TEXT BY フジジュン
■『RING³』第2弾に岡崎体育が登場
チャンネル登録者533万人(2021年11月18日現在)を超える『THE FIRST TAKE』が手がける、YouTube雑談コンテンツ『RING³』(リン・リン・リン)の第2回に岡崎体育が登場。
今年10月、約2年9ヵ月ぶりとなる、4枚目のオリジナルアルバム『FIGHT CLUB』をリリースし、11月23日には横浜アリーナでのワンマンライブを控えるなど、デビュー5年目周年にしてさらなる飛躍を見せる、岡崎体育。
音楽だけでなく、子供番組やクイズ番組などで見せるタレントとしての顔や、2022年1月スタートのTBS系日曜劇場『DCU』に出演が決定するなど、多面的な魅力が広い世代に受け入れられ、今やお茶の間の人気者と言える存在だ。
■面白いしカッコ良いけど、ワルいヤツだなぁ~!(でも、そこが良い!!)
そんな岡崎体育が最初に注目されたのは、2016年4月に公開した「MUSIC VIDEO」だった。
“カメラ目線で歩きながら歌う 急に横からメンバーでてくる”と始まり、MVあるあるを歌う同曲。MVにありがちな演出やシチュエーションを盛り込んだ歌詞、そして実演したMVで大バズり!
同年5月にはメジャーデビューアルバム『BASIN TECHNO』を発表。話題性も手伝い、好セールスを記録。
なお、アルバム1曲目に収録された「Explain」は、ヒット曲にありがちな曲の構成や仕組みを歌い、実演。さらにこの曲が口パクだったことを途中で自白するというギミックもあり、これまた共感と爆笑を生んだ。
ちなみに個人的な感想ではあるが「MUSIC VIDEO」や「Explain」を聴いた僕の印象は“めちゃくちゃ面白いしカッコ良いけど、ワルいヤツだなぁ~!(でも、そこが良い!!))だった(笑)。
■日常に潜む“おもしろ”を決して見逃さず、最良の形にする
しかし、この2曲を例に上げて語るべきは岡崎体育の“ワルさ”ではなく、“めちゃくちゃ面白いし、カッコ良い”という点である。
あるあるを羅列するだけでなく、それを音楽にして、歌って、映像化して…初めて見る人をも夢中にさせることが、どれだけすごいことか。
そもそも、幾多あるMVやヒット曲を見聴きして、研究・解体・分析し、誰もが共感できる“あるある”にまで昇華させるのも、至難の業だ。
そんな岡崎体育の根底にあり、最も優れたところはその観察眼の鋭さと活用方法。
日常に潜む“おもしろ”を決して見逃すことなく、「これ、この角度で見たらむちゃくちゃ面白い!」とその鋭い観察眼に引っかかったネタを徹底的に研究・解体・分析し、最もネタがおもしろカッコ良く活きる形で音楽へと昇華したのが、岡崎体育の楽曲たちなのだ。
■愛あってこその“電話ガチャ切り”
そして、岡崎体育の観察眼とその活かし方を目の当たりにしたのが『RING³』である。
1st Callでは、親友の娘のかわいい声やトークに無防備な笑顔を見せるも、子供扱いせずにひとりの“人”として尊重した会話で、時に子供の自由な考えに感銘を受けたり、想像の斜め上いく悩みにも真摯に向き合い、“寄り添う”ことを大事にする。
だからこそ、「お金好きなん?」という子どもの問いに対し、「お金す…ちょっと待って。なんか裏に誰かいるんか?」と次の一手を出す一瞬、“素”にならざるをえない部分もあり、とても新鮮だった。
また、「歌って!」という無茶ぶりにも素直にこたえ、「おっさん」を歌う。
いっぽうで明らかに彼女(7歳)が理解できないであろう単語やボケを混ぜることで、視聴者を巻き込むことも忘れない。電話越しの相手を思いやりながら、画面越しの視聴者にも思いを向けた1st Callからは彼の観察眼ゆえの“空気読みのうまさ”と様々な活用法を生み出す“柔軟さ”を感じることができた。
さらに、2nd Callの土佐兄弟・有輝とは、会話の相手が横浜流星だと早々に決めつけ(お笑いの“流れ”を紐解くほど無粋なものはないが、有輝が相手だと気づかないと同作で絡む“横浜流星”という回答にならないので、この絶妙なズラし方も岡崎体育らしいといえる)、そうじゃないとわかった瞬間に電話をガチャ切りするというやりとりに始まり、相手のキャラクターをしっかり引き出しながら、俳優ではない自分たちのドラマにおけるスタンスや求められていることを真面目に語る場面も。
面と向き合っているわけじゃない、“電話越しでの会話”だからこそ、自然な流れでぽろっと本音が出るような…これは『RING³』らしいワンシーンではないかと思う。
■オンリーワンな存在が、誰の心にも届く“みんなの歌”をうたう
「何か面白いことは転がってないか? 自分が今、求められていることは何か?」
岡崎体育はつねにアンテナを立て、観察眼を光らせ、空気読みする自分さえも客観視して、自分にしかできない音楽や活動、自身のキャラを作り上げ、走っている。
ただ、これらは決して自分のためでなく、あくまでもファンや自分を必要としてくれる人のためというのが、岡崎体育のプロフェッショナル。自分を求め、面白がってくれるすべての人のため、彼は今日もアンテナを立て続けているのだ。
岡崎体育 OFFICIAL SITE
https://okazakitaiiku.com/
『RING³』
https://youtube.com/playlist?list=PLi1F8vriz0_X0gR9JNsf-kWa5Gm64nlFS
『THE FIRST TIMES』OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCmm95wqa5BDKdpiXHUL1W6Q