誰がセンターに立っても申し分ないメンバーが揃う、アンジュルム。どんな楽曲も巧みに表現する歌やダンスの実力を持ち、“最強”という言葉がふさわしい彼女たちについて、プロフィールや楽曲の魅力などを徹底解説する。
■アンジュルムとは?
アンジュルム(ANGERME)
・結成日:2009年4月4日
メンバー:竹内朱莉、佐々木莉佳子、上國料萌衣、川村文乃、伊勢鈴蘭、橋迫 鈴、川名 凜、為永幸音、松本わかな、平山遊季(2023年1月現在)
・OFFICIAL SITE http://www.helloproject.com/angerme/
・Twitter https://twitter.com/angerme_upfront
・Instagram https://www.instagram.com/angerme_official/
・TikTok https://www.tiktok.com/@angerme_uf
・YouTube https://www.youtube.com/@angerme
シーンを牽引する数々の女性アイドルを生み出してきたハロー!プロジェクト。
その中でもアンジュルムは、全メンバーが高いパフォーマンス力を持つ実力派として、大きな注目を集めている。2023年1月現在、竹内朱莉、佐々木莉佳子、上國料萌衣、川村文乃、伊勢鈴蘭、橋迫 鈴、川名 凜、為永幸音、松本わかな、平山遊季の10人体制で活動しているが、リーダー・竹内朱莉が2023年の春ツアーをもって卒業を発表している。。
アイドルらしいキュートな雰囲気をまとうこともあれば、クールかつ艶っぽい美しさで翻弄するなど、幅広い楽曲に合わせるのはもちろんのこと、その時々のメンバーを受容することで、様々な表情・個性を輝かせているのがアンジュルムである。
結成は2009年4月と歴史のあるグループでもあり、ハロー!プロジェクトの研修生(当時のハロプロエッグ)メンバーで結成。元々はスマイル(笑顔)とエイジ(世代)を合体させた造語“スマイレージ”というグループ名で活動していた。
インディーズでの活動後、2010年5月に「夢見る15歳」でメジャーデビュー。同年12月には『第52回日本レコード大賞』の最優秀新人賞を受賞した。
▼夢見る 15歳
現在のグループ名・アンジュルムに変わったのは、2014年12月のこと。新グループ名は公募で1万点以上集まった名前をもとに、中西香菜(2期メンバー、2019年12月10日卒業)が名づけたもので、フランス語の“ange(天使)”と“larme(涙)”を組み合わせ、“天使のような優しい心で、いろんな涙を一緒に流していこう。”という意味が込められている。
音楽性は、目の前の日常に軸足を置いたハロプロらしい世界観を持ちながらも、女性の凛とした強さや自分らしく生きることをテーマとしたものが多い。
楽曲のメッセージ、彼女たちのパフォーマンス力や自身を貫こうとする姿勢などから、女性人気も高く、ライブによっては会場の約半分が女性ファンで埋まることも。さらに、蒼井 優や菊池亜希子(この2名はアーティストブック『アンジュルムック』(2019年)でダブル編集長をつとめ、笠原桃奈の写真集『Dear sister』でもタッグを組んでいる)、橋本 愛などがファンを公言している。
■どんなキャラ?メンバープロフィール
竹内朱莉(たけうち あかり)
・ニックネーム:タケちゃん
・生年月日:1997年11月23日
・出身地:埼玉県
・特技:書道・硬筆(正師範)
・座右の銘:全力前進
・メンバーカラー:ブルー
・Instagram https://www.instagram.com/akari_takeuchi.official/
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-amerika
2008年にハロプロエッグに加入し、2011年よりスマイレージに加入。アンジュルム2代目リーダーには2019年6月に就任した。後輩メンバーも意見を言いやすいグループの空気づくりを大切にしており、メンバーからの信頼も厚い明朗快活な人物。楽曲ではフェイク部分を任されるなど、圧倒的な歌唱力でグループのパフォーマンスを支える。様々なバラエティ番組への出演や雑誌『S Cawaii!』で書道の連載も行う。
川村文乃(かわむら あやの)
・ニックネーム:かわむー
・生年月日:1999年7月7日
・出身地:高知県
・特技:カツオをさばくこと
・資格:1級マグロ解体師(日本で9人目、女性初の免許取得者)
