■CHAI、パワーアップしたパフォーマンスと存在感で北米大陸を席巻!
2021年5月に発表された3rdアルバム『WINK』を、US名門インディーレーベルSub Popからリリースし、1月にソニーミュージック洋楽レーベルとの契約を発表するなど、グローバルなステージで活躍し続ける“N.E.O.-ニュー・エキサイト・オンナ”バンド=CHAIが、2月4日のシカゴ公演を皮切りに、約2年ぶりの北米ツアー『WINK TOGETHER NORTH AMERICA TOUR』をスタートさせた。
前半ではミネアポリス、ワシントンD.C.、ボストンなど、東海岸を回り、各地のメディアやファンから称賛の声が絶えず、その勢いはますます加速中。現地時間2月17日からは、最新アルバム『ローレル・ヘル』が2月19日付のビルボード「トップアルバムセールスチャート」で1位を獲得したばかりのミツキのツアーに、オープニングアクトとして全16公演に参加する。
そんなCHAIの、現地時間2月15日に行われた、ニューヨークでのソールドアウト公演の速報ライブレポートが到着した。
約2年間、海外でのライブを実現できなかった期間を経て、大きくパワーアップしたパフォーマンスと存在感で、北米大陸を席巻しているCHAI。ミツキのツアーに帯同後は、3月12日からヘッドラインツアーの西海岸公演を開始。帰国後も、4月17日にはZAZEN BOYSとの対バン公演『うるさがた Vol. 2』、『VIVA LA ROCK 2022』『FUJI & SUN ’22』などの国内フェスへの出演も続々決定している。
【ライブレポート】
CHAIが軽やかにアメリカを席巻している。2月15日にNYブルックリンの人気会場、Elsewhereでライブが行われた本公演は完売。Pitchforkも彼女たちを支持し続けているし、2019年にブルックリンで行われたライブは、アメリカのメジャーメディアのライターも駆け付けていたので、そのライブの評判を聞いていたか、またはその後USインディーの名門、Sub Popから2021年新作『WINK』を発表して以来待ち続けていた観客も多かったはずだ。
コロナ後初めてライブ会場に足を運んだ観客も多かったかもしれない。25歳前後くらいの様々な人種のNYの若者が集まり、ナードっぽい子もいたし、クールなキッズもたくさん。それぞれが個性的なファンでぎゅうぎゅうに詰まった会場は、始まる前からものすごい熱気とCHAIのファンらしい喜びにも溢れていた。そのファンの期待にお返しをするかのようなこの日のライブ。シルバーの衣装で登場し、キャッチーかつダンサブルな「NO MORE CAKE」で透明感あるボーカルと強烈なダンスビートで幕開けした瞬間から、最後の最後まで、ポジティブなエネルギーで会場を包み込み、観客を一体にして、心をふんわりと持ち上げてくれるような、笑顔とダンスと喜びに溢れた、CHAIならではのエンターテイニングなライブとなった。
『WINK』から次々に曲が披露された完全に最新モードのライブでは、よりリズムとダンスが全面に出ていて、「ACTION」では、“大丈夫、大丈夫、きっと大丈夫だから。言葉より行動が大事” “私があなたと私を信じているから”と重要なメッセージを掲げながらも、それを重くなり過ぎずファンに優しく渡してくれる。それがおそらく人気の秘訣でもあるような気がする。それを体現するような、ピンクの大きくて軽やかな衣装でステージを所狭しと踊りながら1人ひとり自己紹介し、「C.H.A.I CHAI!」と叫ぶとキュートさが炸裂して会場も大喝采。
さらに、ベースとドラムで独自のグルーブを生み出す「END」から、アメリカでも今熱狂的な人気のある竹内まりやの「PLASTIC LOVE」をカバーすると言う選曲も完璧。また「Wish Upon a Star」では、胸を突くような美しく感動的なボーカルを響かせた。かと思えば、両バンドの良さが最大に活かされたハインズとのコラボ曲「UNITED GIRLS ROCK ‘N’ ROLL CLUB」では世の中の緊迫から解放してくれるような、最高のゆるさで心に穏やかな太陽の光を注ぎ込んでくれるようだった。
前回の全米ツアー時より演奏力もさらに高くなり、しかも幅広い楽曲で、パフォーマーとしてひと回り大きくなったばかりか、洗練されたCHAIを見せつけてくれた今回のライブ。極め付けに、この日の前座でもあり、楽曲をプロデュースしたBIGYUKIが、自らキーボードで「チョコチップかもね(feat. Ric Wilson)」を演奏。文字どおり会場が甘いムードで包まれた。
アンコールでは、打って変わって、前座で出演し、会場を大いに盛り上げてくれた韓国のSu Leeも参加し、「N.E.O.」で会場中がジャンプしまくって終わるという最高の締めくくり。CHAIがCHAIらしくあることが、この緊迫した世界と、それに終わりが見えてきた今だから必要だったんだ、というのが明確にわかったようなこの日のライブ。CHAIありがとう! と思わず言いたくなってしまった。
このあと2月17日からは、なんと現在USインディロックの頂点に立っているとも言えるミツキの前座という最高の場所で、3万人以上の人たちに彼女たちを観てもらえると思うとワクワクする。ミツキ自身も「CHAIをアメリカの観客に観てもらいたかった」と語っていたけど、きっと観客に喜びを与えてくれるだろうし、彼女たち自身もアメリカの観客のエネルギーをもらって今回のツアーでさらに大きく成長していくような気がする。そんな期待と喜びと希望に溢れるライブだった。
TEXT BY 中村明美
リリース情報
2022.02.02 ON SALE
DIGITAL EP『WINK TOGETHER』
CHAI OFFICIAL SITE
http://chai-band.com