■「皆さんの“元気風船”をいっぱいにふくらませられるような歌を届けていきたい、そんな存在でありたい」(Superfly)
2023年末に『第74回NHK紅白歌合戦』で迫力の生パフォーマンスで元気な姿を見せたSuperflyが、2月の名古屋を皮切りにスタートした約4年半ぶりのアリーナツアー『Superfly Arena Tour 2024 “Heat Wave”』が、3月20日・21日のさいたまスーパーアリーナ2daysにて幕を降ろした。
同ツアーは2019年のアリーナツアー『Superfly Arena Tour 2019 “0”』以来、約4年半ぶり。2023年6月から開催を予定していたが、越智志帆の喉の不調により残念ながら全公演中止となったファン待望のアリーナツアーの再開催だ。多くの困難を乗り越えて開催された本ツアーはSuperfly越智志帆の想いはもちろん、長年この時を待ちわびたファンの想い、ステージを創りあげてきたバンドやスタッフなど多くの人の様々な想いが詰まった記憶に残るツアーとなった。
最新アルバム『Heat Wave』を引っ提げたアリーナツアーということで、「ダイナマイト」「Farewell」「春はグラデーション」など、最新アルバム『Heat Wave』収録の楽曲を中心に、TBS系日曜劇場『下剋上球児』の主題歌「Ashes」や、「Alright!!」「Beautiful」「愛をこめて花束を」「やさしい気持ちで」など、Superflyの珠玉の名曲を含めた全21曲を披露した。
力強いロックナンバー「ダイナマイト」で幕を開けた今回のアリーナツアー。「Alright!!」では “Oh Yeah”の掛け声とともに会場中が拳を天に突き上げ、ボルテージは一気に最高潮! さいたまスーパーアリーナが一気にライブハウスへと一転、瞬時にSuperflyの世界へと誘っていく。
「皆さん、こんばんはSuperflyです! 今日はファイナルです。皆さん来てくれてどうもありがとうございます! でも、あっという間すぎで全然ファイナルという実感がないままここにきてしまったんですけども、本当は昨年の夏に15ヵ所くらい廻る予定だったんですけど、私がちょっと体調を崩してしまい延期となり2月・3月とまわらせていただきました。スケジュールをあわせてくれて、今日という日を選んでくれたことが本当にうれしくて胸がいっぱいです」と志帆が言葉を届けると、会場からは温かい拍手が沸き起こった。
「今日はファイナル。スペシャルな日ということで、全国の映画館61ヵ所とWOWOWでこのライブが中継されているんです。ぜひみんなで最高のライブを画面の向こうのみんなにも届けたいと思います。みんな最後までよろしくね!」の言葉と共に懐かしいロックナンバー「How Do I Survive」、そして「Together」「Power Of Hug」と3曲を立て続けに披露していく。
「今回のアルバム『Heat Wave』は“情熱と癒し”がテーマで作りました。ここからは、この焚火を見ながら癒されながら進めたいと思います。Superflyの曲の中には失恋曲があって…。皆さんの心の中にあるチクっと痛む気持ちがあれば、そんな痛みが少しでも和らぐように気持ちを込めて歌いたいと思います」と語ると、アコースティックセクションへ。それまでの華やかなステージから一転、焚火を囲み心に寄り添う優しい歌声で「春のまぼろし」を披露。
また「Last Love Song」では、3.5m×14mの特大の大きな布がストリングスの音にあわせてステージの上へ舞いあがる演出も。空中を泳ぐ大きな布の下を越智志帆がセンターステージへゆっくりと歩き出す姿は、布がどのように浮かんでいるのか目を奪うほどだ。曲に合わせて優雅に舞う布を背に言葉を置くように大切に歌う失恋ソングに、会場は息をのんだ。続けて、会場中のライトやモニターが消され、センターステージでたった一筋のピンスポットを浴びながらピアノとコーラスだけで披露した「Farewell」では優しくも力強い歌声で圧巻のバラードを披露した。
「次はハッピーな曲を。準備はオッケー?」の掛け声と共に聞こえてきたのは「ハッピーデイ」。ここからは会場中が一緒に歌って踊るハッピーな楽曲が並んでいく。アルバム収録曲である「Mr. Cooper」では本人の愛車“MINI Cooper”を運転する映像の車窓に各公演のご当地映像が映し出され、まるで一緒にドライブをしているかのような演出も。
