■miwa、4都市のZeppをまわる『miwa Live Tour 2024 “7th”』を完走!
約2年前にリリースした前作アルバム『Sparkle』を引っ提げた東名阪ツアー『miwa concert tour 2022 “Sparkle”』以来のバンドセットでのツアーである『miwa Live Tour 2024 “7th”』が、6月2日、愛知県・Zepp Nagoyaにてツアーファイナルを迎えた。
5月17日に東京都・Zepp Divercityにて開幕した今回のライブツアーは、5月29日リリースのニューアルバム『7th』のリリースに合わせて、東京・福岡・大阪・愛知の4都市のZeppをまわる全国ツアー。
ダンスメドレーあり、映像あり、チャレンジ企画あり、そしてmiwaにとって久しぶりのバンド編成でのワンマンライブという盛りだくさんの公演となった『miwa -39 live- 2024 “sing dance enjoy!”』以来の単独公演となった本ツアーは、デビュー15年目に突入し、久々のアルバムツアーということもあり、本人も会場に詰め掛けたファンもとても熱量が高く、充実のライブツアーとなった。そんな本ツアーの初日、東京都・Zepp Divercity公演の模様をレポートする。
■ライブレポート
本ツアーの初日の幕開けを今か今かと待ちわびるファンで会場は満員となっている。ニューアルバム『7th』の新ビジュアルでイメージががらりと変わったハイトーンの髪色が解禁となり話題になっていたが、ファンはこの日初めてそのmiwaの姿を初めて生で目撃することになる。そういった影響もあるのか、会場には期待感と少しだけそわそわした空気を感じた。
照明は暗いまま、バンドメンバーのeji(Key/バンマス)、オバタコウジ(Gu)、宮本將行(Ba)、白根佳尚(Dr)の4人がステージに姿を現す。拍手を受けながら、それぞれの楽器をスタンバイ。バンドメンバーが観客を煽るように音を鳴らし、miwaの登場を期待させるライティングが期待感を膨らませる。そして、一瞬音と照明が消えた瞬間、逆光に当てられたmiwaがステージ中央に突如登場。会場に詰め掛けたファンからは悲鳴にも似た歓声が沸き起こり、すぐさま本公演、そして本ツアーの1曲目となる「GIRL-CRUSH」を歌いはじめる。
「GIRL-CRUSH」は、5月29日にリリースを控えたニューアルバム『7th』から、ツアー初日の5月17日に先行配信がスタートした楽曲である。『7th』というアルバムを表現する1曲として書き下ろしたという「GIRL-CRUSH」は、今までのmiwaからは想像もできないようなクールな女性を思わせる楽曲に仕上がっていた。“誰だって主人公”という歌詞にもあるように、ひとりの女性として気高く強く生きていくというようなメッセージ性を強く感じた。力強く1曲目を歌い上げると、続けざまに「BUZZ!!!」「oARTo」という配信リリースもされていないアルバムの新曲を2曲披露。観客は初めて聴いたにもかかわらず、すぐにタオルを回したり手拍子をしたりして新曲を楽しんでいて、miwaのファンの順応性にも驚いた。
今日初めてのMCでは「アルバム発売前にも関わらず、1番にアルバムの新曲を聴いてくれてありがとう!」と、この日ライブに足を運んでくれたファンに感謝を伝える。
コールアンドレスポンスから「春になったら」で盛り上げ、そして「ミラクル」では恒例の会場一体となったタオル回し・ダンスと、この2曲で“miwaのライブって楽しい“という表情を観客から引き出す。観客の心をがっちりと掴み、続くMCで、この2年間リリースしてきた季節をコンセプトにしたEPやシングルからも数多く収録されている『7th』というアルバムについて改めて触れる。「四季折々の春・夏・秋・冬にちなんだ楽曲をお届けしていきます」と続け、次のブロックでは「ハルノオト」「Dive Into Summer」「月が綺麗ですね」「Love me」という4曲をそれぞれの楽曲の表情に合わせて、まさに季節を巡るように歌声に思いを乗せながら歌を届けていく姿が印象に残った。
