■マスク着用での声出しが緩和され、メンバーも客席も収拾がつかないほどの大盛り上がりに
EXILE THE SECONDが2月10日、広島文化学園HBGホールで『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023 〜Twilight Cinema〜』の初日公演を開催した。
コロナ禍を経て完全復活を目指すLDHエンターテインメントを牽引すべく、2023年最初の全国ツアーの口火を切ったのはEXILE THE SECOND。単独ツアーとしては5年ぶりということもあって、ファンはもちろん、メンバー自身も待ちに待っていたライブの開幕だ。今回はEXILE THE SECONDにとって初のホールツアーでもあり、実際にその景色を目の当たりにするとステージと客席の距離が驚くほど近い。マスク着用での声出しも緩和され、オープニングと同時に弾けるような歓声が会場を包み込んでいた。
1曲目は、2020年にEXILEとの両A面シングルとしてリリースされた「瞬間エターナル」。ライブ開演前の取材で、メンバーは口々に「お客さんの声を聞けることが何よりも楽しみだ」と語っていたが、おそらく全員の想像を遥かに超える熱量の声援が沸き起こっていた。煌びやかなシャンデリアと、赤を基調としたレトロモダンなステージ。バンドのエモーショナルなサウンドも相まって、ここ“Twilight Cinema”の世界観にどんどん引き込まれていった。抜群の切れ味ながら、喜びが溢れ出てしまったかのような5人のパフォーマンスも最高だ。
日々いろいろな作品が上映される映画館のように、今回のライブはチャプターごとにテーマや演出が変わっていくという演出。AKIRAとNESMITHがギターを掻き鳴らし、SHOKICHIが激しいマイクパフォーマンスを見せた「THE FOOL」などが披露されたチャプターは、ロックでハードな魅力が全開に。また、約3年半ぶりとなるSHOKICHIソロ名義での新曲「カゲロウ」が初パフォーマンスされたチャプターでは、今回のライブのテーマでもある“出会いと別れ”を春夏秋冬の景色に織り交ぜながら表現。この新曲についてSHOKICHIは「このライブで表現される悲しみのピークで歌えたらというイメージで作った」と語っていたが、アコースティックギターを弾きながら一言ひと言を丁寧に、そして行き場のない悲しみをメロディに落とし込むようにして歌われていたのが印象的だった。
ライブの後半は、客席とのコール&レスポンスを存分に楽しみながら進行。おなじみの「Choo Choo TRAIN」で会場がひとつになると、タオルを振り回す「Going Crazy」では、もはやメンバーも客席も収拾がつかないほどの大盛り上がりを見せ、SHOKICHIが曲をストップさせて仕切り直すなど、“これぞライブ!”といった見どころも満載となっていた。
本編ラストに歌われたのは、先行配信されたばかりで、2月22日にCDもリリースされる新曲「Twilight Cinema」。引退した黒木啓司を送り出すという別れもあったが、どんな夜の向こうにも新しい一日があり、夜明けの薄明かりが射してくるように、ここからさらなるエンターテインメントの光を見つけていくんだという、EXILE THE SECONDの美しい決意が込められたパフォーマンスが繰り広げられた。
5年という長い時間、自分たちの単独ライブを待ってくれていたこと。その間も、ライブ鑑賞のルールをしっかり守ってくれていたこと。様々な形に変化してきたEXILE THE SECONDをずっと応援してくれたこと。そうした想いを受け止め、とにかくファンに感謝を届けたいという気持ちでホールを巡ることになった今回のツアー。お互いが肉眼で見えるという利点を生かし、事前取材でも5人の歌とダンスと表現力で勝負すると胸を張っていた。EXILEのライブとは違うMCも楽しみのひとつだったりするが、特にテーマに沿った世界観の構築や、個々のアイデアやスキルが存分に活かされた演出面などが素晴らしく、EXILE THE SECONDならではの魅力がたっぷり詰まっているライブだった。広島での初日公演を経て、このツアーがここからどう育っていくのか楽しみだ。
リリース情報
2023.02.02 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Twilight Cinema」
2023.02.22 ON SALE
SINGLE「Twilight Cinema」
EXILE THE SECOND OFFICIAL SITE
https://t-second.jp/