■「“人の力”“音楽の力”“日本人の愛の深さ”を体感し、大感動し、それが能登の人達の笑顔や元気のきっかけ、希望そして勇気になるなんて、こんな素晴らしいことがある、それだけで最大級の幸せです」(大黒摩季)
4月13日、KT Zepp Yokohamaにて、大黒摩季が主宰したチャリティライブ『MAKI’s AID “ Cheer Up! 能登半島!”〜人類みな親戚▼ Vol.1★Kick off 横浜〜』が開催された(※▼は黒塗りハート)。
ライブには被災地復興に掛ける大黒摩季の熱い思いに賛同した豪華ゲスト7組が参加して大黒とのコラボも披露するなど、2,000人の観客を魅了した。
ダンサー・Team Black Starzの登場で始まる「熱くなれ」から、自らオープニングアクト(前座)として会場を一気に一体化する大黒摩季のヒット曲メドレーで会場のボルテージはHeat Up!!、続く豪華ゲスト・コーナーに向けて会場を熱くする。
開口一番に「オープニングアクトの大黒摩季です!」と大黒自身が口にしていたが、彼女としては、“この素晴らしいアーティストたちが、気持ちよく自ら楽しんでくれることが一番だから私がその土壌をまず作らねば!”ということで、デビュー前の初心に戻ってブラスタと共に最高の前座を勤めた。
その後、タモリのモノマネで知られるジョニー志村とFM熊本のDJ、大黒摩季の同級生でもある森田真奈美の司会による軽妙な進行のもとで始まったゲスト・コーナーの冒頭、“震災が起こったばかりの頃は多くの人が被災地のことを気にかけていたが、日々の生活に追われ罪無く忘れていってしまっている”現状を憂い、「まだ復興がしっかり始まってもいない」まだ苦難の中にある被災地「能登のことを忘れないで」と今回のチャリティーライブの主旨を語った大黒摩季。
そして、被災者や助けを必要としている人たちに対して、「人類みな親戚▼」の精神=親戚のようにつきつ離れつ思い合い、いざという時は身内としてしっかり助け合う身近さで寄り添ってゆく、という彼女の思いに共鳴したゲスト・コーナーの最初に登場したのは、ポップスピアニストのハラミちゃん。
ボーカルは大黒摩季だ。「まずはしっかり悲しいということの状況に寄り添いたい」ということでハラミちゃんが選曲したのは「悲しくてやりきれない」。
続けては応援の気持ちと再出発の思いを込めて「銀河鉄道999」を披露。”子供からお年寄りまで楽しませたい!”という気持ちから皆、現役小学生9才のキッズ・ダンサー・マナキッズが無邪気に登場し、キラキラと明るく楽しい元気なステージが繰り広げられた。
次に登場したのは、90年代、大黒のレーベルメイトでもあり、制作に切磋琢磨した仲だというDEEN。大黒とボーカルの池森秀一は北海道出身の同郷、そして年も同じという気安さで貴重なエピソードも飛び出したトークに続いて、演奏されたのはDEENのデビューシングルにして大ヒットを記録した「このまま君だけを奪い去りたい」。池森の甘いボーカルに会場は聴き入るばかり。そして2曲目には、聴く人へ“ひとりじゃないよ”という思いを演奏に込めて、眩く温かくポジティブな「ひとりじゃない」を届けた。
さらに、2022年にシングル「#IMA」、2023年は「オリジナルストーリー」と2曲の作品を提供、大黒が直接ライブを観に行くなど交流のあるA.B.C-Zが登場。
今回のライブでは、その「オリジナルストーリー」を、大黒、作曲・アレンジを担当した同ライブのサポートバンドのベース・徳永暁人(doa)、ドラムの浜崎大地、さらにハラミちゃんが加わり、レコーディング時のオリジナルメンバーとA.B.C-Zによる豪華コラボライブが実現した。
A.B.C-Zは本格的なバンドを背負っての歌唱が初めてということで、そんなスペシャルな瞬間に立ち会えたA.B.C-Zファン・オーディエンスからは歓喜の声が上がった。そして、A.B.C-Zメンバーが“音楽の力をみんなで届けられれば、能登の皆さんの背中を押せるんじゃないか”とコメントして人気曲「頑張れ、友よ!」を披露すると、ステージも会場も一体となりそのエネルギーは一気に膨れ上がってゆき、感動と共に大きな盛り上がりを見せた。
