■「僕らの夢を叶えるという日々の活動が、皆さんの夢を叶えるための活力になればいいなと思っています」(THE RAMPAGE岩谷翔吾)
2023年10月21日・22日の2日間にわたり、タイのサンダードームスタジアム&サンダードームにて、ワールドクラスの音楽フェス『OCTOPOP 2023』が開催され、THE RAMPAGE 、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVERが出演した。
オーガナイザーであるタイの総合エンタテインメント企業の4NOLOGUEとLDH JAPANは、アジアのエンタテインメントを盛り上げ世界に発信していくことなどを目的としたパートナーシップを今年3月に締結。その具体的な取り組みの一環として、本フェスへの出演が発表されていた。本記事では、3グループのライブの模様をレポートする。
■PSYCHIC FEVER
初日に出演したPSYCHIC FEVERは、初っ端からアッパーな「Up and Down」でエンジン全開のスタートを切る。観客はJIMMYから始まるテクニカルなラップに引きつけられ、小波津志の伸びやかな歌声に酔いしれた。2曲目の「HABANERO」は、タイトルどおりホットで中毒性ある一曲。一度聴いたら忘れられない強烈なフレーズとビートに合わせて、各々の個性を活かしたクールなダンスとラップを届け、会場はPSYCHIC FEVER色に染まっていく。
MCでは、メンバー全員がタイ語で観客に語りかける。WEESAは「今年も『OCTOPOP』に出演できてうれしいです。ありがとうございます」と感謝を述べ、剣は「皆さんにお会いするのをとても楽しみにしていました。会いたかったですか?」と観客に問いかけ、返ってきた歓声に笑顔を見せる。さらに、中西椋雅が「皆さんのためにスペシャルなものをたくさん用意しました」と告げると、小波津志が「次にパフォーマンスするのは僕たちの新曲『Temperature』です。会えない時でもあなたのことを考えると感じる心の熱、胸の高鳴を表現しています」と、新曲をサプライズで初披露した。
満を持して披露した「Temperature(Prod. JP THE WAVY)」は、グループとしては初となるJP THE WAVYプロデュースによる楽曲で、心地よいグルーヴ感と情熱的なリリックが楽しめる恋愛ソング。この曲でPSYCHIC FEVERのあらたな一面を見せ、観客を魅了した。
ここでメンバーはセンターステージへ移動し、ライブはさらに勢いを増す。半田龍臣のリードで「Hand up! Hand up!」と繰り返しコールをしながら「Tokyo Spiral」へ。日本の都市名やランドマークが歌詞に組み込まれた遊び心満点のこの曲で、PSYCHIC FEVERと日本の魅力をしっかりと提示。曲中には、渡邉廉と中西が肩を組み、カメラに向かってピースサインを決める場面も。続く「Spread The Wings」では会場も一体となって声を上げ、盛大な盛り上がりを見せた。
最後は、タイのラッパー・SPRITEとのコラボ楽曲「FIRE feat. SPRITE」。JIMMYが「(この曲が)皆さんの生活の活力になることを願っています。声を出す準備はいいですか?」と問いかけると、小波津の「皆さん協力してください!」という言葉を合図に盛大なコール&レスポンスが始まり、その熱量のまま曲へなだれ込む。曲のクライマックスで「P-S-Y-C-H-I-C FEVER!」と何度も自分たちの名前をコールすると、怒涛の勢いでフォーメーションを切り替えながら、すさまじいシンクロ率のダンスを華麗に披露し、盛り上がりがピークに達したところで自身のステージに幕を下ろした。
■THE RAMPAGE
同じく初日の夜に出演したTHE RAMPAGEは、鮮やかな赤いレザーの衣装で登場。まずは挨拶代わりにデビューシングル曲の「Lightning」を投下。
この時間はあいにくの雨模様だったが、お構いなしに初っ端から暴れ回る姿に、“これぞTHE RAMPAGE!”という圧倒的な強さを感じる。ボーカルのRIKU、川村壱馬、吉野北人は伸びやかで美しい歌声とエッジの効いたラップを聴かせ、観客の心を一気に掴んだ。続く「Summer Riot ~熱帯夜~」で会場はさらにヒートアップ。異国情緒漂うサウンドと情熱的な歌詞に合わせて、艶っぽい表情やしなやかなダンスを見せると、歓声が沸き起こった。
「ROLL UP」が始まると、ここまでのクールな印象とは打って変わって、楽しげな笑顔を見せながらセンターステージに移動するメンバー。山本彰吾と浦川翔平は仲睦まじく肩を組み、陣はステージについた途端に華麗なターンを決めて会場を沸かす。雨の野外という悪条件をものともせず、力強くジャンプをして観客を煽るメンバー。濡れたステージの上で飛沫をあげながら全力で飛び跳ねる彼らの笑顔は、とても眩しかった。
続く「Fandango」でも、飛び跳ねたり叫んだりと、自由にパフォーマンス。与那嶺瑠唯は観客と視線を合わせるように屈みながら笑顔を見せ、岩谷翔吾は鍛え抜いた身体と無邪気な表情のギャップで観客を魅了。鈴木昴秀はトレードマークの緑髪を振りながら激しくリズムにノっていた。
メンバーがメインステージへ戻ると、ここからさらにライブは熱く燃え上がる。LIKIYAは客席を指さしながら熱烈に煽り、神谷健太は爽やかな笑顔とクールなダンスを見せる。藤原樹のしなやかな腰つき、後藤拓磨のダイナミックな体の使い方など、メンバー各々の個性が光るパフォーマンスで、最高の盛り上がりを見せた。
