■RADWIMPSの野田洋次郎が主題歌「うるうびと」をサプライズ披露! 映画『余命10年』舞台挨拶レポートが到着
公開中の映画『余命10年』の大ヒット御礼舞台挨拶が、3月17日、東京・丸の内ピカデリー2で行われ、主演の小松菜奈、坂口健太郎が登壇。さらに、本作の音楽を担当した、RADWIMPSの野田洋次郎がサプライズ登場した。
自らの余命を知り、もう恋はしないと誓った主人公・茉莉(小松)と生きることに迷い自分の居場所を見失った和人(坂口)が惹かれ合い、紡ぎだした“10年間”を描いた映画『余命10年』は、公開から約2週間で興行収入11億円を突破する大ヒットスタートを記録。
リピーター鑑賞者も続出している中、周囲の反応を聞かれた小松は「こんなに嬉しいことはないです。日々色々な感想を見て感激する日々です。小学校の娘を連れて映画を観てくれた人から子どもたちにもちゃんと届いてたっていうお話を聞けて、そうゆう作品に巡り合えたことと、このタイミングで公開することは本当に良かったと思います」とコメント。
続けて坂口は「感想の中で『この作品を観て潤いを与えてくれる』という感想があったんですよ。それは本当に美しいことだなと思いました。公開して世界に羽ばたいていきましたけど、そこから何かを感じてもらうことができて、それだけで、この作品をやった意味があったなって感じましたね。この仕事の一番大事な部分。その感想を見て僕も潤いましたね」と微笑んだ。
そして、野田は「僕自身が周りに(映画を)観てよと伝えた映画は初めてでしたね。この作品は出会わないよりは、出会った方が何倍も豊かな日々になるなと音楽を作りながら思いました。自分の大事な人には絶対に観て欲しいと思っていますし、観てくれた人からの感想を聞いてやって良かったと実感しますね」と周囲からの反響を明かした。
本作の劇中楽曲も実写映画としては初めて全編に渡りRADWIMPSが手掛けていることについて聞かれた野田は「新海さんとアニメーション映画ではやっていましたけど、実際の映像を見ながら音を付けるというのは初めてでした。毎日スタジオに行って、茉莉と和人に毎日(映像で)会いながら、毎日涙を流しながら音を付けていった一年間でした。こうゆう作品とはこの先もあまり出会えることはないだろうなと思えるくらい貴重な時間でした。この中で断トツ作品を観てますね(笑)ぜひ追いついて欲しいな」と話し笑いを誘った。
また、野田は「クランクイン前に楽曲があると嬉しい」と藤井監督から依頼があったことを明かし「撮影の前に道しるべとなるような音楽を作ってもらえませんかということで。それで『うるうびと』のデモを脚本を読ませてもらいながら作って、脚本を読んだ段階での自分の素直な感情を歌詞にしました」と振り返った。
小松は「RADWIMPSさんが主題歌を歌ってくださると聞いて1000%良いに違いないと思いました(笑)。それで完成した曲を聴いて本当に素晴らしかったです。映画の撮影前はどんな風になっていくのか未知の世界だったんですけど、曲のおかげで扉が開いてくれたというか、この音楽を超えるものを作っていかないと負けてしまうと思いながら、目指す場所があったので、茉莉を演じていて曲に助られることが日々ありましたね」と感謝を語った。
坂口は「初めて聞いた時は和人目線のような感覚でした。原作と台本を読んだ時にまだ自分の役とか映画の輪郭があんまり見えていなかったんですけど、曲を聴いて和人を本で読んでいたときに残される辛さみたいなのを考えたんですよ。でも(曲を聴いて)“出会えたことの幸せ”という方向に転換された。和人を作る上で助けになりましたし、気が引き締まった感覚になりました」と役作りおいても指針となった存在だったと明かした。
ここで、野田は本作のために書き下された主題歌「うるうびと」をサプライズで初披露。ゆっくりとピアノを弾き始め演奏はスタート。劇伴の「和人の告白」、次に「Opening of [余命10年]」、最後に主題歌「うるうびと」が圧巻の生歌唱で披露され、野田が奏でるピアノの旋律と、柔らかく優しい歌声は場内を包み込み、その様子に場内は酔いしれていた。
