■「『死ぬ前の夢みたい』というか、あまり実感がないというか…正直ありがたいとしか言いようがないです」(アイナ・ジ・エンド)
10月21日に、KURKKU FIELDS(木更津)で『円都LIVE』が開催された。
岩井俊二監督と音楽プロデューサー小林武史による音楽映画3作で生まれた楽曲が演奏される一夜限りの特別なライブに、『スワロウテイル』よりYEN TOWN BAND (Vo. Chara)、『リリイ・シュシュのすべて』よりLily Chou-Chou (Vo. Salyu)、『キリエのうた』よりKyrie (Vo. アイナ・ジ・エンド)が出演した。
ステージに⾳楽・映像・ダンス・光・テクノロジー(ドローン)を融合させたライブアートパフォーマンス“en Live Art Performance”も融合し、これまでにないあらたなライブとなった。
日が暮れ薄暗いステージのなか、『円都LIVE』のオープニングを飾るのはKyrie(Vo. アイナ・ジ・エンド)。
『キリエのうた』にて主人公の路上ミュージシャン・キリエを演じるアイナ・ジ・エンドが、実際にKyrie名義でメジャーデビュー、テレビ番組出演をするなどの活動をするなかで、ついにライブステージに登場し、発売中のアルバム『DEBUT』より「キリエ〜序曲」を歌い上げた。
続いて劇中歌「ひとりが好き」「名前のない街」「ずるいよな」などを歌唱、「幻影」ではエモーショナルなダンスを披露し、観客を魅了した。
続いてすっかり暗くなったステージに登場するのは『リリイ・シュシュのすべて』よりLily Chou-Chou(Vo. Salyu)。
Salyuが劇中で演じたカリスマボーカリスト・Lily Chou-Chouとしてステージに蘇り、まず歌うのは「飽和」。続いて「エロティック」「飛べない翼」や「エーテル」などを披露。ラストに「グライド」を歌い上げ、透き通る伸びやかな歌声がKURKKU FIELDSに響き渡った。
『スワロウテイル』よりYEN TOWN BAND(Vo. Chara)が登場。公開から27年たった今でも色褪せることなく日本を代表する音楽映画として語り継がれる『スワロウテイル』。Charaが演じた主人公の歌姫グリコとしてステージに登場すると湧き上がる歓声のなか「Sunday ParK」が歌われた。
続けて「YEN TOWN BANDでーす! 岩井俊二いる〜!?」と会場にいる岩井俊二監督に言葉を投げかけ、「Mama’s alright」「上海ベイべ」などを披露。
最後に「She don’t care」が終わるとアウトロのなか、Kyrieがステージに登場し、音楽に合わせてダンスを披露した。
再びステージに登場したKyrieはそのまま「ヒカリに」を歌唱。「宙彩(ソライロ)になって」ではサビでアイナと観客が一緒になって手を振り、ステージと会場が一体化。ラストには映画主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を歌唱した。
Kyrieが手を振り上げると、真っ暗な夜空に無数のドローンが光り輝き、満点の星空の演出のもと、歌い続けた。
『円都LIVE』のラストを飾るのはYEN TOWN BAND。岩井俊二×小林武史による音楽映画の歴史の始まりを告げる大ヒット曲「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」のメロディとともに歓声が沸きあがるなか歌われ、ドローンの星空と光り輝くステージのなか、会場は感動の渦に。
木更津のKURKKU FIELDSの広大な土地に今も色褪せない名曲が響き渡り、まだ会場が熱気に包まれるなか、本イベントは終了した。
『キリエのうた』の公開を機に実現した岩井俊二×小林武史が贈る音楽映画の歌姫たちが一堂に会したスペシャルライブ。
YENTOWN BAND、Lily Chou-Chou、Kyrieがそれぞれの作品を代表する劇中曲を多数披露し、不朽の名作が現代に蘇るとともに、新たな音楽映画へバトンを繋ぐ奇跡の一夜となった。
なお、2023年12月に『円都LIVE』を、U-NEXTで独占ライブ配信することが決定。詳細は決まり次第改めて発表される。
■YENTOWN BAND (Chara) コメント
以前KURKKU FIELDSでライブをしたときはコロナでライブの規制があって、お客さんは声が出せなかったんですけど、今回は「アイナ可愛いー!」とか歓声が聞こえてきたり、それぞれのステージの演出がとてもよかったです。とても楽しいライブでした。■Lily Chou-Chou(Salyu)コメント
高校時代に『スワロウテイル』を見て、ヴォーカリストと映画の独創的な世界観に魅了されました。今日そのチームの最新作『キリエのうた』のKyrieちゃんを見て、その当時を思い出して、『スワロウテイル』の時にグリコに恋した気持ちを確認して、そして『キリエのうた』のKyrieちゃんのパフォーマンスを見て、また当時(映画とグリコに恋していた)の恋心を思い出しました。
その時間軸(『スワロウテイル』『リリイシュシュのすべて』『キリエのうた』の3作品)のなかに私もいさせていただけるのが、非常に光栄に思いました。
■Kyrie(アイナ・ジ・エンド) コメント
「死ぬ前の夢みたい」というか、あまり実感がないというか…正直ありがたいとしか言いようがないです。Charaさんの後のステージに出るの時、足がガクガクで「あー、帰りたい」っていう気持ちになりました。でも、生で大先輩の歌ってる姿を見れたことと、リハーサルで小林武史さんが音に命を宿すことを教えてくれたこと、岩井さんがリハーサルに来て、「おお」とか言ってくれて、やっぱりお父さんみたいだなと思ったこと、全ての人に愛を教えてもらってきて、本当にありがたいです
■小林武史 コメント
それぞれの作品の時間軸がすごく離れているんですけど、一つに繋がったというか、奇跡的な夜でした。素晴らしくて、最高でした。■岩井俊二 コメント
こんな時がやってくるというのが、感無量です。こんなご褒美がもらえる日が来るなんて、本当に地道に頑張ってきてよかったです。
PHOTO BY 岩澤高雄
『円都LIVE』特設サイト
https://100nengo-art-fes.jp/2023/08/28/ento_live/
『キリエのうた』作品サイト
https://kyrie-movie.com/
アイナ・ジ・エンド OFFICIAL SITE
https://ainatheend.jp/
Salyu OFFICIAL SITE
https://salyu.jp/
Chara OFFICIAL SITE
https://charaweb.net/