「四季折々の色を感じていただけましたか?」と観客の顔を見ながらトークを展開していく。「次の曲はぜひゆっくり聴いてください。ejiさんとふたりでお届けします」と、「friend 〜君が笑えば〜」を鍵盤の伴奏のみで丁寧に歌い切る。続けてアコースティックギターを携え、「あたりまえに」をmiwaひとり、代名詞ともなっているアコギ1本弾き語りで披露。いつの間にかバンドメンバーがハケており、ステージ上にはmiwaの姿だけ。アコギの音とmiwaの歌声のみに浸ることができる贅沢な時間が流れていく。バンドセットのライブでありつつも、鍵盤のみとの楽曲、アコギ弾き語りでの楽曲を披露するというバリエーションで飽きさせない仕掛けに、“最大限ライブを楽しんでもらいたい”というmiwaのまっすぐな思いが感じられた。いつもながら、出し惜しみすることなく目の前の1回のライブに向き合うmiwaの姿には心を打たれてしまう。ただ、MCで「(「あたりまえに」の)ギターのフレーズが難しくてドキドキしながら弾いたんだけど、うまくいった、良かった」と安堵するmiwaにはかわいらしさも感じてしまう。
「皆さん盛り上がっていけますか!」とロックチューン「chAngE」「again×again」という2曲で会場のボルテージを最高潮に持っていく。歌を支えるバンドメンバーとも息の合ったパフォーマンスで会場の熱気が上がっていくのを肌で感じる。かわいらしさを感じたと思ったら、打って変わってカッコよさを見せつけられ、miwaの魅力にどんどんと吸い寄せられていく。
そして、miwaはフライングVを持ち、代表曲「ヒカリヘ」のイントロへ。ミラーボールの幻想的な演出も相まって、世界観へ引き込まれていく。長年歌い続けてきた名曲は色褪せることなく、今もまだ間違いなく愛され続けていると再認識した。続く楽曲は前作アルバムのタイトルトラック「Sparkle」。この2年間コンスタントに新曲をリリースし、イベントやフェスに出演してきたが、その活動のなかで中心となった楽曲のひとつと言えるほど、様々な場面で披露されてきた楽曲だ。
そして、本編ラストに披露されたのは、2024年に放送された日本テレビ系日曜ドラマ『厨房のありす』の主題歌「それでもただ」。ドラマ主題歌として話題になったこの楽曲で本編を締めくくった。1曲目の「GIRL-CRUSH」から16曲目の「それでもただ」まで新旧交えながら、”miwaのライブ”が完璧に出来上がっていた。
アンコールではなんとサプライズゲスト、フジテレビアナウンサー佐久間みなみが登場。佐久間みなみは大歓声のなか温かく迎えられ、4月から『すぽると!』のテーマソングに起用されているmiwaが楽曲提供し佐久間みなみが歌う「Our Time」という楽曲をふたりでライブ初披露。楽曲が終わると大きな拍手が会場に巻き起こる。さらに、佐久間みなみの歌声をmiwaがベタ褒め。アットホームな和やかな雰囲気のままトークをし、観客も一緒になって楽しんでいた。
佐久間みなみがステージから降り、観客を改めて煽るとアンコール2曲目「441」をパフォーマンス。会場からは手拍子が鳴り響く。そして、最後の1曲は「結」。第83 回NHK 全国学校音楽コンクール・中学校の部課題曲のこの曲で、会場のファン全員と心を合わせて一緒に歌い切って『miwa Live Tour 2024 “7th”』 Zepp Divercity公演は終演となった。
15年目のmiwaはまったく衰えることがないばかりか、むしろアーティストとしての凄みが増していた。“まだまだmiwaというアーティストは私たちを楽しませてくれるはずだ”という確信が持てる、そんな一夜だった。
“誰だって主人公”というキーワードで始まった本公演だったが、この日の“主人公”は間違いなくmiwaその人だった。
<セットリスト>
01. GIRL-CRUSH
02. BUZZ!!!
03. oARTo
04. 春になったら
05. ミラクル
06. ハルノオト
07. Dive Into Summer
08. 月が綺麗ですね
09. Love me
10. Friend 〜君が笑えば〜
11. あたりまえに
12. chAngE
13. again×again
14. ヒカリへ
15. Sparkle
16. それでもただ
アンコール
EN1. Our Time
EN2. 441
EN3. 結
PHOTO BY 佐藤 薫
リリース情報
2024.05.29 ON SALE
ALBUM『7th』
miwa OFFICIAL SITE
https://www.miwa-web.com/