・座右の銘:諦めるよりもこだわり抜く
・メンバーカラー:ライトパープル
・Instagram https://www.instagram.com/ayano_kawamura.official/
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-ss-shin
2016年からはハロプロ研修生に加入。アンジュルムへの加入は2017年6月で、現在はサブリーダーを務める。長い手足を活かしたダンスと変幻自在な表情が特に舞台映えする人物。高知県観光特使、高知市PR大使に就任中。アイドルらしいキュートな雰囲気ながら、日本で9人目、女性初の1級マグロ解体師の資格を持つ。
佐々木莉佳子(ささき りかこ)
・ニックネーム:りかこ
・生年月日:2001年5月28日
・出身地:宮城県
・好きな音楽:ハードロック、ハードメタル
・座右の銘:初志貫徹
・メンバーカラー:イエロー
・Instagram https://www.instagram.com/rikako_sasaki.official/
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-ss-shin
2013年よりハロプロ研修生に加入。2014年10月にアンジュルムメンバーとして活動を始める。同年より雑誌『ピチレモン』の専属モデルも務め、同誌休刊後は2020年2月まで『Seventeen』の専属モデルとして活動。2021年よりファッション誌『CanCam』の専属モデルに。表現力豊かなダンスでグループのパフォーマンス力を牽引している。
上國料萌衣(かみこくりょう もえ)
・ニックネーム:かみこ
・生年月日:1999年10月24日
・出身地:熊本県
・座右の銘:笑う門には福来る
・メンバーカラー:アクアブルー
・Instagram https://www.instagram.com/moe_kamikokuryo.official/
プラチナ期のモーニング娘。に憧れ、2014年にオーディションを受けるも落選。その頃に聴いたアンジュルムの「大器晩成」に心を打たれ、アンジュルムのオーディションを受けて合格し、2015年に加入した。バラエティー番組『あざとくて何が悪いの?』への出演をきっかけに、圧倒的なビジュアルと歌唱力が話題に。『ヒルナンデス!』の水曜シーズンレギュラーや雑誌『bis』レギュラーモデルや、4年連続でマクドナルド「マックフルーリーⓇ」出演等、個人でのメディア露出も多い。
伊勢鈴蘭(いせ れいら)
・ニックネーム:れら、れらぴ、いせぴん、れらたん
・生年月日:2004年1月19日
・出身地:北海道
・メンバーカラー:オレンジ
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
幼い頃から宝塚に憧れ、宝塚歌劇団を目指していたこともあるという伊勢鈴蘭。彼女は2018年10月にオーディションに合格、11月よりアンジュルムのメンバーとなった。日本初のアイドルとも称される明日待子から日本舞踊を習っていたという彼女は、手足の先までしなやかで美しいダンスと、まだ10代ながら大人っぽくエレガントな雰囲気を持つのが特徴。MVやライブでも抜群の存在感を放っている。
橋迫 鈴(はしさこ りん)
・ニックネーム:りんちゃん、りんりん
・生年月日:2005年10月6日
・出身地:愛知県
・座右の銘:好きこそ物の上手なれ
・メンバーカラー:ピュアレッド
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
2016年8月に川村文乃や横山玲奈(モーニング娘。’23)らとともにハロプロ研修生に加入。2017年に参加した研修生発表会では、℃-ute「まっさらブルージーンズ」でキャラクター賞を受賞。自身の祖母宅で寿司を食べながらのメンバー昇格発表というサプライズとともに、2019年7月よりアンジュルム加入。ショートカットをトレードマークとして、安定したパフォーマンス力でグループを支えている。
川名 凜(かわな りん)
・ニックネーム:ケロンヌ、ケロ
・生年月日:2003年年12月6日
・出身地:千葉県
・座右の銘:迅速果断
・メンバーカラー:グリーン
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
