東京五輪の閉会式で「愛の讃歌」を歌唱し、2年連続でNHK紅白歌合戦にも出演したmiletが、前作『eyes』から1年8ヵ月ぶりとなる通算2枚目のアルバム『visions』をリリースする。
自身の内面に広がる空想世界の奥底に潜っていくようなダークな歌声が特徴的だった前作からは一転。タイトルに込められているのは、みんなの未来の展望が明るく開けますようにという祈りにも似た願い。TVドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』の主題歌で、全編日本語のメッセージソング「Ordinary days」やNHKウィンタースポーツテーマソングとして書き下ろした応援歌「Fly High」などを収録した本作は、歌声の深みはそのままに、暗闇の中に光が差すような前向きな力強さや希望が増した作品となっている。
INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ
PHOTO BY 藤城貴則
■一年みんなにもらった力や応援を歌で返せる
──オリンピックの閉会式での歌唱には驚きました。まさか出てくるとは思ってなかったので。
そうですよね。友達にも「miletに似てるな人がいるな〜と思ったら、miletだった!」って言われました(笑)。本当に周りの人には何も言わずに出ていたので不安はあったし、世界に生で届いてしまうという桁違いのスケールの大きさに緊張しすぎて、頭が真っ白であんまり良くわからなくなってましたね。でも、とにかく、集中してパフォーマンスする事だけを心かげていて。自分の国のオリンピックの閉会式で歌うことができるなんて、後にも先にもないようなことなので、あの時間を噛み締めながら歌わせていただいたし、周りには、ついさっきまで競技をされていた選手の方がたくさんいらして、お祭りみたいな雰囲気になっていて。今、振り返っても、大変貴重な経験をさせていただいたなと思います。
──年末には紅白歌合戦にも2年連続で出演しました。
一昨年は特にびっくりしました。もちろん、出られたらすごくうれしいなとは思っていましたけど、直前まで聞かされてなかったので、「どんな年越しをしようかな〜」と呑気に考えていたこともあって(笑)。今年もいろいろあった中で、年末のいちばん最後に、一年みんなにもらった力や応援を歌で返せるというのは、本当にありがたいことで。いろいろ予期してない出来事やイベントもありましたけど、すべてを全力で駆け抜けてきてよかったなと思いました。
──今、「予期してなかった」とありましたが、2021年はどんな年になるだろうと想像していたんですか。
2021年の抱負が“強く根を張る”だったんです。地道に頑張っていこうって思っていたんですね。曲のストックをたくさん作って、ツアーをすることで場数も踏んでいって。途中からフジロックとか夢のステージに立てることも決まって。一歩一歩頑張っていこうと思っていたら、想像してなかったような大きな舞台で歌うこともあって。自分にとっては大きすぎるようなお仕事をいろいろ経験させていただいたのですが、目の前のことを全力でやるっていうことだけを意識してきました。一つ一つを丁寧に、心を込めて歌っていくんだっていうことだけを心がけてきた一年だったなと思います。
──テレビの歌番組でお見かけする機会も多かったです。音楽特番にはすべて出ていたんじゃないかというくらいでした。
主に「Ordinary days」をたくさん歌わせていただきましたね。デビュー曲「inside you」を歌ってるときは、曲の雰囲気もあって、自分もグッとシリアスになるような感じだったんですけど、「Ordinary days」は、みんなに届けたくて、うれしくて仕方ないという気持ちで歌えるんですね。歌いながら、自分も元気になるし、明るく歌っていたいなと思います。
■日常をテーマにした曲を作ることができたら
──かけがえのない日常と大切な人への愛を込めた、全編日本語歌詞のメッセージソングになってました。
そうです。コロナ禍でツアーが二回中止になって、みんなに会いたくて仕方がないときに、ドラマ『ハコヅメ』の主題歌のお話をいただいて。ドラマでは日常の美しさや大切さ、そこで出会う一人ひとりの人間との関わり合いみたいなものが淡々と描かれているんですけど、その根底はすごく愛情に溢れていて。コロナ禍という、あんまり人と触れ合えない時期に出会った作品というのもあって、自分自身の心も動かされたので、あの作品と同じように、日常をテーマにした曲を作ることができたらなと思って。初めて蔦谷好位置さんと一緒に作って。蔦谷さんの音でしか引き出されない、私のJ-POPらしさも生まれたと思いますし。本当に新しい一面を作り上げてもらったなと思います。
