■Liella!、JO☆STARS、ASCA、Morfonica、URNOUT SYNDROMESの5組が世界中のアニメファンを魅了するステージを展開!
北米最大のアニメイベントとしてアメリカのみならず世界から毎年多くのアニメファンを集める『Anime Expo』。昨年は新型コロナウイルスの影響でオンラインイベント『Anime Expo Lite』として開催されたが、そのなかでアニメ音楽誌『リスアニ!』が同イベントとのコラボイベントとして『LisAni!LIVE L.A.』を行い、アメリカおよび世界に向けてアニメ音楽の熱狂的なステージを展開した。
そして、昨年に続いてオンライン開催となった『Anime Expo Lite 2021』でもそのコラボレーションは継続。『ANIME EXPO LITE 2021 × LisAni!LIVE L.A.』として今年も7月3日(現地時間)開催された。ここでは、世界中で人気のアニメ作品とアーティストによる熱狂のステージの模様を届ける。
■Liella!
『LisAni!LIVE L.A.』のトップバッターを飾ったのは、まもなくTVアニメの放送がスタートする『ラブライブ!スーパースター!!』より、スクールアイドルグループ、Liella!の5人。
伊達さゆり(澁谷かのん役)、Liyuu(唐 可可役)、岬 なこ(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、青山なぎさ(葉月 恋役)からなるこのグループは、今年4月にシングル「始まりは君の空」でデビューしたばかり。そのステージは5月にリリースイベントでお披露目したてということで、今回のラインナップのなかでもとりわけフレッシュなグループだ。
そんなLiella!のステージは、「始まりは君の空」からスタート。まさに“始まり”を告げるような高揚感溢れるイントロとともにステージ上の5人が躍動する。この曲をはじめ、Liella!のサウンドはこれまでのラブライブ! シリーズにあったポジティブなポップサウンドを踏襲しながら、新世代らしいよりスタイリッシュな印象がある。そのなかで彼女たちも個々の歌唱やダンスでしっかりと個性を発揮し、サビでは息の合ったフォーメーションを見せるなど、そのポテンシャルの高さを見せつけてくれた。さらにはラブライブ! シリーズではおなじみの、ステージ後方のスクリーンに映し出されたアニメーションMVとシンクロしたステージングも見事にこなし、初々しさのなかにも確かな実力をのぞかせるステージとなった。
そして緊張の面持ちで英語でのMCに挑戦したあとは、振り付けもキュートな「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」、ボーカルをしっかり聴かせるメロディアスな「私のSymphony」とエネルギッシュなステージを展開。最後は「Dreaming Energy」で軽快に、“はじめまして”のステージを終えた。
<セットリスト>
01. 始まりは君の空
02. Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!
03. 私のSymphony
04. Dreaming Energy
■JO☆STARS
続いては、原作コミックスとともに世界中で絶大な人気を誇る作品『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの主題歌を担当する実力派ボーカリストたちによるユニット、JO☆STARSのステージ。その幕開けは富永TOMMY弘明による第1部『ファントムブラッド』のオープニング主題歌「ジョジョ~その血の運命(さだめ)~」から。地を這うような力強いTOMMYのボーカルは、その景色を一気に『ジョジョ』の世界観へと誘う。
そんなTOMMYの熱気溢れるパフォーマンスのあとは、Codaによる第2部『戦闘潮流』のオープニング主題歌「BLOODY STREAM」へ。一転してスタイリッシュなサウンドに乗せ、Codaのミステリアスでクールなボーカルが冴え渡る。
続いては第3部『スターダストクルセイダース』より、橋本仁による「STAND PROUD」でまたしても景色が一変。ヘビメタリックなファストビートに乗せて橋本のパワフルなシャウトが放たれた。
そのあとはTOMMY、Coda、橋本の3人が集結し、JO☆STARSとして第3部『スターダストクルセイダース』の『エジプト編』オープニングテーマ「ジョジョ その血の記憶~end of THE WORLD~」を披露。3人のボーカルが怪しく絡み合うミステリアスなイントロダクションから激しいビートとともに複雑な展開へと流れ込み、スリリングなマイクリレーを見せた。
