■「未来への約束として、大合唱したいと思いますんで、良かったら声をひとつに合わせてください」
2021年の再始動後“初めて”のフルアルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』を3月29日にリリースしたFUNKY MONKEY BΛBY’Sが、同作を引っさげて開催した全国ホールツアー『太陽の街ツアー』。
9月16・17日の東京・J:COMホール八王子ファイナルでホールツアーを完走したが、9月30日、10月1日に沖縄・桜坂セントラルにて『太陽の街ツアー -アンコールLIVE-』を開催し、全国ツアーの幕を降ろした。
平成時代を含めてもファンモンとして初となる夏ツアーで全国を巡ってきたファンモンが最後の場所に選んだのは沖縄のライブハウス。なぜこの場所なのか。それは15年も前に遡る因縁があった。
ファンモンが初めてツアーで沖縄を訪れたのが15年前の桜坂セントラル。今回と同じく、この日もツアー最後の公演だったのだが、開演時間を過ぎ、お客さんが会場を満杯に埋め尽くしているなかで、当時のマネージャーとモン吉、DJケミカルがステージに現れ中止を発表したのだ。ライブ中止の理由はファンキー加藤の体調不良。体の異変を感じたファンキー加藤の診断結果は肺血栓となり、ドクターストップがかかった。
中止にしてしまった悔しさとファンに対しての申し訳なさもあり、同年の年末にリベンジライブを果たすも、今度はライブ中にDJケミカルの足に釘が刺さるというアクシデントに見舞われ、彼らにとって桜坂セントラルは、鬼門として立ちはだかっていた。
その後、順調にセールスを伸ばし、会場が大きくなるにつれてライブハウスツアーもなくなったので、桜坂セントラルから遠ざかっていたが、今回、再始動後の沖縄一発目のステージとして桜坂セントラルが選ばれた。
ライブハウスではホールのステージにあったLEDビジョンの演出もない、人対人の真剣勝負だが、それをファンモンの原点だと言わんばかりに楽しそうにステージを縦横無尽に動き回るファンキー加藤とモン吉のふたり。
ホールツアーでの勢いをそのままライブハウスに持ち込んだ圧巻のパフォーマンスは、ファンモンをライブの人だと認識させるには十分過ぎた。
声出し解禁になり始めての新生ファンモンのステージは、ファンキー加藤とモン吉、そして観客の合唱が折り重なって作り上げられる音楽業界でも極めて稀有な存在感を示していた。
それはやはり、彼らの圧倒的なヒット曲の多さと、最新曲でも決して観客を置いていかない楽曲のポップさと、そのクオリティの高さに加え、ふたりのライブ力が会場の一体感を作り上げているのだと改めて認識させることとなった。
「大阪や名古屋と違って、ワンマンライブとなるとよくて年に1回、2年に1回くらいしか沖縄に来ることがなかなかできないけど、未来への約束として、大合唱したいと思いますんで、良かったら声をひとつに合わせてください」と、会場中が歌い始めた「あとひとつ」の光景は、ファンにとっても、ファンキー加藤、モン吉のふたりにとっても、この夏の忘れられない想い出となったことだろう。
なお、FUNKY MONKEY BΛBY’Sは、12月3日に『WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -2023 TOKYO-』を東京・ガーデンシアターで開催する。
ライブ情報
『WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -2023 TOKYO-』
12/03(日)東京・東京ガーデンシアター
ファンキー加藤 ソロワンマンライブ『I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂』
2024年
04/28(日)東京・日比谷野外大音楽堂
リリース情報
2023.03.29 ON SALE
ALBUM『ファンキーモンキーベイビーズZ』
FUNKY MONKEY BΛBY’S OFFICIAL SITE
http://www.funkymonkeybabys.com/