──MVも1千万回再生を超えるヒットになってます。
『MTVアワード』でMVの賞もいただいたりして。でも、何よりも、自分が心からみんなを思って描いた歌詞やメロディが、本当にストレートにみんなに受け取ってもらえたという事実がうれしくて。その数字は、届けたいものが届いたんだっていう表れのひとつだと思うんです。近くにいなくても届くのが音楽の素敵なところだなと思ったし、なかなか霧がかかった中で走っていた時期もあったんですけど、それでも歌い続けて、作り続けたのが良かったなって思いました。
──紅白ではNHKウィンタースポーツのテーマソング「Fly High」を披露しましたね。
テーマソングの依頼をいただいてからの書き下ろしだったんですけど、ウィンタースポーツということで、“冷たいけども熱く”っていうのが自分の中の大きなテーマであって。しなやかで美しくて、だけど、闘志やパッションがみなぎってる。実際にスキージャンプとフィギアスケートの映像をずっと見ながら、この曲を作ってて。サビの“どこまでも”の“も”はスキージャンプする瞬間にはめて作ってたので、まさに情景が浮かぶような曲ができてよかったなと思います。また、粉雪が舞うキラキラした色も音で演出することができて。しかも、熱いエールソングというのは初めてだったので、それを作ることができたことで、今、自分もこの曲に鼓舞されたりもしてて。あと、スポーツのテーマソングとして作ったんですけど、受験生や就活生の方から「この曲を聴いて頑張ってます」というメッセージをいただいたりするんですね。たくさんの人の“ここぞ!”というときに寄り添える曲ができてよかったなと思います。
──楽曲の幅が広がってますね。
いや、もう挑戦ですね。エールソングは私に作れるのかな?と思ったんですけど、これまでも曲を作るときは、友達とか家族とか、必ず誰かを思いながら作ってきていたので、そういう意味では「Fly High」も作り方は変わってなくて。自分も熱い人間なので、そのパッションを歌に封じ込めることができたなと思っています。
■みんなとの未来を一緒に開いていけるようなアルバムに
──「Ordinary days」や「Fly High」といった聴き手の日常に寄り添い、背中を押すような楽曲を収録した2枚目のアルバムはご自身としてはどんな作品にしたいと考えてましたか。
1stアルバム『eyes』は私のことを知ってほしい、名刺代わりの一枚になるといいなという思いで作っていたのですが、今作は、まさに私がもっと寄り添って、みんなとの未来を一緒に開いていけるようなアルバムにしたいと思ったんです。聴いてくれた皆さんが、未来のビジョンや展望、夢を広げていってくれたらうれしいなと思いながら作っていったので、今回は血の通った体温を感じる曲ばかりだし、光に溢れた、希望に満ちているアルバムになったと思います。
──アルバムはハッピーでトライバルなダンストラック「SEVENTH HEAVEN」で幕を開けます。
すごい楽しい曲になっています!レコーディング中もずっと笑顔でした。コーラスにスタッフさんにも参加してもらったので、思い入れもあるんですけど、もともとは1stツアー『SEVENTH HEAVEN』の最中に作った曲なんです。お祭り騒ぎというか、ツアーの楽しさをそのまま真空パックして曲にしていて。あの天国感というか、パラダイスだし、オアシスでもあり、すごくエネルギーに満ちていて。曲の中ではいろんな空港名が出てくるんですけど、あんなふうに、いろんなところに行きたいなと思いました。今までは“みんなと一緒だったらどこにでも”っていう気持ちがあったんですけど、今は“ついてきてほしいな”という感じになってて。今年も私はエンジン全開でいきたいんですね。ちょっと暴走しちゃうかもしれないくらいの猛スピードなんですけど(笑)、またたくさん歌いたいし、みんなにはがっしりとついてきてほしいなという感じです。
──昨年11月に行われたマカロニえんぴつとの対バンライブで「Time Is On Our Side」を初披露してました。
みんなマスクではあったんですけど、ものすごい盛り上がりをしてくれて。やっぱりライブがしたいなという思いで作った曲で、みんなもそれなりに楽しむつもりで来てくれるから、すごくパワフルな熱気に溢れた時間になったのがうれしかったんですよね。だから、今回は、「SEVENTH HEAVEN」をはじめ、ライブで歌いたいという思いで作った曲も多いですね。私はもう、ライブに楽しさを知ってしまったから!
──(笑)アルバム収録曲の中で、特にライブで歌いたい曲というのは?