ゲスト5組目には、ついに歌謡界の女王・ラスボス! 小林幸子が登場。
自らも能登半島地震のみならず、中越地震や東日本大震災の際なども被災地へのボランティア活動を続ける小林幸子に、この日のライブを子どもからお年寄りまで楽しめるエンターテインメントとして被災地へ届けたいという大黒が自らアプローチ、その思いに賛同した小林幸子の出演に至った。
ライブでは「おもいで酒」、NHKの紅白歌合戦でも歌った「千本桜」の2曲を披露。圧倒的な歌唱力と存在感で観客を魅了し、このチャリティーへの意義・説得力を確かなものとした。
途中のMCでは、恩師・古賀政男に弟子入りした9歳の時に「歌ではお腹は一杯にならない。でも人の心をあったかくすることはできる、そんなあったかく出来る歌を歌える歌手になれなぁ」と言われたエピソードを紹介。「皆さん(聴く人)が喜んで、心が穏やかになってもらえるなら歌い手冥利に尽きる、今回参加したゲストもそうであろう」とも語り、デビュー60年のキャリアを誇るアーティストならでは懐の深さを見せた。
そして、ゲスト・コーナーの最後は、TRFのYU-KI。意外にも、彼女と大黒が交流を始めたのは2023年。テレビの歌番組での共演がきっかけで出会ったという。
今回のライブは、その番組収録で意気投合したのちプライベートで食事をした際に大黒が、チャリティーへの想いを語り出演を直接依頼しその場で快諾、そして実現したもの。
90年代同時期にヒット曲を生み出したDIVAふたりだけに、この日は、90年代ハイパー・ヒットメドレーとして、「BOY MEETS GIRL」「masquerade」「DA・KA・RA」「survival dAnce 〜no no cry more〜」の4曲を披露。ハイパー且つ超豪華なステージには会場も大興奮。ブラスタ、キッズダンサーも加わり華を添えた。
本編最後は、大黒摩季が届けるスーパーポジティブソングコーナー。「きっとKANさんは今、上にいる人たちに(亡くなられた方々)歌ってくれてると思うけど、歌います!」と、2023年亡くなったKANの「愛は勝つ」、そして「泉水ちゃんが生きてたらきっとここにいてくれたはず、代わりに歌います!」と大黒の盟友・坂井泉水によるZARDの「負けないで」と、応援歌のスタンダードナンバーをカバー。
国民的応援歌を客席も大合唱。続けて、坂井泉水と生前一緒に作品を作ってライブをやろう! と約束し、果たせなかった思いを込めて作り、大切な人とつながる楽曲になったという「君に届け」、そして “何とかなるさ” “みんな大丈夫だ”という意味を持つ仮面ライダーオーズの放送テーマソングのHyperロックナンバー「Anything Goes!」で本編を締めくくった。
チャリティというテーマのもと、通常ならば温かで優しい穏やかな楽曲が並ぶフェスの多いなか、”ストレスFullな避難生活で萎縮し続ける体もハートも発散、解放してあげたいから盛り上がっていいんです!”とキャストに大黒が語っていた以上に、会場の誰もがライブの熱気とともに、能登へエールを贈るべく笑顔で盛り上がる姿が印象的であった。
アンコールが明けて、スーパー太鼓トリオが登場。ヒダノ修一・一彩・託矢による華麗なる太鼓バトルを演奏したのち、大黒・ヒダノの出身地である北海道の民謡「ソーラン節」を、会場とのコール&レスポンス「あ〜どっこいしょ!ドッコイイショ!」で、アットホームで温かな楽しい時間が生まれた。
その後のMCでは、太鼓界を牽引し国際的な太鼓ドラマーとして活躍するヒダノ修一と大黒が、今回の能登半島地震により、太鼓の材料となる能登のヒバが甚大な被害を受け、石川県輪島市名舟町に伝わる伝統芸能で日本遺産構成文化財でもある御陣乗太鼓奏者たちも被災し文化の火を消してはならならないという状況が説明された。
