一夫多妻制アイドル『清 竜人25』やパンクバンドプロジェクト『TOWN』など、見る者を驚かせてきた清 竜人。その前例のない活動ではプロジェクトごとにビジュアルと楽曲を作り込み、多くの人の心を躍らせている。そんな鬼才・清 竜人の魅力を紹介したい。
■音楽遍歴からみる清 竜人とはどんなアーティストなのか?
清 竜人(読み:きよし りゅうじん)
・デビュー:2009年9月4日
・デビュー作品:シングル「Morning Sun」
・OFFICIAL SITE http://www.kiyoshiryujin.com/
・OFFICIAL SITE(清 竜人25)http://www.kiyoshiryujin.com/kr25_2024/
・X(旧Twitter)https://x.com/ryujin_kiyoshi/
・Instagram https://www.instagram.com/kiyoshiryujin/
・YouTube https://www.youtube.com/@kiyoshiryujinSMEJ
◎シンガーソングライターとしてデビュー
清 竜人は2009年3月にシンガーソングライターとして、「Morning Sun」でデビュー。シンプルなサウンドに耳に心地よい清 竜人の歌声が響いている同曲は、瞬く間に話題になった。また、『au Smart Sports』のCMソングに起用されていたこともあり、一気に彼の名は広まっていった。その後もコンスタントに楽曲をリリースし続け、人を惹きつけるハスキーかつセンシティブな歌声とどこか壮大さを感じる美しいサウンド、まっすぐ心に届く言葉で紡がれている歌詞を届けてきた。
▼清 竜人 – Morning Sun
◎ミュージカル調のアルバム『MUSIC』
“清 竜人=美しいポピュラーミュージックを発信するシンガーソングライター”というイメージが出来上がっていた矢先、あまりにも大胆な方向転換がなされた4枚目のアルバム『MUSIC』がリリースされる。『MUSIC』はセリフパートが収録されている“ミュージカル風アルバム”で、CDを再生すると寸劇からスタートするというもの。しかも女優の多部未華子や声優アーティストの堀江由衣、5カ国の外国人……などキャストを迎えて作り込まれた一大エンターテインメント作品だ。清本人のビジュアルもこれまでとガラリと変わっており、衝撃的な作品を世に放ったのである。
▼清 竜人 – りゅうじんのエッチ♡〜ぼくのばちあたりな妄想劇〜(LIVE VERSION)
◎清 竜人25結成〜解散
さらに清 竜人の新しいエンターテインメントは続いていく。2014年には、自身とその妻6名による一夫多妻制アイドルユニット『清 竜人25』を結成したのだ。“アイドルグループ”であるにも関わらず、一夫多妻制という夫婦設定、さらに清 竜人がセンターを務めるという構成と、これまでの常識にとらわれない『清 竜人25』だったが、彼らが放つポップでキュートな尖ったアイドルソングに多くの人が魅了されて話題となった。
メディアにも多々取り上げられて人気を博していたが、2016年11月20日に行なわれた『清 竜人25 ライブツアー 2016 秋』Zepp Tokyo公演で、なんと突然の解散宣言。その解散宣言もセンセーショナルで、新曲「25♡」の歌詞の中に突然“清 竜人25♡ 解散します♡ ごめんね♡”というフレーズが出てくるというもの。そして2017年6月17日、幕張メッセイベントホールで行なわれた『清 竜人25 ラスト♡コンサート』で、惜しまれつつも解散したのであった。
▼清 竜人25、解散発表!@ZEPP TOKYO 2016.11.20
◎パンクバンドプロジェクト『TOWN』
いっぽう、2016年には新プロジェクト『TOWN』もスタート。同プロジェクトは清 竜人とリスナーが演者と観客ではなく、同じ目線でライブを楽しむことをコンセプトとしている。つまり、観客もバンドメンバーの1人というわけだ。そのため楽曲はフリーでダウンロード出来たり、バンドメンバーを公募したり、ライブが無料であったり……。ライブでもフロアにマイクが立てられており、ステージマイクと同じ音量で観客の歌声が響くというカオスな状態。またもや音楽業界を震撼させたわけだが、2017年7月11日で解散。『清 竜人25』の解散と2カ月連続で解散を経験することとなる。
▼清 竜人TOWN ダイジェスト映像
◎歌謡曲期
その後、2018年には約5年ぶりにソロ活動を再開。といっても以前のような楽曲ではなく、ミッキー吉野や井上艦、原田真二、瀬尾一三、星勝など昭和歌謡を牽引してきた作家たちを編曲に招き、歌謡曲を清流にアップデート。令和元年に歌謡曲風の楽曲が詰まったアルバム『REIWA』をリリースした。
▼清 竜人「目が醒めるまで (Duet with 吉澤嘉代子)」MUSIC VIDEO
◎各ジャンルへの楽曲提供
こうして唯一無二のアーティストとして活動をしてきたいっぽう、堀江由衣をはじめとした女性アーティストへ積極的に楽曲提供。シンガーソングライターだけに留まらず、音楽家、エンターテイナーとして存在感を示し続けている。
▼堀江由衣「The♡World’s♡End」Music Video
◎まさかの清 竜人25の再結成
