山みれいのボーカル。彼女のアーティスト性と歌の表現の幅は、【MIREI TOUYAMA EXTENDED】によって、確実に広がり続けている。その最新スタイルとも言える楽曲が、川崎鷹也が手がけた「雨の音」だ。
シックなピアノと微かに聴こえる雨の音、そして“Rainy day 今 思えば ほら”というフレーズから始まる「雨の音」。あなたとの出会い、幸せだった日常を思い返しながら、切なさと憂いを帯びた雨の夜を描いたバラードナンバーを彼女は、しっかりと抑制を効かせながら──気持ちを抑えているからこそ、悲しみが滲み出る──詩情豊かに表現している。編曲は宇多田ヒカルの「Beautiful World (Da Capo Version)」のアレンジに参加したNobuaki Tanaka。ネオソウル、オルタナR&Bの潮流を感じさせるサウンドをバランスよく取り入れることで、現代的なポップソングとしての強度を高めている。
作品を重ねるたびにシンガーとしての新たな表情を見せてくれる當山みれい。個性と技術を兼ね備えたクリエイターたちとの出会いによって彼女は、自らの音楽の世界を奔放に広げ続けている。どんなテイストの楽曲を歌っても、しっかりと自分のスタイルや色を投影できるのも、彼女の強さ。本格的なデビューから7年を迎えた彼女はここから、その音楽的なポテンシャルをさらに大きく解き放つことになりそうだ。
『コラボして見えた當山みれいの才能と魅力』
川崎鷹也からのコメント/「雨の音」
當山みれいみれいさんからのオファーを頂いた時、とても嬉しかったことを覚えています。
歌声も大好きですし、何より歌に対する愛だったり、パッションやエネルギーがとても伝わってくるミュージシャンなので、とても光栄に感じました。
その上でこの「雨の音」は僕自身が歌うのは何か違う、未完成だと感じていて、これを當山みれいさんが歌うことによって完成する、そんなラブソングを書き下ろさせて頂きました。
この楽曲にある愛、哀愁、弱さと強がり、そして色気を存分に伝えられるのは、あなたしかいません。
荒谷翔大(yonawo)からのコメント/「嵐の前の静けさに」
昨年「嵐の前の静けさに」で作詞作曲として當山みれいさんの楽曲に関わりました。
自分以外の歌手の方のレコーディングに立ち会うこともディレクションをすることも初めてのことで少し緊張気味でレコーディングの日を迎えたのですが、彼女の歌声を聴いてすっと心が軽くなり楽しくなりました。
歌唱力はもちろんのこと、彼女の表現力に魅せられました。
楽曲後半部分の
「どいつもこいつも君に見惚れてる
いつまで経っても わたし 恋してる」
このボーカルが1番のお気に入りで彼女の魅力が詰まっていると思います。
南雲ゆうきからのコメント/「食えない」
「食えない」を提供させていただいた南雲ゆうきです。
以前から當山みれいさんの楽曲を拝聴していたのですが、コラボして改めて當山みれいさんは、歌に表情を付け、魅力的に歌われる方だと思いました。
多彩な表現力で聴いてる側の耳を離さず、どんな曲であっても自分のものにして歌い上げてくれるのだろうという安心感がありました。
石原慎也(Saucy Dog)からのコメント/「わけあって」
ヘタって凹んでしまったソファー、散らかった机の半分や未だに癖で片方によってしまうベット、なんとなくで買ったお土産。
別に思い出したくはないのに、早く忘れてしまいたいのに「おーい、今でもここにいるぞー!」と言わんばかりに僕の視界にどうしても入り込んでしまう。
そしてやっぱりそのどれもが大切。
前に進む勇気も君を忘れる強さも僕は持っていない。全てをなかった事に出来れば良いのに、全部始めから。
そんな気持ちを歌にしました。
曲を作るにあたって當山みれいさんの既存の曲をたくさん聴き、声や雰囲気を重視して最大限に歌が生きるような楽曲にしました。
切なくて少し苦い、暖かくて優しい當山みれいさんの歌声が完璧にマッチしています!MVもとても素敵です!
リリース情報
2022.02.09 ON SALE
DIGITAL SINGLE「雨の音」
當山みれい OFFICIAL SITE
https://touyamamirei.com