太鼓の奏者も製作者も大打撃を受けているという事実に、“太鼓を用いて心の底から応援したい”との思いで設けられた太鼓コーナーは、そのままサポート・バンドを加えて「東京Only Peace」へと続く。 “平和って素晴らしい。平和こそが日本の誇り、もう一度みんなひとつになろう”というメッセージが込められ「東京Only Peace」は、大黒のソロ太鼓から始まり、8分にも及ぶ超大作となった。
そして、ラストは全ゲストがステージに集結。大黒は「ら・ら・ら」について、ボブ・ディランが主導してチャリティーのために開催したウッドストックを見て以来、“自分もヒット曲を作り出すだけではなく、誰もが歌えて演奏できる曲、ひとつになれる曲を作り出し、いつの日かウッドストックみたいなフェスがしたい” と思っていたということを明かし、まさに誰もが口ずさめる大黒摩季最大のヒット曲「ら・ら・ら」を全キャストリレーで歌い、チャリティライブ「MAKI’s AID “ Cheer Up! 能登半島!”〜人類みな親戚▼ Vol.1★Kick off 横浜〜」締めくくった。
ゲストも会場もまさに一体化、それぞれが能登への思いを込めて歌いきり、“人類みな親戚!”という大黒の掛け声で締めくくった。
この日のライブの売上は、義援金として被災地に寄付され、その際には大黒摩季自らが届けに行くという。ライブの模様は、能登半島の被災地の方たちには、能登の各行政と組み、まだまだ苦労を強いられる被災者への憩いとしてパブリックビューイング視聴・無料限定配信で届けられたが、全国にはライブに参加できなかった方々及びチャリティーに参加したいと願う方々へのストリーミング+での有料生配信が行われ、1週間のアーカイブ配信も含めてその売上も義援金として寄付に充てられる。
同様に、この日販売されたライブ・グッズの売上も寄付に充てられる。
被災地の皆様と、災害大国の日本にいれば明日は我が身、もしも停電になったら…蓄光素材で自分の居場所を知らせるのに便利なグッズ、などこちらも大黒ならではのアイディアと趣向を凝らした商品になっており、追ってネット販売も行う予定ということで、要チェックだ。
もうひとつ、会場ロビーでは、被災地の産業の復興支援に貢献できるならばとの思いから、能登の企業・団体に参加いただき、能登の特別物産展を開催。能登の名産品、工芸品などの販売が行われ、盛況を博した。
チャリティライブでありながらも、音楽フェスとしても充実した内容で終わった『MAKI’s AID』。大黒摩季、ゲスト・アーティスト、ミュージシャン、スタッフ、さらには観客、配信ライブ視聴者…そのすべての人たちの思いがひとつになった特別な一夜であった。
一人ひとり、募金をしてくれたお客様を送り出したあと、大黒は笑顔でこう語った。
「新しいことを始めることは死ぬほど大変だけれど、成功すればそれを良しとし不安の中で渇望していた人が動き出す。コロナ禍での活動もそうだった。でもその人たちがそのスキームをさらに広げて、日本中が結果的に自然に親戚▼みたいに痛み苦しんでいる人を救ってくれる、昭和のお節介が増える、それこそが〜人類みな親戚▼〜。私はいいんです、踏み台の台になれればそれで。今日はまず、私自身が一番数限りない逆境の中で信じられなくなっていた“人の力”“音楽の力”“日本人の愛の深さ”を体感し、大感動し、それが能登の人達の笑顔や元気のきっかけ、希望そして勇気になるなんて、こんな素晴らしいことがある、それだけで最大級の幸せです。最高のキックオフになりました、キャストの皆さん・ご理解いただいた事務所&メーカーの皆様、大黒組のみんな、関係各位・スタッフ・友人達全ての皆様に感謝して、これからも心のかぎり続けてゆきますので、広がれ!親戚の輪▼」
今後も音楽を通じて、能登はもちろん、今も復興に向けた活動が続く東日本大震災の被災地、熊本、北海道胆振地方なども応援していけたらと願う大黒摩季の思いは、これからまだまだ多くの人へと伝播されていくのだろう。
大黒摩季 OFFICIAL SITE
http://maki-ohguro.com/