Z世代共感度No.1アーティストとの呼び声も高いカナダ出身のシンガー。昨年リリースした「greedy」が世界的な大ヒット! 10月に初来日を果たし、パワフルなパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させたテイト・マクレー(Tate McRae)に迫る。
■カナダ出身の次世代ポップスター、テイト・マクレーを解説
Tate McRae(読み:テイト・マクレー)
・本名 テイト・マクレー
・出身 カナダ
・デビュー:2019年8月
・デビュー作品:シングル「tear myself apart」
・OFFICIAL SITE(ソニー・ミュージック)https://www.sonymusic.co.jp/artist/tatemcrae/
・Instagram https://www.instagram.com/tatemcrae/
・X(旧Twitter)https://x.com/tatemcrae
・TikTok https://www.tiktok.com/@tatemcrae
・YouTube https://www.youtube.com/user/TateMc7
2003年7月1日生まれのカナダ出身のシンガーソングライター。6歳からダンスを学び、7歳で自身のYouTubeチャンネルを立ち上げ、ダンスなどの投稿を開始した。13歳でアメリカの人気ダンスオーディション番組『アメリカン・ダンスアイドル/So You Think You Can Dance』に出演し、見事3位に輝く。カナダ人初のファイナリストとして注目を集める。
2017年、14歳で作った初めてのオリジナルソング「One Day」をSNSに投稿し、あっという間にYouTubeでバイラルヒット。2019年にレコード会社11社による争奪戦の末、名門レーベル米RCA Recordsと契約を結んだ直後にビリー・アイリッシュと兄であるフィニアス・オコネルが作詞作曲を担った「tear myself apart」をリリースした。
▼One Day
▼Tate McRae – tear myself apart (Official Video)
2020年1月にデビューEP『all the things i never said』をリリースし、その後発表したシングル「you broke me first」がTikTokを起点に世界中でヒット。パンデミックの真っ最中ということもあり、iPhoneの一発撮りで撮影したMVはたちまち1億回再生を超え、全米シングル・チャートで17位にランクインした。
▼Tate McRae – you broke me first (Official Video)
2022年5月にリリースした待望のデビューアルバム『i used to think i could fly』がビルボード200で13位を記録。2023年、シングル「greedy」がリリース開始から約3ヵ月で総ストリーミング数5億回突破。Spotifyグローバルチャート1位を記録すると同時に、カナダ人女性アーティストとしては初の快挙となるBillboard Global 200で1位を獲得。一躍グローバルスターの最前線へと躍り出た。
▼Tate McRae – greedy (Official Video)
2023年11月、シングル「exes」をリリースし、配信開始3週間で再生回数5300万回突破。「exes」も収録されたセカンドアルバム『THINK LATER』でさらなる大ブレイクを果たす。
▼Tate McRae – exes (Official Video)
今年10月には初来日を果たし、ファンで埋め尽くされた豊洲PITにて、約70分間にわたる濃密でエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げた。
■テイト・マクレーの魅力を分析! ティーンを中心に支持される理由とは?
◎新世代のポップミュージックと共感性の高い歌詞
14歳の時に初めて作ったオリジナルソングであり、瞬く間に拡散され、ミュージシャンのキャリアのスタートとなった「one day」。シンプルなピアノの弾き語りによって、マイナー調のメロディをハスキーで切ない歌声で歌った。歌詞の内容が切ない片想いだったこともあり、キャリア当初は“サッド・ガール”の印象を持たれていたテイト・マクレー。メジャーデビュー曲はサッド・ガールの代表であるビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルが手がけた「tear myself apart」である。
デビューアルバム『i used to think i could fly』で多彩なインディーロックを聞かせ、その約1年後にリリースしたダンスポップチューン「greedy」でダンサーとしての実力を見せつけるキレキレのダンスパフォーマンスとともに、“私を知ろうとしたら地獄を見るよ”という強気なメッセージを放ち、これまでのイメージを覆すとともに存在感を決定的に。
▼i wrote a song… one day // tate mcrae
▼Tate McRae – tear myself apart (Official Video)
◎ハスキーかつ繊細な聞き惚れる歌声
ダンサーとして確固たるキャリアを持っていたテイトが14歳の時に「One Day」を書いた背景は、YouTubeにアップするコンテンツがなくなってしまったから。窮地をなんとかしようとたった20分で書き上げた「One Day」をきっかけに広く注目を浴びることとなったわけだが、シンプルなピアノサウンドによって少し掠れたハスキーで繊細な歌声が際立ち、切ない片想いをとてもリアルに立体的に伝えた。先日の初来日公演では、20代のポップスターとしての葛藤が綴られた「calgary」をアコースティックギターの演奏とともに届けており、その歌声は音数の少ないしっとりとした楽曲にとても映える。一方で、バキバキに踊るリズミカルなポップチューンでは音と呼応するかのようなグルーヴ感のある歌声を披露しており、引き出しの多さがうかがえる。
