■記念すべきアニバーサリーイヤーは、様々なトピックが目白押し
今年3月11日でアーティストデビュー15周年を迎えた遊助。その記念すべきアニバーサリーイヤーを盛り上げるべく、今年は様々なトピックが目白押しとなっている。3月6日には、15年分の感謝を詰め込んだ13枚目のニューアルバム『Thank 遊』をリリース。そこには今の遊助のモードを感じさせる最新の楽曲が多数並んでいるが、一際強い意味を持って輝いているのが「ひまわり-応援歌-」だ。言わずと知れた遊助にとってのデビュー曲であり、今もなお代表曲として強い人気を誇る「ひまわり」が、15周年という節目にリアレンジして生まれ変わることとなった。レコーディングには、“球界一アツい応援”との呼び声高い千葉県習志野市立習志野高校吹奏楽部が参加。聴き手の心を震わせる壮大な吹奏楽の演奏“美爆音”をバックに、キャリアに裏打ちされた想いのこもった遊助の歌声が優しく響く。その仕上がりは15周年の集大成であると同時に、未来への新たな一歩を強く実感させるものとなっている。
アルバムリリースに先がけた2月28日には、遊助にとって初めての登場となる『THE FIRST TAKE』の映像も公開された。そこで歌われたのは、もちろん「ひまわり-応援歌-」。共にパフォーマンスした習志野高校吹奏楽部の生徒の緊張を解きほぐすように優しい笑顔を見せながら、曲に込められたメッセージをより鮮やかに伝えていく。動画のラストに「俺が泣きそうになっちゃった」と漏らした遊助だったが、観る側もまた同じ感情を抱いたことだろう。遊助ファンはもちろん、初めて触れた多くの人たちにとっても、「ひまわり」という楽曲が持つエバーグリーンな輝きを強くアピールするこの動画は、2024年3月21現在、120万回を超える再生数を記録している。
■地元で開催された「遊助 15周年 SPECIAL LIVE『祝』」
そして、3月9日には「遊助 15周年 SPECIAL LIVE『祝』」も開催された。会場となった長井海の手公園ソレイユの丘は、遊助が生まれ育った横須賀市にある広大な総合公園であり、デビュー直後に一度、ファンへの感謝を伝えるイベント「遊助ひまわり祭」を開催した思い出の場所でもある。言わば凱旋公演とも言えるこの日のライブは、前日までの雪がチラつく極寒の気候がウソのように晴れ渡った青空が広がる中、午後2時に開演した。
野球場のバックスクリーンを模したステージにはスコアボードが設置され、ライブのロゴなどをモチーフにしたフラッグがたくさん飾られている。芝生の広場を利用した客席は、野球場で言えばグラウンドだ。そこを埋め尽くした観客たちは、ステージから放たれる遊助からの想いがこめられた歌という名のボールを全力で受け止めることとなる。バッチコイ。準備はOKだ。バンドメンバーに続き、ダンサーとともにステージに現れた遊助。1曲目「Take me out to the ball game」からハイテンションのパフォーマンスで会場をブチ上げる。「フレーフレーいけー打てー」のフレーズでは会場にいる全員が同じ振りをしながら大きな声でエールを飛ばす。冒頭、クールに囁く「おいで」のひと声で曲の世界へ一気に引き込んだジャジーナンバー「JACKPOT」、「ここにいる全員の歌声を聞かせてください!」という煽りで大合唱が巻き起こった「一笑懸命」と、ライブ開始早々、生まれていく一体感が心地いい。
「感謝の気持ちが届くように最後まで頑張りますのでよろしくお願いします。あっという間に15周年、ダッシュでやってきたんですが、ここからは作った順で聴いてもらおうと思います。スタートはこの曲からでした」
■「ひまわり」に続き、初期の名曲たちを次々とプレイ
そんなMCに導かれたのは、デビュー曲「ひまわり」。客席にファンたちが持参した無数のひまわりの花が優しく揺れる中、想いのこもった歌声が会場を包み込んでいった。続いて、「ひまわり」のカップリングに収録された「さくら物語」、2ndシングル「たんぽぽ」、3rdシングル「いちょう」と初期の名曲たちが次々とプレイされていく。
MCでは客席から投げかけられる「遊助ー!」の声に、「ハーイ!」とフレンドリーにコミュニケーションを取る遊助。「遊助を生んでくれて育ててくれたみなさんは遊助の親みたいなもんなので、親孝行したいと思います。これからもよろしくお願いします」と胸に広がる感謝の気持ちを伝えていく。
米米CLUBのヒット曲をサンプリングカバーした「浪漫飛行」、遊助の歌心を強く感じさせるミディアムナンバー「全部好き。」を歌った後、「気を許すとグッと来るぜ!」というひと言ともに信頼するバンドメンバーを紹介。そこから、どこかノスタルジックな感情を想起させる応援歌「ひと」、オシャレなトラックに乗せて愛あるメッセージを響かせた「ライオン」と、大切な楽曲たちが丁寧に届けられていく。
■湘南乃風のSHOCK EYE、RED RICEが見参
