■リーガルリリー、対バン企画『cell,core 2023』が大盛況! アンコールで新曲「17」を初パフォーマンス
リーガルリリーが、12月10日にZepp Shinjukuにて、対バン企画『cell,core 2023』を開催した。
2021年より毎年開催している『cell,core』は、それぞれのcore(核)を持ったお客さんやアーティストをcell(細胞)に見立て、ライブ空間に集まることで互いに共鳴し、新しいcore(核心)を作り上げることを目指したベント。2021年には地元・立川にてPeople In The Box、崎山蒼志とのスリーマン、2022年は東名阪で、くるり、My Hair is Bad、羊文学との2マンライブを行ってきた。
2023年は、高校時代にライブ活動のホームとしていた新宿の地で、たかはしほのか(Vo&Gu)の誕生日である12月10日に開催。対バン相手には、たかはしほのかが「ずっと歌を聴いてきた」とリスペクトする小山田壮平(band set)と、「ここ最近でライブに衝撃を受けたバンド」として新進気鋭のANORAK!の2組を迎えたスリーマンイベントとなった。
先陣を切ったのは4ピースバンドANORAK!。
1曲目「中野」からエモ/ポストロック全開の高揚感溢れるギターフレージングと、ソリッドなバンドサウンドが心地よく耳に突き刺さる。地名をタイトルにした楽曲のみで構成されたユニークなアルバム『ANORAK!』より、「浅草」「表参道」「吉祥寺」と続けて演奏したのち、「ANORAK!です。よろしくお願いします。ほのかちゃん呼んでくれてありがとう」とTomoho Maeda(Vo&Gu)が自己紹介を終えると、ボーカルエフェクトが印象的な「pure magic」へ。新曲「username」「summertime」とリズムシーケンスや電子音で構築された楽曲群で、ひと味違ったサウンドスケープを魅せる。
その後も、ギターノイズやシャウトを放ちながら、ツインギターの美しいアルペジオの絡みや、エモーショナルな歌メロで、ANORAK!の世界観にフロアを染め上げていく。35分で17曲というセットリストで、MCを多く挟まず怒涛の勢いでショートチューンを届け、最後の曲「品川」が終わると、ギターを床に放ってフィードバックノイズに包まれたままステージを去る4人。トップバッターから会場に大きな存在感と、鋭利な空気感を残したパフォーマンスに釘付けになった。
続いてのステージは小山田壮平(band set)。
andymori時代の楽曲「光」からスタートしたライブは、1曲目から大きな歓声に包まれる。先月リリースしたばかりの新曲「君に届かないメッセージ」を2曲目に披露し、ライブ初参加となる岡愛子(Gu)をはじめ、藤原寛(Ba)、久富奈良(Dr)のバンドメンバー紹介へ。MCではリーガルリリーとの思い出話として「久しぶりにたかはしほのかちゃんと話したんですけど、最後に会ったのが2、3年前で。そのときはすでにだいぶ飲んでしまっていて、そんな僕を呼んでくれてありがたいです」とプライベートなエピソードトークで会場は和やかな雰囲気に。
その後、真っ赤な照明から骨太なバンドサウンドで展開する「スランプは底なし」で一気にフロアの空気を変えると、「Life is party」「革命」とandymori時代の楽曲を立て続けに演奏。小山田がエレキギターからアコースティックギターに持ち替えると、純粋でまっすぐな歌声が伸びやかに響きわたる「サイン」へ。MCでは「皆さん一人ひとりという細胞が集まって何か同じ思いを作ると、それがひとつの核になって伝播していくと。今日この新宿の地下4階が良いグルーヴになれば、また世界の違うところに何か伝播する不思議なものがあるんじゃないかなって」と、本イベント『cell,core』に込めた想いを語った。
再びエレキギターに持ち替え「恋はマーブルの海へ」「投げKISSをあげるよ」とエヴァーグリーンなメロディと歌声を丁寧に届け、歪んだギターをかき鳴らすロックンロール「夕暮れのハイ」、“何をしているロックンロール”という歌詞が印象的な「アルティッチョの夜」を最後に演奏。この曲のラストの歌詞である“扉が開いたら誰かがやってくる”という一節が、小山田壮平からリーガルリリーへのバトンタッチに思えて、改めてロックミュージシャン小山田壮平の器量に圧倒されるパフォーマンスであった。
そして最後はいよいよリーガルリリー。