2020年に開催されたアンジュルムのオーディションに合格し、11月に加入。カエルが大好きなことから、“ケロンヌ”というニックネームやカエルの絵文字をブログ等で愛用中。中学、高校では吹奏楽と管弦楽に触れ、音楽的な素養を培ってきたことから、歌もダンスも成長スピードが抜群のメンバーだ。
為永幸音(ためなが しおん)
・ニックネーム:ためちゃん、ため、しおんぬ
・生年月日:2004年2月9日
・出身地:長野県
・座右の銘:笑顔は人を幸せにする
・メンバーカラー:ピンク
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
2017年12月よりハロプロ研修生に加入し、2020年7月の研修生発表会ではダンス賞を受賞。同年11月、アンジュルムに加入した。約3年の研修生時代に培ったパフォーマンス力は新人時代から安定。どんな楽曲も全力で踊り切り、世界観を的確に表現するダンスは目を引くものがある。大人びた見た目とは裏腹に、ドッキリ企画などにも果敢に挑戦。“しおんぬ大暴れ”とも言われるギャップも彼女の魅力のひとつ。
松本わかな(まつもと わかな)
・ニックネーム:わかにゃ
・生年月日:2007年9月1日
・出身地:神奈川県
・座右の銘:継続は力なり
・メンバーカラー:白
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
スマイレージ時代からアンジュルムのファンだったという松本わかな。2020年のオーディションに合格し、川名や為永とともにメンバーとして加入した。小柄な体から放たれる伸びやかで声量のある歌声は、すでに竹内や上國料に負けず劣らない歌唱メンバーと言っても過言ではない。ライブの定番曲「大器晩成」の大サビ前で松本が歌うシーンは圧巻。新聞で書評コラムを書くなど、ステージ以外でも才能の豊かさに目を見張るメンバー。
平山遊季(ひらやま ゆき)
・ニックネーム:ぺいぺい、ぺい
・生年月日:2006年7月25日
・出身地:神奈川県
・座右の銘:継続は力なり
・メンバーカラー:ライトグリーン
・BLOG https://ameblo.jp/angerme-new
2019年8月よりハロプロ研修生に加入し、2021年12月にアンジュルムへと加入した。中野サンプラザで行われたコンサートでは、自身の加入発表の直後から「はっきりしようぜ」のパフォーマンスに参加。歌とダンスの高い実力を披露した。YouTubeの企画ではハロプロの先輩メンバーと1対1でパフォーマンスを行い、多くのファンを魅了している。
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■虜になる人続出!その魅力とは?
◎歌とダンス、全メンバーが持つ抜群のパフォーマンス力
アンジュルムの魅力を語るうえで外せないのは、やはりそのパフォーマンス力の高さだろう。彼女たちはアップテンポなダンスナンバーからロック、ファンク、ポップにバラードまで、どんなジャンルの楽曲も自分たちのものにして表現するスキルを備えている。
実際、2022年11月30日に日本武道館で行われたアンジュルムの秋ツアー最終公演『アンジュルム concert 2022 autumn final ANGEL SMILE』では、スマイレージ時代も含めて多様な楽曲を披露。ポップでかわいらしいものから大人らしくクールなものまで、様々な世界観を次々と表現したステージは圧巻だった。
▼【ハロ!ステ#456】アンジュルム concert 2022 autumn final ANGEL SMILE「有頂天LOVE & I 無双 Strong!」ハロー!キッチン
パフォーマンスについては、各種インタビューから、各メンバーが楽曲の世界観を最高の形で表現するために考え抜いている姿が垣間見える。プロの表現者としてステージに立つ彼女たちは本当にカッコ良く、一瞬たりとも目が離せない。
◎個性がかけ合わさって生まれるグループの魅力
尖った個性を持つメンバーが集結したアンジュルムは、それぞれの魅力がパズルのように組み合わさることで、グループ全体の魅力が浮かび上がってくる稀有なアイドルと言える。この特徴をより実感できるのは、2018年や2019年のコンサートツアーではないだろうか。このツアーでは、各メンバーが好きな柄の衣装を着て、好きな色のメイクをしてステージに立った。統一された衣装でなくとも“アンジュルム”として成立していた公演は、彼女たちならでは。際立つ個性が衝突せずに相乗効果を生み出すのは、竹内朱莉や佐々木莉佳子がメディアで度々語っているように、“自分らしくあること”や“自分がいちばん良いと思う自分を見せること”を大切にするという思いがメンバー全員に根づいているからこそなのだ。
