TEXT BY 森朋之
■繊細さと力強さを共存させた表現力
凛とした強さ、震えるような切なさ、心地よい祝祭感を併せ持った歌声によって、2018年のメジャーデビュー以降、ジャンルを超えた活動を繰り広げてきたロザリーナ。『映画えんとつ町のプペル』EDテーマ曲の歌唱をはじめ、TVアニメ『からくりサーカス』『歌舞伎町シャーロック』などの楽曲を手がけてきた彼女の新曲「Life Road」は、「コカ・コーラ福ボトル」新TVCM「魔法は、すぐそばにある。」篇のCMソング。ロザリーナ自身が出演したCMは1月から放送がスタートし、大きな反響を集めている。
まずはロザリーナのキャリアについて、簡単に振り返っておきたい。作詞・作曲はもちろん、サウンドメイクやアートワークでも才能を発揮している彼女の名前が最初に広まったのは、2016年に西野亮廣氏(キングコング)の絵本『えんとつ町のプペル』テーマ曲を歌唱したのがきっかけだった。一度聴けば忘れない個性的な歌声、繊細さと力強さを共存させた表現力によって知名度を高めた彼女は、2018年にメジャーデビュー。「マリオネット」(TVアニメ『からくりサーカス』ED曲)、「I.m.(アイム)」(NHK「みんなのうた」/2019年8-9月)、「百億光年」(TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』EDテーマ)などの話題曲を次々と発表し、幅広い層のリスナーの支持を得た。また、ロックバンドTHE ORAL CIGARETTESの「Don’t you think feat.ロザリーナ」に参加するなど、ジャンルを超えたコラボレーションにも積極的だ。
2020年には「何になりたくて、」(1stアルバム『INNER UNIVERSE』)が10代を中心にSNSで広がり、YouTubeでのMVの再生数は370万回を突破。理想と現実のギャップを感じながら、“止める必要も無い涙 今はありのままに”と語りかける歌詞は大きな共感を集め、コメント欄には「無理に笑って疲れた時にこれ流れてきて泣いたよね」「中毒性が強いのに優しいの好き」といった心のこもった言葉が並んでいる。
■音楽性がさらに豊かさを増している
昨年3月には、2ndフルアルバム『飛べないニケ』を発表。「涙の銀河」(ドラマ『ナイルパーチの女子会』主題歌)を含む本作には、シリアスな感情、葛藤する姿をリアルに描いた楽曲も収録。シンガーソングライターとしての表現の幅を大きく広げた。
2022年最初のリリースとなる新曲「Life Road」からも、彼女の音楽性がさらに豊かさを増していることがはっきりと伝わってくる。アコギ、ストリングスを中心とした音像からはじまり、“どんな普通な事でも 鮮やかに変わる”というサビにはゴスペル的なコーラスを加えることで、壮大なスケールを演出。オーガニックな音色を活かしながら、海外のグローバルポップともリンクしたサウンドも素晴らしい。
「Life Road」というタイトル通り、人生という道をテーマにした歌詞も強く心に残る。言うまでもなく、人生は決して思い通りには進まない。それでも我々は未来への希望を抱えながら、“Life Road”を進んでいく──。特に“どこまで行こう?って君はきくけど/どこでもいいよ 君となら”というフレーズは、リスナーの側に寄り添うと同時に、前向きに進んでいく力を与えてくれるはず。多くの人が停滞を余儀なくされたこの2年間を踏まえ、ここから先に向かっていく意思を刻んだパワーソングと言えるだろう。
■CMで演じた音楽を志す女性。それはかつての彼女自身の姿
この楽曲がCMソングとして使用されている「コカ・コーラ福ボトル」新TVCM「魔法は、すぐそばにある。」篇でロザリーナは、音楽を志す女性──それはもちろん、かつての彼女自身の姿でもある──演じている。アコギを鳴らしながら歌った楽曲がいろいろな場所で頑張る人たちに勇気を与える。「Life Road」のメッセージ性とストーリー性のある映像がひとつになった、きわめて質の高いコラボレーションだ。
「Life Road」のデジタルリリースは、1月19日。ポジティブな波動と世界標準のポップネスをたたえたこの楽曲によって、ロザリーナの存在はさらに多くの音楽ファンに浸透するはず。ここからはじまる彼女のさらなる飛躍にも大いに期待したい。
リリース情報
2022.1.19 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Life Road」
ロザリーナ OFFICIAL SITE
https://lozareena.com/