■「本当に夢のようです。世界中から俳優や監督が集まるこんな場所に招待してもらえるとは思ってもみなかったので、この作品に連れてきていただいたという気持ちです」(中島裕翔)
映画『#マンホール』が、現在開催中の『第73回ベルリン国際映画祭』(2月16日~2月26日)の「ベルリナーレ・スペシャル部門」に正式招待され、主演を務める中島裕翔(Hey! Say! JUMP)と熊切和嘉監督が日本時間2月21日にベルリンに登場。世界の映画ファンが見守る中レッドカーペットを闊歩し、記者会見では中島が英語で対応。上映後にはQ&A(質疑応答)にも参加した。
前日に行われた海外プレス向けの試写会では、マンホールのなかという限られたシチュエーションのなか、ほぼひとりで刻々と変化していく人間の姿を演じ上げた中島の演技に対し「最高だったよ。普通の男性がどんどんクレイジーな人間になっていくさまを、泣いたり叫んだりしてよく演じ切っていた」「観客の視線は彼にくぎ付けだったね」など絶賛の声を集めていた。
■中島裕翔ベルリンの地でもアイドル姿は健在!爽やか笑顔でフォトコール!
はじめに中島と熊切が現れたのは、マスコミ向けのフォトコール。海外メディアに囲まれ、最初は緊張した面持ちの中島だったが、徐々にマスコミからの英語での声かけにも指差しをしながら中島らしい爽やかな笑顔で応え、「ラブリー! キュート!」の声を巻き起こすなど、トップアイドル姿はベルリンでも健在!。集まった人々を魅了していた。
■中島裕翔、流暢な英語で海外メディア向けに会見!「本当に夢のよう」
次にマスコミ向けの記者会見に登場した中島と熊切。まず、脚本について聞かれると熊切が「元々は岡田(道尚)さんが1年間くらい練ったプロットを読ませてもらって、最初は今まで自分が撮ってきた作品とは少し感じが異なっていたのでとまどっていたんですけど、何度も繰り返して読んでいくうちに狭い空間で描かれた作品ではあるけれど非常に広がりのある作品だと思い、これはぜひ映画にしたいなと思いました」とコメント。
マンホール内という特殊な環境での撮影について聞かれた中島は「1ヵ月間ずっと狭くて暗いセットのなかでの撮影はすごく大変でしたね。最初に脚本をもらったとき、まずタイトルを見て“マンホール!? ほんとに!?”って驚きました(笑)。しかも男がマンホールに落ちて脱出しようと試みる話。こういう役をやってみたいという気持ちもあったけど、汚い泡に囲まれたり今までやったことないようなことばかりでトリッキーな撮影でしたね。肉体的にも精神的にも大変な撮影でした」と流暢な英語で回答。
ベルリンを訪れた感想を聞かれた中島は「本当に夢のようです。世界中から俳優や監督が集まるこんな場所に招待してもらえるとは思ってもみなかったので、この作品に連れてきていただいたという気持ちです」と喜びを語った。
『鬼畜大宴会』(1997年)で『ベルリン国際映画祭』のパノラマ部門に招待されていた熊切。今回ベルリナーレ・スペシャル部門正式招待という形で再びベルリンの地を訪れた心境を聞かれると「最初のベルリンの時は(クエンティン・)タランティーノ監督が『ジャッキー・ブラウン』でレッドカーペットを歩いていて、僕の映画のフライヤーを渡そうとしたんですけど受け取ってもらえなくて…、サミュエル・L・ジャクソンさんが受け取ってくれたんですけど(笑)。その同じレッドカーペットを歩けると思うとすごく感慨深いですね」と、世界中の名だたるスターたちが訪れる『ベルリン国際映画祭』ならではのエピソードを披露しながら答えた。
劇中で非常に重要なツールとして登場するSNS。普段SNSを使っているか聞かれた中島は「僕は日本のHey! Say! JUMPというグループのメンバーなのですが、僕たちはInstagramとYouTubeのアカウントを持っています。僕はただそれを見ていることが多いですね。でも観客の皆さんが作品をどう思っているかを知れたりするのでそういうときに活用したりします」と回答。
メディアからの質問にも難なく英語で受け答えをしていた中島は今後の海外進出への展望について「もともと英語を習い始めたきっかけが、海外でのお仕事への野望があったからなので、ゆくゆくは海外の作品にも挑戦したいと思っています」と思いを明かし、さらに音楽の仕事と俳優の仕事、どちらが好きかという難しい質問にも「僕としては両立させたいと思っています。事務所もそうさせてくれますし、素晴らしいことだと思います。俳優業のおかげで充実しているし、もちろんアイドルでいることも好きです。でも演じることは大好きですね。演じていると違う人間になれるし、今回の作品でも川村という人間はダークで本能的な面も持ち合わせています。僕はこれまでそういった役を演じたことがなくて、チャレンジしてみたかったので、この役ができて幸せです」と真剣な表情で答えた。
大舞台でありながら時折ジョークも交え終始英語で真摯に質問に受け応えする中島の姿に、会場は温かく和やかな雰囲気のまま会見は終了した。
■タキシード姿でレッドカーペットを堂々闊歩!