そして2024年、まさかの『清 竜人25』が再結成……! 「(再結成は)最低でも干支は一周してからだなと思いますね」と語っていたこともあり、ファンを驚かせた。メディアにも取り上げられ、早くも目が離せない状態になっている。
■清 竜人の楽しみ方
◎変化する楽曲とビジュアル
これだけ多くのプロジェクトをしてきた清 竜人だが、どのプロジェクトをとっても既視感は皆無。というのも、プロジェクトごとに楽曲とビジュアルをガラリと変えてくるためだ。例えば『清 竜人25』ではアフロにヒゲという出で立ちに、ワクワク・ドキドキ・キュンキュンするポップでキャッチーな楽曲。『TOWN』の始動を告知した際は全裸にモヒカン、背中に和彫りの入れ墨というビジュアルで、楽曲はゴリゴリのパンクサウンドだ。これだけの振り幅を見せられるのは、清 竜人に類まれなる才能があるがゆえだろう。
◎エンターテインメント力
以前、清 竜人は「(アルバムの)3枚目あたりから『音楽好き』だけでは飽きてきた」と語っていたことがある。その結果たどり着いたのが、アルバム『MUSIC』のようなエンターテイメント的な見せ方だったのだろう。その後始動した『清 竜人25』や『TOWN』も純粋に楽曲だけではなく、コンセプトや在り方を含めたプロジェクトであり、音楽作品というよりも“エンターテインメントショー”である。いまだかつて見たことがない彼のエンターテインメントは、リスナーだけでなく音楽業界をも驚愕させ続けているのだ。その根底には、インタビューで語っていた「何か自分に刺激的なことがしたい、刺激的なアーティストになりたい」という一貫した思いがあるのだろう。その思いが今まで見たことがない清 竜人のエンターテインメントを作り上げているのだ。
◎圧倒的な感性と変態性
「何か自分に刺激的なことがしたい、刺激的なアーティストになりたい」という思いを清 竜人が形にした時、前例があるものは少なかった。そこに「自分以外の同性の人間の感性を入れるのがあんまり好きじゃなくて」という彼の持ち前の感性が掛け合わさることで唯一無二のアウトプットになっている。さらに、「パフォーマンスの部分を含めて、クリエーションに関してはかなり繊細に考えました」という言葉からは、“やってみたい”という思いをクオリティ高く出力するために究極突き詰めるという、ある種の変態性も感じる。この“感性”と“変態性”が清 竜人の魅力のひとつなのかもしれない。
■再結成された清 竜人25のメンバーと『THE FIRST TAKE』
◎清 さきな(読み:きよし さきな)
旧姓:頓知気さきな(読み:とんちき さきな)
所属:femme fatale(読み:ファムファタール)
・X(旧Twitter)https://x.com/tonchiki_doll
・Instagram https://www.instagram.com/arigato_v/
・YouTube https://www.youtube.com/@tonchikisakina
第101夫人。実姉である戦慄かなのとの完全セルフプロデュースユニット・femme fataleとしてデビューした清 さきな。ソロデビューも果たしている。
ポジティブ思考。独自の世界観を持っていて、自分の軸をしっかり持っている。
◎清 凪(読み:きよし なぎ)
旧姓:根本凪(読み:ねもと なぎ)
所属:元虹のコンキスタドール、でんぱ組.inc(読み:にじのコンキスタドール、でんぱぐみインク)
・X(旧Twitter)https://x.com/nemoto_nagi
・Instagram https://www.instagram.com/nemonagi/
・YouTube https://www.youtube.com/@nemotonagi
第103夫人。イラストや衣装、作詞など幅広い才能を持つ清 凪。アイドル活動を始めて以降自信を持ったとのことだが、感受性豊かな性格の印象。自身では“常に海が時化ているような性格”と表現したことも。
◎清 真尋(読み:きよし まひろ)
旧姓:林田真尋(読み:はやしだ まひろ)
・X(旧Twitter)https://x.com/mahirodayo_
・Instagram https://www.instagram.com/_mahirohayashida/
・YouTube https://www.youtube.com/@まひちゃんねる
第104夫人。モデルや舞台女優など多岐にわたり精力的に活動している清 真尋。嫌なことがあっても前を向けるポジティブな性格で、グループ活動をしていた頃は“天真爛漫の愛されキャラ”、“グループのムードメーカー”として活躍していた。
◎清 ゆな(読み:きよし ゆな)
旧姓:チバゆな(読み:チバ ゆな)
所属:きゅるりんってしてみて
・X(旧Twitter)https://x.com/uba_va__3
・Instagram https://www.instagram.com/uba_va__
・TikTok https://www.tiktok.com/@uba_va__3
第105夫人。現夫人の中で最年少の清 ゆな。『きゅるりんってしてみて』ではしっかり者でありつつ、人懐っこさと優しさを持ち合わせているメンバーとして知られている。
◎『THE FIRST TAKE』で披露した「Will you marry me ?」
▼清 竜人25 – Will you marry me ?