盛り上がるとは別なんですけど、「邂逅」かな。少しダークな色があるんですけど、後半に行くにつれて、どんどんトラックが広がっていくし、加速していく感じはライブで、生で感じてもらいたいなと思っていて。照明もきっとすごく素敵な演出になっていくと思うので、この世界観をどれだけみんなのもとに届けられるかっていうのが楽しみです。個人的にもすごく好きな曲なんです。暗いんだけども、運命を感じるようなトキメキがある。キラキラした光の粒が見えてくる曲なので、それをそのまま届けられるといいなと思います。
■私の中では、喪失感すらも肯定してくれる気持ち
──“あなたのいない明日”でも、光やときめきがある?
現世では会えないんだけど、来世で会える希望があるという意味での“邂逅”なんですね。だから、今回は完全なさよならというのはなくて。例えば、喪失感を感じていたとしても、喪失感という存在が自分の中にずっとあり続けることで、その人がいた証拠にもなっている。その人が体の中にずっと残ってるというのは、私の中では、喪失感すらも肯定してくれる気持ちだと思うんです。
──ダイナミックなバラード「Shed a light」の孤独、“君がいない未来”もネガティヴなものではない?
これも喪失感ではなく、あなたのために私が光になりたいという曲になってて。個人的には、自分が光を放っているから、あなたの力でその扉を開いてほしいというポジティヴな曲です。ECC(ECCジュニア「届け想い篇」)のCMソングだったので、一歩を踏み出す人の後押しになればいいなと思って。
──応援ソングなんですね。
そうなんです。夜を超えていくような光を放っていきたいという歌です。変わるために進むっていう選択肢もありつつ、進むことで変わらない自分を大切にできるということもあると思う。だから、立ち止まってるときでも、進んでいるときでも、私はそばにいるっていう、強すぎないエールというか、寄り添えるようなエールを歌っている曲で、私の中では、光をテーマにした“光三部作”のうちの一曲。“光を待ってる”という「On the Edge」があり、「Shed a light」でみんなに光を放って、朝日を浴びるような「Wake Me Up」があるっていう。
──「Wake Me Up」は『羽鳥慎一モーニングショー』のために書き下ろした曲ですよね。
そう、朝のテーマソングということで、朝の光ですね。時間的には、夜明け前のいちばん暗い時間から、朝焼けが広がっていくまでの情景を歌ってて。Aメロは落ちついてる感じで、サビでお日様が上がっていくような絵が浮かぶイメージです。“モーニングショー”の歌なんですが、ラブの要素も入れたりしています(笑)。
──“You’re with me”“You’re mine”と歌ってますね。
いろんな捉え方のできる曲であって。恋愛だとしても、恋愛じゃないとしても、今を大事にしたいっていう。今しかないこの瞬間を抱きしめていたというのがあって。私のいろんな歌の中で、“今”というテーマが出てきて。いろんなところで、“今、この瞬間”だけにすべてをかけていきたいっていうのがあって…。
■いろんな感情をそのまま、そのときに記憶しておきたい
──今、この瞬間を大切にしたいという気持ちが強いですか。
あります。今だからこそ感じられる情熱もあるし、やる気もあるし。逆に、やりたくないときの脱力感とか喪失感もその瞬間だけのもの。でも、私はその瞬間の気持ちを歌にできる仕事柄でもあるので、いろんな感情をそのまま、そのときに記憶しておきたいっていうのがあって。それも“今、この瞬間”にこだわる理由でもあリます。
──「On the Edge」はどんな光ですか。“光を待ってる”というフレーズがあります。
失うものもあるけど、踏み込んだあなたにしか見えないものがあるというか。自分の感じている、今のこの心だけを信じていてほしいということかな。この“光”というのは、私にとっては、“みんな”のことだったんですね。みんなに会いたいから、みんな=光を待ってるって歌っていて。「SEVENTH HEAVEN」のツアーから歌わせていただいていたんですけど、光を待ってるって思いながら作っていた歌詞を、ほんとに光、みんなの前で歌えていたことがすっごくうれしくて。胸がいっぱいになった曲です。
──1stアルバムでは自分を歌った曲も多かったですが、2ndアルバムでは明らかに誰かを思う曲が増えてますよね。
ツアーを通して、歌を届ける対象がはっきりと見えてきたというのが大きいです。同時に、歌うことの責任感をすごく感じた期間でもあって。『eyes』で知ってくれた人が少し増えて、ドラマやアニメの主題歌やテレビ番組のテーマソングを任せていただける事でも自分が歌うことの責任も増しましたし、音楽には人を動かす力があることも強く感じてて。歌詞の1フレーズだけでも、人の心はいい方にも悪い方にも変わっていく。だったら、私はいい方に変えていけるような歌を作りたいと思って。人の人生を動かすかもしれないという責任を感じながら、曲を作ることが増えました。
