『USJ』のハロウィーンイベントとの相乗効果もあってAdo「唱」が1位を獲得した10月のランキング。そして2位にはシャイトープ「ランデヴー」が付けており、すっかりロングヒットの様相を呈してきました。Saucy Dog「シンデレラボーイ」のような粘り強いチャートアクションをこの先も見せていくのか注目です。
また、BTSのJung Kookは15位に「Seven (Clean Ver.) (feat. Latto)」、18位に「3D (feat. Jack Harlow)」をランクインさせており、相変わらずの人気となっています。
お馴染みの顔ぶれに占められるランキングの中、今の時代の空気が反映された並びが上位にありました。まずはその話題からどうぞ。
■SEKAI NO OWARI、King Gnu:ポップミュージックとアニメの蜜月
今月1位のAdoが昨年の映画『ONE PIECE FILM RED』とがっつりコラボしたことでアーティストとしてのステージを一段高めたことは多くの人に知られていますが、主に2000年代ごろから少しずつ培われてきたアニメとのタッグでアーティストが自身の表現を開花させる手法は2020年代に入っていよいよ全盛期になりつつある感があります。
Adoと『ONE PIECE』に限らずOfficial髭男dismと『SPY×FAMILY』や『東京リベンジャーズ』、Eveと『呪術廻戦』、米津玄師と『チェンソーマン』など、ここ数年でたくさんの勝れた組み合わせが生まれてきました。その最新型となるのが、5位のSEKAI NO OWARI「最高到達点」と6位のKing Gnu「SPECIALZ」。キャッチーな四つ打ちと勇壮なホーンの響きでポップサイドのセカオワを存分に表現した「最高到達点」はTVアニメ『ONE PIECE』の主題歌、妖しげな雰囲気をまとったバンドサウンドが印象的な「SPECIALZ」はTVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」の主題歌となっています。
一昔前はタイアップといえばドラマでしたが(そして2023年時点でも今月21位の藤井風「花」のように名曲を生み出す装置として機能しているケースもありますが)、今ではあらゆる大物アーティストがアニメとともに作品をつくる時代になりました。この傾向はおそらく今後しばらく続くと思いますし、これから先どんな組み合わせが登場するのか楽しみです。
■tuki.、とた:進化するシンガーソングライター
本チャートにおいての定番となったシンガーソングライターによる楽曲。弾き語りを基調とするシンプルでストレートな表現は、そのシンプルさゆえにアーティストの実力がもろに出てしまう難しいフォーマットでもあります。最近は玉石混淆っぽくなってきたな…というのも正直な感想ではあるのですが、今月はユニークさを持ったシンガーが上位にランクインしました。
3位に「晩餐歌」をランクインさせたtuki.は、15歳・中学3年生のシンガーソングライター。最近のシーンには珍しく歌唱スタイルからサウンドメイクまで“繊細な”ではなく“壮大な”“力強い”といった表現がぴったりの「晩餐歌」は、TikTokをはじめとするソーシャルメディア上で支持される音楽の形にまたひとつ新しいトレンドを呼び込みそうな予感を漂わせています。
いっぽうで8位にランクインしているとた「紡ぐ」は、丁寧なボーカルと浮遊感のあるサウンドで聴き手の心のひだにじんわりと入ってくるような楽曲。現状のシーンの流れを踏襲しながらも、スピッツやaikoにも通じるような叙情性に今後への期待を託さずにはいられません。
以上、10月のランキングでした。来月もどんな動きがあるのか楽しみです!
TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)
■楽曲リンク
■2023年10月 LINE MUSIC 10代トレンドランキング
01.「唱」Ado
02.「ランデヴー」シャイトープ
03.「晩餐歌」tuki.