ここで岩谷が、「僕たちは今こうしてタイに来て、世界でも活躍するという夢に近づくために活動しています。皆さんのなかにも夢を持っている人がいると思います。僕らの夢を叶えるという日々の活動が、皆さんの夢を叶えるための活力になればいいなと思っています。今日は少しでもそれを伝えられるように全力でパフォーマンスします!」と、タイ語で観客に思いを届ける。ひと言発するたびに悲鳴のような大歓声が沸き起こり、最後にはあたたかい拍手が送られた。
川村が「行くぞてめぇら!」と力強く煽ると、映画『HiGH&LOW THE WORST』の劇中歌「SWAG & PRIDE」で再びボルテージは急上昇。武知海青は濡れた黒髪を振り乱しながらワイルドに踊り、長谷川慎は挑発的な表情でアグレッシブにパフォーマンス。龍も鋭い眼光と表情で楽曲の力強さを表現する。映画の世界観を体現したような、16人全員での揃ったダンスは観客を圧倒。メンバーはすでに全身びしょ濡れ状態だったが、それが彼らのワイルドさをさらに引き立て、降りしきる雨も最高の演出となっていた。
ラストは、力強いヒップホップナンバー「100degrees」。重厚なトラックにクールなラップを乗せ、再びセンターステージに下りてきたメンバーは、サイファー形式で一人ずつフリースタイルダンスを披露。渾身のパフォーマンスで観客を熱狂させながら終わりを迎えた。
■BALLISTIK BOYZ
2日目に出演したBALLISTIK BOYZは、壮大なSEと眩いレーザーによる派手な演出とともに登場。赤と黒を基調とした鮮やかな衣装に身を包んだ彼らは、信念を問うパワーソング「Ding Ding Dong」を叩きつけ、初っ端からエネルギッシュなパフォーマンスを見せつける。激しさと上品さの両方を兼ね備えたダンスをはじめ、砂田将宏の透明感のある歌声、加納嘉将の華麗なハイトーン、奥田力也の切れ味鋭いラップ、深堀未来の繊細で聴き心地の良い歌声など、見どころ、聴きどころは満載だ。
続いて、映画『HiG&LOW THE WORST X』の劇中歌「We never die」を披露。松井利樹の熱いマイクパフォーマンスと海沼流星のクールかつテクニカルなラップで観客の心に火をつける。メンバーは、広いステージの上手から下手まで駆け回り、客席の隅々にまで思いを届けた。
ここでタイ語のMCコーナーへ。日高竜太(「高」は、はしごだかが正式表記)が「こんにちは!」と大きく挨拶すると、「盛り上がってますか?」「皆さん、もっと!」「最高です!」とフロアを煽る。続いて、「こんにちは、僕たちはBALLISTIK BOYZです!」と全員で声を揃えたあと、砂田が得意の英語を交えて「僕たちは日本から来たボーイズグループで、今日こうして『OCTOPOP』のステージに立つことができて、とても光栄に思っています。来場してくださった皆さん、『OCTOPOP』を運営してくださっているスタッフの皆さん、本当にありがとうございます」と丁寧に感謝を述べた。
そのまま「僕たちのことを知らない方もいらっしゃると思うので、一人ひとり自己紹介する時間をいただけるとうれしいです!」と言って、メンバーがひとりずつタイ語の自己紹介でさらに盛り上げたところで、次の楽曲へ突入する。
タイの人気グループ TRINITYとのコラボ楽曲「Drop Dead feat. TRINITY」が始まったタイミングで突然雨が降り始め、ざわつく会場。しかし、ステージ上の彼らは天気など関係ないとばかりに、さらにボルテージを上げて熱量高くパフォーマンスし、観客の視線を再び釘づけにする。途中、音楽とマイクの音が消えてしまうというトラブルにも見舞われたが、アカペラで歌いながら無音の中でも全員揃ったダンスを踊り続け、BALLISTIK BOYZの確かな実力を見せつける結果となった。曲の後半では、なんとTRINITYもサプライズで登場。レアなコラボパフォーマンスを披露し、盛大な盛り上がりを見せた。
その後も、ラテン要素をミックスしたアッパーチューン「VIVA LA EVOLUCION」や、大人っぽいR&Bナンバー「Animal」と、様々な表情を見せ、タイの観客を虜にしていく。リラックス感の漂うチルなサマーソング「SUMMER HYPE」では、メンバーが雨の降るセンターステージへ降りて、観客のすぐ傍へと近づく。日高竜太のフェイクが力強く響きわたり、会場は高揚感で包まれた。
タイの俳優 GULF KANAWUTとのコラボ楽曲「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」は、ファンへのメッセージソング。彼らの熱い思いを汲んでか、雨のなかでレインコート姿で楽しそうに一緒に踊るファンの姿も見られた。熱い夜はまだまだ終わらない。「Most Wanted」「Front Burner」「Make U a believer」の3曲をリミックスした豪華なメドレーで、会場のテンションは最高潮に。たくさんの手が客席から上がり、彼らの音楽とパフォーマンスに身を委ねていた。
名残惜しそうな様子を見せながらも「PASION」でフィナーレを迎え、ギラギラとした真っ赤なライトが照らすなか、全力で飛び跳ねるメンバー。もちろん観客も一緒に飛び跳ね、会場は完全にひとつになる。最後まで騒ぎ尽くし、晴れやかな表情を残してステージをあとにした。
日本からLDHの看板を背負って臨み、“Love, Dream, Happiness”の理念に基づく全力のパフォーマンスを届けたTHE RAMPAGE、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVER。タイのステージでも確かな熱狂を生み出した彼らは、今後もアジアをはじめとする世界を見据え、最高のエンタテインメントを届けてくれるだろう。
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