──より覚悟を感じますよね。
うん。ヘヴィー(笑)。でも、だからこそiriさんと作った曲はすごく楽しかったです。
──どうしてiriさんとデュエットしようと思ったんですか。
もともと「jam」という曲は、誰かとコラボしたいなと思っていた曲だったんです。最初は男性ボーカルが合うかなと思って作っていて、iriさんが歌ってるところは空白のまま置いておいたんですけど、このアルバムの選曲をしていくうちに、ちょっとライトでポップでガーリィーな曲もあってもいいかなと思って。そんなときにふと、iriさんの曲を聴いていたときに、“iriさんだ!”と閃いて。iriさんなら男の子っぽい声も出るし、英語も綺麗だし、私、iriさんのフロウが大好きで、もともとファンだったんですオファーさせてもらったら、ぜひっていうお返事をいただいたので、iriさんのことを想像しながら、iriさんのパートを書きました。
──本人に“会いたいわ”って歌わせてますね。
“入り浸る”もiriさんの“入り”です(笑)。私、iriさんの日本語の発音が好きなんです。普通の人と違うところがあるんですよね。“右往左往”っていうフロウだったり、私の好きなiriさんを詰め込んだという感じです。
──一緒にやってみてどうでしたか。
iriさんの声を聴きながらディレクションみたいなのもさせてもらって。最高に幸せでした。デモは私が歌ってたんですけど、「iriさん節で自由に歌ってください」って言ったら、本当に自分の曲なんじゃないかって思うくらいのノリで歌ってくれて。本当にiriさんで良かった。あえて、ラブリーな歌詞を歌ってもらったことも、個人的に新しいiriさんの側面を見られたのがよかったなと思います。
──ボーカルの乗り方、グルーブにも個性が出てます。
全然違いますよね。私も「低音がいい」って言っていただくこともありますけど、ドスの利き方が違ったりして(笑)。
■アウトサイダーでストロンガーな女になれたなと思ってます
──miletさんの「Outsider」も別の意味でドスが利いてるというか、ちょっと怖いです。
あはははは。ごめんなさい!「checkmate」と同じ時期に作ってて。
──(笑)いや、こちらが謝りたくなるような曲です。ヒールで殴られてる感じがあって。
ふふふ、そう思わせたかったんです。私はチキンなところがあるので、アウトサイダー=常識はずれの一匹狼にはなれないタイプの人間なんですよ。でも、なりたいという願望はあるので、それを歌にしてみて。振られた男に寄りを戻そうって言われてるんだけど、“なめんじゃないわよ”って言って、ボコボコにするみたいなシチュエーションがやりたいなと思って。作ってるときは本当に強気で楽しくて。ドック(Ryosuke“Dr.R”Sakai)と「もっとイキろうぜ!」「もっと気だるい歌い方しようぜ」って言いながらレコーディングして。アウトサイダーでストロンガーな女になれたなと思ってます。
──「checkmate」も攻撃的な女性です。
「賭ケグルイ」はもともと大好きな作品だったんです。映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』自体が、アグレッシブで挑戦的なところがある映画なので、私の大得意な“イキりソング”を作りました。今までも尖った曲は作っていたんですけど、出しどころがあんまりなかったりして。「checkmate」が、初めての“イキりmilet”ソングで、ようやくこういう大胆な一面をだせたなと思ってます。映画の制作サイドの方にも求めていただけたこともうれしかったですし、これからどんどんこういう曲も作っていきたいです。
■伸び伸びと情緒的に歌うのも結構珍しい
──また、全編英語歌詞でピアノと歌だけで語り始める「Loved By You」は他の曲とはまた違った色彩を放ってますね。
このアルバムの中でも個人的にイチオシの曲です!ストリングスが動く感じは、ポップスというよりは、私の大好きなクラシックの成分を含んでいて。サビを強く歌う曲が多かったので、伸び伸びと情緒的に歌うのも結構珍しいかもしれなくて。しかも、自分の心のうちにある、恋愛の未練を歌うということもあまりなかったんですね。この曲を作った当時、ラナ・デル・レイをたくさん聴いていて。彼女も生々しい恋愛ソングがあって、クラシック要素があって、すごく好きで、私もありのままの歌を歌いたいと思って。1番は私の思いをそのまま汲んでくれて、2番からビートをつけてくれて、またちょっと見えるサウンド感が変わる。これは新しいなと思って。1番はただ振り返るような、後悔するような寂しい歌なんですけど、2番からは楽しいことも思い出していく。思い出を巡るような景色の変化を見せられた曲だなと思っていて。音楽的にもメロディ的にも大好きな一曲です。
