TEXT BY 菜本かな
■10代男女に訊いた「卒業ソング&春ソングといえば?」
門出を祝福するかのように、穏やかな日差しを感じられるようになった3月。
クラスや学年をこえ一致団結して盛り上がる体育祭や文化祭、かえがえのない友人と思い出を作る修学旅行、仲間とともに励む部活動、学校帰りの寄り道、おしゃべりがつきない休憩時間…コロナ禍において、こういった“当たり前にあるはずの青春”はとても貴重なものになってしまった。
今年の卒業生に限ったことではないが、そんな日々を過ごしてきた彼らのなかには、力強い歌詞に心を救われた人もいるかもしれない。特殊な環境となってしまった今を過ごす10代は、どのような卒業ソングに心を打たれるのだろうか。
LINE MUSIC公式アカウントで10代男女に「卒業ソング&春ソングといえば?」というテーマでアンケートを実施した。
■結婚する友人へ宛てた“門出”の歌
卒業ソング1位に輝いたのは、レミオロメンの「3月9日」。卒業式で歌った思い出がある人もいるのではないだろうか。
あらたな卒業ソングの定番だが、元々は“3月9日”に結婚する友人を祝福するために制作された楽曲。結婚と卒業、どちらにも当てはまる“門出”を意識した歌詞であること、同曲MVでも結婚する姉と学校を卒業する妹の両軸で描かれていることから“卒業ソング”として広まったのだろう。
1番Aメロの“流れる季節の真ん中で/ふと日の長さを感じます”は、時間が無限に続くような気がしていた学生時代を彷彿し、“新たな世界の入口に立ち/気づいたことは 1人じゃないってこと”からは学生生活を共に過ごした仲間であり、結婚という日を迎えるに至ったパートナー等、聴く人それぞれに大事な相手を思い浮かべることができる。
アンケートでは、「卒業の季節になると1日1回は聴いているから」「やはり定番ですよね」「昔から聴き馴染みがある」との声が上がっていた。
■別れは悲しいものじゃない。“サヨナラに強くなれ”
続く2位にランクインしたのは、乃木坂46の「サヨナラの意味」。2016年に発表された同曲は、この曲の活動を最後に芸能界を引退した橋本奈々未がセンターをつとめている。
“サヨナラに強くなれ/この出会いに意味がある”という力強い歌詞は、別れの悲しさや寂しさに怯えてしまう私たちに、別れの先にある“あらたな一歩”へ目を向ける勇気をくれる。
10代からも「歌詞がささる」「“サヨナラに強くなれ” このフレーズを聴くたびに新しい自分になれるよう前に向ける!」「この曲を聴いてサヨナラを前向きに捉えられるようになりました」などのコメントが寄せられた。
■“採点基準は あなたのこれからの人生”
そして、3位のRADWIMPS「正解」には、コロナ禍で青春を過ごした10代ならではの声も。「中学の卒業式で歌うはずだった曲。コロナのせいで歌えませんでしたが、早くから練習した思い出の一曲です」「コロナの影響で在校生不在のなか、卒業生全員で気持ちを込めて歌った曲」とのコメントが集まった。
トップ10には、森山直太朗の「さくら(独唱)」や、EXILEの「道」、川嶋あいの「旅立ちの日に・・・」などの定番曲から、Mrs. GREEN APPLEの「春愁」のような新時代を担う楽曲まで、幅広くランクイン。
■定番春ソング & 勢いづく次世代春ソング
ちなみに、「“春ソング”といえば?」というアンケートで1位に輝いたのは、卒業ソングでも4位にランクインした森山直太朗の「さくら(独唱)」だった。
「さくら(独唱)」は2003年リリースのため、今回アンケートに答えた10代の大半は生まれていないものの、名曲とは時代を超えて歌い継がれていくものだということを改めて実感。
今回の結果を受け、森山直太朗は以下のようなコメントを発表している。
▼森山直太朗 コメント
19年前にリリースした「さくら」が世代を越えて多くの方に選んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。次の世代またその次の世代にも歌い繋いでもらえるよう自分自身もさらにこの曲と向き合っていこうと思います。
なお、2019年には「さくら(二〇一九)」、2021年にはカロリーメイトCM曲として「さくら(二〇二〇合唱)」を発表し、深みを増した歌声を響かせている。
また、「THE青春!!」との声が上がったのが、嵐の「サクラ咲ケ」。卒業ソングでも、16位に入っている。『城南予備校』のCMソングに起用されていたこともあり、受験生にとっても背中を押される一曲なのかもしれない。
平成にリリースした楽曲が続々とランクインするなかで、ヨルシカの「春泥棒」(2位)や、あいみょんの「桜が降る夜は」(4位)、yamaの「春を告げる」(7位)など令和に発売された春ソングたちも、続々とトップ10入りを果たしている。
