■「皆さんと一緒に輝く光を作りたいなと思って。ペンライトだけの話ではなくて、歌ってくれたり、踊ってくれたりすることが全部、光」(SHINee・KEY)
SHINeeが約5年ぶりとなる日本アリーナツアー『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]』を9月30日、さいたまスーパーアリーナよりスタートさせた。
本ツアーは韓国8thフルアルバム『HARD』のリリースに合わせて、6月に韓国・ソウルで行われたコンサートの日本公演となり、11月28日、29日の国立代々木競技場第一体育館まで全国4都市全8公演が行われる。
この約5年、ソロ活動やイベント出演で日本のファンの前に立つことはあったが、SHINeeの単独ライブは2018年2月27日の東京ドーム以来。メンバー全員の兵役やコロナ禍を経て、ようやく“SHINee’s back”の瞬間が訪れた。
パールアクアグリーンのペンライトの光で埋め尽くされた会場が暗転すると、観客はすぐに立ち上がって歓声をあげる。「もう待ちきれない」という想いがすでに溢れている。
そこへKEY、MINHO、TAEMINが登場。UFO型のセットに乗り、天井付近から現れたメンバーに歓喜する観客。TAEMINが「東京! 久しぶりだな」と叫び、1曲目「Chemistry」が始まる。ペンライトの光が波打つ客席を見据えるメンバーの凛とした表情が、メインステージの左右に据えられた巨大モニターに映し出される。
大人なラブソングである曲の世界観に合わせているのだが、5年ぶりにSHINeeの姿を目の当たりにする観客のほうは一つひとつの動きに笑顔と歓声が漏れてしまう。
クロス型のセンターステージが上昇&変形して、メンバーが乗るUFOを包み込むように向かい入れる。ステージに降り立ったメンバーは続いて、マイクスタンドを持ち「Dream Girl (Japanese ver.)」をパフォーマンス。
序盤はアップテンポでダンサブルな楽曲を並べ、SHINeeの真骨頂でもある複雑なフォーメーションダンスも多用。
アルバム『HARD』からの新曲「Like It」では、センターステージの3方向にメンバーがそれぞれ正面を取り、細かなステップを刻む姿をできるだけ観客の近くで見せる場面などもあった。
最初のMCでは、ここまで楽曲に合わせた表情をキープしていた3人にも一気に笑みがこぼれる。
「こんばんは、SHINeeです!」と声を合わせて挨拶したのち、TAEMINは「皆さん、久しぶりです。元気ですか? 僕は元気です。本当に会いたかった!」と思いの丈を叫ぶ。
MINHOは「いらっシャイニー」と「いらっしゃい」と「SHINee」をかけた日本語ならではの挨拶に、「久しぶり(笑)」としみじみ。KEYは「こうやってまた皆さんの笑顔をSHINeeとして見ることができてうれしい」と久々の再会を喜んだ。
改めてKEYはタイトルの“PERFECT ILLUMINATION”について説明。
「いつも自己紹介の時に『輝くSHINeeです』って言うけど、ここ(ステージ)から輝くことではなく、皆さんと一緒に輝く光を作りたいなと思って。ペンライトだけの話ではなくて、歌ってくれたり、踊ってくれたりすることが全部、光」と、ファンとともにライブを作りたいという想いを伝える。
そのタイトルを実現する、ステージと客席が一体となったライブがここからさらに加速していく。
次のブロックでは曲ごとに効果的な演出を施し、SHINeeの持つ多彩な魅力を際立たせていく。
イスを使ったパフォーマンスを、センターステージを回転させてさまざま角度から楽しめるように披露された「Good Evening」では、観客のコールと手拍子も合わさって最高の一体感が生まれる。
激しいレーザーの光と炎の特効が交錯した「Body Rhythm」では、MINHOが花道を歩きながら上着を脱ぎ捨てて鍛えられた上腕を見せつける場面もあり、体のしなやかさを強調するセクシーなダンスで会場の熱をさらに上昇させる。
続くアルバム『HARD』からの新曲「JUICE」は、一転して力強さをアピール。重いリズムに乗せたヒップホップダンスナンバーで会場を揺らした。
2回目のMCでは、メンバーそれぞれの近況も報告。
9月にソロ2ndセカンドミニアルバム『Good & Great』をリリースしたばかりのKEYは、実はアルバム『HARD』の制作後すぐに準備に入っていて、多忙を極めていたことを明かす。その努力する姿に力をもらったというTAEMINも、ソロ活動に向けて準備をしていてMV撮影をしたことなども伝え、MINHOもドラマの撮影中と、個々としても活躍の場が広がっていることを伺わせた。
中盤はSHINeeの代表曲と言える楽曲で盛り上げつつ、日本オリジナルの楽曲「Downtown Baby」はメンバーと観客との距離をより縮める演出を伴って届けられる。
KEYが「皆さん、一緒に歌って!」と呼びかけると、会場は大合唱に。その流れでファンへの感謝の気持ちを伝えるメッセージソングの新曲「The Feeling」も披露され、メンバーとファンとの絆が固く結ばれる。
さらにSHINeeが歌い踊る映像のあとは、ファンにとって思い入れの強い楽曲が並ぶ。特に、この日本ツアーのために用意された「Diamond Sky」では、メンバー、観客が共にSHINeeのシンボルでもあるダイヤモンドの形を指で作り、空に想いを届けるように声の限りに歌う姿が深く印象に残った。
そしてライブもいよいよ終盤。最終ブロックはメンバーの心からの歌声を乗せたバラード楽曲で飾る。1音1音、丁寧に紡がれる歌声に、観客は聴き入り、1曲終わるごとに大きな拍手を送る。
「An Encore」では前半ピアノの音色に乗せたやわらかな歌声から、サビの感情を揺さぶる歌声まで、1曲の中でもそれぞれのフレーズに込めた気持ちの変化が伝わってくる。紙ふぶきが舞い散る中で、その想いの全てを乗せたような歌声がいつまでも耳に残るエンディングとなった。
アンコールは、アルバム『HARD』のタイトル曲「HARD」をMVでも着用している衣装を着て、カリスマ性を存分に見せつけるパフォーマンスでステージに戻ってくる。印象的なピアノのイントロから始まり、さまざまのジャンルが融合したダンスナンバー。“これぞSHINee”という高難度の楽曲で、観客を再び釘付けにした。
他にも、観客と近い距離で数曲を披露し、最後の最後まで楽しみを届けたメンバー。
「今日からツアーが始まりましたね。新しい思い出を作ることが楽しみですし、これから皆さんにもらった愛をお返しすることができるように頑張ります」(TAEMIN)。
「今日がスタートの時です。たくさん来てくれてありがとうございます。皆さんの声と笑顔が本当にうれしかったです」(MINHO)。
「昔みたいにまた一年に何回も会えることができるように頑張ります。一緒に歌えることも、笑顔が見えることもすごくうれしいです」(KEY)と、それぞれに感謝と喜びを観客に伝え、「これからずっとやるから」(TAEMIN)と約束し、ツアーの初日を終えた。
そして、2日目の公演では、‟これからずっと“を有言実行とする2024年2月24日、25日の東京ドーム公演の開催がメンバーから発表。
ここから始まるツアーに、来年のドーム公演まで、SHINeeとの楽しい時間が続きそうだ。
ライブ情報
『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME』
2024年
02/24(土)東京・東京ドーム
02/25(日)東京・東京ドーム
SHINee OFFICIAL SITE
http://shinee.jp/