■「昔の曲を歌ったのですが、僕は僕。僕の過去も僕やし、これからも自分が良いと思うもの、正しいと思うものをやっていきたい」(錦戸亮)
錦戸 亮がファンクラブ限定ツアー『RYO NISHIKIDO FAN CLUB TOUR 2023 “Untitled”』を開催。10月23日・24日のKT Zepp Yokohamaにてスタートを切った。
ツアーは、10月25日にライブ映像作品がリリースされた『LIVE TOUR 2022 “Nocturnal”』以来約1年ぶり、そしてファンクラブ限定ツアーとしては、 2021年の3月以来、2年半ぶりとなる。
重低音が響き渡るバンドセッションが繰り広げられ、錦戸が登場。グループ時代の楽曲「Your WURLITZER」を歌うと、大きな歓声が巻き起こる。黒のサポーターで左腕を固定した姿で3曲歌ったあと、「鎖骨のほうを骨折してしまって。なんでとか、そんなんもう、ええやん。今日はギターの変わりに、左手を吊りながら歌います」と、苦笑いをしながら、事情を説明した。
「久しぶりに皆さんに手助けしてもらいたい曲なので、ぜひ、お願いします」と、ライブ定番曲の「Tokyoholic」へ。心配そうな観客の空気を感じ取ったのか、右手を上げて笑顔でアピール。「せっかく楽しみにしてたのに、腕吊っとるやないか!」と、間奏でセルフつっこみを挟みつつ、歌い終えたあとはオールスタンディングで混み合う前方エリアに向かって「全員、半歩下がりましょうか。怪我しないでね、ホントに。みんな、鎖骨気をつけて」と、ユーモラスな気づかいを見せた。
前半は「バナナジュース」など独立前の懐かしい曲を立て続けに歌い、「昔の曲を歌ったのですが、僕は僕。僕の過去も僕やし、これからも自分が良いと思うもの、正しいと思うものをやっていきたいので、その意思表示と言いますか」と、選曲の意図を伝えた。
ファンクラブ限定ということで、普段は苦手な素振りを見せながらのMC時間も、積極的に観客に語りかける姿が印象的だった。ライブハウスであり、また、声出しが解禁されてから初のライブということで、熟成された曲と新曲とを迫力あるバンドサウンドで展開した錦戸。ライブを行うときは必ず、新しいアレンジ、新しい曲を用意し、充実した時間を提供する。この夜のライブは、近い距離での交流も含めて、やっと本来の、錦戸が求めていたライブが実現した瞬間でもあった。
「包み隠さず言いますと、本当はここではけて、着替えて、戻ってきて歌う予定でした。でも(左手を固定しているから)着替えられない。だから、このままアンコールを」と最後のMCで告白すると、察したオーディエンスが即座に「アンコール! アンコール!」と一斉に叫ぶ流れに。「なんや、この茶番は(笑)」と言いながらも、「本当に、今日は来てくれてありがとう。そして、アンコールもありがとう(笑)」と、「オモイデドロボー」を楽しそうに歌い、幸福感溢れる空間に仕上げて終演となった。
現在、4枚目のアルバムを制作中であること、また2024年2月からのホールツアー開催を発表し、笑顔でステージをあとにした、錦戸。今ツアーは神奈川、愛知、東京、大阪、福岡、北海道とまわり、11月16日にZepp Hanedaで最終日を迎える。
PHOTO BY 田中聖太郎
リリース情報
2023.10.25 ON SALE
Blu-ray&DVD『錦戸亮 LIVE TOUR 2022 “Nocturnal”』
錦戸 亮 OFFICIAL SITE
https://ryonishikido.com/