◎「あなたはどうありたい?」心に響くメッセージ
アンジュルムの楽曲は、女性の凛とした強さや周囲に流されないで生きるというテーマを描いたものが多い印象である。ただ、その表現方法はハロプロらしく、ベースにあるのはあくまで“日常”だ。
例えば、2022年5月リリースのトリプルA面シングルに収録された「愛すべきべきHuman Life」ではこんなフレーズがある。
▼「愛すべきべき Human Life」Promotion Edit
“例えばテーマパークで 名も知らない人に 人は何思って手振るの? 君は振り返せる人? ってことも自分次第 あれもこれも 有能ブームもそれぞれ”
生活の中のワンシーンと地続きにあるところから“あなたはどう生きたいの?”と問いかけられるからこそ、歌詞のテーマやメッセージがずしっと響き、多くのファンの心を掴んでいる。
■女性の強さを描いたアンジュルムの人気曲5選
「大器晩成」
2015年2月4日に発売した、グループ名変更後初のシングル。フジテレビ系『めちゃ×2イケてるッ!』のエンディングテーマにも起用され、発売初日から売上は好調。オリコンでは週間ランキング2位と月間ランキング10位を記録した。作詞作曲は中島卓偉が担当し、70年代ディスコをテーマとしたファンク調の楽曲はライブでも定番。スマイレージ時代には苦節も経験したアンジュルムが歌う“是が非でもチャンスをものにして 今証明してやんなきゃ”の歌詞は心に刺さり、大きな仕事やあらたな挑戦の前に聴くと非常に励まされる一曲だ。
「46億年LOVE」
2018年10月にリリースされ、「大器晩成」以来の両A面シングルに収録された楽曲。オリコンランキングではデイリー2位、週間5位を記録。本楽曲も「大器晩成」とともにライブの定番だ。目の前の恋愛に葛藤する主人公から始まり、壮大なスケールで“愛”を描いた歌詞は、ハロプロではおなじみの児玉雨子が作詞を担当。ライブやMVで見せるメンバーの楽しそうな表情が魅力的なのはもちろん、思わず縦ノリしたくなるミディアムなディスコファンク調のサウンドも聴き応えがある作品。
「次々続々」
2016年4月27日に発売されたトリプルA面シングルに収録された楽曲で、元メンバー・田村芽実の卒業シングル。「大器晩成/乙女の逆襲」の売上げ記録を更新し、オリコンランキングでは週間2位、月間6位を記録。本楽曲は出会いや別れがテーマ。“あの思い出に追い抜かれぬように 人生の路 いざたて最前線”というような、メンバーやファンに向けた応援メッセージのこもった歌詞が心に響く。ラップも入った、クールな雰囲気のEDM。
「悔しいわ」
2022年10月19日発売の両A面シングル。Billboard Japan Hot100で9位に入るなど、リリース直後から大きな反響のある楽曲だ。作詞作曲は「大器晩成」を手がけた中島卓偉で、アップテンポなファンクナンバーに仕上がっている。リズムに対して正確に歌とダンスを入れなければ独特のグルーヴ感が出ない高難度な楽曲だが、それらを自分のものにしてパフォーマンスするメンバーの姿はライブでもMVでも圧巻だ。
「Piece of Peace~しあわせのパズル~」
「悔しいわ」同様、2022年10月19日発売の両A面シングル収録曲。あたたかみのあるミディアムバラードで、ハロプロ楽曲を数多く手掛ける星部ショウが作詞を担当。リーダーの竹内朱莉をイメージして書いたという歌詞は、多様な個性が集まりながら結束力の高いグループの雰囲気を描き出しており、歌詞カードを見ながら楽曲を聴くとアンジュルムの魅力を再発見できる楽しさがある。MVではメンバーの伸びやかな歌声とともに、10代、20代ならではの爽やかな笑顔やアンニュイな横顔の美しさにも注目してほしい。
■互いの夢へ突き進む、アンジュルム
2023年春ツアーをもってリーダーの竹内朱莉が卒業を予定しており、グループとしては新章に向かう。
これまでも各時代ごとのメンバーの個性を受容することで、大きく成長してきたアンジュルム。魅力がかけ合わさることで、唯一無二の存在感を誇る彼女たちは、今後、どのような姿を見せてくれるのだろうか。互いの信じる夢へ向かって…人々の心を照らす、活躍することを期待している。
TEXT BY 市岡光子
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