■アイナ・ジ・エンドのステージに、MVに出演しているアオイヤマダがサプライズ登場!
「音楽」×「アート」×「歴史的建造物」が融合したイベント『TOKYO CHEMISTRY』が、9月30日に東京・築地本願寺にて開催された。
初開催となる今回のイベントは、9組のアートクリエイターによる壮大なインスタレーション、また音楽シーンを席巻する豪華総勢7組のアーティストによる生ライブを披露。国の重要文化財である築地本願寺ならではのロケーションを用いた空間クリエイションは終始圧巻のエンタテインメントを目の当たりにし、約4,000人の観客を魅了した。
開場時間を迎え、まず多くの観客がエントランスでの壮大な流木アートに足が止まる 。 廃材・流木がふんだんに使用されたエントランスゲートアートは、まるで異次元の世界への入口といざなうかのような立ち振る舞いに自然と体が吸い込まれる。
神秘的なゲートをくぐると、そこにはまた目を奪われる植物、お花、和紙、ペイントが融合したアートライブパフォーマンスが繰り広げられており、まだエントランスの前半にも関わらず好奇心と興奮が止まらない状態が続く。
そんな中、入場ゲートを進むと、これこそ“圧巻”という言葉が相応しいとも言える2機の盆栽が来場客を迎え入れてくれた。 隣には、古着が木目込まれた平面かつ立面的で緻密に計算された、まるで錯覚を呼び起こすようなトリックかつサスティナブルなアートが聳え立つ。進むと、繊維で施された更なる繊細なアートが見るものを魅了し、そんな驚きも束の間、通路反対を見ると、約5.4mの巨大な障子にtattoデザインが施された和紙のアートが強固たる存在感を解き放っていた。
思い思いで興奮が収まらぬ中で、ステージエリアを鑑賞していると、目に止まったのが、ステージの左手に、年代モノのオシャレなクラシックカーに、ストリートを髣髴するグラフィティアートが大きく施された車が、アートそのもので展示されており、1枚も2枚も上をいったクリエイションを目の当たりにする。シンメとなりステージの右手には、こちらも大型となる書道のアートが更なる大きなアートギャラリーとして展示され目と心を奪われる。
イベントの高揚感が高まるなか、オープニングアクトとしてNAQT VANEのステージが始まる。NAQT VANEは、数々の有名楽曲を手掛ける澤野弘之がトータルプロデュースを務める次世代の人気を博すアーティスト。近日では映画『唄う六人の女』主題歌に抜擢されるなど注目を集めている。
開演時間となり、イベントの代名詞となるような空間SEに脳裏が魅了され、国の重要文化財である築地本願寺本堂前・大門が観音開きとなり、オープニングパフォーマンスとしてアオイヤマダのステージが披露される。独特の世界観と和紙で製作された衣装は、洗練かつ神秘的で、見る者の心を奪う。
1組目のアーティストはSNSを中心に人気を集める新世代シンガーyama。今回、築地本願寺のイベントということでKeyボード+ストリングスのアコースティック編成で、普段のライブとはまた違う特別な演出を披露し、観客を魅了した。続く2組目のアーティストは、数々の音楽チャートを席巻し今注目を浴びるFurui Riho。パフォーマンス頭、ゴスペルコーラスで鳥肌鳴る歌唱からスタートし、終始、グルーヴ感なるポップなサウンドで熱いステージを披露した。
続く3組目のアーティストのステージが始まる前に、アートクリエイションとしてアパレルブランド「ACUOD」2024ssシリーズのランウェイステージが展開される。築地本願寺という空間の中で行われるランウェイショーは特別なステージとなり、ブランドの世界観含め類稀なるステージとなった。
そして3組目のアーティストとなる水曜日のカンパネラのステージが始まる。キュートかつ華やかな衣装に身を纏い、パワフルかつグルーヴで会場の観客との一体感を生み出し、熱いステージを披露した。
4組目のアーティストは聞く人の暮らしの中にそっと入り込む歌を届ける5人組バンドのwacci。ライブ頭には築地本願寺の外観に圧巻のプロジェクションマッピングが投影され壮大な演出が繰り広げられ、ストリーミング再生1億回再生を突破している「恋だろ」ほか「別の人の彼女になったよ」など、ヒット曲を中心に全6曲のパフォーマンスを披露した。
イベントも後半となり、5組目に登場したのは圧倒的な歌声とメロディワークで魅了するNovelbright。こちらのステージでも壮大なプロジェクションマッピングの演出からスタートし、爆発的にヒットし彼らの代名詞とも言える楽曲「Walking with you」ほか全5曲を披露。圧倒的な存在感を示すステージで観客を歓声の渦に染めた。
そしていよいよフィナーレとなり、今回のイベントでとりを務めたのは、6月29日に大人気の中、東京ドーム公演で約8年の活動に終止符を打った元BiSHメンバーのアイナ・ジ・エンド。ライブ冒頭、華やかであり、どこか哀愁が漂う、その中で生命の強さを感じさせるような洗練されたプロジェクションマッピングでステージが始まる。パワフルかつソウルフルな彼女のステージは冒頭から観客の熱を帯び、見る者すべてを釘付けにした。
ライブ中盤、楽曲「Red:birthmark」で、MVに出演しているアオイヤマダがサプライズで登場。ファンの中では、もしかして?との気持ちで待ちに待ったかのような心の底から溢れんばかりの歓声が会場を埋め尽くした。
感情に身を任せたコンテンポラリーとも取れるふたりのパフォーマンスで特別な演出を披露したアイナ・ジ・エンドは、現在話題となっている岩井俊二が監督を務める音楽映画『キリエのうた』主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を歌唱するなど、築地本願寺の空間の中で、メモリアルなライブを繰り広げ、有終の美を飾った。
今回のイベントは「音楽」「アート」「歴史的建造物(空間)」の融合イベントとあるだけに、”ここでしか見れない””ここだからこそ”といったプレミアムなエンタテインメントが詰まったアートクリエイションが、来場した観客の想像を遥かに超えた展開で、『TOKYO CHEMISTRY』というコンテンツをすべての来場者の頭の中に叩き込まれた。
このたびは東京・築地本願寺での開催だったが、関東近郊はもちろんのこと、全国にも素敵な文化施設やクリエイターが点在しているので、今後どのようにイベントのストーリーが広がっていくのか、引き続き動向に注目だ。
イベントサイト
https://tokyo-chemistry.jp/