それぞれソロでも素晴らしいパフォーマンスを見せる彼らが3人揃えば、その破壊力はさらに数倍にも膨れ上がり、サビの最後に聴かせる「オラオラオラオラ!」ラッシュは、スタープラチナのごとく強烈な圧力をもって耳に飛び込んでくる。『ジョジョ』のために生まれた名曲たちをこのうえないパフォーマンスで体感できたステージ、ここまででも満足できるステージだったのだが、ラストにCodaが再度ステージへ。なんと第5部『黄金の風』のオープニングテーマ「Fighting Gold」を英語で披露。海外のファンには実にうれしいサプライズとなった。
<セットリスト>
01. ジョジョ~その血の運命(さだめ)~/富永TOMMY弘明
02. BLOODY STREAM/Coda
03. STAND PROUD/橋本仁
04. ジョジョ その血の記憶~end of THE WORLD~/JO☆STARS
05. Fighting Gold – English Ver.-/Coda
■ASCA
『LisAni!LIVE L.A.』中盤戦、そのステージには若き実力派シンガー・ASCAが登場。2017年にアニメ音楽誌『リスアニ!』の付録CD「RUST」にて誌上デビューを果たし、TVアニメ『Fate/Apocrypha』2ndクールのエンディングテーマ「KOE」でメジャーデビューして以降は、数々のアニメ作品でその魅力的な歌声を聴かせている。
この日のステージは昨年リリースしたTVアニメ『ダーウィンズゲーム』のオープニングテーマ「CHAIN」で勢い良くスタート。彼女の楽曲特有の、アッパーでメロディアスなサウンドに乗せ、序盤からパワフルなボーカルを聴かせる、さすがのパフォーマンスだ。
直後のMCで「最後まで全身全霊の歌、お届けしたいと思います」と告げたあとは、最新シングルより「カルぺディエム」を披露。海外でも人気のゲーム作品をTVアニメ化した『すばらしきこのせかい The Animation』のエンディングテーマとなったこの曲は、ギターサウンドが印象的な、ダークなロックチューン。そこでも熱のあるボーカルを聴かせ、ステージ上の熱量もグングンと上昇していく。
かと思えば、TVアニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』のエンディングテーマで美しい旋律が印象的なバラード「雲雀」では、優しい歌唱で聴く者を魅了する。そしてTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のオープニングテーマ「RESISTER」で再びアグレッシブなサウンドに戻り、スリリングな展開のなかで圧巻のパフォーマンスを聴かせ、表情豊かな歌声をいかんなく発揮。
そして最後にはさらに激しく、TVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のオープニングテーマ「Howling」へ突き進む。サビでの“Wow-wow”のパートでは無観客ながらもオーディエンスのシンガロングが聴こえてくるような盛り上がりで圧倒的な歌唱を聴かせ、ステージをあとにした。
<セットリスト>
01. CHAIN
02. カルペディエム
03. 雲雀
04. RESISTER
05. Howling
■Morfonica
次に登場したのは、多様なメディア展開を見せる次世代ガールズバンドプロジェクト『Bang G Dream!(バンドリ!)』から生まれた最も新しいリアルバンド、Morfonicaだ。
ボーカルの進藤あまね(倉田ましろ役)、ギターの直田姫奈(桐ヶ谷透子役)、ベースの西尾夕香(広町七深役)、ドラムのmika(二葉つくし役)、バイオリンのAyasa(八潮瑠唯役)からなる5人組で、昨年の春にスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』に初参加したフレッシュなグループだ。しかしその実力は確かなもので、Ayasaのバイオリンのフレーズから始まる「flame of hオープニングe」ではメロディアスかつパワフルなバンドサウンドを聴かせる。
mikaの手数の多いドラムや西尾のリズムを支えるベース、直田のシャープなギターにAyasaのバンドサウンドを扇動するバイオリン、そして進藤のイノセントな魅力を持つボーカルと、個々のパートとしてもバンド全体としても実に個性的なサウンドを聴かせる。
