TEXT BY 筧 真帆(日韓音楽コミュニケーター)
EVENT PHOTO BY JYP ENTERTAINMENT
■野獣アイドル・2PMがカムバック!
日本デビュー10周年を迎える2PMが、パワーアップして帰ってきた。
筋肉美とワイルドなパフォーマンスで魅了する“野獣アイドル”として、K-POP界の一時代を築いたのち、2016年秋から兵役のためグループ活動を一時休止。そして、全員が揃った今年、5年ぶりに活動を再開させた2PM。
本国では6月28日にアルバム『MUST』を発表し再始動しているが、いよいよ日本でもミニアルバム『WITH ME AGAIN』を発売する。
それに先駆け、Jun. Kが詞曲を手がけた表題曲「僕とまた」のMVが公開。
“僕とまた恋に落ちてみるのはどう?”と、ストレートな歌詞としなやかなダンスで、甘く優しく誘惑する。切なさと強さが共存するサウンドはまさに2PMっぽさに溢れ、サビ後半のファルセットが耳にリフレインするような印象強い仕上がりだ。
さらに、先日10年ぶりというテレビ朝日の『ミュージックステージョン』にリモート出演し、気さくな日本語トークで“らしさ”を見せている。
本日「ミュージックステーション」にて2PMの新曲「僕とまた」を初披露させて頂きました🎤
10年ぶりにまた出演できてたくさんの方にご覧いただけてとても光栄です。
皆さんの温かい応援いつもありがとうございます!#Mステ#2PM#2PMisBACK#WITHMEAGAIN#僕とまた pic.twitter.com/aReLRq8z3C— 2PM Japan Official (@follow_2PMJP) September 10, 2021
■絆をたしかめ合った『DEAR HOTTEST』
この5年の間でK-POPの状況も大きく変わり、彼らの活動休止以降にK-POPのファンになった人もいるだろう。
そこで彼らの魅力を知るべく、韓国から世界へ向けて開催されたオンラインファンミーティング『DEAR HOTTEST』の様子を交えながら、2PMの魅力に迫りたい。
9月4日17時。黒いスーツ姿で登場した6人が最初に披露したのは、「I’m your man」(韓国語ver.)。
元は日本オリジナル曲(2ndシングル)で、ネクタイを使ったパフォーマンスがライブでも大人気となり、韓国語版も制作された曲のため、日本ファンにはうれしい選曲だろう。曲の後半にはシャツの胸元を一斉に開き、1曲目からセクシー全開だ。
歌い終わってトークに入ると、数分も経たないうちに全員が喋り出してワッチャワチャ。昔から変わらない、この自然体が2PMである。世界で活躍するグループらしく、ニックンがタイ語、テギョンが英語、ウヨンが日本語で挨拶、ジュノは中国語でメッセージを送った。
ちなみにタイ出身メンバーのニックンは、K-POPでの外国人メンバーの先駆けで、タイからK-POPへ加入する道を切り開いた立役者でもある。
ファンミーティングは、思い出トークやクイズをはじめ、音楽を使ったゲーム、手紙のコーナーなど、全部で約3時間という大サービス。
序盤のクイズコーナーでは、日本ツアー中に100回目のライブを迎えたことや、自由が丘のハンバーガー屋で雑誌の取材を受けたことを懐かしそうに話したメンバー。こうして日本でのエピソードをよく覚えていてくれることはありがたい。
中盤のゲームコーナーでは、その勝敗に関係なく、ASMRで歌ったり、曲に合わせた顔芸を披露したりと、罰ゲームすらも積極的に楽しんでいて、サービス精神は脱帽もの。終わる頃には全員がジャケットを脱ぎ、テギョンはシャツの背中がビッショリになっていたほどだ。
■“ワイルド”から“大人セクシー”へ。2PMしか出せない艶っぽさ
彼らを見ていると、仲の良さはもちろんのこと、デビュー10年超えのアーティストになっても、何事も全力で楽しむ、まっすぐで驕りのない人間性に魅せられていく。
2PMの生みの親である、JYPエンターテインメント創始者のJ.Y. Park氏は、NiziUを生んだオーディションプロジェクト“Nizi Project”でも数々の名言を残したことで知られているが、良いアーティストになるための条件に、“真実、誠実、謙虚”を挙げたことは有名だ。
2PMの6人は、まさにその“JYPイズム”を体現していることがよくわかる。ワチャワチャしながらもお互いのトークを気づかい、ファンのコメントも随時拾って交流する。オンラインの壁も徐々になくなっていくようだった。
後半は、「My House」のアコースティックバージョンでライブを再開。Jun. Kの伸びのある歌声を軸に、皆がセッションするように歌い合う。
この「My House」の通常バージョンは、2015年にリリースされた後、“女性をエスコートする男らしい曲”として注目が集まり、グループ休止中にも関わらず、5年を経た2020年になって大ブレイク。最近では2PMのように男っぽさを前面に出したグループが不在なことから、改めて魅力を再認識された結果と言える。
さらに、韓国の最新アルバム『MUST』から「Moon & Back」「Hold You」「Make it」と大人っぽさを纏った楽曲たちを披露、ラストは初期の大ヒット曲「Hands Up」でアッパーに盛り上がり、オンラインのコメント欄もハンズアップのスタンプで満たされ、画面越しに一体感を生んでいた。
男らしさを一貫してきた2PMも30代を迎え、“ワイルド”から“大人セクシー”の幅を身に着け、これからも私たちをドキドキさせてくれるだろう。
2PMの第二章は、始まったばかりだ。
リリース情報
2021.09.29 ON SALE
MINI ALBUM『WITH ME AGAIN』
2PM JAPAN OFFICIAL SITE
http://www.2pmjapan.com/
『WITH ME AGAIN』特設サイト
http://www.2pmjapan.com/with-me-again/