生歌唱の感想を聞かれた小松は「凄すぎます…。言葉で言い表せない。超贅沢な時間だと噛みしめちゃいました。感情を優しく抉ってくる感じ。こんな素晴らしい曲を、この映画に命を吹き込んでくれてありがとうございます」と言葉に詰まるほど感激した様子をみせると、坂口も「目一杯になってしまいます。ね〜…(笑)これが感想というか(笑)。演者だけじゃなくて、スタッフの方々にとっても道しるべのようなものでしたね。クランクイン前にみんなの向きが揃って、足を踏み出せたのはこの『うるうびと』っていう曲の力だったと思いますね」と野田に感謝を伝えた。
一方、野田は「手が震えましたね。二人(小松、坂口)の前で、映画を観てくださった皆さんの前で初めて演奏出来てすごく幸せでした」と笑顔でコメント。
続けて、本作について、「嫌な人が一人もいない。全ての人の人生が真っすぐで、生き生きとしていたし、どの人も主人公として生きているなと思いました。命をちゃんと燃やしている人たちばかりの映画だなと思って、それはすごく稀有なことだなとも思いました。だから観るたびに自分は視点を変えてしまう。一回目はこの人を見てたけど、二回目は別の人を見るという風に見る方向を変えると、全く違う感情を貰えたりとかあると思う。そうゆう楽しみ方や見方をすれば、もっと気づけること感じることがあると思います」と野田流の本作の楽しみ方を伝授。
小松は「茉莉のビデオを回しているところは私が撮っています!(笑)。撮影する時も本編の撮影カメラが現場からなくなって、茉莉のハンディカメラのみになるんです。『これが本編に使われるんで』って藤井監督に言われて、急にプレッシャーを感じました(笑)。茉莉の視点を感じてもらえたら良いなと撮影しました」と劇中でも印象的な茉莉視点のハンディカメラ映像の裏話を披露。
一方の坂口は「桜のシーンかな」と注目シーンを挙げると「和人が松葉杖をついているシーン桜だし、物語終盤のシーンも桜なんですよね。桜ってすごく不思議で、とっても幸せで美しいものにも見えるけど、どこか刹那的で儚いものにもなるじゃないですか。作品は四季を少しずつ丁寧に追っていますけど、春の印象的な桜だけでこんなにも感じ方が違うんだって思いましたね」と約一年という時間をかけて丁寧に四季の移り変わりを撮影した本作の魅力を語った。
最後に野田は「この映画は観ないよりは、観た方が次の日から日々や景色が変わる気がします。僕はこの作品に出会ってすごく変わったし、違う景色を見させてもらった。皆さんもその感覚や気持ちを貰ったら、自分の大事な人に『この映画を観て』と伝えてみてもらって欲しい。それで、観てもらったら言葉を交わして、どんな感覚を共有できるかを話してみて欲しいなと心から思います」とメッセージを贈った。
坂口は「大ヒットして少しずつ作品を愛してもらってこの場に立てているんだろうなって嬉しく思います。愛しい気持ちになれる作品だと思いますし、一人でも多くの人に彼女が生き抜いた姿を見届けてもらえたら嬉しいです」と感謝を述べ、小松は「これまでたくさんの人に支えてもらい、どんどん広がっていってくださっている作品なんだなと実感しております。舞台挨拶などで泣いてしまうことが多かったんですけど、それくらい魂を込めて茉莉として全身で表現し、生き抜いてきました。かけがえのない一年間で、人生の財産になる作品だったと思います。これからも何年も、何十年も、何百年先も『余命10年』が愛され続けてくれれば嬉しいなと思います。ありがとうございました」と力を込めて挨拶し、イベントは幕を閉じた。
リリース情報
2022.03.04 ON SALE
ALBUM『余命10年 ~Original Soundtrack~』
映画『余命10年』作品サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/yomei10-movie/
RADWIMPS OFFICIAL SITE
http://radwimps.jp/