──そして、アルバムは映画『鹿の王 ユナと約束の旅』の主題歌「One Reason」で締めくくられます。
アルバムの最後の曲でもあるので、Toruさんのアレンジが広がりを作ってくれて、すごく大きな曲になっていて。原作を読んでから作ったというのもあって、大自然が広がって、緑が生い茂る情景がすぐに浮かんでくるような、緑やマイナスイオンが溢れるような曲になっています。でも、映画のひとつのテーマとして、血のつながりよりももっと濃い繋がり、絆や愛というものがあって。大自然と大きな愛という、地球規模みたいなスケール感をテーマとした曲を最後に持ってきたことで、上に行ったり下に行ったり、飛び回ったり、後ろを振り返ったり、いろんな曲たちを最後まとめてくれたのかなと思います。
──全15曲が完成して、ご自身ではどんな感想を抱きましたか。
これまではEPでも、必ずダークな“沼曲”が必ず1曲はあったんですけど、今回は“沼曲”はなくて。コロナ禍に作ったこともあって、自分を励ますためにも、人を励ますためにも、光になりたいというのがひとつのテーマだったし、明るい色になったなと思います。サウンド感でも新しい挑戦をしていたりするし、前を向けるし、背中を押してくれる。私が見たかった景色みたいなものが現れているなと思って。この『visions』を作るときに、プリズムみたいなものが頭の中に浮かんでいたんですね。光の当たり方によって対象の色が変わっていったりするプリズム。聴き方や物の見方で、そこから先の未来が変わっていくなと思ったので、このアルバムが光に溢れた曲たちを集めたプリズムとなって、みんなが見えるvisionsの色が変わっていったらうれしいし、私はこれまでリリースした全ての作品の中でいちばん好きって断言できるくらい、何度も繰り返し聴いてますね。
■この世界観を丸ごとみなさんに届けられるようにと思います
──『visions』を掲げた全国ツアーも決定してます。
きっと明るいものになる気がするんです。でも、曲によってはふわっと広がる夜の海みたいな映像も浮かんでくるし、いろんな演出を試してみたいなと思っていて。強く歌っているものもあれば、クラシカルに歌っているものもあるし、消え入りそうな声で歌っているものもある。いろんな歌い方で歌っているので、自分でどれだけ再現していけのるか。この世界観を丸ごとみなさんに届けられるようにと思います。本当に『visions』の世界は独特なので、聴き込んできたら面白いと思うし、初見で聴いてもキャッチーな曲が多いので、どちらでも楽しめるんじゃないかなと思います。そして、東京は国際フォーラムという、私がずっとやりたかった場所でも歌えるのもすごくうれしいです。今から待ち遠しいし、楽しみにしてます。
──「強く根を張る」を終えた2021年。2022年は?
根は張ってきたと思うので、今年は「幹を太く」でいきたいと思います!
リリース情報
2022.02.02 ON SALE
ALBUM『visions』
ライブ情報
『milet live tour “visions” 2022』
2022.02.05(土) 福岡サンパレスホテル&ホール
2022.02.12(土) 大阪フェスティバルホール
2022.02.13(日) 大阪フェスティバルホール
2022.02.20(日) 新潟テルサ
2022.02.23(水) 上野学園ホール
2022.02.27(日) 仙台サンプラザホール
2022.03.06(日) 名古屋国際会議場センチュリーホール
2022.03.12(土) 東京国際フォーラム・ホールA
プロフィール
milet
ミレイ/2019年3月6日にメジャーデビュー。Toru(ONE OK ROCK)プロデュースによるデビュー曲「inside you」はiTunesなど人気音楽配信サイト11サイトで1位を記録。2019年末、人気音楽配信サイト”レコチョク”による「レコチョク年間ランキング2019」のダウンロード部門、ストリーミング部門の両方で新人アーティストランキング1位を記録。通算5枚のEPリリースを経て、2020年6月3日には全18曲を収録した1stフルアルバム『eyes』をリリース。2021年8月東京2020オリンピック閉会式に歌唱出演し、2021年末には2年連続となる「NHK紅白歌合戦」に出場。
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