▼Tate McRae – calgary
◎パワフルでセクシーなダンスパフォーマンス
6歳からダンスを学び、7歳でYouTubeチャンネルを立ち上げ、パフォーマンスを投稿し始めたテイト。8歳頃からカルガリーの有名スタジオであるドレウィッツ・ダンス・プロダクションに通い、バレエ、タップダンス、ジャズ、コンテンポラリー、ミュージカル、ヒップホップなどあらゆるダンスを学んだ。競技ダンサーとして名が広まっていくなか、12歳でジャスティン・ビーバーの『Purpose World Tour』で「Children」のパフォーマンスにダンサーとして出演したこともあり、ダンスの実力は折り紙つきだ。初来日公演でも屈強なダンサーたちを引き連れて、堂々たるパフォーマンスを見せていた。ヘルシーに鍛え上げられたアスリートのような肉体をフルに使ったセクシーでエネルギッシュなダンスは迫力満点だ。
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『THE FIRST TAKE』で披露した大ヒット曲「greedy」
▼Tate McRae – greedy (Official Video)
Spotifyで10億回再生を達成した代表曲が「greedy」。ミュージックビデオでは冒頭で無人のアイスホッケー場で整氷車に乗ったテイト・マクレーが映り、ここから始まるパワフルでゴージャスなパフォーマンスを予告するかのような煌びやかに装飾された歯の映像を経て、テイト・マクレーがスポーティーなファッションで挑発的なポーズをするシーンに移行する。ダンサーを従えてアグレッシヴなダンスを展開しながら、強気なメッセージをなまめかしく歌う光景は、新たなポップアイコンの誕生を告げていた。
▼Tate McRae – greedy / THE FIRST TAKE
『THE FIRST TAKE』で歌われたのも「greedy」だ。おなじみのグレーかかった部屋にギタリストとキーボーディストとともに現れ、ギタリストが繊細なメロディを奏で始めた直後に冒頭の歌詞を歌い始めたテイト・マクレー。キレキレのダンスを封印し、まっすぐにマイクに向き合った歌はとても心地よく伸びやかで、楽曲のメッセージをより重層的にする雄弁さがある。
■必聴!テイト・マクレーに沼れる曲5選
「It’s ok,I’m ok」
大ヒットしたセカンド・アルバム『THINK LATER』以来のリリース曲として2024年9月にリリースされた。ブリトニー・スピアーズの「Oops !…I Did It Again」を想起させる攻撃性を宿したダンス・ポップであり、テイト・マクレー自身に加え、「greedy」にも携わったライアン・テダーやイリア、サヴァン・コテチャ等ヒットメーカーたちによって制作。過去の恋人について描かれ、元恋人の今の恋人に対して警告しながらも“未練はない”と言い切る自信に満ちた歌詞はパワフルなポップスターとなり得たテイト・マクレーの新たなフェイズを感じさせる。
「you broke me first」
TikTok経由で爆発的にバズった最初のヒット曲。パンデミックによってLAから故郷カナダに戻っていたテイト・マクレー。ヒットを受けてレーベルから急遽MV制作を頼まれ、友人とともにiPhoneで一発録りで撮影したMVは、悲し気な表情で街を歩くテイトが、無神経に連絡をしてくる元恋人に対し“あなたが最初に私を傷つけた”“絶対にヨリを戻さない”と言い切る力強いまなざしが印象的。メランコリーなベッドルームポップ的なトラックと物憂げなボーカリゼーションで“サッド・ガール”としての印象を強くさせた曲でもある。
「exes」
世界的ヒットメーカーであるワンリパブリックのライアン・テダーを共同プロデューサーに迎えたセカンドアルバム『THINK LATER』の「greedy」に続くセカンドシングル。サウンドは2000年代ポップの影響が色濃く、ボクシングのリング上で大人数で踊るMVからはクリスティーナ・アギレラとブリトニー・スピアーズへのオマージュを感じる。ワークアウトを思わせるダンスパフォーマンスも織り込まれており、テイトをスポーティーかつセクシーなダンスアイコンに押し上げた。“私のことをどうでもいいと思ってる 元カレ達へキスを送る”という強気で大胆なメッセージが痛快だ。
「she’s all I wanna be」
デビューアルバム「i used to think i could fly」の先行シングル。それまでミドルテンポないしスローテンポのメランコリックな楽曲を多くリリースしてきたテイト・マクレーのイメージを一新する疾走感に溢れるパンキッシュな楽曲。冒頭から聞こえるグランジーなギターリフが、自分にはないものばかりを持った“彼女”への嫉妬心とすぐに心変わりをするストゥーピッドボーイへの失望を後押しする。MVではオーディションでライバルに嫉妬するダンサーたちの物語が展開され、テイト・マクレーのダンサー時代の苦闘を思わせる。
「rubberband」
「you broke me first」も収録され、2021年Spotifyで最もストリーミングされた女性アーティストの作品となったセカンドEP『TOO YOUNG TO BE SAD』からの3枚目のシングル曲。初期のテイト・マクレーサウンドのシグネチャーのひとつともいえるメランコリックで浮遊感溢れるトラックに、おそらく恋人未満だった相手と過ごした数ヵ月のことを思って巨大な喪失感に苛まれた心情が乗せられている。テーマは“愛の依存症”。未練から解放されるために、手首に輪ゴムを装着するという行為がさらに切なさを高めている。
■テイト・マクレー最新情報をチェック!
2025年2月にはニューアルバム『So Close To What』をリリースすることが発表され、さらなる飛躍が期待されるテイト・マクレー。共感度No.1の若き才能にこれからも注目だ。
TEXT BY 小松香里
▼テイト・マクレー最新情報はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/11019/