そしていよいよベルリン国際映画祭のメイン会場となるBerlinale Palast(ベルリナーレ パレスト)のレッドカーペットに中島と熊切監督が登場。中島はブラックのタキシードを身を纏い、アン・ハサウェイやクリステン・スチュワートら大スターも数日前に歩いた大舞台を堂々と闊歩。
中島はレッドカーペットを歩いた感想を聞かれると「とても楽しかったです! レッドカーペットは人生で初めてなんです。『釜山国際映画祭』のときも歩く予定はあったんですけど、フライトの関係で歩くことができなかったので、目に映るもの全てが新鮮で、ベルリン国際映画祭は三大映画祭のひとつでもありますし、すごく華やかな場所で、日本の作品としても7年ぶりに招待していただいたということもあっていろいろなものを背負ってレッドカーペットを歩かせていただいたという気持ちです」と興奮冷めやらぬ様子でコメントした。
■Q&Aに参加
その後、Kino International(キノ インターナショナル)にて行われた公式上映では会場は満席に。上映終了後には、会場が大きな拍手と歓声に包まれるなか、中島と熊切監督が舞台上に登壇し鑑賞し終えたばかりの観客からの質問に答えた。
Q:この映画にはどのような思いが込められていますか?
熊切:人間はきれいごとだけでは片付けられないと思っていて、ある種極限状態に陥ったり、SNSのような匿名状態で悪意が芽生えたりすることってあると思うんですけど、それを隠すのではなく表現としてありのまま見せることによって、そことの付き合い方を覚えていくということが大事なんじゃないかなと思ってこの映画を作りました。
Q:川村が舞と電話をしているときに流れている音楽はどのような意図があって選ばれたのですか?
熊切:あれは舞の車のなかでかかっている曲という設定なんですけど、映画のなかに異化効果というか、あえてミスマッチな曲をつけることによって、さらに不思議な深みが出るんじゃないかとそういう狙いがあってあの曲をつけました。
さらにQ&A後には、現地に駆け付けた日本のメディア向けの取材にも応じたふたり。上映を終えたばかりの感想を聞かれると中島は「現地の方々と一緒に作品を観て、どんな反応がもらえるのか、この瞬間がいちばん楽しみにしていた瞬間だったので。日本では珍しいシチュエーションスリラーという作品ではあるんですけど、海外では多く観られていると思うので、海外の方たちがどういうリアクションをするのかっていうことがすごく楽しみでした。僕は結構心配性なのでいろいろとネガティブな方に考えてしまいがちですけど(笑)、こんなに温かい拍手と各所から笑い声もたくさん起こったので、笑いが起こるポイントがいい意味で日本とちょっと違って独特だなと思って、一緒に観ていてすごく楽しかったですし、あの時間が最高でした」と感慨を語った。
熊切は「僕は割と今までの作品はお客さんが沸くようなタイプの映画を撮っていなかったので(笑)、今回は比較的エンターテイメントなので、思った以上に反応が良くて嬉しかったです」とコメントした。
超過密スケジュールの行程だったが、常に笑顔を絶やさず『ベルリン国際映画祭』という大舞台の一瞬一瞬を噛みしめるようにしながら走り抜けた中島裕翔と熊切和嘉。両者にとってチャレンジングだったとも言える本作が、今回の『第73回ベルリン国際映画祭』で世界中に認められることとなった。映画『#マンホール』は絶賛全国公開中。
(c)2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
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映画情報
『#マンホール』
全国公開中
監督:熊切和嘉
原案・脚本:岡田道尚
出演:中島裕翔、奈緒、永山絢斗 他
制作プロダクション:ツインズジャパン
製作幹事・配給:ギャガ
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映画サイト
gaga.ne.jp/manhole/
Hey! Say! JUMP OFFICIAL SITE
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