「どうして歌を歌うのか」インスタを通してファンから質問があったと語り始めた志帆。歌う時はその人のそのままの姿が見えるのがたまらなく好きだと過去の経験から歌い始めたころの話と共に“歌うとその人の本当の姿が見えてくるもの。歌は心をすっぴんにする。”と彼女の歌への想いを大切に伝えていく。「みんなには心をすっぴんに、あなたらしくいられる時間を沢山作りたいなと思っているんです。歌っているときは、誰が偉いとか、年下も年上も性別も、そういうのは全然関係ないフラットな時間じゃないですか。なので、みんながみんなに戻っていけるような、“心がすっぴんになれる”ような時間が作れたらと思っています。ここからみんな心をすっぴんにして一緒に歌ってもらえますか」と名曲「Beautiful」を披露。ラストのサビでは会場へマイクを向け、さいたまスーパーアリーナに「Beautiful」の大合唱が沸き起こった。これまでこの曲は自身で歌ってきた志帆だったが、一緒に歌いたいという彼女の思いが溢れた初めての試みだった。
畳みかけるように披露されたのは、2023年末のNHK紅白歌合戦でも披露した「タマシイレボリューション」、会場中から割れんばかりの“タマシイレボリューション”コールに志帆は満面の笑みで応えていく。ツアータイトルにもなっているロックナンバー「Heat Wave」では、ステージ上で燃え上がる炎が印象的な演出で熱いステージを披露したかと思うと、会場は暗転し一気にモノクロのクールな世界へ。昨年秋にTBS系日曜劇場『下剋上球児』の主題歌として発表された「Ashes」をライブで初披露。Superflyの楽曲の幅の広さと同時に、心に真っすぐ刺さってくる越智志帆の歌声の凄みをも感じるパフォーマンスで会場を魅了していく。
ライブ終盤では「4年半もお待たせしてしまったので、今日はぜひこの日の想い出を持ち帰って欲しい」という志帆のMCから、「愛をこめて花束を」「春はグラデーション」では初となるライブ撮影OKのコーナーや、名曲「愛をこめて花束を」では、2007年リリース『愛をこめて花束を』のCDジャケットでまとっているヘッドピースをはじめ、10周年記念ライブのステージ装飾など幾度となく共にしてきたフラワーアーティストmichikoによりこの日だけのためにアレンジしてもらった花束を持ってのパフォーマンス。歌の最後にはその日に来場した幸運の1名へその花束をプレゼントするなど、Superfly史上初の試みが盛りだくさんのライブとなった。
体調を考慮して全国3ヵ所5公演と当初予定していたスケジュールよりも規模を縮小してのツアー開催とはなったが、Superflyのベストな状況で一つひとつの公演を大切にパフォーマンスを届けたいという気持ちが溢れ出たステージは“圧巻”という言葉の通り。「いつも頑張れと応援されることが多くて…私も皆さんの“元気風船”をいっぱいにふくらませられるような歌を届けていきたい、そんな存在でありたい」と涙を浮かべながら語った越智志帆の感謝の想いの詰まったアリーナツアーは幕を閉じた。
なお、ファイナル公演の模様は3月22日より1ヵ月に渡りWOWOWオンデマンドにてアーカイブ配信されるほか、3月23日18時30分からは全国の映画館でディレイ上映も行われる。さらに、終演後にはSpotifyでツアーのセットリストのプレイリストも公開された。
<セットリスト>
01. ダイナマイト
02. Alright!!
03. Love & Peace Again!
04. How Do I Survive?
05. Together
06. Power Of Hug
07. 春のまぼろし
08. Last Love Song
09. Farewell
10. ハッピーデイ
11. Mr. Cooper
12. 嘘とロマンス
13. Beautiful
14. Voice
15. タマシイレボリューション
16. Heat Wave
17. Ashes
18. 愛をこめて花束を
19. 春はグラデーション
-ENCORE-
EN1. Presence
EN2. やさしい気持ちで
PHOTO BY 森好弘、渡邉一生
リリース情報
2023.11.05 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Ashes」
Spotify セットリストプレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/6U8IyLi7dQ9lwuCXLDg99S?si=4cfa546637704c3a
Superfly OFFICIAL SITE
https://www.superfly-web.com