続く「Daylight -デイライト-」でも個性的かつバランスの良いサウンドが印象に残る。ステージ経験もまだ1年ほどながら、その存在感は抜群だ。英語でのMCを披露したあとは、進藤が「このステージで見たい景色を、あなたにも見てほしい」と歌詞の一節を口にし、「金色へのプレリュード」へ。爽やかなサウンドに力強いメッセージが込められたこの曲でも素晴らしいパフォーマンスを見せ、最後の楽曲「ブルームブルーム」へ。
ロッキンなこの曲では、バンドのボルテージもピークに達したかのような熱量溢れるパフォーマンスを披露。あらたなバンドとしてこれまでにない個性的なサウンドを展開したMorfonicaのキャリアはまだ始まったばかりだが、その先の未来が楽しみになるような素晴らしいステージだった。
<セットリスト>
01. flame of hオープニングe
02. Daylight -デイライト-
03. 金色へのプレリュード
04. ブルームブルーム
■BURNOUT SYNDROMES
今年の『LisAni!LIVE L.A.』のトリを務めたのは、熊谷和海(Gu、Vo)、石川大裕(Ba、Cho)、廣瀬拓哉(Dr、Cho)の3人による大阪出身のロックバンド・BURNOUT SYNDROMESだ。“青春文學ロックバンド”と称したバンドサウンドで国内の音楽フェスを含むライブシーンでも絶大な支持を得ており、数々のアニメ作品の主題歌を担当し、海外でも多くの人気を集めている。
そんな彼らが念願だったという『リスアニ!LIVE』でのステージで最初に鳴らしたのは、メジャーデビューシングルにしてTVアニメ『ハイキュー!! セカンドシーズン』第2クールのオープニングテーマに起用された「FLY HIGH!!」。分厚いコーラスと疾走感溢れるソリッドなバンドサウンドがとにかく心地良い。
その直後に聴こえてきたのはあの印象的なコーラスワーク。そう、TVアニメ『ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校』のオープニングテーマ「ヒカリアレ」だ。今回の出演が決まったあとに熊谷が特別にアレンジしたという『ハイキュー!! 』楽曲の連続に、ステージ上のボルテージは早くもピークに。“光あれ”と歌う壮大なサビも含めて何から何まで素晴らしい。
「『リスアニ!LIVE』、光あれ!」という熊谷が締め括ったあとは、TVアニメ『ハイキュー!! TO THE Tオープニング』のオープニングテーマ「PHOENIX」へと続く。熊谷が歌詞の通り固く握り締めた拳を天に掲げてスタートしたキャッチーな一曲のあとは、TVアニメ『ましろのおと』のオープニングテーマ「BLIZZARD」へ。三味線の旋律や主人公・澤村 雪役の島崎信長の声も聴かれる、和のテイストが盛り込まれた一曲だ。
そして最後には「おはよう世界」というリフレインが流れ、TVアニメ『Dr.STONE』のオープニングテーマ「Good Morning World!」を披露。まさにBURNOUT SYNDROMESのサウンドが強烈なインパクトとともに日本から世界へと発信された、パワフルにして爽快感溢れる、そして何より衝撃的なステージとなった。
<セットリスト>
01. FLY HIGH!!
02. ヒカリアレ
03. PHOENIX
04. BLIZZARD
05. Good Morning World!
2度目となった『Anime Expo Lite』とのコラボイベント『LisAni!LIVE L.A.』は、昨年と変わらずリスアニ!が世界に向けて自信を持って届けられるアーティストによる、終始エネルギッシュなステージとなった。そのラインナップは近年デビューした若手からベテランまで世代は幅広く、さらには自身が背負うアニメ作品の魅力も様々で、実にバラエティ豊かなものに。
世界中で愛されるアニメ、そしてアニメ音楽の多様性に富んだ魅力をライブで発信することができたと感じさせたこの日、オンラインながらその熱狂は北米をはじめ世界中へと確かに届いたはずだ。そして、素晴らしい音楽たちが『Anime Expo”のオーディエンスの前で鳴らされる、そんな未来が実現することを願ってやまない。
TEXT BY 澄川龍一
PHOTOG BY 山本マオ
『Anime Expo Lite 2021』国内チケット購入サイト
https://www.anime-expo.org/anime-expo-lite-lisani-live-la-ticket-how-to
アーカイブ配信:7月6日(火)04:00~7月17日(土)15:55まで
『Anime Expo Lite 2021』 OFFICIAL SITE
https://www.tixr.com/groups/animeexpolite/events/anime-expo-lite-2021-benefitting-hate-is-a-virus-23015