「Will you marry me ?」は、2014年に清 竜人25がデビューした際の楽曲をリアレンジしたもの。新たに4人の夫人と竜人が再録音している。原曲は多幸感溢れるミディアムファンクナンバーだが、リアレンジされた「Will you marry me ?」はよりポップさが際立ちつつ、落ち着いたオシャレさが漂っている。
▼Will you marry me ?- 清 竜人 / THE FIRST TAKE
『THE FIRST TAKE』ではライブ感たっぷりのパフォーマンスを披露。夫人たちのコーラス部分も音源やMVよりも大きなボリュームで聞こえるため“生っぽさ”が際立っていたり、清も夫人たちもカメラアピールがバッチリだったり、10月に行なわれるツアーの疑似体験が出来そうな仕上がりになっている。
■清 竜人が気になったら!聴くべき曲5選
◎「痛いよ」
初期の作品である「痛いよ」は、清 竜人の歌声をストレートに味わえる自身の代表曲。苦しいほど切ない恋心を歌っている歌詞も、まっすぐ耳に入ってくるはずだ。サウンドに関しても始まりはシンプル、歌詞の主人公の感情が高まっていく後半になるにつれて壮大になっており、より感情移入がしやすい。2020年には『THE HOME TAKE』にも動画がアップされ、ピアノ1本に感情をこれでもかと乗せて歌い上げている。リリース当時から年齢を重ね、また違った感情が見えている。
▼清 竜人 – 痛いよ / THE HOME TAKE
◎「All My Life」
6thアルバム収録曲の「All My Life」は甘く切ないラブバラード。英語と日本語が絶妙に混ざった歌詞がグルーヴにつながっていて、耳に心地よい。しかし、じっくり歌詞を読むとその切なさに胸が締め付けられそうになるというギャップが魅力。そんな歌詞を呟くように歌う清の声はまるでサウンドを作る楽器の一つのよう。キレイでピュアなサウンドとの音量バランスも絶妙で、聴いているうちに楽曲の世界観に没入してしまうはずだ。
◎「ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング」
“ただただひたすらまでにまっすぐな愛”がテーマの「ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング」。どこか苦しそうに歌う清 竜人の歌声が、楽曲の表情を色濃くしている。さらに、リフレインする歌詞からは、“感情のままに気持ちを伝えたい”という思いが伝わってくる。ちなみに同曲は『清 竜人25 “ラスト♡コンサート”』でも披露されており、その美しいラストシーンは感動そのもの。「結婚式で流したい」という人が多いことにも納得だ。
▼清 竜人25「ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング」ラストコンサート@幕張メッセイベントホール
◎「Will♡You♡Marry♡Me ?」
『清 竜人25』のデビュー曲「Will♡You♡Marry♡Me ?」。思わず笑顔になってしまう明るくキャッチーなファンクナンバー。編曲にダンス☆マンを迎えているということもあり、どこかモーニング娘。っぽさが感じられる楽曲で、女性アイドルの王道的なサウンドになっていると言えるだろう。竜人パートで男性、夫人パートで女性の目線が表現されており、その掛け合いも楽しい。また、MVはハーレム感が満載。『清 竜人25』のコンセプトがこれでもかと表現されている楽曲。
◎「KARESHIいるんだって」
新生・『清 竜人25』としてリリースした「KARESHIいるんだって」。歌詞の主人公は好きな人に彼氏がいることを知ってしまうのだが、最高にハッピーなサビパートに入るタイミングで彼氏がいる事実が発覚する。MVでもうさぎ姿の夫人たちがキュートにその事実を伝えており、ギャップに思わずクスリとしてしまう。かわいらしいサウンド感のアイドルソングが故に耳で聞くだけでも楽しめるが、ぜひMVの映像を見ながら噛み締めたくなる1曲だ。
■変化し続ける清 竜人から目が離せない!
『清 竜人25』の再始動をきっかけに、その才能とエンタメ性により一層注目が集まっていきそうな清 竜人。この先どんなエンターテインメントを見せてくれるのだろうか。ぜひ注目してみてほしい。
TEXT BY 高橋梓
▼清 竜人最新情報はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/1673/