これらのなかから、「さくら(独唱)」や「春よ、来い」のように、年代を超えて愛される定番ソングが誕生するのかもしれない。
あらたな一歩を踏み出す時のワクワク感と、どこか切ない想い…。3月は正反対な気持ちが入り混じる時期でもある。
ふと立ち止まった時、あなたの背中に優しく手を当ててくれる楽曲はあっただろうか。10代が選んだ卒業ソング・春ソングを聴きながら、大切な相手のこと・これから始まる新しい日々に思いを馳せるのもいいかもしれない。
10代が選ぶ卒業ソングランキング🎓🌸
01.「3月9日」レミオロメン
02.「サヨナラの意味」乃木坂46
03.「正解」RADWIMPS
04.「さくら(独唱)」森山直太朗
05.「道」EXILE
06.「旅立ちの日に・・・」川嶋あい
07.「旅立ちの日に」合唱曲
08.「遥か」GReeeeN
09.「友 ~旅立ちの時~」ゆず
10.「春愁」Mrs. GREEN APPLE
11.「卒業」コブクロ
12.「栄光の架橋」ゆず
13.「青春フォトグラフ」Little Glee Monster
14.「桜ノ雨」halyosy
15.「YELL」いきものがかり
16.「サクラ咲ケ」嵐
17.「桜晴」優里
18.「マブシガリヤ」すとぷり
19.「卒業」尾崎 豊
20.「サヨナラまたな」んだほ & ぺけたん
21.「奏(かなで)」スキマスイッチ
22.「ハルカ」YOASOBI
23.「僕らまた」SG(ソギョン)
24.「旅路」藤井 風
25.「キセキ」GReeeeN
26.「ナミダメ」すとぷり
27.「season」嵐
28.「旅立ちの日に」さくら学院
29.「桜」コブクロ
30.「手紙~拝啓 十五の君へ~」アンジェラ・アキ
31.「旅立ちの唄」Mr.Children
32.「ありがとう」いきものがかり
33.「サクラウサギ」川崎鷹也
34.「卒業」斉藤由貴
35.「Still…」嵐
36.「ふるさと」嵐
37.「桜の季節」EXILE ATSUSHI
38.「贈り歌」CHiCO with HoneyWorks
39.「贈る言葉」GReeeeN
40.「友よ ~ この先もずっと…」ケツメイシ
41.「栞」クリープハイプ
42.「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」ONE OK ROCK
43.「SAKURA」いきものがかり
44.「ありがとう」FUNKY MONKEY BABYS
45.「ひまわりの約束」秦 基博
46.「また逢う日まで」平井 大
47.「ワタリドリ」[Alexandros]
48.「桜恋」もさを。
49.「春泥棒」ヨルシカ
50.「証」flumpool
10代が選ぶ春ソングランキング🌷
01.「さくら(独唱)」森山直太朗
02.「春泥棒」ヨルシカ
03.「サクラ咲ケ」嵐
04.「桜が降る夜は」あいみょん
05.「春よ、来い」松任谷由実
06.「Spring Day」BTS
07.「春を告げる」yama
08.「春の歌」スピッツ
09.「3月9日」レミオロメン
10.「さくら」ケツメイシ
11.「SAKURA」いきものがかり
12.「桜」コブクロ
13.「ハルジオンが咲く頃」乃木坂46
14.「勿忘」Awesome City Club
15.「マブシガリヤ」すとぷり
16.「チェリー」スピッツ
17.「春愁」Mrs. GREEN APPLE
18.「栞」クリープハイプ
19.「春雷」米津玄師
20.「CHE.R.RY」YUI
21.「ナミダメ」すとぷり
22.「ハルノヒ」あいみょん
23.「蕾(つぼみ)」コブクロ
24.「キュン」日向坂46
25.「ハナミズキ」一青窈
26.「ハルウタ」いきものがかり
27.「ハルカ」YOASOBI
28.「ハルジオン」YOASOBI
29.「桜恋」もさを。
30.「始まりの朝」Official髭男dism
31.「青い春」back number
32.「千本桜 (feat. 初音ミク)」黒うさP
33.「奏(かなで)」スキマスイッチ
34.「卒業」コブクロ
35.「僕らまた」SG(ソギョン)
36.「StaRt」Mrs. GREEN APPLE
37.「キセキ」GReeeeN
38.「ワタリドリ」[Alexandros]
39.「花」ORANGE RANGE
40.「桜晴」優里
41.「春を歌にして」back number
42.「春一番」キャンディーズ
43.「サクラウサギ」川崎鷹也
44.「パラボラ」Official髭男dism
45.「花に亡霊」ヨルシカ
46.「花を唄う」シノ
47.「桜花ニ月夜ト袖シグレ」After the Rain
48.「桜坂」福山雅治
49.「恋色に咲け」CHiCO with HoneyWorks
50.「春夏秋冬」Hilcrhyme