■ひと息ついて、グッズのタオルで顔の汗をひとふき、「このタオル発売中なので、ぜひなんでも使ってください」と急に宣伝(笑)
崎山蒼志の全国ツアー『band tour 2024“春の滲み”』の東京公演が、5月30日に、東京・渋谷Spotify O-EASTにて開催された。
10代でメジャーデビューを果たし、2023年はTVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」のエンディングテーマ「燈」を担当し大きな話題となった崎山蒼志。大いなる飛躍の年を経て、4月からスタートした『band tour 2024“春の滲み”』は、崎山蒼志(Vo/Gu)、守真人(Dr)、有島コレスケ(Ba)の3ピースによるバンド編成で、初めて全国9都市を回るツアーとなった。
東京公演の直近に予定されていた札幌と仙台公演は、崎山の急性扁桃炎により、急遽開催が見送りに。体調について心配されていたが、療養を経て満を持してツアー東京公演のステージに立ち、ダブルアンコール含む全20曲を約90分で駆け抜け、観客を魅了した。
【ライブレポート】
崎山が登場するとともに、待ってましたと言わんばかりに、オーディエンスからは大きな歓声と拍手が。改めてステージに立つ喜びを全身で感じながら愛用のギターを持ち、ライブは「しょうもない夜」からスタート。いきつく暇なく、「My Beautiful Life」のアグレッシブなギターとバンドサウンドで、一気に観客を揺らした。
MCでは、観客からの「体調大丈夫?」との問いかけに、「皆さんにご心配おかけしました。皆さん元気ですか? いい木曜日になるといいと思います。よろしくお願い致します。」と自分の言葉で伝えた。
そこから、「覚えていたのに」「Heaven」「I Don’t Wanna Dance in This Squall」「プレデター」を連続でパフォーマンス。序盤から疾走感溢れるギターと、バンドセットならではの独創性とおおらかなサウンドが、唯一無二の才能を感じさせる。
ひと息ついて、グッズのタオルで顔の汗をひとふき、「このタオル発売中なので、ぜひなんでも使ってください」と急に宣伝。全員が笑顔に包まれ、ほっこりしたMCからのライブ中盤、名曲「嘘じゃない」を披露したあと、崎山の原点とも言えるアコースティックギターに持ち替え、「Swim」を披露。オーディエンスとの“泳ぐ泳ぐ”というコール&レスポンスと、歪んだギターと幻想的な照明で浮遊感に包まれ、「国」での繊細かつ情感が織り込まれた歌声に会場全体が釘付けとなった。
後半にさしかかる前のMCでは、「自分もO-EASTにライブを見に来ることがあるのですが、こうやって、今日ワンマンライブができてうれしいです。集まってくださりありがとうございます」と改めて感謝の言葉を述べた。また、「今年は超インプットの年にしたいと思う」という決意も。「過剰/異常」では、崎山に呼応するように観客が大きく腕を振り、「Pale Pink」では、まるでクラブハウスさながら、刺激的なビートを全身に浴び、そのサウンドに酔いしれた。
ギターのチューニングを念入りにしたあと、「燈」披露の前に、「去年(2023年)本当に大事な曲になったので、ひと呼吸おいて歌いたいです。」と語り、圧倒的なボーカルとドラマチックな旋律によって独創的な世界を生み出した。
崎山のデビューのきっかけともなった「Samidare」では、疾走感に溢れるギターに会場のボルテージが最高潮に。勢いそのままに、本編のラストは「潜水」をバンドメンバーと爆音で演奏。圧倒的なサウンドが炸裂し、大団円で本編を締めくくった。
アンコールの鳴りやまない拍手に応え、再度登場したMCで、自身の22歳の誕生日である8月31日に行うバースデーライブ『独演 二十二歳・二十二唱』をサプライズで発表。
その後バンドメンバーを呼び込み、5月17日にリリースされたばかりの新曲「違和感の向こうで」を瑞々しく演奏すると、会場は晴れやかな空気に包まれる。最後の「水栓」ではギターを置き、ハンドマイクで残りのエネルギーすべてを放出するようにステージを縦横無尽に駆け巡り、最後は観客席に飛び込んだ。
割れるような拍手と歓声の中、シンガーソングライター・崎山蒼志の魅力を凝縮したツアーファイナルとなった。ライブを重ねるごとに、アーティストとしてのあらたな世界を予感させる崎山蒼志。2024年も、まだまだ新たな景色を見せてくれるであろうことを確信させるライブだった。
<セットリスト>
01. しょうもない夜
02. My Beautiful Life
03. 覚えていたのに
04. Heaven
05. I Don’t Wanna Dance In This Squall
06. プレデター
07. 嘘じゃない
08. Swim
09. 国
10. 翳る夏の場
11. 過剰/異常
12. i触れる SAD UFO
13. Pale Pink
14. 燈
15. Samidare
16. A Song
17. 潜水
En1. 違和感の向こうで
En2. 水栓
PHOTO BY KEIKO TANABE
■崎山蒼志 コメント
※バースデーライブに向けて
15歳のときの、弾き語りの自分と出会ってくれた方もいらっしゃると思います。
あれから数年経ち、22歳を迎える日に22曲を演奏します。
久しぶりに独りきりでのワンマンライブになります。
演奏でひとつの生き物になりたいです。
どうぞよろしくお願いします!
ライブ情報
『崎山蒼志 “独演 二十二歳・二十二唱”』
08/31(土)東京・品川インターシティホール
崎山蒼志 OFFICIAL SITE
https://sakiyamasoushi.com/