1曲目の「the tokyo tower」から、たかはしほのかの愛用するテレキャスターの鮮明なストロークが響きわたる。彼女たちがこの東京・新宿という地で高校時代から活動を重ねてきたストーリーと繋がるかのように、そのままセットリストは攻撃的なロックチューン「東京」へ。ゆきやま(Dr)と海(Ba)の生み出す堅牢なグルーヴを携えながら、3曲目「1997」へ。「降り立った東京 1997年の12月」という歌いだしから始まるこの曲は、自身が生まれた時のことを歌った楽曲で、それが12月10日というたかはしほのかの誕生日に、出身地である東京で鳴らされることに非常に強い意味を感じる。
その後「ハイキ」「林檎の花束」といったナンバーでフロアのギアを上げながらも、ホーリーなリバーヴギターが印象的な「ぶらんこ」「高速道路」と、静と動のパフォーマンスを展開。長いリバーヴが響くなか、ピンスポットからはじまった「ジョニー」では、“いのちはひとつ”と歌うたかはしほのかの小さな体から、今ここで音楽を鳴らしているという生命力に満ち満ちたパフォーマンスに、涙を流すオーディエンスも。
ハイトーンボイスが魅力的な「セイントアンガー」「GOLD TRAIN」を経て、ライブ終盤へと畳みかけるようにならされた「リッケンバッカー」では、“僕だけのロックンロールさ”と歌いながら、ギターを弾く右手をまっすぐ天へ高く上げる姿が印象的だった。「最後の曲です。今日はありがとうございました」と短いMCのあと、本編最後に披露されたのは「キラーチューン」。文字どおり「キラー=ころしや」の歌という皮肉を利かせたタイトルのこの曲では、最後ギターの弦が切れるハプニングすらも味方につけるように、感情をむき出しにしたパフォーマンスが、心の琴線を強く揺さぶる。
アンコールでは、たかはしほのかの誕生日を祝うオーディエンスの声のなか、「今日でライブは今年最後なんですけど、来年で私たち10歳になります。たくさんライブをしていきます。来年フルアルバムも出します」と、2024年へ向けた意気込みを語る。「これまでもたくさん曲を作ってきました。自分で作った曲がいろんなところに連れて行ってくれたと思っています。そして10年前、私は17歳で。それで『17』という曲を作りました」と、この日が初披露となる新曲「17」をパフォーマンス。そのまま雪崩れ込むように「はしるこども」を演奏し、三者三様の”ロックンロール”をかき鳴らした『cell,core 2023』は幕を閉じた。
そして終演後の会場には、【New Song「17」 2024.1.17 out】と書かれたリリースポスターが掲示されており、春には東名阪でのライブハウスツアーも開催する彼女たちの、来年の活動を楽しみにしたい。
<セットリスト>
■ANORAK!
1. 中野
2. 浅草
3. 表参道
4. 吉祥寺
5. pure magic
6. username
7. summertime
8. 八王子
9. 調布
10. 下北沢
11. 初台
12. 新宿
13. TSGL
14. basement
15. 渋谷
16. 池袋
17. 品川
■小山田壮平(band set)
1. 光
2. 君に届かないメッセージ
3. スランプは底なし
4. Life is Party
5. 革命
6. サイン
7. 恋はマーブルの海へ
8. 投げKISSをあげるよ
9. 夕暮れのハイ
10. アルティッチョの夜
■リーガルリリー Setlist
1. the tokyo tower
2. 東京
3. 1997
4. ハイキ
5. 林檎の花束
6. ぶらんこ
7. 高速道路
8. ジョニー
9. セイントアンガー
10. GOLD TRAIN
11. リッケンバッカー
12. キラーチューン
Encore1. 17 (新曲)
Encore2. はしるこども
リリース情報
2024.01.17 ON SALE
リーガルリリー
DIGITAL SINGLE「17」
ライブ情報
『Regallily “LIVE HOUSE TOUR 2024”』
2024年
03/28(木)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
03/31(日)大阪・梅田CLUB QUATTRO
04/11(木)東京・渋谷CLUB QUATTRO
ANORAK! OFFICIAL SITE
https://anorak.jp
小山田壮平 OFFICIAL X(Twitter)
https://twitter.com/oyamadasohei
リーガルリリー OFFICIAL SITE
http://www.office-augusta.com/regallily