中盤では遊turingゾーンとして、長年の付き合いであるという湘南乃風のSHOCK EYEがステージに登場。「怪盗MAGNUM」をパワフルに熱唱し、会場を大きく沸かす。続く「お前しかいねぇ」では同じく湘南乃風からRED RICEが見参し、漢気に溢れたラブソングであたたかなムードを描き出す。その後、ステージ上に3人が集まり、わちゃわちゃと楽しいトークを繰り広げつつ、そのまま激アツなアップナンバー「FIGHTER」をライブ初披露。15周年のお祝いムードを激しく盛り上げた。
■「俺の言葉で少しでも元気になったり。自分のことを傷つけるのをやめようかなって思ってくれたら」
「みんなの声をあらためて聞きたいと思います」と言い、「Everybody say か!」「か!」、「みんなの調子はどうです、か!」「か!」と“か”のワードでのコール&レスポンスを繰り出し、そこに存在する太くて確かな絆を確かめ合うと、全員でタオルをぶん回すソカチューン「チャンピオン」、ダンサーと共に息の合ったパフォーマンスを見せつけたアップナンバー「V」、再びタオルで風を巻き起こしたブンシャカチューン「ミツバチ」を連発。そして、「アイドルでもないし、歌が上手いわけでもないし、ダンサーでもないし、楽器もみんなより弾けないし、音符もいまだに読めません! 日本一バカだと言われても、みんなが少しでも喜ぶ顔を作れるんだったらやってみたい。俺の言葉で少しでも元気になったり。自分のことを傷つけるのをやめようかなって思ってくれたら。そんな思いだけで15年間突っ走ってこれました。ほんとに一つひとつの出会いが俺をここまで持ってきてくれたので、これからも遊助を応援してよかったとか、好きになってよかったと思えるような人間に少しでもなれるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします」と今の思いを告げた後、「いるよ」をハッピーなバイブス全開に歌い上げてライブ本編は幕を閉じた。
■神奈川県立市ヶ尾高等学校ダンス部、習志野高校吹奏楽部が登場したアンコールとWアンコール
「かっとばせー遊助!」のコールをきっかけにスタートしたアンコール。「かかってこいや!!」を全員で力強く叫びパワーを漲らせた「Yellow Bus」から「今夜は無礼講」「わんぱく野球バカ」と猛烈な盛り上がりを見せる楽曲が投下されていく。
「これからもいっぱい元気玉と笑顔とありがとうのキャッチボールしていきましょう」と語った後は、久しぶりの歌唱となる「街」や心に響く感動的なナンバー「檸檬」を。そしてラストとなる「全校集会」では、MVにも出演していた神奈川県立市ヶ尾高等学校ダンス部のメンバーが登場し、パワフルでハッピーなダンスで遊助の歌を鮮やかに彩った。
そこでライブは終了するかに思われたが、再びステージに遊助が現れた。ダブルアンコールとして披露されたのは「ひまわり-応援歌-」だ。遊助にとってのはじまりの曲が、習志野高校吹奏楽部の面々が参加した最新バージョンのアレンジであらためてプレイされていく。会場には再び、一足早くひまわりの花が咲き誇り、大きく揺れた。音源以上に人間味を感じさせ、より力強さを増した吹奏楽のサウンドと遊助の歌声。それはライブ中に発された「一緒に20周年迎えましょう!」という発言を後押しするような、未来に向けた説得力のあるパフォーマンスだったように思う。
■自身にとって通算311本目のライブを今年実現することになる
ニューアルバムのリリースとスペシャルライブという大きなトピックを提供してくれた遊助だが、彼の15周年はまだまだ終わらない。4月3日からは、2010年の初ツアー以来となる全4公演のZeppツアー「遊助 Zepp Tour 2024 “Back to the 遊ちゃーん!”」がスタート。さらに7月からは全14本のホールツアーも開催されることが決定した。精力的にライブを重ねて行く中、自身にとって通算311本目のライブを今年実現することになるのだという。15周年という節目に多くの人に愛され続ける「ひまわり」という大切な原点を見つめ直し、これからの決意を固めた遊助は、まだまだたくさんの驚きと喜びを僕らに届けてくれることになるのだろう。その足取りはこれまでと変わらず、とんでもなく軽やかだ。
TEXT BY もりひでゆき
PHOTO BY 西村満
「遊助 15周年 SPECIAL LIVE『祝』」
2024年3月9日(土) ソレイユの丘
セットリスト
M-1 Take me out to the ball game
M-2 JACKPOT
M-3一笑懸命
M-4 ひまわり
M-5 さくら物語
M-6 たんぽぽ
M-7 いちょう
M-8 浪漫飛行
M-9 全部好き。
M-10 ひと
M-11 ライオン
M-12 怪盗MAGNUM 遊turing SHOCK EYE
M-13 お前しかいねぇ 遊turing RED RICE
M-14 FIGHTER(RED RICE & SHOCK EYE)
M-15 チャンピオン
M-16 V
M-17 ミツバチ
M-18 いるよ
アンコール
EN-1 Yellow Bus
EN-2 今夜は無礼講
EN-3 わんぱく野球バカ
EN-4 街
EN-5 檸檬
EN-6 全校集会
Wアンコール
EN-7 ひまわり-応援花-
遊助 OFFICIAL SITE
https://sp.y-kamiji.jp/