04.「ラブソング」マルシィ
05.「最高到達点」SEKAI NO OWARI
06.「SPECIALZ」King Gnu
07.「勇者」YOASOBI
08.「紡ぐ」とた
09.「ANTENNA」Mrs. GREEN APPLE
10.「怪獣の花唄」Vaundy
11.「君のまま」百足 & 韻マン
12.「青のすみか」キタニタツヤ
13.「I’m a mess」MY FIRST STORY
14.「Fast」Sugar Goose
15.「Seven (Clean Ver.) (feat. Latto)」Jung Kook
16.「君は運命の人」舟津真翔
17.「What’s Poppin (feat. LANA)」JP THE WAVY & JIGG
18.「3D (feat. Jack Harlow)」Jung Kook, Jack Harlow
19.「Love Lee」AKMU
20.「アイドル」YOASOBI
21.「花」藤井 風
22.「不可幸力」Vaundy
23.「napori」Vaundy
24.「You & Me」Jennie
25.「Baddie」IVE
26.「ケセラセラ」Mrs. GREEN APPLE
27.「DEAR MY LOVER」Hey! Say! JUMP
28.「花束」back number
29.「GANGSTA LOVE」MC TYSON
30.「ガーデン」藤井 風
31.「向日葵」Ado
32.「クリスマスソング」back number
33.「そんなbitterな話」Vaundy
34.「Yozora」Sugar Goose
35.「W/X/Y」Tani Yuuki
36.「Soranji」Mrs. GREEN APPLE
37.「リカ」SIX LOUNGE
38.「Magic」Mrs. GREEN APPLE
39.「すれ違い」Soala
40.「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」しぐれうい
41.「Super Shy」NewJeans
42.「踊り子」Vaundy
43.「どうでもいい話がしたい」Leina
44.「you are my curse」nyamura
45.「ヒロイン」back number
46.「life hack」Vaundy
47.「ハッピーエンド」back number
48.「東京フラッシュ」Vaundy
49.「God of Music」SEVENTEEN
50.「クラクラ」Ado
51.「アイラブユー」back number
52.「Subtitle」Official髭男dism
53.「Perfect Night」LE SSERAFIM
54.「Wherever you are」ONE OK ROCK
55.「オオカミ」百足 & 韻マン
56.「Never Grow Up」ちゃんみな
57.「高嶺の花子さん」back number
58.「僕に彼女ができたんだ」SHISHAMO
59.「ビリミリオン」優里
60.「恋」back number
61.「人マニア」原口沙輔
62.「fake face dance music」音田雅則
63.「Night Dream」炒炒
64.「オールドファッション」back number
65.「Fallin」清水翔太
66.「燈」崎山蒼志
67.「ファジーネーブル」Conton Candy
68.「ツキミソウ」Novelbright
69.「それを愛と呼ぶなら」Uru
70.「片隅」THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
71.「しわあわせ」Vaundy
72.「B級」ちゃんみな
73.「水平線」back number
74.「青と夏」Mrs. GREEN APPLE
75.「Shape of You」Ed Sheeran
76.「Either Way」IVE
77.「三日月」絢香
78.「ドライフラワー」優里
79.「もう恋なんてしない」槇原敬之
80.「Overdose」なとり
81.「Off The Record」IVE
82.「向日葵」RKID’z
83.「Vacation」K.E.I
84.「ブルーアンビエンス (feat. asmi)」Mrs. GREEN APPLE
85.「承認欲求」櫻坂46
86.「世界の秘密」Vaundy
87.「点描の唄 (feat. 井上苑子)」Mrs. GREEN APPLE
88.「Mainstream」BE:FIRST
89.「愛とか恋とか」Novelbright
90.「Walking with you」Novelbright
91.「美しい鰭」スピッツ
92.「NEO」初音ミク、星乃一歌、花里みのり、小豆沢こはね、天馬司、宵崎奏
93.「pink」シャイトープ
94.「HAPPY BIRTHDAY」back number
95.「深緑」XILA & CHEHON
96.「ハナミズキ (feat. 一青窈) [Cover] [remix]」Albert Connor
97.「Selfish girl」Icekun
98.「おかえり」Tani Yuuki
99.「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ
100.「Late Night Drive」Louis Vision, リルジャップ & 三浦ひな子